夢からの落下
>>5夢からの落下、了解した
ありがとう
>>5【夢からの落下】
最近、変な夢ばかり見る。毎日同じ夢、そしていつも、同じ終わり方。
いつも俺は夢の中で、どこか分からない道を歩いている。
その道はまるで天国のように穏やかで、俺はいつも決まってこう言うのだ。
「ずっと、ここに居たいなぁ」
俺がそれを言った瞬間、夢に終わりが訪れる。目覚し時計のベルで目覚めると、見慣れた天井がいつもそこにある。
何度も見た夢だ。もう、忘れようにも忘れられない。むしろその夢は、俺の日常の一部だった。
朝食を口に頬張り、時計を見る。
時計の針は予定の登校時間を指し示していて、全身にけだるさを感じた。
玄関を開けると、夏とは思えない程爽やかな天気だ。むしろ、肌寒いくらいの気温を感じながら、また夢を思い出す。
いつも夢の中で通る道は、こんなにも憂鬱な気持ちだっただろうか?
いいや、違う。あんなにも穏やかで、あんなにも温かかった。今の状況とは、真逆だ。
あぁ、もう一度あそこへ行きたい。今すぐに、そこへ行きたい。
学校なんて、行きたくない。あの場所は、あそこにいる人間たちは、俺の事を拒否するのだ。
こんなにも憂鬱な毎日。こんな毎日を、俺は何度過ごすんだ?俺は、いつ、幸せになれるんだ?
「おはよう」と、校門に立ち挨拶をする教師の横を、走って駆け抜けた。
いつのまにか走り出していた様で、少し、心臓がいたい。
全速力で、階段を駆け上がる。教室がある二階も、無視して駆け上がる。
あぁ、もういい。どうでもいい。早く、早く、あそこへ行きたい。天国のような場所へ。俺を受け入れてくれる場所へ。
建物で言えば四階。けれど実際は四階よりも少しだけ高い、屋上。
いつも閉まっているはずの扉が、開いていた。
ドアノブを回し、扉を開けると、ぎぎぎと深いな音が鳴る。
少し汗ばんだ額を、風が乾かす。やっぱり、今日は少し寒い。
進む足は、止まらない。屋上から見える景色は、とても爽快だ。俺は無意識に、笑っていた。
「あぁ、やっとあそこへ行ける」
――――ジリリリリリリリリリ……
目覚ましの音が、頭を刺激する。
ぼやけた視界が徐々にクリアになっていき、思考が冴えてゆく。
最近、変な夢ばかり見る。毎日同じ夢、そしていつも、同じ終わり方。
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