__雨上がりの空の下、積乱雲が通り過ぎて行ったのを見ながら、俺は孤独に人通りの少ない路地の道端を歩く。
昨日まで"アイツ"と2人で歩いていたこの道には、雲に置いて行かれた水溜りしか残っていない。
そんな雲と水溜りの関係は、今の俺と"アイツ"に似ている。それを思うと、悲しみが湧き上がってきた。
「畜生っ…」
俺は自分を誤魔化すように石塀を殴る。俺は泣いてない。この涙は幻だ、と。
それと同時に、今まで守られていた約束も、終焉を迎えた。
( / >>3は私です! )
___ピピピピッピピピピッ
「う…!?」
目覚ましのアラームに驚いて目が覚め、それと同時に勢いよく起き上がる。いつもならこんなに驚いたりはしないのだが、今日はなんだかおかしい。
異変はそれだけじゃなかった。心臓が激しく鳴っていて止まない。それに続くように呼吸も荒くなってくる。
髪や服が肌にぺったりと貼り付いていて気持ち悪い。この状態のまま着替えるのも気が進まないため、シャワーだけでも浴びようと風呂場へ足を運んだ。
…___今までありがとう____
アイツの声が、まだ頭に残っている。ドアを開けた時も閉めた時も、 階段から降りている時も、服を脱いでいる時も、ずっと谺している。
…いいや、あれは悪い夢だ。現に、さっきまで綺麗な空が見えていたのに、目が覚めた時にはベッドの上だったじゃないか。
先程の光景は全て夢だったとまとめ、もう忘れようとシャワーで頭からお湯を掛ける。
はい、忘れた。
そう言いたいが、簡単には言えないのが現状だ。
もう汗も流したし、アイツの声は洗い流せないという事も分かったので、早々と風呂場から出た。