楽しそうな雰囲気が滲み出てくる教室。
久しぶりに見る私の顔を、クラスメートたちはどんな目で見るのだろう。
もともと、クラスで目立つ方ではなかった私は、教室に入っても誰にも何も反応されないのではないかと気が落ち着かない。
教室のドアは開いていて、笑い声や話し声がたくさん聞こえてくる。
ゆっくりではありながら、一歩一歩確実に進む。
そして、教室に足を踏み入れた。
ガヤガヤとしていた教室が静まり返る。
「あれっ?カコ!?」
想楽ちゃんの声が沈黙を破った。
「久しぶり〜、元気だった?」
前と変わらない笑顔を見せられて、優しく話しかけられ、少し涙腺が緩んだ。
「うん…想楽ちゃん、久しぶり」
そう言うと、想楽ちゃんにぎゅっと抱きしめられた。
「良かった、戻ってきてくれて」
「想楽ちゃ……」
「相原さん、久しぶりー!!」
「やっほー!」
「おはよう相原さん」
次々とクラスメートの子たちが話しかけてくれて、私のさっきまでの不安は一気に消えた。