やがて私が大声で泣き続けていると、先生が早足で駆けつけてきた。
「はとちゃん、どうしたの?」
泣き叫ぶ私と駆けつけてきた先生のせいで、周りで遊んでいた子達が野次馬のように集まってくる。
私は先生に答えずただ黙っていた。.....だって張本人が、せーがすぐ目の前にいるじゃない!ここで「せーちゃんが押してきた」なんて言ったら、また何かされるのではないか?
野次馬の皆が私に向かって「どしたん?」と心配する言葉を投げつける。中には「スズメバチにさされたんやないんやけん、そんなに泣かんのよ」なんて、幼稚園児らしい意味不明な例えを使って心配してくれた子もいた。
「そんな泣きよったらスズメバチにさされるよ」
今思い出しても意味不明であるが、なんとなく言いたいことはわかる...ような気がした。
ずっと泣いてばかりの私に、先生が「とりあえず口洗いにいこうか」と私の手を引っ張り手洗い場へ連れていかせた。
私はせーが怖くてたまらない。だからなかなか泣きやまなかった。
それでは>>30の続きから。
あれからというものの、私はせーに恐怖を覚えてあの子と遊びたくないと思うようになった。
それでも内気というレベルを通り越した内気の私は、もし彼女と遊ばなくなったらまた何か言われるんじゃないかと勝手に妄想をして誘われた遊びを断れなくなった。