安価のお題で主が短編小説書くスレ

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24:匿名:2017/01/04(水) 23:14

>>8 の題名で書いていく。(題名は俺は書き込まないアク禁怖い)

「ねえ、聞いた?。」
私の周りで、コソコソと噂話が繰り広げられる。
田舎は噂話が広がるのが早い、というけれど、この都会だって、相当なものだ。人数が多いのだから、全員が興味を持つような噂があれば、広がるのも一瞬。
ただその噂に対する興味など薄いもので、田舎のように何か月も語り継がれることはない。次の日にでもなれば、噂などなかったもののように扱われる。


それなのに、だ。ある噂だけが一週間経っても、風化せずに残っていた。
噂の内容は、「AさんがBさんと付き合っている」なんてものではなく、いつになく物騒で、都市伝説のような存在だった。

「夜に出歩いたら、男の人に連れ去られちゃうんだって。しかもね、連れ去られるのは女の子だけじゃなくて、男の子も。」


私の隣で噂話をしている女が、そう話をつづけた。
このうわさが広がってからというもの、夜に出歩く人は減った。異様なほどに。
いつもなら数人たむろしているはずのコンビニの前でも、駅のホームでさえ、人の気配がない。
都会であるはずの場所が、こんなにも静かになることを誰が予想していただろうか。
どこに行っても、誰もいないのではないか。そう思ってしまうぐらいだ。

「ねえ、その話ほんと?」
「せ、先輩!?」

私が声をかけると、女…もとい後輩は、驚いた反応をした。
そして慌てて言葉を繋げる。

「ほ、本当っていうか…そういう話があるだけで…」

後輩と喋っていた子も、うんうんと頷く。

「へぇ…怖いね。一人で帰れる?」
「あっ、はい!大丈夫です。…先輩は?」
「私は、平気。」


「またね」と告げて、私は立ち去った。
まだ薄暗い、日没まで1時間ほどの時間帯。まだまだ町に人はあふれている。
きっと周りが暗くなれば、この人々も家に籠ってしまうのだろう。私は急ぎ足で、家へ帰った。



玄関をあけ、扉が閉まった瞬間に、私は堪えていたものがあふれ出した。

「ふ、ふふっ…あははは!!」

大声で笑った。まさかこんなにも、噂が広まるなんて。
興味本位でながしてみた噂、そしてそれが広がって、こんなにも都会を犯していくだなんて、思わなかった。
私の噂話が、都会から、人をけした。あぁ、なんて愉快な。



噂話を怖がってする後輩の顔を思い出して、私はまた愉悦に浸る。
自室のドアをあけると、扉がつっかえて開かなかたので、強引に押し切った。
ひどい臭い、飛び回るハエ。床に倒れた、数人の死体。そろそろ片付けなきゃ、と口に出しながら、考えた。
次は誰にしよう。後輩にでもしようか。
そう考えてまた、誰もいない都会を思うのだ。
この都会はまさしく、私が犯した空間なのだ。
この都会はまさしく


匿名:2017/01/04(水) 23:19 [返信]


うぷ(苦手)


匿名:2017/01/04(水) 23:20 [返信]

>>8のお題に忠実だ…しゅごいぃ…


匿名:2017/01/05(木) 01:30 [返信]

ゴジラみたいなのを想像してたら全然違ってて草
でも題名に忠実で面白かった


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