二.(柄の悪いお兄さんのこと)
バストゥーク商業区出口ようやく帰ってきた。
出口辺りは少々人も多いし、ここを待ち合わせに指定する人もいる。
現に二十人程度はいるみたいである。
「そいつをよこしな。ショートカットのお嬢さん」
追いはぎか……
その中の一人の男が私のサックを指差し舌なめずりしている。見たとこ戦士かそこら。
冒険者生活は裕福である。わずか一日で一般人の月給に等しい収入がある。
安定はしてはいないが食いっぱぐれる事はまず無い。
故にワーパー『働き者』と呼ばれる特別な冒険者もいる。
かくいう私もその一人なのだ。