咲希島「 自己紹介、確かに良案かもしれないわね。 」
そう呟くと少女は優しげな微笑みをこちらに見せたまま、軽やかな声で応対する。
「 そうですね、それじゃあ… 」
「 私の名前は舞園さやかです。超高校級のアイドルという才能でこの学園に招かれた筈なんですけど… こんな事になっちゃいましたね… でも、出来る限りの事をしましょう?ほら、希望は前に何とやらって言うじゃないですか。 」
長い睫毛に縁取られた藍色の瞳、端正に整った顔に滑らかな肌、艶やかな黒髪に女性らしいスタイル… 正しく「清楚美人」という言葉が相応しい風貌をしている。
「 ボクは苗木誠、超高校級の幸運って才能で入ってきたんだ。でも正直幸運って微妙な才能だよね… 」
もう一人の少年は、低めの身長にパーカーを羽織り、中性的な顔の造りをしている。
こちらは平均な高校生と言って差し支えなさそうね。
石丸「 君達、意志疎通を詳しく行うのはいいが時間を掛けすぎだ!自己紹介で一日の半分を潰す勢いだぞ!因みに僕は石丸清多夏、超高校級の風紀委員だ! 」
咲希島「 自然に会話に割り込んで来たわね…私は咲希島春香、超高校級の選択力よ。 」
いつの間にか隣に立っていた石丸くんの後に自己紹介を返すと、苗木くんが辺りを見渡しながら
苗木「 僕達はこの学園の探索をしに行くけど… 二人はどうするの? 」
石丸「 うむ!ならば僕は咲希島くんと他の超高校級の諸君に話を聞きに行こう!…こんな異常事態だからな、多少の不純異性交遊は…ううむ、やはり駄目だ!君達は探索を終えたらすぐに解散したまえ! 」
咲希島「 それってもしかして私達も含まれてる? 」
石丸「 当然だ! 」
咲希島「 …縛られるのは好きじゃないわ 」