「...ううぁ」
お兄さんは絞り出すような声を出した。涙がどんどん溢れてくる。
「うぅ、か...れん...父さん...」
『大丈夫ですよ兄様、大丈夫』
美菜子は優しく彼の頭をなでた。
「いやだぁ、椛怜...美菜子...いなくならないでくれ...美菜子」
うなされている兄の髪を、美菜子は撫で続ける。彼の固く閉じた目からは涙が流れていた。
「大丈夫ですよ」
悲しげな笑顔を浮かべて美菜子は呟く。
「いなくなったりなんかしませんよ。兄様、美菜子はずっと側にいますよ」
(>>160 なんか>>138の名前の意図を分かってくれて嬉しい)