「新しいお友達を紹介しまーす!」
お友達って……作る気ないし。
私は、赤崎 埜々香。小学6年生。最近転校してばっかり。いわゆる転勤族ってやつ。
今回も、そう長くは無いだろうな。
「赤崎 埜々香です。のっかーって呼ばれてます」
「じゃ、赤崎さん宮瀬さんの隣に…」
宮瀬?どこか分からないんだけど。
私がおどおどしていると、一番前の席のポニテ女子が、斜め後ろを指差した。
…ここってことね。そこは、一番廊下側の二番目だった。
私は隣の宮瀬という男子をちらっと見る。どんな子かくらい、知っといた方がいいよね。
「よろしく」
そう言った宮瀬の顔は、猫…だった。
「えええええ⁉何でぇ⁉」
「どうしたの、赤崎さん」
私が驚きで叫んでいると、先生が声をかけた。
「えええええ⁉何で注意しないの⁉絶対なんか被ってるでしょ⁉」
私は勢いのあまり、椅子から立ち上がり、壁に手を付く。
何で注意しないの⁉この状態で‼
「え…」
「赤崎…さん?」
私はみんなの反応に、更に驚き、床に座り込んだ。
何でこんなことになるんだよ〜!
私が座り込んだからか、宮瀬は「おい、大丈夫かよ」と言い、私に手を貸した。
私は宮瀬に引っ張られながら立ち上がって顔をまじまじと見る。その顔はどう見てもやっぱり……
「やっぱり猫じゃん!」
「え…⁉」
私の叫び声に、クラス全員が絶句した。