(>>31の続き)
「―ドッキリ、だって?それってどういう…」
アラジンは彼女に問う。アラジンは困惑していた。
確かに、違和感は感じたし疑問も持った。
だが…目の前の彼女はジャスミンにしか見えない。
「だって、どう見てもジャスミンにしか見えないじゃないか!どういうことなんだい?何かトリックがあるとか?」
アラジンは続けて言う。
その言葉を聞き、アカネは必死に言い訳を考えた。
まさか、貴方が大好きだから市場で出会った
"優しい魔法使い "に頼んでジャスミンの姿になったのよ!
とは言える訳もない。正体を明かそうと決心した
アカネだが、それほどの勇気はなかった。
じ、とまっすぐアラジンの目はアカネを見ている。
「あ、そ、それは…し、知り合いの"優しい魔法使いさん "に頼んでこの姿になったのよ」
アカネの頭に浮かんだ言い訳はこれだった。
"貴方が大好き "という部分は省いたが嘘はついていない
つもりである。
「へぇ、そうなんだ!それはそっくりな筈だな!だって魔法を使ったんだもの。だけど…何の為に?」
―そう。トリックが分かった今、アラジンの疑問は
そのことだった。アカネは内心ギクリとしたが
ちょうどよい言い訳を思い付く。彼女はその言い訳を
口にした。
「勿論、貴方を驚かせる為よ。それ以外に何があると思って?」
それを聞き、アラジンはぷっと吹き出した。
何だ、そんな簡単な理由だったのか。彼は思った。