" 音 " という単語には
何かしら縁があったのかも知れない 。
思えば名前も「 音村 」な訳だし 、
昔から音楽は得意教科だった 。
成績は常にオ−ル5をキープしていた 。
付いたあだ名は「 ベ−ト−ヴェン 」.
最近はたまに「 ゴ−ストライタ− 」と
呼ばれることもあるが 、耳は聞こえる 。
まぁ それほど音楽が好きであり 、
音楽の分野に関しては他人からの評価も
篦棒に高かった 。
♡.✡*。・
>>2 .、 / 色々 。
[ _ ほしぞらがきこえる . ]
ど−も " 茅光 " です (´・艸・`♡)
小説板は二回目ですん .
続くかどうか分からんし 、
たぶんタラタラ更新すると思います ..、
暖かい目で見てくださ (((
では 、よろしくお願いします (*´∀`*)
まぁ そんなわけで 。
今日もイヤホンを付け自室に籠っている 。
クラスメイトと遊びに行ったりだの
彼女といちゃつくだの 。
そういうのとは無縁 、という訳でもないが
誘われない限りそういうことはしなかった 。
もしかしたら僕はクラスの中では
浮いてる存在なのかもしれない 。
周りから受ける冷たい視線と 、
特に親しい友達が居ないことから
ほぼそうだと言える 。
先程は「 付いたあだ名はベ−ト−ヴェン 」
などと言ったが 、
裏でそこそこ呼ばれてるだけであって 、
面と向かって言われたことはほぼないに等しい 。
そもそも僕の名前をみんなが覚えてるか 、
それさえも怪しい 。
本名がベ−ト−ヴェンかと思ってる人も
いるかもしれない 、
それくらい影が薄く 浮いてる存在だったのだ .
そんなことを考えながら 、イヤホンを外す .
少しボロくさいそのイヤホンは 、
ゲームセンターで格安に取ったものだった 。
耳が少し痛くなってきたので 、
イヤホンからCDプレイヤ−に変えることにした 。
あまり僕の耳の形にはあってないのかもだな 。
今までイヤホンで聴いていたのは洋楽 、
今度は邦楽でも聴こうかと思ってCDをセットする.
セットしたCDは大好きなバンドの
firstアルバムだった 。
男性ボーカルが歌いあげる
なめらかな高音が耳に心地良い 。
このまま一日過ごせそうだ 。
このバンドは歌詞が素敵で
初めて聴いた瞬間 ピピッ ときた 。
これも一種の一目惚れなのかもしれない 。
こういう歌詞やメロディーなどは
パッと降りてくるものなのだろうか 。
そうではなく 、頭をこれでもかと
フル回転させ 、脳をねじって
出てくるものなのだろうか 。
僕は圧倒的前者なのだが 、
どちらにせよそのバンドが凄いのは事実だ 。
そんなことを考えつつ机に手を伸ばし 、
引き出しを開ける .
きちんと整頓されたそこには
ペンケ−ス 、小説数冊 、
あとはノートが入っていた 。
僕はそこからノートだけを取りだし
引き出しを閉めた 。
「 ミライノート No.9 」
表紙にそう書かれたノート 。
右下には割りと雑な字で
「 音村一希 」と自分の名前が書いてある 。
そろそろ全ページが埋まるであろう
そのノートの内容は 、
「 ** 」
___ 翌朝 。
僕はさっとシャワ−に入り 、
朝御飯を食べる 。
仕度を済ませ 、家から徒歩五分という
これまた近い中学校へと登校する 。
まあ近くて困ったことはないのだが .
昇降口に付き 、上履きに履き替える 。
2年生に進級したと同時に
上履きを変えた覚えがあるので
この上履きは1年と3ヵ月ほど使っている 。
ちょっと黒ずんできたのが
使い古している証拠だ 。
3年生の教室がある階は3階なので
ちょっと遠い 。
めんどくさい階段を上り教室へと入る 。
おはよう と言っても誰も返してくれないとおもうので 、挨拶をせずに自分の席につく 。
僕はいつも通り本を読む 。
この時間はとても好きだった 。
友達等としゃべるのも嫌いじゃなかったが
自ら話しかけて __.、 などはしなかった 。
なんら変わったこともなく、放課後。
今日はちょっとした用事があったので
学校に残る 。
その用事と言うのは、今度行われる合唱コンク−ルの指揮者のオ−ディション 。
学年で一人しか選ばれないらしいが、
噂によると12人ほど立候補したと言うので、オ−ディションをして決めることになったのだ 。
僕は音楽に関しては積極的な方なので、指揮立候補者 集合場所の第二音楽室に向かう 。
第二音楽室は、生徒数か減った今
あまり使われていなくて、少し道に迷ったりした。
僕は第二音楽室のドアの前に立った 。
すると、何か音が聴こえる 。
だが、どうやら指揮のオ−ディションを
やってるわけではないようだ。
うっすら人の影が見えるが、ぱっと見
一人しかいない。
耳を済ませると 、綺麗な歌声が聴こえてきた。
透き通るような高温 、たぶん女性の声。
歌ってるのはJ-pop .
今 流行りのア−ティストの歌。
僕は完全に聴き入っていた。
数分くらいは経っただろうか。
あまりにも綺麗な声で、いつまでも聴いていられた。
とは思うものの、指揮者のオ−ディションは
やってるのか、それが気になった。
仕方なく、それを聞くため
僕は思いきってドアを開けた。
勢いよく ガラッ と音がした。
「 うわぁぁぁ!? 」
響いたのは少女 ...でもないが
若い女性の叫び声。
僕も思わず わっ.. と驚きの声をあげた。
美声の持ち主は僕の学校の制服を着ていた。
どうやら他校の人でも教師でもないみたいだ。
教室を見渡してみる。
この教室に一人でいたらしい。
他の生徒の姿は見られない。
そんなことより、指揮者。
オ−ディションの話は何処へ。
僕はドアを開けた目的を果たす。
思いきって話す。
「 あの...指揮者のオ−ディションは.. 」
『 えっ、あっ私ですか? 』
君以外に人はいないよ ..、なんて思いつつ
話を続ける。
「 うん。 」
『 それなら明日じゃないかな.. 』
女子生徒は小さい声でそう言った。
え、明日なの?僕の勘違いなの?
ていうかじゃあ君はなんでここにいるの?
疑問は膨れ上がったが、
ここでどこの誰かも知らない女子生徒に問い詰めても無駄だと思った。
僕は『 そっか、ありがとう 』と言って
第二音楽室を後にする。
__ つもりだった。
扉を閉めて数秒後、机を 1、2、3、4、とリズムよく叩く音が聞こえ、それに合わせ女子生徒はまた歌い出した。
今度は今度の合唱コンク−ルの課題曲だった。
綺麗なソプラノ。
今まで聴いたことないくらい、すごい。
それ以外の誉め言葉も言えないくらい、ほんとに。
凄すぎて、なにも言えないってよく聞くけど
たぶんこのこのなんだろうなって思った。
「 っ 、あのさ..! 」
僕は一度閉めたドアを開けて言った。
綺麗な声の持ち主は再度 「 うわっ 」と声を出した 。
歌声とは少々違うなぁ..ちょっと低い。女子の中でも低い方かもな 。
『 なんでしょうか... 』
「 今のさ、君の声? 」
『 あっ、はい。 私の声です... 』
一人しかいないんだからそりゃそうなんだけど。確認のため。
本当にこの子の声なんだ 。
それはどこの誰だか知らなくても尊敬する。
あぁ、某ゴ−ストライタ−で問題になった作曲家とは違い 、耳が聞こえて良かった。人生素敵。
『 ていうか、誰ですかっ.. 』
「 音村一希です、1 - 3組 。 」
『 私は小澤葉月です。1 - 6。 』
※ 「」=一希
『』=葉月
あまり喋らない僕だったが、
今度ばかりは彼女に話しかけた。
「 そっかぁ、歌すごかったね 」
『 あ、りがとう.. 』
「 なんかもう一曲歌ってよ 」
『 それはちょっと、私下手だし 』
どこが下手なんだこの野郎、
とか思ったけど初対面に等しいので言わない。
「 歌手とかさ、どんな人が好きなの? 」
僕がそう聞くと彼女は、今流行りのバンドと女性ア−ティストを言った。
それから彼女はこういった。
『 あとね、動画サイトに投稿してるだけで、全然有名じゃない人なんだけど、neson っていう人が好きなの。』
「 そっか。 」
『 その人ね、ボカロ曲とかも作ってるし、普通にソロで曲も作ってるの。それがまた元気出る曲なんだあ。 』
彼女はそれからも熱く語った。
なんだか僕まで元気が出た。
『 neson 』___ ねそん
僕たちはそのあと数分喋ってから
別れの言葉をいい 、僕だけ第二音楽室を出た 。
僕はまっすぐ家に帰った .
家について一言 ただいま といって
自室へ向かう 。
なぜかこの時 、もう僕はなんでも出来そうな気がした 。
今日はひとつ予定があった 。
その予定とは 、国民的動画サイト [ ねこねこ動画 ] に動画を投稿することだ 。
「 ミライノ−ト No.9 」
僕はそれを机から取り出した 。
動画の完成はもう間近だった 。
最終調整として 、ベ−スの音の打ち込みを変えるだけだった 。
僕は 「 ミライノート 」を見返す。
「 作詞 」
そのノ−トは一面に
自分の脳内から作り出した歌詞が書かれていた 。
つまり言い換えれば 「 作詞ノ−ト 」。
それを自分で歌って 、楽器をパソコンで打ち込んで動画を作るのが趣味だった 。
今までに出した動画は11本、
そのうち3本はボ−カロイドが歌っているものだった 。
再生回数はどれも8000回前後と、
あまり伸びてはいなかった 。
ベ−スの打ち込みを最終調整し、
僕はその動画を投稿した。
かなりいい出来だった。
今回はボカロではなく、
僕自身が歌ったものだった。
いつか誰かに歌ってほしいな、なんて思いながら、日課の人気動画チェックをする。
人気動画上位には、
有名な実況者、今流行りのバンドのMV、面白い海外の動画などがあった。
僕は " 歌ってみた " が好きなので
人気の歌ってみた動画を探した。
1時間は経っただろうか、
僕はある人の動画を聴いてきた。
" 「 明日 」歌ってみた "
" 「 we are happy 」歌ってみた "
その人は透き通るような美声だった、
たぶん女性だ。
名前は “ ようげつ
コメント欄を見ると、ネット上では " ようたん " と親しまれてるらしい。
ネットの見すぎでそろそろ目が痛くなったので、僕はパソコンを閉じ、明日の学校の準備をした。
翌日、いつも通り仕度を済ませ学校に行き、何事もなく授業を終わらせ、放課後になった。
いろいろあって忘れていたが
昨日、第二音楽室にきた目的は
指揮者オ−ディションのためだった。
僕は今日こそ指揮者オ−ディションを受けるべく、第二音楽室へと向かう。
__ 途中 .
視聴覚室から昨日の美声が聴こえてきた。
僕は吸い込まれるようにその部屋に入った。
「 あのさ、 」
『 うぁぁ!? 』
美声の持ち主、つまり小澤葉月はちょっとした悲鳴をあげた。
『 あっ、あぁ、昨日の.. 』
「 一つお願いがあってきたんだ 」
『 そうなんだ、何? 』
ほんとは願いなんて決まってなかった。
此処に来たいなんて思ってなかった。視聴覚室に用はなかった。
指揮者オ−ディションなんて頭の片隅において、僕は小澤葉月に " 願い " を話した.
とても面白いです!続き期待してます!
21: / 茅光 / ◆yo:2015/11/08(日) 21:39 ID:woU
/ >>20 / 匿名さん
ありがとうございます!
そんなこと言われたの初めてです..(*´ `*)
これからもコメント待ってます ☆"
「 あのさ、僕の歌... うたってくれない? 」
僕がそういうと、小澤葉月は
「 なにいってんだこいつ 」
と言わんばかりの目で僕を見つめた。
それはもう僕も恥ずかしくてたまらなかった。
けど、止まらなかった。
長年の夢。
誰かに歌ってほしかった。
偶然に偶然が重なってできた出会いだから
今逃す訳にはいかない .
『 待って待って、" 僕の歌 "ってなに? 』
小澤葉月は不思議そうに聞いた。
「 なんていうかさ、僕が作った歌?みたいな? 」
疑問系に疑問系で返した僕は
きっとかなりのコミュ障。
『 っていうことは作詞作曲ってこと? 』
「 そうそう、一回でいいから、歌ってほしいんだ。 」
>>10
主人公のセリフ、「」じゃなく
『』でいいんですか?