*with you in a new world*~アラジン二次創作~

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31:樹音@新一 ◆6Y:2019/11/06(水) 19:52 ID:y2Y

*第十話 本当にジャスミンなのか *

―アラジンはモヤモヤとした気持ちを
抱えていた。確かに自分は、ジャスミンを
心の底から…もっと言うと世界一愛している。
その気持ちは初めてジャスミンを市場で見た時から
変わっていない。なのに―噴水で久しぶりに
二人になった時何か違和感を感じた。
"本当にジャスミンなのか " アラジンの胸に
そんな疑念の気持ちが芽生えた。はぁっと一旦
溜め息をつき、モヤモヤする気持ちを落ち着かせる。

「やっぱり、こういう時ってちゃんと話した方が良いのかな?」

アラジンは呟くように言った。すると、どこに
紛れ込んでいたのか、相棒の猿、アブーがひょっこり
現れた。アラジンはフッと笑みを浮かべ、アブーの
頭を撫でる。そして今度はアブーに話しかけるような
口調で言った。

「やっぱり、話すよ。ジャスミンと。だってもう、嘘はつかないって約束はしたからね」

アブーをチラリと見ると、うんうんと言っている
ように頷いた。それを確認すると、ジャスミンの
元へ向かう。

「―ジャスミン。少し話したいことがあるんだ」

彼女はまだ噴水にいた。ジャスミンの姿をした
アカネは涙をごしごしと拭き、アラジンの方を
向く。何の話?少し身が固くなるような感覚を覚えた。

「何?」

「その、言いにくいんだけど…君は、君は本当に…ジャスミンなのか?」

アラジンは答えた。アカネはびくっとしたが、
後に笑う。

「―ドッキリ大成功ね!実はあたし、アカネなのよ!」

そんな、思いもよらない彼女の答えにアラジンは
唖然とした。

実はアカネ自身、正体をアラジンに明かそうと
していたのだ。嫌われても良い、ここから
追い出されても良い。でも、本当のことを
言わなくちゃ。愛しているなら尚更よ。泣きながら
アカネは決心していたのである。


樹音@新一 ◆6Y:2019/11/07(木) 20:33 ID:y2Y [返信]

誤字発見…
アラジンの台詞
×「やっぱり、話すよ。ジャスミンと。だってもう、嘘はつかないって約束はしたからね」

○「やっぱり、話すよ。ジャスミンと。だってもう、嘘はつかないって約束をしたからね」

すみませんでした_(._.)_


樹音@新一 ◆6Y:2019/11/13(水) 20:08 ID:Mls [返信]

(>>31の続き)

「―ドッキリ、だって?それってどういう…」

アラジンは彼女に問う。アラジンは困惑していた。
確かに、違和感は感じたし疑問も持った。
だが…目の前の彼女はジャスミンにしか見えない。

「だって、どう見てもジャスミンにしか見えないじゃないか!どういうことなんだい?何かトリックがあるとか?」

アラジンは続けて言う。

その言葉を聞き、アカネは必死に言い訳を考えた。
まさか、貴方が大好きだから市場で出会った
"優しい魔法使い "に頼んでジャスミンの姿になったのよ!
とは言える訳もない。正体を明かそうと決心した
アカネだが、それほどの勇気はなかった。
じ、とまっすぐアラジンの目はアカネを見ている。

「あ、そ、それは…し、知り合いの"優しい魔法使いさん "に頼んでこの姿になったのよ」

アカネの頭に浮かんだ言い訳はこれだった。
"貴方が大好き "という部分は省いたが嘘はついていない
つもりである。

「へぇ、そうなんだ!それはそっくりな筈だな!だって魔法を使ったんだもの。だけど…何の為に?」

―そう。トリックが分かった今、アラジンの疑問は
そのことだった。アカネは内心ギクリとしたが
ちょうどよい言い訳を思い付く。彼女はその言い訳を
口にした。

「勿論、貴方を驚かせる為よ。それ以外に何があると思って?」

それを聞き、アラジンはぷっと吹き出した。
何だ、そんな簡単な理由だったのか。彼は思った。


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