「 …あの、大丈夫かな? 」
「 さっきあんな事があったんですから、気分も悪くなりますよね… 」
…聞き覚えのない声が聞こえる?
すっかり俯きへたりこんでしまった私は、上から聞こえた声の主を確認するべく顔を上げる。
そこには柔和そうな顔をした少女と、パーカーを着たやや中性的な少年と…こちらに駆け寄ってくる石丸くんの姿が見えた。
…いつまでも座り込んでいる訳にはいかない。
そう思った私はよろよろと立ち上がると、先ず二人に最初に思った疑問を問い掛けた。
咲希島「 …貴女達はどうしてここに? 」
「 私はこの学園の校門を潜ったら意識を失って…こちらの苗木くんと一緒に行動していたんです。 」
少女が視線を向けると、向けられた少年が同じ様に自分達に何があったのかを説明する。
「 うん、僕も学園に入ろうとしたら眩暈がして…目覚めた時には空き教室に居たんだよ。それでそこの机に置いてあったメモを見て舞園さんと一緒に体育館に来たんだけど、まさかこんな事になるなんて… 」
少年が落ち込んでいる姿を見せると、舞園と呼ばれた少女がふと思い出したかの様に、最後辺りの言葉は濁しながらこう呟く。
「 そうだ!折角ですし自己紹介でもしませんか?…これから、色々と何かが起きそうですし… 」