part2
自己紹介は無事終わり、授業が始まった。
一時間目は算数だった。
前の学校より遅れていたので、復習の感覚で黒板を写していた。
すると、先生は問題をかきはじめた。
「じゃあ、この問題は…笹木さん、解いてください!」
嘘!?私〜!?
分かっている問題だけど、みんなの前で発表するのはやはり、緊張する。
「えっと…ってあれ?」
私が答えを言おうとしたら、くらっとした。
そして、倒れてしまった。
「っつ…あれ…?」
私は目が覚めた。私は保健室で寝ていたようだった。
「あ!気がついた!よかった!」
かなりの大声だったので、私はびっくりして、声がした入り口を見た。
そこには、ツインテールの女の子が立っていた。
「大丈夫?貧血だったみたい。」
「う…うん…だいじょう…ぶかな、」
私はこんなに優しい子がいることに、この学校での生活に少し安心感が芽生えた。
前の学校より、私を受けとめてくれるかも、と期待した。
前の学校は、おしゃれなお嬢様がクラスを仕切っていて、私は毎日読書をしていた。
たまに、幼稚園が同じだった友達が話してくれたが、基本的に一人だった。
人見知りな私を受けとめてくれなかったからだ、と思っている。
「よかった!あ!私は綾瀬 花日。よろしくね!」
「えっと…私はって知ってるか…」
私は自己紹介をしかけて、既に自己紹介はしていることに気がついた。
「あのさ、よかったら、だけど、私と友達にならない?」
えっ…私に…友達?
「こんな私でもいいの?せめて他影さんとか…」
「ううん!私は笹木さんと友達になりたい!」
私は半泣きだった。
私は友達になりたい、と言われたことがないのだ。
「ありがとう!私は優香でいいよ。」
あれ…?私、普通に話している。
何でかな…
「私は花日でいいよ!よろしくね、優香ちゃん!」
花日ちゃんはニコッと笑ってそういった。
つられて私も笑顔になった。
「よろしくね、花日ちゃん。」
笹木 優香、12歳。新しい友達が出来ました!