>>21
B一人称の主体となる人物の感情について
キャラに対して「可愛い」か「カッコイイ」という感情しか抱けないとのことですが、その感情には必ず要因があるはずです。「何が」可愛いのか、かっこいいのか。行動なのか、発言なのか、仕草なのか。「どのように」可愛いのか、かっこいいのか。「例えるなら」何なのか。具体的なことを言いつつ、自分で瞼の裏にイメージを浮かべ、それを文章として書き起こしましょう。なぜなら、いくら作者は頭の中で想い描いていても、読者にはその情景が思い浮かばないからです。また、ただその言動を書かれるだけではあまりに淡白であり、主人公の心情が無いのも味気ないです。かっこいい、そう思う彼に対してどんな感情を抱くのか。そこで止まるのではなく、発展させましょう。例えば恋情を再確認するだとか、何者にも代え難いと思うだとか、最高のパートナーだと思う…などなど。例を少しばかり書きます。
――@かっこいい――
「俺が守ってみせる」
ザッ、と地面に砂埃を立てて敵から私を庇って立つ彼は、どんな童話の王子様よりも格好良く見えた。ああ、きっと私はこんなところに惹かれたんだ。蕩けるような恍惚感を覚え、体の奥が甘美に疼く。ぼんやりと頬に熱が集まるのを感じて、ハッと息を呑む。こんな時に何て私は緊張感が無いのだろう。でも、彼の大きな背中を見ると安心せざるを得なかった。
――Aかわいい――
ばくばくと目の前のケーキを一心不乱に頬張る彼はミルクを与えられた子犬のように必死で、そんな様子は愛おしく感じる。ふと彼の口元に目をやると少しばかりホイップクリームが付いていた。なんてベタなんだ、と慮外に思う一方で、きっと彼が女の子だったら、私以上に可愛いのだろうと少しばかり嫉妬する。でもそれ程に彼はぎゅうと抱きしめたくなるような可愛さを持っているのだ。恋人が抱く感情では無いかも知れないが、それも彼の魅力のひとつである。そんな彼があれ、と声をあげた。
「ケーキ食べないの? 美味しいよ!」
「え、あ、ああ……そうだね」
その声はいつのまにかケーキを食べる手が止まっていたらしい私に向けたものだった。しばらく思考の海に沈んでいた私のしどろもどろな返答に、彼は不思議そうな目を向ける。その顔には、まだクリームがついている。取ってあげようか、と一瞬思案したが、辞めておこう。だって、その方が可愛いもんね!
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私の力量だとこんな感じでしょうか。数が少ないですが、どうでしょう。何となく想像はつきましたか?もう少し具体的な設定やシチュエーションを出して頂ければまた書きます。