フラワープリキュア

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2:匿名さん:2020/02/16(日) 15:45 ID:zbk

「桜、おはよう!」

「雛菊ちゃん!おはよう」

「あんた今日の宿題ちゃんとやった?」

「うん!昨日 雛菊ちゃんが教えてくれたからバッチリ!」

通学路を1人で歩いていると、後ろから幼馴染の雛菊ちゃんが声をかけてきた。
雛菊ちゃんとは小学校からずっと同じで、いじめられていた私を守ってくれた、大好きな人だ。

「雛菊センパーイ!」

「今行くー!じゃあ桜、私朝練あるから。」

「うん、また後でね!」

部活の後輩に呼ばれ、雛菊ちゃんは朝練に行ってしまった。雛菊ちゃんは陸上部のエースで、彼女の朝練の時間に私は図書室で本を読んでいる。
といっても、勉強が苦手な私は童話や簡単な物語しか読めないんだけどね。

「今日は何読もうかなぁ」

目に入ったのはシンデレラ。私はそっとそれを本棚から取り出し、机まで持っていく。まだ朝早い時間なので、図書室には誰もいなくてとても静かだ。

「それ、シンデレラだよね」

「え?」

顔を上げると、見知らぬ男の人が座っていた。
とても綺麗な顔…制服を着てないけど、ここの生徒かな?見たことないけど…
彼は私が読んでいた本に、目をキラキラさせながら優しく触れる。

「女の子が幸せになる話の代表だ…」

「…えっと、あの、」

「君は知ってるかい?シンデレラの原作の結末は、とても残酷なことを」

「え?」

「シンデレラを虐めていた義姉と継母は、王子とシンデレラの結婚式で青い鳥に目をくり抜かれるんだ」

思わず息を呑んだ。大好きで、幸せなお話にそんな事実があったなんて…!
彼は静かに微笑むと、席を立った。しーっと言うふうに人差し指を口の前で立てて。

「あまり言ってはいけないよ。残酷な話だからね」

「どうして私には言ったの?」

「さあ、どうしてかな…僕にも分からないよ」

そう言って、図書室から出て行ってしまった。
もう!私だってそんな結末知りたくなかったよ!
ぶくっとほっぺを膨らませてみるが、彼にこの気持ちが届くはずもなく。時計を見れば陸上部の朝練が終わる頃だった。カバンを掴み、校庭へ向かう。

「雛菊ちゃーん!」

「桜!」

「朝練お疲れ様」

「ありがとう。さ、行こっか」

「うん!」


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