時を駆けて、初恋*します。

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1:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/03(日) 16:18


*プロローグ*

出逢えたら良かった。
でも。

「私たちは出逢ったらいけなかった。すぐに、もとの世に戻れ」

私たちは逢ったらダメだった。
彼は、そう言った。

357:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/07(土) 21:13

>>356 ありがとう!気のせい・・・じゃないよ( ̄ー ̄)ニヤッ 

358:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/07(土) 21:29

12,感謝

土方さんと、斎藤さんが来なかったら・・・。
今頃私は、血だらけで見つかってた・・・。
そう考えると、ゾッとした。
土方さんの着物にも、血飛沫が少し飛んでいる。
斎藤さんにはいたっては、少しどころじゃない。

「土方さん、斎藤さん、ありがとうございます」

感謝しきれない。
大男が死んでるのは嫌だけど、私はできる限りの笑顔を浮かべた。
土方さんは、

「・・・ふん」

って言ってるけど、照れてるのが分かる。
耳が赤いもん。
斎藤さんは、

「惚れた女くらい、守らないとな!」

って、えっ・・・!?
若干、問題発言が。
快活な笑顔で、見てる人をホッとさせる笑顔。土方さんは、斎藤さんを睨んでる。
そんな姿に、私はクスッと笑った。
でも、問題は・・・。
土方さんは、真面目な顔になって、

「こいつは、十中八九、長州の者だ」

長州・・・。

「明日、この人を弔って良いですか?」

私は、大男の息絶えた姿を見る。
哀しい陰を湛え、もうまばたきすらできないこの人は、何を思っていたんだろうか。

「局長に聞かないとダメだが、まあ良いだろう」

良かった。
遺体をこのままにはできないから、屯所に運び入れる。
二人の隊士も手伝ってくれた。

「山南、原田。小童の寝る場所を、どうするか決めてくれ」

山南さんは、スゴい知性派の顔。
現代だったら、理数系の人なんだろうな。
原田さんは、山南さんの正反対。
と言っても、文系な感じじゃない。
んー、暴力賛成!って感じの。
山南さんがニッコリと、

「私たちの部屋を使えば良いんじゃないか?」

賛成!
原田さんが、

「いっそ、女だって知らせて、誰かの部屋に世話になれば?歓迎されるだろうし!」

いやいや、そう言う問題? 

359: アーヤ◆TQ:2017/10/08(日) 07:09

ツッコミ満載な感じで、部屋割りどうなるの?

360:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/08(日) 08:37

>>359 ありがとう!ほんと、ツッコミどころ満載(笑)
果たしてどうなるんだろ?(笑)

361:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/08(日) 08:51

13,ホンネ

原田さんって・・・。
天然と言うか、生粋のバカと言うか・・・。
素直なんだよね、うん。
・・・って、あれ?
原田さん、『女だって知らせて』って、言ってたよね?

「原田さん。なぜ、私が女だって・・・?」

原田さんは、ニヤリと笑った。

「勘」

原田さん・・・。
勘は勘でも、野生の勘じゃ・・・?
山南さんが取り澄ましたように、(言い忘れてたけど、この人もかなりの美形だ)

「あの副長が、気にかけるほどだからよほどの男かと思ったけど。声も低くはないし、体格も違うから、女だと気づいたんだ」

なるほど、知性派だから分かりやすい説明。
でもなぁ。
今日だけで、斎藤さんと山南さん、原田さんにバレたわけだから、他の人にバレるのは時間の問題。
沖田さん、どんな顔するかな?
怒られたりして・・・。

「部屋は、あれで良いか?」

あっ、はい。
その後、山南さんと原田さんと私とで、部屋の用意。
と。

「帰ったぜ〜」

べろべろに酔った、永倉さんの声がして。
私は、玄関へ走った。 

362:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/08(日) 13:11

「あーあ、俺も遊郭行きたかった」

原田さん・・・。
ホンネ出し過ぎ。
永倉さん、近藤さんにいたっては、酔ってるせいか、顔真っ赤。
沖田さんは、藤堂さんに支えられている。
微かに、めっちゃ女の人の匂いがする。
沖田さんは、目を開けて、

「何もなかったですか?」

「うっ・・・」

答えに詰まる。
それとなく、沖田さんに近づく。

「すいません、斎藤さんと山南さん、原田さんに知られました」

沖田さんは、片方の手で顔を覆った。

「あぁあ」

「ほんと、すいません!」

私のミスだもん。
今日は、と言うか、なんでバレやすいんだろう!?

363:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/08(日) 13:13

【修正】

微かに、めっちゃ女の人の匂いがする。
         ↓ 
微かに、女の人の匂いがする。

でした。

364:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/08(日) 13:23

14,大目玉

沖田さんの酔いは、私のバレた報告のおかげで、さめたらしい。
今いるのは、屯所の和室。
向き合ってる沖田さんが怖い。

「なんで、知られたんですか?」

比較的、穏やかな声なんだけど、目が笑ってないのがスゴい迫力。

「えーっと、斎藤さんと山南さんには、声と体格で知られて、原田さんは“野生の勘”で知られてしまいました」

ここは、素直に答えよう。
嘘でも言おうもんなら、間違いなく殺される。

「体格は兎も角、声は気をつける事ができたんじゃないんですか?」

鋭い。

「・・・・・はい」

思いつかなかったから!
なんて、言える勇気もなく・・・。

「それは、他言無用と釘を刺しましたか?」

サーッと、血の気が引く。
斎藤さんには言ったけど・・・。
山南さんは言わないと思う。
でも・・・。
あの素直すぎる原田さんが、黙ってるわけない。     

365:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/08(日) 19:51

「すいませ・・・「夏音さん!」

謝りかけたところで、沖田さんの鋭い声が上がった。

「もうちょっとしっかりしてください!」

「ほんと、すいません・・・」

私は、肩をすくませた。
沖田さんの怒りは収まらなくて、

「罰として、此処にいる間は、朝食を作ってください」

ハーイ!
私、家でもやってるから大丈夫。
沖田さんから大目玉を食らい、山南さんと原田さんの部屋へ。
と・・・。

『・・・ザザザ・・・夏音・・』

肌身はなさず持っていた、タイムトランシーバーから音が。
お母さんの声!

「お母さん!?大丈夫なの!?」

大丈夫なわけないよね。

『ええ・・・今、・・・結斗のところ・・あの少年のところから・・・逃げてるの。でね、タイムスリップしちゃって』

ええっ!?
どうやったら、タイムスリップを!?
お母さんは困ったような声で、

『しかもね・・・源平時代に来ちゃったらしいの!』

「源平時代って?」

お母さんは、弾んだ声になって、

『平安時代の後期よ。源氏と平氏の戦いの時代!』

ほへー。
詳しいなぁ。     

366:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/08(日) 21:27

15,嫉妬に駆られて ※土方 side

アイツの姿が、和室に消えた。
ふん・・・。
総司と二人きりか。
妬ける。
しばらくして、和室から二人が出る。
変な機械を、アイツが持つ。
隠れ、会話を聞く。
またしばらくして。

「えっ・・・。倉知さんと!?・・・なんで。私は、沖田さんが好きだし。倉知さんだって、嫌でしょ。こんな、めっちゃ年下の子なんて」

ああ。
やっぱり。
アイツは、総司が好き・・・か。
今までにないほど、黒い気持ちが溢れる。

「小童・・・」

思わず、隠れるのをやめてアイツのもとに駆け寄った。

「・・・土方さん!?」

苛つく。
手を握り、引き寄せる。
それでも、黒い感情は止まらない。

「・・・止めっ・・」

止めるつもりはない。
俺だけいれば、良いと思ってくれないのかよ。
柱に押し付け、アイツの顔をこっちに向けた。
  

  

367: ◆5wB7Z2Dhantyc:2017/10/08(日) 22:57




   リリカさん°ʚ(*´꒳`*)ɞ°.
    
 小説、とても面白いですね!!土方さんの「小童!」って言うところ好きですー土方さんは最期まで自分の生き様を貫いた方だと思いますし、男らしさが溢れてますよね。この小説でもそんな感じがして、すごくいいと思います。この小説がどのようになるのかは分かりませんが、新撰組の皆様と夏音さんが戦うところとか見てみたいです。大変だとは思いますので、スルーでいいですよ(,,・ω・,,)
 この話を読んで、新撰組に興味を持って調べているのですが、斉藤さんってとても強かったんですね!今後の活躍、楽しみにしています!こちらも上記と同じくスルーでも構いませんので、こんな我儘を言う馬鹿が読んでいるということだけでも。
 少年の正体、すごく気になります!!お母さんの方も源平合戦してる時で、戦いが入ってきますが満喫して欲しいですね。
 長くなりましたが、続き楽しみです。この小説は素敵だと思います。私が言えることではありませんが、更新頑張ってください!!


 

368:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/09(月) 08:46

>>367 

ありがとうございます!
土方さんは、男の中の男と言うか・・・信念を貫いていて個人的に好きです(笑)
おそらく、次の話でバトルはありますよ(笑)
この話で新撰組について、調べてくれたんですか!
文章力もつたないものですが、これで興味を持ってくださったら、嬉しいです!
斎藤さん、隊士の暗殺的な事を手がけていたそうです。
剣の腕も立つらしいので、これから必ず活躍しますよ!
いえいえ!
読んでくださるだけでも、すごく嬉しいです!バトルシーン・・・上手く書けるかは難しいですが、続きを楽しみにしていただいてありがとうございます!
今のところ、更新はうさぎちゃんペースですが、いつか亀ちゃんペースになったりするかもです(^^;)
では、これからも頑張りたいと思います!  

369:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/09(月) 08:54

16,斎藤さんの優しさ

こんなに怒ってる、土方さんを見たことがない。
ものすごく、怒ってて・・・。
怒ってる顔だけど、すごく切ない感じに見えて。

「・・・止めっ・・」

どれだけ抗っても、土方さんの腕力の方が強い。
怖い・・・!
私は、土方さんに恐怖を抱いた。
誰か・・・助けて・・!

「おーい、夏音〜・・・!何やってんだよ!副長!」

斎藤さん!
良かった・・・。
でも、土方さんは私を放してくれない。
斎藤さん、助けて! 

370:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/09(月) 10:17

斎藤さんは、土方さんを軽く睨んだ。
そして、むんずと私の腕をつかんだ。

「副長、どうしたんだよ。落ち着け」

それだけ言って、私を抱きしめてその場を離れる。
その場を離れたのは嬉しいけれど、なぜに私を抱きしめる?
斎藤さんは、快活そうな笑顔を浮かべた。

「良かった、夏音を救えて」

人の良さそうな笑顔。
私、沖田さんと知り合ってなかったら、斎藤さんを好きになってたかも。

「ありがとうございます、斎藤さん」

斎藤さんは、顔を赤くして照れた。
斎藤さんの優しさに、私はかなり救われた。

371:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/09(月) 17:02

17,天真爛漫

その後は、めまぐるしく進んだ。
近藤さんがまた酔ったり、原田さんが私が女だとほのめかそうとしてたり。
いろいろ慌ててつつも、私は、土方さんの顔を見ることができなかった。
だってさ、だってさ・・・!
あんなに怖い、土方さん見たことなくて。
普通に怖いでしょ!

「夏音さん、次に風呂入りますか?」

沖田さんが、私に聞く。

「あっ、はい」

お風呂入ったら、この気持ち落ち着くかな。

「なにか、あったんでしょ?」

沖田さん・・・。
勘が鋭い。
でも、言えるわけもなく。
曖昧に笑った。

「夏音〜・・・じゃなくて、城里。風呂、次、入ってこい」

斎藤さんは、天真爛漫な笑顔を浮かべた。
子どもみたいに純真で、明るい斎藤さん。
新撰組を支えているのは、近藤さんや土方さんもだけど、斎藤さんなのかもしれない。 

372:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/09(月) 19:25

18,この気持ちは・・・ ※沖田 side

見てしまった。

「・・・土方さん!?」

土方さんが、夏音さんの手を握り、引き寄せた。

「・・・止めっ・・」

何でだろう。
嫌な気持ちがくすぶる。
なのに・・・。
助けられない。
このまま、どうなるのか、どこか他人のように見ている自分がいる。

「おーい、夏音〜・・・!何やってんだよ!副長!」

一さんが出たには、驚いた。
そして、一さんが夏音さんを抱きしめた時、またあの気持ちが蘇り、くすぶる。

「・・・何やってんだか、俺は・・・」

一さんと夏音さんがその場を離れ、土方さんが柱にもたれながら、言った。
出るに出られなくなった・・・。
土方さんが、離れたのを確認して、やっと出れた。

「菊乃・・・」

自分でも驚く言葉が、口をついで出る。
でも、さほど胸が高鳴らなかった。

「夏音さん・・・」

気づいてしまった。
この気持ちの正体を。
菊乃の時と同じ、好きという感情だと・・・。   

373:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/09(月) 20:45

19,片想い

お風呂に浸かりながら、今日の事をぼんやりと思い出す。
土方さんの事、沖田さんが遊郭へ行った事、山南さんと原田さん、斎藤さんに女だとバレた事。

「疲れた・・・」

今日だけで、あんなに疲れたから。
明日、とかは・・・。

「さらに疲れんのかな?」

精神的に疲れるのは、新撰組なのかも。
そう考えると、クスッと笑えてきた。
でもなぁ・・・。
今日やっぱり、考えてたかも。
お母さんに言った事もあるけど、私はやっぱり、沖田さんが好きなんだな。

「ギャー!」

そんな事、考えてたら頬が火照ってきた。

374:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/09(月) 21:13

ずっと前に、自覚してたけど・・・。
改めてだと、なんかハズい。

「片想い・・・叶うかな」

無理かもしれない。
だってね・・・。
沖田さんには、菊乃さんって言う、恋人(元だっけ?)がいたんだもの。
いつ、菊乃さんが沖田さんの心を射止めるか、心配。

「私は、大人っぽくないしなぁ」

菊乃さんは、私と違って、どことなく大人っぽくて、美人で。

「お似合い・・・なんだよなぁ」

私が入る隙間さえ、ないんじゃないかと不安になる。

「夏音さん、そろそろあがってください」

沖田さんの声だ!
私は、慌ててあがって、体を拭く。
着物と袴を着て、飛び出す。
沖田さんが驚いた顔で、

「はやいですね。のぼせてるか、心配しましたよ」

のぼせてないよ!

「考え事でも、あったんですか?」

まさか、沖田さんの事考えてたとか、言えるわけない!

「な、なんでも!」

私は、極力、沖田さんの顔を見ないように、近藤さんたちがいる場所へ、向かった。 
   

375:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/10(火) 18:03

20,菊乃さんと新撰組の関係

近藤さんたちは、まだ、ワイワイガヤガヤ。
酒も飲んでるし・・・。
限度っていうのがあるでしょ。
信長さんと会ったときもだけど、異様に酒臭い。
鼻にツンときて、この場を離れたい。

「お酒、そろそろやめませんか?」

私が意見すると、永倉さんが、

「まだまだ、飲めるぜ」

答えになってない!
原田さんもフラフラと、

「菊乃、気ぃ配れよ」

菊乃・・・。
菊乃さんの事、だよね。
この際、聞いちゃえ!

「菊乃さんって、新撰組とどういう関係なんですか?」

永倉さんが、酒をグイッとあおる。
酒臭い口で、

「総司の恋人だしさぁ、それとなく新撰組の家事全般やってくれんだ」

ふうん・・・。
あの菊乃さんが・・・。
私は、なんとも言えない気持ちになって、山南さんに声をかける。

「先、部屋に帰って良いですか?」

「良いけど」

私は、一礼して、前に案内してもらった、山南さんの部屋に戻った。

376: アーヤ◆TQ:2017/10/10(火) 18:59

土方が夏音に抱き締めたところは一番驚いて切ない片想いって思った。
抱き締められている夏音を助けた斎藤さんにも驚いてしまったけど土方の片想いが実らないって思うとやっぱり、切ない…

それに土方が夏音のことを抱き締めている姿を見てしまった沖田さんが、ついに夏音のこと好きって自覚してしまったけどここからが切なくなりそうですよね最後が……
でも夏音も片想いって口に出してもう一度好きって確信した戸惑いと動揺が見えて沖田さんが来たら余計に焦った姿が出てきて何とも恋する乙女で可愛いから二人が縮んだことを喜んでます。

でも夏音って罪深き乙女だよね、皆じゃないけど何人か惚れさしてしまって羨ましく思うよ。
土方も良い男前なんだけどね、切ない気持ちで二人はこれからも気まずい状態か気になるよ…

377:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/10(火) 20:25

>>376 ありがとう!土方さんは、ただひたすらに切ない片想いなんだよ(T-T)
恋する乙女モードの夏音だよ、今は( ̄ー ̄)ニヤッ
うーん。
たぶん、回復するよ(笑)

378:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/10(火) 20:35

21,土方さんのモテまくりぶり

その日は、山南さんの部屋で眠った。
急に眠くなったのもあるし、いろんなことがあったから疲れたのかも。

翌朝

んっ・・・。
ふわあ。
起きないと。
沖田さんからの朝ご飯用意令が出たから。
台所に行けば、八木邸の使用人たちが着々と準備。

「私も手伝います〜」

使用人たちは、驚いたように見てから、にっこり。
そりゃそうだよね。
隊士だけでかなりいるもの。
朝食の支度を終えてから、みんなを起こしに。

「沖田さん〜、土方さん〜、近藤さん〜、起きてくださーい」

名前を呼びながら、部屋の戸を開けていく。
永倉さんとか、原田さん、ヤバいな。
どんだけ飲んだんだろ?
微妙に部屋が酒臭い。
最初に起きたのは、斎藤さんと藤堂さん。

「飯だー!」

斎藤さん、素直だな。
でも、鶴の一声と言うか、その後ぞろぞろとみんなが起き始める。

「沖田さん、おはようございます」

沖田さんがにっこり、微笑む。
あぁあ!
朝から、その笑顔を見れて嬉しい!
土方さんは、近藤さんを支えてる。
あらら、飲みすぎたのかな。

379: アーヤ◆TQ:2017/10/10(火) 20:48

土方のモテまくり気になるけど、二人の関係を普段通りに戻って欲しいのを願ってます

380:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/11(水) 17:40

>>379 ありがとう!修復はできるよ(笑)

381:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/11(水) 17:57

「少し、外に出て来ますね」

私は、沖田さんに声をかけて、外へ。
何となくって言うか・・・。
朝の散歩、気持ちいいし。

「昨日の奴らを、覚えてるだろうな」

土方さん!?
私は、火照る頬をおさえた。
土方さんは、気にしてないの!?
昨日の事。

「・・お、覚えてますよ!」

「あの子分が襲ったら、大変だろう。俺がついていく」

うーん。
安心なのか、ぎこちなくなりそうな。
土方さんと、朝の散歩。
澄んでいる空気で、気持ちいい。
京の都を歩けば。

「まぁ♡」

「あーん♡歳三さまぁ」

女の人が、チラチラ見てる。
土方さん、意外とモテるのね・・・。
と、女の人たちが駆け寄ってきて。

「いつもお慕いしておりますぅ♡」

土方さんに、書状を差し出す。
そして、すすすっと退く。
この間、土方さんは無表情。
慣れてる感じ。
女の人たちが退いた後、土方さんが書状をあける。

「『いつもいつも、恋い焦がれて・・』って、恋文じゃない!」

恋文って言うのは、ラブレターの事ね。
モテてる・・・。  

382: アーヤ◆TQ:2017/10/11(水) 18:47

やっぱりモテまくりな土方だね。
朝の二人っきりの散歩で仲直りしてくれたら良いね🎵

383:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/11(水) 19:33

>>382 ありがとう!仲直り、絶対しないとね(笑)

384:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/11(水) 19:42

22,仲直り

私が驚愕してるのが、よほど面白かったのか、土方さんが吹き出した。
私は、唖然と、笑い転げている土方さんをガン見。

「いや、その・・・。面白くてな」

面白いって!
私は、ちょっと、土方さんを睨んで、

「・・・むうっ。ひどい!」

土方さん、さらに吹き出す。
そんなに、笑える?
でもね、なんか。
ぎこちない空気だったのが、和らいだ。
土方さんは、ふと真面目になって、

「昨日は、すまない」

「ん・・・。良いですよ!許します!」

謝られたら、許すしかないじゃん。
良かった。
あのままだったら、土方さんと微妙な感じでぎこちなくなってたけど、今回で仲直りできて嬉しい!
幸せモードで、屯所に戻る。
沖田さんが、玄関に出て、土方さんの手にある恋文を見て、目を丸くする。

「またですか。土方さん、色男ですもんね」

あきれたような、感心したような感じ。
うんうん。
土方さんは、良くも悪くも、モテるもの。
 

385:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/11(水) 20:52

23,Let's タイムスリップ!

と。
トランシーバーから連絡が入ったらしく、ブルブル鳴ってる。

『・・夏音!今ねえ、平氏の船に乗ってるの・・・でね・・・源義経って、イケメンらしいのよ!・・・源平時代に来てよ!』

はああ。
私は、溜め息をついた。

「桂さん、泣くよ?って言うか、大丈夫なの?」

『うん!大丈夫よ〜。・・・そうだ!小五郎さんも連れてきて♡』

人使いが荒いなぁ。
私は、仕方なくうなずいた。
お母さんには、見えないけどね。

『って、事でよろしく☆』

お母さんからの連絡を取る、それだけで精神力をかなり使う。
沖田さんと、土方さんが目を丸くして私を見て、

「また、時間をなんとかするんですか?」

時間をなんとかは、タイムスリップの事かな。
私は、うなずいた。
でもなぁ。
沖田さんと土方さんたちがいなければならない時代は、此処で。
あーあ。
一人で行かないとかな?
でも、沖田さんはにっこり。

「私も、行きますよ」

沖田さん〜!
嬉しい!
土方さんも、

「行ってやる。感謝しろ」

すごく嬉しい。

「俺らも行く!」

あぁ、永倉さん!
近藤さんも、藤堂さんもありがとう!
山南さん、原田さん、斎藤さんは屯所を守る事になって、留守番。
って、事で!
Let's タイムスリップ!


(Dへ続く)  

386:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/11(水) 20:57

あとがき

こんにちはorこんばんは!
リリカで〜す!
今回、私自身、話が迷走してしまい、困りました(笑)
でも、三角関係と言うか、四角関係書くのが楽しかったです。
土方さんの切ない片想い、キュンとしてもらえたら幸いです。
さてさて。
幕末は、いろんな出来事があったんです!
正直、歴女としてはかなり嬉しく。
Dでは、源平時代へ行きます!
幕末の次くらいに好きなので、楽しく書けたら、と思います。
コメントくださった皆さま、ありがとうございます。
これからも、よろしくお願いいたします。   

387:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/11(水) 21:03

『時を駆けて、初恋*します。』D

登場人物

城里夏音
しっかり者の、明るい小6。
沖田さんに片想い中だけど、仲が進展する・・?

沖田総司
新撰組隊士。
夏音への想いを最近、自覚。

土方歳三
新撰組副長。
夏音に片想い。
総司を敵視。

近藤勇
新撰組局長。
大食いで、おおらか。

藤堂平助
新撰組隊士。
賢く、理知的。

永倉新八
新撰組隊士。
酒と、綺麗な女が好き。
女たらし。

        

388:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/11(水) 21:08

1,壇ノ浦!?

風圧を終えて、タイムスリップ!
潮風もする気が・・・。
なんか、揺れてない??
そろそろと、下を見たら。
船じゃん!
そりゃ、揺れるわ!

「お前らは、何者だ」

へっ!?
声の主は、すごく綺麗な少年の面影を残す青年。

「何者って・・・。先、名乗ってくださいよ」

青年は、面白そうに笑った。

「源義経。そこの女は、なかなか笑えるな」

なかなか笑えるな!?
笑えるの!?
しかも、なかなか!?

389: ◆5wB7Z2Dhantyc hoge:2017/10/11(水) 22:29




 リリカさん°ʚ(*´꒳`*)ɞ°.

 まず、C完結おめでとうございます!!とても面白かったです。土方sはやっぱり色男ですよねw沖田s等が土方sが恋文を貰ってくるのに慣れているとは!!最近、土方sはツンデレの“デレ”ばっかり?可愛いですね((え、斎藤s留守番!?来て欲しかったなぁ、とはまぁ…また出てきて欲しいですが、1番はリリカさんが書きたい小説を書いて欲しいです。楽しみにしてます!
 リリカさんて、歴女だったんですか!なんとなく分かってたけど、歴史詳しいですよね。尊敬します!!((Dが始まりますが、頑張ってください!夏音sの突っ込み…1話だけですが、面白さが既に丸分かりです((
 更新頑張ってくださいね!!楽しみにしてます。

 (余談になりますが、新撰組誕生の地?に行ってきました!!遠かった…)


 

390:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/12(木) 18:09

>>389

ありがとうございます!
確かに、デレばっかりですね(笑)
斎藤さん、次は出ますよ〜(*´ω`*)
楽しみにしてくださり、ありがとうございます!
そ、尊敬なんて!
嬉しいです〜。
夏音は、ツッコミ担当です(笑)
もうわかったとは!
スゴいです!
更新頑張りま〜す!
え!
行かれたのですか!?
良いなぁ〜。
私、行きたくて行きたくて、すんごい自分の中での聖地なんです(笑)
将来的に、行きたいです〜。
では、Dでもよろしくお願いいたします。

391:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/12(木) 18:18

「で?そっちの名は?」

義経さん、興味津々な顔でこっちを見る。
期待してるの?

「私は、城里夏音。ここは?」

船の上って事だし・・・。
旅でもしてんのかな?

「壇ノ浦だ!此処で、平氏を討つ!」

壇ノ浦の戦いだ!
源義経さん率いる、源氏が平氏を討つんだよね。
義経さん・・・。
男子たちが、よく、

「源義経って、かっけーよな!」

「生まれ変わったら、義経になりてぇ!」

って、言ってたし。
そんな思惑を知ってか否か、義経さんは、続けた。

「そして!兄上と・・・」

最後の方は、うっとり(!)として言った。
えっ・・・。
義経さん・・・頼朝さんが好き・・・なの?
でも、義経さんの恋人は、静御前のハズ。

「静と一緒に、暮らすのだ」

良かった。
極度の、ブラコンかと。

「もちろん、兄上とも!」

あーらら。
やっぱり、ブラコンだったのね。    

392: アーヤ◆TQ:2017/10/12(木) 18:26

義経キタ(σ≧▽≦)σ

夏音と沖田さんの進展するの楽しみ。
土方ツンデレだったけど、今のところはデレの場面だけどこれはこれで良い感じだね🎵

393:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/12(木) 19:47

>>392 ありがとう!ツンデレ、デレばっかりじゃなくて、ツンもでるかもね(笑)

394:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/12(木) 19:56

2,しっかり者、弁慶さん

「殿、何をしておられるのです」

すごい野太い声が、上から降ってきた。
見上げると、めっちゃデカい人。
二メートル超してるよね!?
ヤッバ・・・。
沖田さんと土方さんも、長身の方だけど、この人はさらにデカい。
義経さん、チェッと、

「なんだ。弁慶か。教経かと思った」

弁慶と言われた人は、がっくりと。

「殿。そんな言い分は、ないでしょう」

ほんとうに、がっくりしているらしく、デカい体が小さく見えた。
可笑しい。
微笑ましいよ。

「義経さん、ここらで、ヘンな女を見かけませんでしたか?」

言わずもがな、ヘンな女は、お母さんの事。
義経さんは、目を丸くした。

「ヘンな女、とは?」

「えーっと、ほんとにヘンな格好してる女で・・・」

義経さん、にっこり。
笑うと、えくぼができてさらに可愛げのある顔に。

「いるぞ。平氏の船にな」

私は、ソーッと、平氏の船に目を向けた。

395: アーヤ◆/E:2017/10/12(木) 21:01

弁慶は高いからね、見上げているの大変な感じ

396:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/12(木) 21:12

>>395 ありがとう!弁慶さん、デカい感じするよね(笑)

397:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/12(木) 21:25

3,急接近!

平氏の船に、着物姿の女。
着物姿に変わってるけど、間違いなく、私のお母さん。

「・・・あの野郎!」

思わず、つぶやいて、義経さんが私を凝視。
ヤバッ!

「は、母上にそんな口を・・・!?」

私は、慌てて口を閉ざす。
でも、義経さんは面白がっているような表情。まるで、いたずらっ子みたい。

「面白いな。夏音、お前を俺の妾としても良いぞ。静みたいには、可愛がれるかは別としてな」

はぁぁ!?
妾!?
愛人!?
私、開いた口がふさがらない。
この人・・・。
ブラコンかと思ったけど、ロリコンだったりするの!?
私は、宇宙の果てまで引いた。

「・・殿。また、しょうもない悪戯を・・・」

ナイス、弁慶さん!
義経さんは、それはそれは魅力的な笑顔を浮かばせて、チャラチャラと手を振った。

「仕方ないな。そこの者に、免じて止めてやる」

そこの者、と指した先には、沖田さんと土方さん。
土方さんは、明らかに怒ってたし、沖田さんはにこにこ。
でも、背後からすごい殺気を感じるから、どれだけ怒ってるか、よくわかる。

「ただし、」

義経さん、またまた笑顔。

「我ら源氏に、平氏を討たせろ」

そんな事ぐらい、おやすいご用。
妾にされるよりは、嬉しいからね。  

398: アーヤ◆/E:2017/10/12(木) 21:46

土方はすぐに顔から出てきているのはお見通しだけど……、やっぱり沖田さんはね笑顔が黒く見えて笑っていないからオーラーが殺気で余計に怖く見えるからね苦笑だよ

この正反対な土方と沖田さんは夏音にって言うより関わると怒ってしまうことが、分かって面白そう二人は無器用ですね

399:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/13(金) 17:59

>>398 ありがとう!不器用だから、さらに面白いよね(笑)

400:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/13(金) 18:05

祝、400!
嬉しいです〜!
改めて、コメントくれた方々、ありがとうございます!

─────────────────────

「与一、矢を射ろ」

義経さんは、ある一人の武士に声をかけた。
武士は、それなりに整った顔立ち。

「はっ」

弓と矢を取って、矢を引き絞る。
緊張した空気。
ここで、ふざけた事言ったら、私が射られたり・・・。
なんてこと、考えていると。

ビュッ

音を立てて、矢は平氏の船に向けて、放たれた。

「きゃっほー☆」

お母さんの声が、聞こえる。
きゃっほー☆って、言ってる場合じゃないのに・・・。
殺意が当社比、120%増す。
義経さんが、

「あの平氏の女、面白い。あの女だけ、救ってやろうか」

義経さん・・・。
義経さんと、お母さん、同じ匂いがする。
その匂いってのは、“誰彼かまわず、迷惑をかける”匂い何だけどね。   

401: アーヤ◆TQ:2017/10/14(土) 06:20

だんだん夏音って本当に小学生なのって驚かせられるけど苦労人も大変だね…😓

同じ匂いだけど頑張って付き合って夏音

402:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/14(土) 07:43

>>401 ありがとう!義経さん+ハチャメチャお母さんが会ったら・・・夏音、さらに苦労人(笑)   

403:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/14(土) 09:38

ああ、頭が痛い・・・。

「なんで、私の周りには、迷惑を顧みないのが多いのよ〜〜!」

絶叫してしまうのも、仕方ないでしょ。
絶叫してしまい、源氏の船がぐらりと傾く。
嘘・・・。
海はもう目の前。
それが、ぐらっと傾いたら。
私、海に落ちちゃう!
ヤバい・・・。

「夏音さん!」

沖田さんの声が聞こえたけど、私は海にバッシャーン!
はっきり言って、私は、水が苦手。
プールでも、あんまし泳げないし・・・。
あーあ。
私、溺れ死んじゃうのかな・・・。
沖田さんに、好きって言えないまま?

ガシッ

え・・・?
私の手を、誰かがつかんだ。
私は、無我夢中でその人にしがみついた。 

404: アーヤ◆TQ:2017/10/14(土) 11:10

私の予想では、夏音を助けたのが沖田さんか土方かなっと思っています。
夏音にベタボレとはいかないけど大切にしたいって気持ちで助けてくれる人ってこの二人って思える、いつも助けてくれるからみるの楽しみ。

これで進展とかしたらもっと良い感じだね🎵

405:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/14(土) 15:14

>>404 ありがとう!予想は、当たってると思うよー(笑)
進展は、するね(*^^*)

406:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/14(土) 15:24

バシャッ

ん・・・。
此処は、船?
私・・・。
海に落ちたんだっけ!?
で、誰かに助けられて・・・。

「小童」

土方さんが、私を助けたの?
いや、違う。
髪が濡れてないもの。
って、事は・・・。

「良かったな、総司が救ってくれてな」

やっぱり!
沖田さんが、助けてくれたんだ!

「沖田さん、ありがとうございます!」

沖田さんは、濡れた髪を絞っていた。
私が礼をすると、沖田さんは、にっこり微笑んだ。

「良かったです」

あーん、沖田さん!!
私、何回、惚れ直したんだろ! 

407: アーヤ◆TQ:2017/10/14(土) 15:49

やっぱり沖田さんだった(*≧∀≦*)

何回沖田さんに惚れ直したって言っても数え切れないぐらいだよ、だって私も惚れ直してしまったからね🎵
沖田さんsideと土方sideの夏音が海に落ちていくのをどうみたか二人の視点でみたい。

408:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/14(土) 16:49

>>407 ありがとう!夏音、かなり、惚れ直してるもんね(笑)
沖田さんに、惚れ直してくれたら嬉しいです(笑)
よーし、沖田さんside、土方さんside、書いてみるね(笑)  

409:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/14(土) 17:00

4,守る ※沖田side

「なんで、私の周りには、迷惑を顧みないのが多いのよ〜〜!」

夏音さんの絶叫。
何となく、わかったので苦笑しかできない。
と・・・。
船がぐらりと、傾く。
夏音さんの顔が、真っ青になった。

「夏音さん!」

叫ぶけど、遅かった。
夏音さんが、海へと落ちていく。
考えるよりはやく、体が動いていた。

「総司!」

土方さんが、叫んだ気がした。
が、夏音さんの手をつかむ。
無我夢中でしがみつく夏音さんを支え、船へと戻る。
必ず、自分が守らなければいけない。
もう一度、決意して、船へとあがった。  

410: アーヤ◆TQ:2017/10/14(土) 17:23

沖田さんのそういう行動は、とっても素敵ですし夏音に対する想いがだんだん強くなっていく様に思います。
沖田さんの「必ず、自分が守らなければいけない」決意が強く感じて、沖田さんは夏音への想いが増しているけど最後は悲しい結末って分かっているからこその切なさですね……
夏音は幸せものです

411:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/14(土) 18:36

>>410 ありがとう!確かに、夏音はかなり幸せ者だよね(*´ω`*)

412:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/14(土) 18:47

5,自己嫌悪 ※土方side

「夏音さん!」

総司が、海へと飛び込む。

「総司!」

叫んでも、聞こえてないらしい。
いつも、屯所で見せていた、なよなよな姿は、何だったのか。
俺は、驚くと一緒に、悔しかった。
なんでだ。
いつも、総司はアイツを守れるのに、俺は・・・。
軽い自己嫌悪に陥りながら、しがみついているアイツを抱えている、総司を見ていた。

「ん・・・」

目を開けたアイツは、此処は何処か、確認するよう、あちこち見渡している。

「小童」

声をかければ、不思議そうに見上げられた。

「良かったな、総司が救ってくれてな」

若干、嫌味が入っているが、アイツは気にせず総司の所へ。
あぁ、むしゃくしゃする。
アイツを助けたのは、総司で。
アイツが感謝するのも、総司だ。
照れたような表情も、何かもが、嫌だ。
俺は、駄々っ子かよ・・・。 

413: アーヤ◆TQ:2017/10/14(土) 19:19

土方が駄々っ子って可笑しいけど始めから辿ってみると……うん!正直言って駄々っ子だけど、それはそれでツンデレと違うギャップに萌えるからね🎵
面白いよ本当に

414: ろぉ ◆ hoge:2017/10/14(土) 22:56

かっっっっっっっっっっっっわいい…



   リリカさん°ʚ(*´꒳`*)ɞ°.

 いきなりなんだと思ったと思いますが、土方さん可愛すぎるでしょおおおおおおお!!!!!!!!!何なんですか、もう!!!((あーもう可愛い、存在そのものが可愛い((
 新キャラ?の弁慶さんも中々のキャラですな…うむ((沖田さん、土方さん(個人的に斎藤さん)といい勝負!!また出てきて欲しいです((はい、無視でいいです。
 義経さんとお母さんの匂いはそんな匂いじゃないでしょ!!((お母さんのおかげで沖田さんと出会えたんだからね!?((←何様wきゃっほー☆ってw今更ながらもお母さん主人公で長編小説できるほど、キャラ濃いっすなwある意味怖い…

 ( >>390
 聖地なんですか!私もまた行きたいです。其所行って初めて知ったのですが、局中法度を破って切腹…って、いやいや、局中法度の1番?すごく抽象的ですよね。まあそこが、らしいと言えばらしいのですがw改善しても良かったのでは。まあそこがらしいと言えばらしいのですが((←2度目wはい、余談ですね。すみません; )


 

415:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 08:59

>>413 ありがとう!駄々っ子というか、夏音に関すると、かなりギャップがあるよね(笑)

>>414

ありがとうございます!
土方さんのギャップ、ヤバくて、書いてても萌えました(笑)
斎藤さん、次こそは出ます(笑)
おまけで、番外編書こうかな・・・(*^^*)
確かに、あのいろんな意味で濃いお母さんがいないと、物語始まってませんね(笑)
キャラの濃さ、ほんと恐怖で・・・どう暴走するか、計り知れないです(笑)
切腹は、今じゃあり得ないし、ほんとびっくり。
その時代に生まれてなくて良かった(いや、生まれたかったかも)。
これから、時代ごとに、濃すぎるキャラがでるかもしれませんが、なにとぞよろしくお願いいたします。  

416:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 09:06

6,悪戯大好き、義経さん

「夏音殿、助かって良かったです」

弁慶さん、ありがとう!
体格も大きいし、背もかなりあるから、ちょっと怖いけど、優しい人だね。

「落ちて、平家に拾われれば良かったのに」

酷薄な言葉を吐いてるのは、義経さん。
でも、顔は笑ってる。
子どもっぽくて、純真だな。
これに怒ったのが、弁慶さんで。

「殿!何を言ってるんですか!?」

「弁慶は、女には優しいもんな」

おちょくるように、義経さんが言う。
一言、多いな。
沖田さんが、クスッと吹き出す。

「土方さんみたいですね。一言多いところが」

確かに!
でも、沖田さん、義経さんみたいだな。
ごくふつうな感じで、土方さんをいじってるし。
やっぱり、最強はこの人だ!
私は、改めて感じた。 

417: アーヤ◆TQ:2017/10/15(日) 09:14

確かに最高だね🎵

斉藤さん早く出てきて欲しいですし、沖田さんと土方と良い勝負になりそう夏音好きの三人がね

あと更新したよ、仁湖に注目してね

418:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 10:20

>>417 ありがとう!斎藤さん、番外編から出るよー(笑)
仁湖くん、いろいろクセがあって、おもしろいね!

419:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 10:29

(おまけ)

7,留守番組の日常 ※斎藤side

あーあ、つまんねぇ。
副長も局長もいねえし、何よりも夏音がいない!
夏音がいないと、つまんないし、アレだな。
男所帯でむさ苦しい。

「なぁ、山南!つまんねぇよな!」

山南は、不思議な顔をした。

「・・何が?」

何ってなぁ、いろいろと。
あぁ、いじくるのが難しい。
仕方ねぇ。
左之さん、いじるか。

「なぁ、左之さん!」

「ん・・・。飯、食べてぇ。腹、減った」

此奴もか。
左之さんは、食べ物しか興味なかったっけ。

「つまんねぇ」

副長がいたらいたで、怖いけど、いなかったらさらにつまんねぇ。
山南が、   

「なら、寿司でも食べに「行くぜ!」

左之さん・・・。
食いつきがすごいな。
俺も、立ち上がった。
留守番組は、つまんねぇ。 

420:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 10:32

8,弁慶さんの好きな人

義経さんが、さらにいじってる。

「建礼門院様だぞ!弁慶の・・・」

弁慶さんの・・・!?
気になる!
義経さん、ニヤリ。
弁慶さんは、顔を真っ赤にさせる。
もしや・・・。

「想いを寄せる、憧れの人だな」

つまり・・・。
弁慶さんは、建礼門院様が好きなんだ!

421: アーヤ◆TQ:2017/10/15(日) 10:36

夏音ってやっぱり凄いけど、斉藤さんがまず面白いことにツマンナイ発言で分かった。
土方も夏音が沖田さんを見つめているとツマンナイって思うことと一緒だって感じにモテている夏音は罪な乙女だよね?

422: アーヤ◆TQ:2017/10/15(日) 10:41

憧れの人がいるの弁慶!!

更に驚きだよ。
続きが気になるよ!

仁湖は今後ドンドン出す様にしてみます、解斗の弟だから兄弟関係もいずれ書きたいって思っているよ!

423:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 11:49

>>421 ありがとう!夏音は、沖田さんloveだけど、まあモテて、罪だよね〜(笑)

>>422 兄弟関係、気になるよー(笑) 

424:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 12:00

義経さん、さらにニヤッ。

「夏音、あっちの船を見ろ」

うん?
平氏の船?

「平氏の船に、弁慶の好きな建礼門院様が居るぞ」

そうなの!?
見たい。
弁慶さんが、どんな人を好いてるのか。

「でもな、建礼門院様は、帝の母で、清盛の娘だから、叶わぬ恋だ」

ええっ!?
よりによって、バリバリの平氏を!?
弁慶さん、赤くなって、いじいじ。
大きいのに、こういう時は、なんかね・・・。
恋する男って、感じで、微笑ましい。
弁慶さん、反撃に出た。

「そう言う殿こそ、静殿を放っておいて良いんですか?」

義経さんは、ハッと、

「静!心配だ・・・。そうだ!」

えっ・・・。
義経さんは、私を見てにこっ。
何々。
怖いんですけど・・・。

「夏音。静が心配だから、静のそばに居ろ」

ええっ!?
私が!?
って言うか、静さんは何処なのよ!
義経さん、またまたにこっ。

「京に居る。はやく、行ってこい」

失礼な!
か弱い乙女(一応、私よ!)を、京まで走らせるの!?
此処、何処かわかってる!?
壇ノ浦よ、壇ノ浦!
義経さん、まったく心配してない顔で、

「そのへんな物で行けば、良いだろう」

義経さんが指した先には、タイムスリップマシーン。
そういや、コレがあったんだ。
場所指定、できるのかな?
まあ良いや。
私は、タイムスリップマシーンに乗り込んだ。  

425: アーヤ◆TQ:2017/10/15(日) 12:55

義経やっぱり人使いが荒いよ、あとヘタレだって感じがする。

426: アーヤ◆TQ:2017/10/15(日) 14:01

女子と思っていないところも面白いね

427:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 14:33

>>425 ありがとう!人使いの荒さは天下一品かもね(笑)

>>426 女子らしく・・・見えないからね(笑) 

428:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 14:41

9,静御前

静さんに会うために、私は、タイムスリップマシーンに。
時代は・・・『平安時代後期』。
場所は・・・『京都』。
これらを押したら。

ブワンッ

スッゴい風圧。
今までにないほどで。
良かった、沖田さんや土方さんがいなくて。
変になった顔を見せることになるもの。

「着いた!」

私は、タイムスリップマシーンから降りて・・・。
ヤバい!
場所、聞いてくるの忘れた!
どうしよう・・・。
固まってると、一人の綺麗な女の人が。

「どうしたのですか?私で良ければ、何かお助けできるかも」

天使だぁ!
この時代に、天使がいるっ!

「じゃ、静御前って言う人を捜してるんですけど、わかりますか?」

女の人は、フフフッと微笑んだ。

「私が、静です」

何とっ!
いきなりどんぴしゃ。  

429:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 16:04

10,静の悩み

静さんは、にこりと、

「静で良いわ。あなたは、どこから来たの?」

静さん────いや、静は、私に聞いた。
私は、

「壇ノ浦・・・義経さんに頼まれて」

静、微笑む。
花の咲くような温かい、笑顔。
花に見立てるなら、桜かな。
義経さんが惚れた理由、何となくわかるかも。

「そうなの。義経様が・・・」

ん?
どうしたんだろう?
義経様と言ったとき、静のキラキラ輝いていた目が陰った。

「どうしたの、静?」

静は慌てて、目線を上げた。
でもすぐに、視線を泳がせる。

「聞いてくれる・・・?あなたは?」

名乗るの忘れてた!

「私は、夏音」

静は、弱々しく笑った。  

430: アーヤ◆TQ:2017/10/15(日) 16:16

まさに着いてから探さないで、声をかけたのが静だったとは驚きだ❗

静の悩みは絶対に義経だって感じてしまうよ!
言って欲しい言葉を後先考えずに、やってしまうことかな私の予測では?

431:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 16:57

>>430 ありがとう!静の悩み、義経の事だよ(笑)

432:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 17:02

「義経様は、いつもいつも、頼朝様しか見なくて。私に素っ気なくて・・・」

恋する乙女!
静の悩みは、深刻だね。

「・・・軽率な行動は、あまり頼朝様に評価されないって何度も言ってるのに・・・。義経様は・・・」

聞き入れてくれないのかな。
ひどい。
それで、彼氏面なんて!
義経さん、最悪!

「頼朝様を、尊敬するのは、別に良いけれど・・」

「良くないよ!静が悩んでるもの!」

これは、義経さんが悪いパターンだから、あっちを反省させないと。
静はクスッと、

「ありがとう、夏音」

私は、ひたすら考える。
どうすれば良いかな・・・? 

433: アーヤ◆TQ:2017/10/15(日) 17:42

当たったけど予測が外れてしまうとは、でも義経酷いって思ってしまう。

反省させて罰を受けてもらわないといけないね😡

434:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 18:08

>>433 ありがとう!義経さん、反省しないとね・・・?(黒笑い)
果たして、夏音は・・・? 

435:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 18:13

11,作戦

義経さんの気を、静に向けないと。
このままじゃ、ただのチャラい義経さんになっちゃう。
うーん。
義経さんを嫉妬させる・・・とか?
案外、良いかも!

「ねぇ、静!義経さんを妬かせるのは!?」

静は、困ったように、首を傾げた。
いまいち、ピンときてないのかな?

「例えば、静が、義経さん以外に気がある素振りをすれば、義経さんも静を見てくれるよ!」

ただし、その後、私から、義経さんに罰を与えないとね。
静の顔が、パッと明るくなった。

「夏音、本当に良いのですか?」

「あったり前!おやすいご用だよ」

そのために、土方さんに協力を頼もう。
土方さんは、かなりの色男だもんね。
  

436:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 18:18

沖田さんでも良いかもだけど、私が許せない。
たとえ、静だとしてもね。

「静、壇ノ浦に向かうよ〜」

「どっ、どうやって?」

私は、タイムスリップマシーンを指す。
これなら、すぐに壇ノ浦に行けるもんね!

「とりあえず、乗って〜〜」

「夏音!?」

戸惑う静を無理矢理押し込んで、私も乗り込む。
よぉし!
『平安時代後期』の『壇ノ浦』!

ブワンッ

「キャアッ、何です!?」

静の驚いた声を最後に、壇ノ浦に着いた!
ん?
沖田さんと土方さん、近藤さん、藤堂さん、永倉さんが刀を抜いてる!?
戦に参加しないと、いけなくなったの!? 

437:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 19:59

土方さんがかったるそうに、

「めんどくせぇな。何故に、戦に加担しなければならない?」

言ってるのが、聞こえる。
義経さんが、またまたにこっ。
この人の笑顔、犯罪だよ。

「我ら源氏が勝たなければいけないからな」

あぁあ。
また、詐欺をしたんじゃない?
土方さん、返す言葉無く。
率直と言うか、軽率な義経さんにはみんなあんぐり。

「夏音。行きましょう・・・?」

「そだね、静!」

私は、静とタイムスリップマシーンを出た。
潮風が、寒くて滲みる。

「静!」

義経さんが、走ってくるけど。
静は、ぷいっと顔を背けた。
そして、土方さんの所へと走る。
静、女優になれるんじゃ?
スゴいなぁ・・・。

「義経様は、いつも私を見てくれませんわ!私、この方の方が・・・」

演技力と言うより、ホンネだったりして・・・。
義経さんが、がびーんとした顔で、

「静ァ・・・」

ドンマイ。
でも、私は、静に同情してるから、義経さんには同情できないな。     

438: ろぉ ◆ hoge:2017/10/15(日) 20:13




   リリカさん°ʚ(*´꒳`*)ɞ°.

 最近米の頻度上がってますが、大丈夫ですかね…
 わーお、斎藤さん出てる~!!うっし!((留守番組…どんまい!!まぁ屯所を守る役割として重要だからね?夏音さんが頭の中をぐるぐる回ってるのかもしれないけど…w書いてくださり、“誠”にありがとうございます!!(“”をつけた理由は分かりますよね~w)
 弁慶さんも一杯出てる~!!やった♪かっこいいですよね~!!立ったまま死んだりとか(これ弁慶さんですよね?違ったらごめんなさい;)もう凄いですよ。鑑真さん?もだっけ?座禅を組みながら死んだ人って。自分の好きなこと?というかそういう格好で死ぬ事が出来るっていいですよね、憧れます!
 義経さんを妬かせる…夏音さんの発想が現代すぎてwまぁ夏音さんは現代の方ですからね、まぁそれが吉と出るのか凶と出るのか…楽しみです!!
 えと…幕末を描いていた時って大体いつごろ、とか決まってますか?決まっていたら教えて欲しいです!!山南さんとか切腹ですからね…藤堂さんも…油小路事件(でしたっけ?)で…まぁ、敵味方関係ない!てところがいいといえば、いいのですがねw
 そういえばっ!源さんはっ!いつっ!出てくるのでしょうっ!(すみませんふざけました((殴)まぁスルーで宜しいので。なんか源さんだけ初期メンツで出てないなーって…(最近要望大杉)スルーでいいです、こんな馬鹿が見てるって思っておいてくれたら!
 まぁ、頑張ってください!!更新楽しみにしています!


 

439: アーヤ◆TQ:2017/10/15(日) 21:01

静の演技力凄い❗

けれども土方を使っては良いけど、沖田さんがやったら静でも許さないって本当沖田さんに惚れているね。
でも夏音が好きな土方が可哀想だって思ってしまう

440:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 21:20

>>438

ありがとうございます!
斎藤さん、これから活躍しますからね!
“誠”の理由、分かりましたよ〜!
弁慶の立ち往生で、合ってますよ〜〜(笑)
自分の好きなことを、貫けるなんて憧れてます(笑)
果たして、吉か凶か!?(笑)
いつ頃かと言うと・・・1862年くらいですかね(笑)
まだ、みんな生きてるので(笑)
山南さんと藤堂さんは、案外早死になので、活躍させてあげたいと。
源さん、斎藤さんと一緒に出てくると思います(笑)
はい、頑張りまーす!

>>439 ありがとう!若干、土方さんは可哀想だけどね・・・。
でも、接近するかも・・・(笑)  

441:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 21:25

12,予想外の食いつき

義経さん、がっくり。
そのがっくりした肩を、弁慶さんが優しく叩く。
うーん。
なんか、こっちが悪い気がしてきたよ。

「殿が改めれば、静殿は、また振り向いてくださりますよ」

それとなく、注意が入れていて、しっかり者の弁慶さんらしいな。

「・・・・・ん」

義経さん・・・泣いてる?
ちょっと悪いことしたかも・・・。

「ねぇ、静・・・って!?」

振り向いて、あんぐり。
演技のハズだったのに・・・本当に、土方さんとイチャイチャしてんじゃん!
イチャイチャって言っても、静が一方的に、だけど。

「歳三様ぁ♡♡」

あぁあ!
予想外に、静が土方さんに、食いついちゃった!    

442: アーヤ◆TQ:2017/10/15(日) 21:31

義経が何だか可哀想になってきた案外といけているけど……、土方に食い付きな静が以外だった。
土方sideみたいって思う

443:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/16(月) 17:22

>>442 ありがとう!イケメンのフェロモン、ヤバいからね(笑)
土方さんside、書くよ〜〜! 

444:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/16(月) 17:32

13,本当の気持ち

はぁ。
イケメンって、ヤバいな。
作戦のつもりが、本気で食いつくなんて。

「はぁぁ♡♡」

静・・・。
恋する乙女じゃない!
義経さんにではなく、土方さんに、だけど。
イチャイチャと言うか、静が土方さんに抱きついたり、しなだれかかったり。
義経さん、もう完全にがっくし。

「・・・あぁあ・・・」

義経さんが悪いのに、なんか静が悪いように見えてしまう。

「私の、恋人になってくださいまし♡」

目が、ハート。
静ァ。
本当に、それで良いのかな。
ジッと観察してると、僅かに静の視線がそれて。
義経さんのがっくしとした、背中を見ている。
静の本当の気持ち、義経さんに振り向いてほしいだけなのかもしれない。

「・・・それで良いのか?」

土方さんが、静に問いかけている。
私の所から、二人の話し声は聞こえなかった。
その間、私は沖田さんの所へ。

「沖田さんって、恋人欲しいですか?」

沖田さんは、ちょっと視線を下げてから、

「・・・今は、考えられないです」

そっかぁ・・・。
新撰組の事も、あるもんね。
それと、菊乃さんの事も。      

445:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/16(月) 18:52

14,認める気持ち ※土方side

静とかやらの女が、俺にまとわりつく。
正直、あんま嬉しくねぇ・・・。

「私の恋人になってくださいまし♡」

アイツに惚れなけりゃ、決めてやったかもしれねぇ。

「・・・それで良いのか?」

恋人になってくれと言うわりに、義経の方を見てるな。
もしかしなくてもな・・・。

「なんで、認めないんだ?」

静が、睨む。
あんまし、迫力ねぇな。

「・・・何を、ですか?」

あくまで、しらを切るつもりだな。

「義経を好いてる・・・だろ?」

頬が紅くなっている、当たりだ。
俺は、たたみかけるように、

「認めな。お前は、義経が好きだって事。あとさ、」

静が不思議そうに、見る。

「認める気持ちも、大切だと思うけどな」

「・・・ん。私は、勘違いしてましたわ。義経様は、私なんかを見てくれてないと思ってました。でも、そうじゃなくて」

良かった。
何故だろう、俺は、コイツと似てる。
そっから先の言葉を聞かなくても、すべてわかった。

「ありがとうございます、歳三様」

なんか良いことをした、のか?
静は、義経に向かっていった。        

446:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/16(月) 20:14

15,好きが募る

そうなんだね・・・。
ちょっと、しんみり。
沖田さんは、まだ恋人いらないんだ。
あわよくば、なろうと思ってたのになぁ。
なーんて。
沖田さんは、慌てて、

「いや、だからと言って、いらないわけじゃありませんからね!?」

ふふふ。
可愛い。
いつも、落ち着いてて、優しい沖田さんが、慌ててる。

「わかってますよ?それに私、沖田さんが好・・・」

ハッ!
私、何を言おうとしてた!?
告白紛いのを!?
いやだぁ!
急激に、頬が熱くなる。
沖田さんは、不思議そうに、

「私が、好・・・?どういうことですか?続き、教えてください」

「ムリですぅ!」

それこそ、本当の告白になっちゃうし!
それか、沖田さん、わざと!?
嫌々、そんなことない。
沖田さんは、プッと吹き出した。

「夏音さん、面白いですね」

良かった。
告白紛いのは、気づかれてなかったんだ。
それと同時に、だんだん、好きが募っていくのがわかった。

447: アーヤ◆TQ:2017/10/16(月) 20:23

土方鋭いって!!
夏音は本当に告白して、あと沖田さんわざとらしく夏音にもう一度聞いたな!

沖田さんside見てみたい

448:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/17(火) 18:06

>>447 ありがとう!沖田さん、隠れSだからね(笑)
良いね、書くよ〜(笑) 

449:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/17(火) 18:19

16,わざと ※沖田side

「わかってますよ?それに私、沖田さんが好・・・」

何となく、夏音さんの言いかけた先の言葉が、わかったような。
でも、言うのは無粋だから、あえて聞く。

「私が、好・・・?どういうことですか?続き、教えてください」

「ムリですぅ!」

顔が紅い夏音さんが、菊乃の恥じらう姿と見えて。
嫌々、そんな事はない。
否定し、思わず吹き出した。

「夏音さん、面白いですね」

僅かにこぼした笑みも、すべてが。
似ているけれど、どこか菊乃と違っている。
笑えるのは、反応。
すごく、いじってる土方さんの気持ちがわかった。
わざと、聞くのもありなのかもしれない。   

450:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/17(火) 19:43

17,相思相愛

ほっこりした空気。
そんな空気を変えたのは、静の一言。

「・・・義経様。本当は・・・」

義経さん、髪をくしゃっとさせて、フイッと顔を背けた。

「・・・大丈夫だ。はやく、京に戻れ。もう、関わらないから・・・」

義経さん・・・。
私、めちゃくちゃイライラ。
少しでも、静の話を聞いてあげても良いんじゃないの!?
そんな、勝手に決めつけるって・・・!

「義経さんって、案外、バカだったんですね」

私は、思わず言ってた。

「なんだと!?」

義経さんの顔が、一気に紅潮。
事実じゃん。

「静の考え、決めつけないでよ。どんだけ、静が悩んでたか、知らないくせに」

言った途端、義経さん、しょんぼり。

「だから、静。話して」

静の顔が、パアッと明るくなった。
義経さんは、顔を上げた。

「実は、私・・・」

静が、悩んでいた事をすべて話し始めた。
初めは、義経さんの顔が死んでた。
でもだんだん、ちょっと明るくなっていった。
極めつけは、

「私は、ずうっと、義経様のお側にいたいです!」

静のこの、言葉。
義経さんの顔が赤くなって、それから明るくなった。

「静・・・」

「義経様・・・」

あのねぇ。
此処で、抱き合わないで。
一応、壇ノ浦、戦の場なんだから。
って、言いたかったけど、止めた。
相思相愛になったから、それでいっか。
   

451: アーヤ◆TQ:2017/10/17(火) 19:48

やっぱりわざとらしく言ったね、土方の弄る気持ちが分かったとは凄い

452:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/17(火) 20:52

>>451 ありがとう!わざとな感じが良いよね(´V`)♪

453:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/17(火) 21:08

18,返品

「おいっ!源氏。コレを返しにきた」

あれ?
平氏の船?
船頭が、船を漕いで、言った。
コレって?
船を見て、納得。

「やっぱり、義経はイケメンね〜!」

この発言で、きっぱりわかった。
お母さんだ。
着物を着て、髪も流してるから、わかりにくかったけど、発言のおかげで、確認。

「・・・なんで、コレを返しに?」

来なくて良かったのに。
そんな気持ちを押し込めて、聞く。
船頭が、困ったように、

「建礼門院様は気に入られたのだが・・・。帝がその方の後を追って、海に落ちそうになり、やむなく返しに参った」

あぁあ!
またかよ!

「なんで、迷惑を顧みないのよ!?」

怒鳴れば、お母さんは飄々と、源氏の船に乗りながら、

「迷惑だったの?帝と触れ合ってただけなのに」

「だぁかぁら、それが迷惑なの!」

お母さんは、耳を貸さず、うっとりと、

「でもなぁ。やっぱり、フェルセンの方がカッコ良かったしなぁ・・・」

イケメンを批評している。

ブチッ

これは、私の頭の血管が切れたような音。

「イケメンを選ぶんじゃないわよ!そりゃあ、返品されるわよ!」

お母さんは、耳を後ろに向けた。
むっかぁ!
って言うか。

「桂さんは、放っていいの?」

お母さん、ハッ。

「やっぱし、小五郎さんよねぇ♡」

調子いい。
なんで、世の中は、こんなひどい奴がモテるのよ!?
不平等よ!
お母さんに向かって、睨む。
近藤さんと、永倉さん、藤堂さんが噂してるのが聞こえる。

「怖ぇなぁ」

「怒らしたら、かなり大変だな」

ムカムカムカ。
私は、じろっと、

「・・・なんか言いましたぁ?」

三人、慌てて首を振る。
沖田さんが、クスッ。

「局長が、夏音さんを恐れてる」

うわぁ。
笑顔、ヤバい!
また、胸がキュンって熱くなった。  

454:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/18(水) 06:34

19,わがまま

お母さんが、じとっとした目で、私と沖田さんの間に割り込む。

「此処で、イチャイチャするときじゃないのよねぇ・・・」

あんたが言うな!

「愛娘の恋路を邪魔するつもりないけど、」

いや、邪魔する気満々でしょ。
そのニヤッとした笑顔だもん。

「時と場所を考えて・・・」

なんで、あなたに注意されなきゃいけないんだろう。
お母さんは、ハッとした顔になって、

「小五郎さんは!?」

と、つかみかかって来た。
いい迷惑だわ。
私は、呆れかえりながら、

「現代に置いて来ちゃった」

仕方ないでしょ!
桂さんは、お母さんが浚われてから、全然、元気なかったもん。

「はやく、戻るわよ!夏音、みんなを集めてよ」

わがままを言うな!
って、言うか。

「どうやって、あの少年────結斗だっけ?の所から逃げてきたの?」

お母さんは、心此処にあらずと言った感じで、

「本能で逃げてきたのよ」

本能で逃げてきた!?
バカと言うか、獣みたいと言うか・・・。 

455:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/18(水) 18:28

20,源さん

呆れながら、新撰組に声をかけた。

「みなさん、そろそろ現代行きますよ〜」

それぞれが、わいわいとタイムスリップマシーンに乗る。
もちろん、静もね。

「義経様・・・」

ぐずる静を義経さんから引き離して、乗せる。
だってさ。
静と義経さんは、このあともずっとラブラブなんだから。
『平安時代』の『後期』の京都。

「夏音、ありがとうございます。私、これからは義経様としっかり向き合いますわ」

静の微笑みは、勝ち気でそれでいて、優しい笑み。
静を見送って、お母さんがなんかのボタンをポチッ。
風圧。

「幕末なう!」

お母さん、喜びようが・・・。
ってか、なんで此処に?

「新撰組の全員で行くのよ!」

全員はムリでしょ。
せめて、留守番組ぐらいかな。

「私、留守番組の人と会いたいわ〜」

・・・ハイハイ。
呼んでこいって事ね。
沖田さんたちと、屯所へ。

「山南さん、原田さん、斎藤さん、一緒に現代に行きましょう!」

屯所の奥から、喜んでる声が聞こえる。
斎藤さんだな。
いや、原田さんも?
出てきたのは、上品な山南さん。

「城里に紹介したい者がいるんだ」

あえて、城里なのは、その人にバレたらいけないから。
でもなぁ・・・。
すぐにバレそうなのは、気のせいかな。
斎藤さんと一緒に来たのは、顔はほんと武士らしくて、厳ついけど、優しい目。
体格もがっちり。

「井上源三郎だ。よろしくな、城里。・・・いや、夏音か?」

な、なぜ私の名を?

「一から聞いた」

斎藤さん!
あなたが言ったのね!?
ギッと睨めば、斎藤さんはどこ吹く風のように視線をそらした。
井上さんは、笑って、

「みんなからは、源さんって、呼ばれてるけどな」

じゃ、源さんで!   

456: アーヤ◆TQ:2017/10/18(水) 20:47

留守番組が来たよ、斉藤さん達一緒に行こう


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