「誕生日」byコ蘭(新蘭)
コナン「ハッピーバースデー蘭姉ちゃん!」
蘭「コナン君…ありがとう」
コナンは蘭の寂しそうな表情に気付いた。
コナン「蘭姉ちゃん?どうしたの…?」
蘭「ううん、何でもないよ」
まただ―。涙をこらえてしまう、優しすぎる蘭。
辛くても誤魔化す蘭。
蘭「ただ―。新一も来れたら良かったのに、って…でも、無理だよね。新一、忙しいもんね」
コナン(蘭…)
こんな時にも元の身体に戻る事は出来ない。
本当は蘭に素顔で会いたいのに…
蘭「なんて、ゴメンね、コナン君…コナン君にこんな話しちゃって」
コナン「蘭姉ちゃん、ボク、ちょっと博士ん家行ってくる!」
勿論、本当に博士の家へ行く訳ではない。
思い付いた事があるのだ。
そして電話ボックスから、蘭の携帯に電話をかける。
蘭「コナン君にだけは、傍にいてほしかったのに…」
涙目になり、机に突っ伏す。
その途端、着信音が鳴り響く。
蘭「誰だろ―?」
蘭「はい、もしもし…」
コナンは変声機を口に当てる。
新一(変声機)「よぉ蘭―誕生日おめでとう!」
蘭「新一?新一なの?」
新一(変声機)「バーロ。なぁに寝ぼけてんだよ」
蘭「電話、ありがとう。忙しいのに、わざわざゴメンね?」
新一(変声機)「恋人の誕生日なんだ、たとえ地球の裏側に居たって祝いたいと思うのが普通だろ?」
恋人―。新一が私を恋人と言ってくれた。
蘭は嬉しくて、思わず笑みが溢れる。
蘭「フフ。本当にありがとね」
新一(変声機)「後でポスト、見ろよ?」
蘭「ポスト―…?」
コナンは探偵事務所を出た時に、ポストに
プレゼントをいれておいたのだ。
新一(変声機)「じゃあな!」
ブツッ。いきなり電話が切れた。
それも新一らしい。
蘭「あ、ポスト…」
蘭はポストを覗く。すると、丁寧にラッピングされた
プレゼントが入っていた。
蘭(もしかしてコレ、新一が?)
蘭はリボンをほどき、中を開けた。
中には可愛らしい髪飾りが入っていた。
蘭(コレ…何処かで…)
後編に続く