…どうしよう。
想楽ちゃんは、太陽くんに振られた私のこと、慰めてくれたのに。
「相原?」
と、聞き覚えのある声がした。
顔を上げると、皆見くんがいた。
「皆見…くん…」
「お前、遅刻するぞ。」
「…うん」
「…」
このまま一緒に行くの?
無理だよ…。
皆見くんはもう怖くなくなったけど、他の誰かに私たちが一緒にいるところを見られたら…
絶対に噂の的になる。
「早く行くぞ」
「…え、う…」
答えに困っていると、皆見くんが先に歩き出した。
とりあえず少し間を開けて、皆見くんのちょっと後ろを歩く。
すると、ある異変に気がついた。
「…太陽くんは?」
皆見くんがゆっくり振り向いた。
「…知らね」
絶対何か知ってるはずだ。
いっつも一緒に学校に来てるのに、突然一緒に来なくなった。
おかしい。
「何か知ってるんでしょ?」
「お前、これ聞いても傷つかないか」
「…っ…」
それは、私にとってマイナスの事なんだ。
でも、理由を知りたい。
「あいつら、昨日から付き合い始めたらしいぞ」
「…え?」
「…小日向と、友利。」
嘘。
なんで、
なんで、
まだ、友利さんのは来たばっかなのに。
しかも、隣のクラスなのに。
「今日から、一緒に行くことにしたらしいぞ」
皆見くんはそう言い、
「ほら」
と、私の後ろの方を指差した。
そこには、いつも見つめ続けてきた大好きな小日向くんと、子柄で、お人形みたいな可愛い顔をしている女の子がいた。
ー美桜ちゃん。
二人とも、ぎこちない距離で歩いていて、でもたまに、笑う事もあって。
その姿を見ているのが辛くて、思わず目を逸らした。
「なんでだろうな」
ふと、皆見くんが口にした。
黙って皆見くんの顔を見つめると、皆見くんは少し顔を赤くして、
「お前は、いいやつなのに、なんであいつは振ったんだろうな」
そう皆見くんが口にした瞬間、頭がかっとなった。
「ほっといて!!」
皆見くんを睨みつけ、走って皆見くんを追い抜いた。
決して振り返らずに。
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ちょっとウザい人がいたんで、そいつのニックネームで書いてみましたwww