悪い虫と喰われた葉

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3:匿名:2015/12/30(水) 16:34 ID:9cY


そんな事があってから14年が経った。高校を卒業して19歳になった今も、俺はアイツと行動を共にしている。
中学校の頃のアイツは3年間俺と一緒のクラスだったが、体が弱いからという理由で、ほとんどの時間は別なクラスに行ってマンツーマンで授業を受けていた。そのせいか友達は少なく、相手から話し掛けてくれる人も俺以外居なかったらしい。
それから俺は高校に受かる事が出来たが、アイツは自ら中卒を選んだ。俺が高校に行っている間、アイツは1人で家にずっと一言も喋らずに籠りっぱなしだったんだとか。
それが寂しがり屋のアイツに申し訳ないと思っていた。なので、3年間高校に通う代わりに、高校を卒業したらずっと一緒に居ると約束した。
その約束はまだ破られていない。

「優真」
透き通ったスカイブルーの空と白い雲を見上げながら、いくらか低くなったが小さい頃と変わらないか細い声で名前を呼ばれる。
「今までありがとう」
空の色に相応しい、綺麗な水色の髪を風に靡かせながら、アイツは別れの言葉を告げた。
「…あぁ」
本当は嫌なんだ。ずっと一緒に居た友達と別れるのが、心底嫌なんだ。
でも、どんなに足掻いても変わらないなら、諦めるしか方法は無い。

アイツの体は、足元から徐々に消えていく。
嫌だ、行かないでくれ。
心ではそう思っても、口はアイツの方を向いたまま動いてくれない。
涙も言葉も出ない中、アイツは少しずつ消えていく。
そして遂に、全てが消えてしまった。
「…また会おうな」
別れの言葉では無く、もう叶うはずのない事が口から出た。


◆sk:2015/12/30(水) 16:37 ID:9cY [返信]

それと同時に、今まで守られていた約束も、終焉を迎えた。


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