>>735
「高校3年間毎日素振りをしてチームを甲子園に導いた」よりも、
「高校3年間毎日素振りをしたけど最後の夏にはベンチにも入れなかった」
のほうが「物語らしさ」を帯びておらず真実らしく感じるのは、
私たちの日常がときに因果性がなく無秩序であって、探偵はトイレにたっても証拠を見つけず、同窓会で初恋の女の子に再開してもすでに所帯があり、そういう一見して無駄で取るに足らない、仕方の無い日常をそれでも生きているからなんですよね。
私の好きな「NHKにようこそ!」っていう漫画/アニメシリーズから引用
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僕らには、自殺だなんてドラマティックな事に関われる資格はありません。どんなに落ち込んで、苦しんでも、この馬鹿馬鹿しい日常に帰ってくるだけです。もし帰ってこなくても、どこかで馬鹿らしく死ぬだけです。ドラマチックな死は、僕等には相応しくありませんよ。
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ドラマには起承転結があって、
感情の爆発があって、
結末があります。
僕らの日常は、
いつまでもいつまでも
薄らぼんやりした不安に満たされているだけです。
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引用終わり
アリストテレスは、起承転結がなく物語にとって意味のない描写が多い小説を嫌うでしょうけど、それこそが私たちの人生そのものなんですよね。