ラ・ファン

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1:シャルル=ヴァレフ:2018/12/15(土) 18:30

(もともとパルルマン第三共和国はデス第二帝国との戦争によって屈辱的な敗北に喫した。これによる領域の割譲要求や巨額の賠償金請求などで一時的に不況に陥り、共和国の人民は第二帝国へのリベンジ心や憎悪の気持ちが広まっていった。初等教育においてもその憎悪は顕在化していた。
そのために、帝国内の吸血鬼と人間との統合、共栄には理解に苦しんだ。そして憎んだ。
もともと人間は吸血鬼を受け入れていなかったために、なおさら共和国の人々は帝国で安定した暮らしを送れている吸血鬼をさらに嫉妬、憎悪し始めた。
それらの感情は、爆発してついに共和国のナショナリズムを高揚させた。
共和国の現内閣によって閣議決定された政策として、吸血鬼を滅亡(終わりに)させることを充実させることを示した。
それによって結成されたのが精鋭軍隊ラ・ファン(終わり)である。)

24:シャルル=ヴァレフ:2018/12/18(火) 00:21

(魔力の流れ、そして魔力の高低を察知したシャルルは、虚像と本物をすでに区別していた。
しかし、彼はあえてルージュの優越に漬け込み、虚像との戦闘を続けていた。一瞬のすき、虚像の腕を押さえつけ、膝の間からできた隙間に小銃をすかさず突き出し、それを本物であるルージュの方へと向ける。)

痴れ者が…!恥を知るがいい…!

(シャルルは銀の弾丸を撃ち放つ。その反動で虚像とシャルルは、後方へと吹っ飛んでいく。)

25:シャルル=ヴァレフ:2018/12/18(火) 01:22

(日の光を断ち切る暗雲が空全体に広がっていき、急な大雨が降りだす。暗黒の空には、ところどころに霹靂が放たれる。雷鳴が轟いて荒れ狂う暴雨を一層強くする。嵐の到来である。
共和国軍が使用する爆砕の魔術兵器、銀の弾丸は、個体、流体、液体に触れると爆発する仕様となっている。そのため弾丸の使用は断念せざるおえなくなった。
多くの犠牲を生み出した此度の戦闘は、天候の変化によって、ようやく優勢と劣勢を確定させる転機となった。共和国軍兵士の中には、怖気付く者もいたが、帝国への憎悪から闘志に燃えるシャルルは違った。)

26:名を捨てし者:2018/12/19(水) 07:48

「ぐはっ!!」
腹部を撃ち抜かれたルージュは、その痛みに苦しみ悶える。
完全に油断していた。相手のチカラを見くびっていた罰だ。コピーの技を読まれるなんて…、
空に舞う際、神の槍も地面に置いてきてしまった。これでは傷を癒すことも出来ず、攻撃力アップの効果も使えない
致命的な負傷ではないものの、シャルルからは未だ強い殺意が感じられるし、この状況下で闘いを続行することは躊躇われる。
そう判断したルージュは、よろめきながらも吹っ飛んだシャルルから離れ、残っている仲間に収集をかけた。

ところで…ユラは何処へ行ったんだ?まさか、死んだなんてことは…、

不吉な胸騒ぎが、彼の不安を高めていく。

27:名を捨てし者:2018/12/19(水) 07:49

「ルージュは…ルージュは何処にいる?」

理由は分からないが、彼女もスバルがルージュの命を狙っていることを何故か知っていた。そのため必然的に、自分がルージュの居場所を伝えれば、彼がルージュを必ず殺ることも予想出来た。

しかし、彼女の中には微塵も迷いはない
ユラは、好きな人の腕の中で少しずつルージュへの忠誠心を失って行くのを感じていた。
この人の傍で居られるなら、私は、誰に逆らっても良い──。
彼の温もりの中にはそう思わせる何かがあった

28:名を捨てし者:2018/12/19(水) 07:50

「この状況…ルージュはきっと、拠点へ帰るはずよ」

彼女はアイビスの拠点を記したマップを渡して微笑んだ。そして深い眠りへと落ちていった──

29:ピエール総督:2018/12/19(水) 16:17

ーーパルルマン共和国 陸軍総本部 秘密計画局にて。

かつては陸軍最強国として、この大陸を支配するほどの軍事力を持っていたのだがな…我々も衰えたものだ。中隊規模の吸血鬼ごときにここまで手こずらされるとは。
そういえば、例の『水を司りし吸血鬼』については、我が軍の最良兵器たりうるだろうか。これは政府も知らない最高機密となっていることだが、確か…スバル・グラシエスといったか、国家が集約した情報の提供を受ける代わり、共和国への戦力貢献として共和国側についたとか、巷での噂は雑多なものだが、吸血鬼を憎む共和国がまさか吸血鬼の力を仮借しているとはな、私もまだ事実は知らないが、いずれにせよ、水を司りし吸血鬼は帝国にとっても脅威になりうるだろう。これは格好のチャンスと言えるかもしれないな。

30:スバル:2018/12/19(水) 22:04

ユラを抱え、一旦自分の住み家へと帰宅する。

「お帰りなさいませ」

3人のメイドが迎えてくれる。今日も可愛いねと頭を撫でてやり、彼女達にユラを預ける
…こんなに早く落ちるなんて、全く馬鹿な女だ。まぁいいさ、 お前はもう用済みだから

「道で拾ってきた子だ。屋根裏へでも入れておけ」

「かしこまりました。」

ルージュの拠点を知ることが出来た。彼等は完全に弱ってるから、早めに攻めた方が得策だな
…とりあえず、共和国からの使命は果たせそうだ。

スバルは政府へマップを送り、戦闘の計画を立て始める。

31:シャルル=ヴァレフ:2018/12/19(水) 22:17

不逞の輩よ、祖国に悪成さば、我ら祖国の守護に祈らんとす。蒼氓に宿りし市民の魂よ、我らが祖国を救い給え。吾人は市民の勇猛な精神に愬える。我に祖国を侵さんとする敵を打ち破る力を与えたまえ…!祖国に平和を…!我らに幸運の加護を!ガルディアン・レジーム…!


(共和国軍兵士は、シャルルに続いて詠唱をリピートする。リピートしている最中に魔力が枯渇し、そのまま倒れていく兵士も少なくない。
この詠唱魔術は本来であれば自分たちを防御するためのシールドとして使うのが一般的だが、欠点としてシールドを展開しているときは、シールド内に自分たちが閉じ込められるということである。
その原理を利用して現在、ルージュを含むアイビスはシールド内に閉じ込められている。
シールド内は彼らの魔力エネルギーの総和でシールドの大きさ・堅さを決定する。
展開されたシールドの半径は500メートルほどの円形で、シールドの壁は非常に強固となっている。
一方で、共和国軍兵士は6割近くの兵士が戦闘不能の状態に陥り、残りの4割の兵士もかなり疲労が蓄積している。しかしシャルルの偏執的なまでの吸血鬼への攻撃は未だ軟化の兆しを見せない。)

32:シャルル=ヴァレフ:2018/12/19(水) 22:40

(共和国軍の兵士たちは、シールドを展開する際に魔力が尽きてしまったため、銀の弾丸は完全に使えなくなっていた。すなわち、衰微したアイビスの軍勢とまともに戦っても勝てないということである。
兵士たちは逃げ回る者もいた。シールドの内壁まで行き、こじ開けようと必死になる者もいた。
しかしシャルルはシールドを閉じることを許さなかった。
これは全てシャルルの傲慢さにより引き起こされた惨禍である。だがこの男は認めようとしなかったのだ。シャルルはもう引けないところまで来ていた。老若男女問わず吸血鬼を一方的に虐殺している以上、自分の愚かさを認めてしまったら自分が悪になるからだ。だからこそ最後まで、吸血鬼を殲滅して正当化するために突き通す。共和国の正義などという虚像を信じているシャルルの行動は狂気の沙汰と言える。)

33:名を捨てし者 その頃拠点では─:2018/12/19(水) 22:46

ルージュは負傷したアイビスの一人一人に、ユラの居場所を聞いて回る。だが、殆どの者は知らない又はそれどころではなかったと答え、残りの者は痛みに魘され答えてくれない

迷った末、ルージュは最終手段を取ることにした。
俺にはこれがある。いざとなった時に、と手渡された紫色の瓶を手に取り、飲み干した。

ユラの脳に乗り移る。乗り移る方にも乗り移られる方にも大変な副作用が及ぶものの、今はこれしか出来ない
一縷の望みをかけ、極限まで神経を研ぎ澄ます。

34:名を捨てし者:2018/12/19(水) 22:46

─!?

やっと見えたのは、誇りまみれの小さい部屋だった。ベットの上に寝かされているが、拘束は…されていないな。よかった。

でも、何故だ…?ユラの脳が拒んでいるのか、ぼんやりとしか見えてこない。
その上、苦戦しているうちに映像は完全に途切れてしまった。

35:名を捨てし者:2018/12/19(水) 22:47

取り敢えず分かったのは、ユラが誰かに拉致されているという事実である。

「俺…は、…く…っ!!今行くからな!待ってろ!」

副作用のせいで、ルージュの脳は正常に働いていない。
ルージュの異変に気づいたアイビスの者達が止めるものの、 ユラの幻覚すら見えている彼は皆を振り切り、何も持たずに拠点を飛び出した。

36:共和国軍兵士ジール:2018/12/19(水) 22:47

大隊長殿…!このままでは我が軍は統制不可となり、敵の軍勢に圧倒されてしまいます…!どうか一時撤退命令を…!

37:ルージュ:2018/12/19(水) 22:47

「!?」

38:シャルル=ヴァレフ:2018/12/19(水) 22:48

黙れ…!!
(小銃を引き金を引いて同胞である共和国軍兵士ジールを殺害する。)

39:名を捨てし者:2018/12/19(水) 22:49

ルージュは共和軍を見て、自分の拠点が閉じ込められていることを察した。
アイビスの者達もルージュに続いて出てきて、同じように言葉を失っている

40:スバル:2018/12/19(水) 22:53

「待たせたな。」
シールドを越え、スバルが共和軍に合流する

41:スバル:2018/12/19(水) 22:53

「…シャルル…、お前は何をしているんだ?」

42:名を捨てし者:2018/12/19(水) 23:44

スバルはシャルルに銃口を向ける。
「君の目的は知らないけど、共和国からの使命と僕の計画を邪魔するなら…遠慮はしないよ?」

43:シャルル=ヴァレフ:2018/12/20(木) 21:22

…スバル・グラシエスか。大半の者たちは気づいていないようだが、私は貴様が吸血鬼であることは既に気づいているぞ。
軍制部にも噂はあったものの、まさか機密政府は本当に共和国軍の兵器として吸血鬼を登用しているとは。いずれにせよ…登用した共和国政府や、吸血鬼そのものは祖国に仇なす不逞の輩に違いない。神聖を穢す連中には共和国市民を代表して私自らで裁きを下すとしよう。
(陸軍式格闘術を身につけているシャルルはスバルの小銃を振り払おうとする。シャルルはスバルの本質をまだ知らなかった。)

44:スバル:2018/12/20(木) 22:59

「あーあ。強がったって無駄なのにね」

カランカランと銃が転がっていくが、彼は気にも止めない。
それどころか「死に方ぐらいは選ばせてあげるよ」と笑みさえも浮かべている。

「キミさ、共和国の代表とか言ってるけど、見てごらん?君の軍の子達の目。傲慢で、愚かなキミへの憎しみに満ち溢れてるんじゃないかな」

確かにそうであった。共和軍兵士達は道中で倒れていった仲間や、同胞であるのに殺害されたジールを見ていた為、流石にシャルルのやり方に疑問を感じていたのだ。そのためシャルルを助ける者は一人も居らず、冷めた目で二人を見つめている

45:名を捨てし者:2018/12/20(木) 23:00

違う…!俺は間違ってなんかいない…!!間違ってるのは吸血鬼なんだ、!
「五月蝿いなー。まだ分からないの?僕は、キミのやり方がいけないって言ってるんだよ」

刀を持ったスバルは、月明かりを背にしてゆっくりとシャルルの方へ歩み寄る。
…最後まで気づかないんだな、ほんっと馬鹿な奴。

スバルは、己の剣に全力を込める。

「それじゃあ最後だ。恨まないでね」

空気が揺れた
刃は、シャルルの太股を貫通していた。

「─!?ぐぁぁぁぁぁああ!!!!」

46:スバル:2018/12/20(木) 23:03

「殺したら怒られるのは僕だからな。死なせなかっただけマシだと思えよ」

絶叫し、のたうち回るシャルルを尻目にスバルはアイビスの方へと向き直る。

「それに、僕の真のターゲットはこっちだし。」

長年追い続けた敵─ルージュはすぐそこに居る

俺はアイツを越えれるだろうか
いや、越えなければならない。それが僕の使命である…!

スバルの目は銀色の光りを宿している。彼は全身の筋肉に意識を両めその先、つまり刃を感じとる
その瞬間に剣は腕の延長になり、太陽を背に受けた刃は煌めき、本体からの命を待っている

必ず、越えてやる─!!

47:名を捨てし者:2018/12/20(木) 23:28

スバルの異常なまでの殺気を感じ取り、アイビスの何人かが襲いかかる
一人対複数人。状況は圧倒的に不利に思えた。
それなのに …肉の裂ける音、骨の隋に何か硬いものが当たり砕ける鈍い音。数秒後にはスバルの周りの者は皆絶命していた

48:名を捨てし者:2018/12/20(木) 23:42

【凍てつく闇の冷たさ】アイビスの幾人かは知っている。彼がこうなった以上、彼自身がチカラ尽きて倒れる以外自分達に勝ち目は無い。

アハ アハハハ アハアハ
逃げ惑う者。彼が刃を振るう毎に血の海が広がっていく光景は、正に地獄さながらであった
「…綺麗だなー。噴水みたいに血が飛び散っていくよ」完全に狂っているまま、彼は一歩ずつルージュへと近づいていく。

49:シャルル=ヴァレフ:2018/12/21(金) 14:27

(貫かれた大腿は中身の肉が支離滅裂に破壊されている。しかも貫かれたあとには氷の結晶が所々こびりついており、損傷した大腿から流れる血も徐々に凍り始めている。隠忍自重、シャルルは以上の激痛を自身の傲慢的精神で耐え忍いでいるがいよいよそれも限界に達している。というのも、大腿の内部、肉や骨や筋といったものが、並べて一様に氷結しているからだ。
つまりシャルルの太ももの中身は、骨を中心として穏やかに凍っているということで、これらの激痛はシャルルの理性をさらに損失させた。)

50:シャルル=ヴァレフ:2018/12/21(金) 14:42

(黒き空からしんしんと銀色の雪が降り始めた。負傷したシャルルに一応の形式儀礼上の応急処置を試みる兵士もいるが、この紛争で大半の兵士たちは多くの犠牲を伴い、もはや戦う気力すら残存していなかった。
生き残った兵士ですら、腕を失う、脚を失う、目を失うというような絶望に陥っている。もとより、魔力は枯渇し、銃の弾も不足している。むろんこの状況であるからアイビスの軍勢にも大いに打撃を与えることができた。しかしこちら側はもう戦闘を継続することはできない、手当を受けているシャルルは撤退命令を出さざるおえなかった。)

51:名を捨てし者:2018/12/21(金) 17:33

腕。脚。首。 数分前までは人の体についていたと思われる様々な物体が散乱し、所々が凍りついている
そんな血の海の中を、一人の少女が歩いていく。彼女の足は幾分ふらつき錯乱しているようにも見えるが、その目は決意に満ち、明確な意志があることを感じさせる。彼女の手には紅色の弓矢が握られていた。

52:名を捨てし者:2018/12/21(金) 17:42

少女は突然歩を止めた。彼女の目には、錯乱したルージュとその命を狙う一人の男の姿が映っている

考えてる暇は無いわ…どちらを選んでも後悔することなど、分かってるから。
ユラは弓矢を構え、大きく引く。そして呟いた
「ずっと好きでした。…でも、ごめんなさい」

53:名を捨てし者:2018/12/21(金) 17:56

パァァアン!!

一瞬の静寂。振り返った男の目は、驚きに見開かる。そして次の瞬間その口からは紅蓮の血が大量に吹き出し、呆気なく地面に崩れ落ちていく

多くの犠牲を生んだこの闘いは、一人の男の絶命と帝国軍の撤退する音で終わりを告げた。
絶望と希望は紙一重である。ボロボロに破壊されたの拠点の前で、生き残った者達の啜り泣きだけが響いていた


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