ファイナルファンタジー二次創作「失われた名声と自由」

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2:匿名さん:2023/11/20(月) 17:50 ID:CCM

一.(お馬鹿な人間のこと)

抜き足・差し足・忍び足……
息を潜めて慎重に進む。
ようやく近道も残り半分……
モンスターウェルサイドポイント(化け物の井戸端会議場)に差し掛かる。
私たち冒険者はモンスターの群れる場所をこう呼んでいる。
「さて今日はだいじょうぶかな」
岩場の影からポイントを覗くとモンスターが四匹群がっている。
クゥダフだ。
「あちゃ〜」
こいつらは私達同等の知恵を持ち、魔法もある程度だが使う者もいる。
四匹まとまってこられたら装備不十分の今の私には勝ち目があるだろうか?
「距離五十メートルってとこかな」
私は携帯用の計測スコープを右目にあてつつ、頭をポリポリ掻きながら得策を考える。
「走って逃げ切れそうなんだけどなぁ〜」
推測だと逃げ切れる。が、万が一予定外の事態が起こったときは死がまっている。
確実な方法ではないが限りなく安全な策を思いついた。
上手い具合に共同団体らしき冒険者の団体がいる。
『共同団体』
気のあった冒険者同士複数で行動をともにしている、いわゆるチームである。
「よしっ一丁やってやりますか」
私はその団体の目の前にストーンを放つ。
無論岩場の影からばれない様にクゥダフが仕掛けたと見せかける為に。
我ながらアクドイ方法だな。自分でもそう思う……でも死にたくないし。
「おっ引っかかった引っかかった」
団体はクゥダフに襲い掛かっている。
推測どおり彼らは『共同団体』だったみたい。
ひょっとすると私達のほうが馬鹿なんじゃ?とかつい思う……
自分を含め馬鹿な団体さんを後にして私は近道を抜ける事に成功した。


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