ようこそ、美しい死の花園へ【自創作】

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84:匿名:2019/04/17(水) 22:23

ハナズオウちゃんの過去書いた
改変とかは任せる

とある大きな国の貧しい夫婦の間に生まれた一人娘。それが彼女だった。家庭は貧しいながらも幸せで、彼女は可憐に少女に育った。
しかしそんな幸せな日々も長くは続かず、社会では貧しい人々への偏見が強まっていった。そのせいで学校にも通えなくなってしまった彼女は、たった10歳にも関わらずとある富豪の家で召し使いとして働きに出されることになった。
住み込みで食事なども付いている、という条件からすると最高の職にも思えた。
しかし実際働いてみると、そんな希望は完全に幻想だったことがすぐに分かった。
正式な契約など全くない貧民相手のため法に触れることなく力仕事や家事、時には主人の欲求を満たすために良からぬことをさせられた。できなければ体に傷も付けられた。彼女の唯一の趣味であった本を読むことさえ禁じられた。その後いつも主人はこう言った。「お前を想って、信じている」
そんな酷い扱いのせいで肌は乾き目はうつろになり、彼女の精神はかなり追い詰められていた。
そのせいか、彼女はいつからか自分の中の「悪魔」と会話ができるようになった。悪魔はとても頭が良く、彼の言うことに従って行動をすれば主人にばれることなく少しマシな日々を送ることができた。最初は悪魔を恐れていた彼女も、だんだんと悪魔を信頼するようになりついには大切な友人のように接するようになった。
そんなある日、悪魔は彼女にこう言った。
「なぁ、自由になりたいんだろ?それなら元凶を無くしてしまえばいい、お前が思うより難しいことじゃない」
そう言うと、悪魔は黙ってしまい彼女が何を言っても無視を決め込むようになった。
自由、とは解放されること、元凶が主人であることは分かっていた。
その時、彼女の中でずっと張りつめていた糸のようなものが切れた。
「そうだ、私が苦しんでいるのは主人がいるせい。ならば主人がいなくなれば私は自由だわ」
そう呟くと、悪魔も笑っているような気がした。
彼女は作っていた料理に向けて、国の権力者であるためストレスに晒され病気にかかりやすい主人が愛用している薬のボトルをすべて逆さまにした。錠剤やカプセルが鍋に溶けていく。
料理に少々手を加えにおいなども消し、なに食わぬ顔で持っていくと、主人はまたあの言葉を口にした。「お前なら早く持ってこられると思っていた、信じているからな」そう言って料理を一口食べると、主人が突然苦しみ、えずきだした。椅子から転げ落ちて床を苦しそうに這いずり回る主人。最期は微笑みを浮かべながら立っている彼女に手を伸ばしながら苦しそうな顔で息絶えた。
彼女は逃げた。館から少しでも遠ざかるために。自らの幸せな人生のために。
逃げているうちに、主人がいつも「お前を信じている」と言っていたことを思い出した。
「あれが信頼なら、私は喜んでそれを裏切る。裏切り者として生きてやる」
そう決意する頃には、彼女の中から悪魔の存在は忘れ去られていた。
次の日主人は遺体で見つかったが、世間は彼に未契約の召し使いがいたなど知るよしもなかったため他殺だったとは全く考えられなかった。
彼女も誰にも見つからぬように逃げ回ったが、既に限界を迎えていた小さな体ではそう遠くまで行けるはずもなく、森の中で倒れてそのまま誰にも見つかることはなかったという。


匿名 :2019/04/20(土) 17:44 [返信]

おわ〜過去書いてくれてありがと
とても好きなので採用させてもらうかも


匿名 :2019/04/21(日) 21:32 [返信]

ありがと〜
ハナズオウは原産が中国とからしいのでそこからね
>>84さんが考えてくれた過去とはちょっと外見違っちゃうけどいいなかって()


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