時を駆けて、初恋*します。

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1:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/03(日) 16:18


*プロローグ*

出逢えたら良かった。
でも。

「私たちは出逢ったらいけなかった。すぐに、もとの世に戻れ」

私たちは逢ったらダメだった。
彼は、そう言った。

752:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/10(日) 08:37

17,君がいて良かった ※沖田side

夏音さんが着替えてる間、少し俺は切なくなった。
菊乃のときから、ずっとそばにいたから。

「思えば、不思議だな」

一さんが、言う。

「俺らが夏音に出逢ったのって・・・」

確か。
夏音さんの母上の何かとかで。
突然、現れたっけ。
そして。
心引かれるのもあっという間で・・・。

「いろんな所に、行きましたね」

「そうだな」

今、振り返れば可笑しな話だ。
でも。
何度だって思う。
君がいて、良かった。

「こっち向いて、良いですよ〜」

振り向けば、明るい笑みをたたえた、夏音さんがいた。
この笑顔を、忘れることはないんだろうな。                                                   

753:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/10(日) 12:26

18,おんぶ!?

私は、自分の高鳴る心臓の鼓動を抑えながら、苦笑い。 
だってさ。
私が生きる『時代』と、新撰組の生きる『時代』は違うから。
どう足掻いても、それは超えられないんだよね。

「夏音」
 
紫式部さん?
どうしたの?
そんなに、思いつめた顔して。

「『源氏物語』、私が死んだあとも、読まれるのかしら?」

なんだぁ。
そんなこと。
私は、にっこり笑った。

「当たり前じゃないですか」

じゃないと、社会の教科書に載んないよ。  ホッと安堵したような、紫式部さんが御簾を開ける。
庭には、蹴鞠をしてる人たち。
と・・・。

ボカッ

ほひゃ!?
鞠が、私に向かって飛んできた。
勢いは止まらず・・・。

「いったぁ!」

足に、当たって止まる。
ちょっと痛いわ。

「ううう・・」

ヤバい。
私は、思わず屈む。
と。
ヒョイと抱え上げられた。
斎藤さんに。

「夏音〜」

わぁ。
おぶわれて、なんだか。
おんぶ!?
うわわぁ。
赤ちゃんのとき以来だよ。
おんぶなんて。                                                   
              

754:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/10(日) 18:03

19,監察方

恐らくにやけてるであろう、斎藤さんの背中にもたれながら、ぼんやり。
赤ちゃんのとき・・・・か・・・。

「お父さん・・・」

つぶやいた私に驚いたのか、斎藤さんが聞く。

「俺が、お父さん?」

あっ。
そう言う意味じゃあ・・・。

「おぶわれるのって、お父さんにされたのかなって。懐かしくなって」

記憶が、ないけどね。
斎藤さんが、

「そう言や、夏音の父上って・・・」

話してなかったっけ。
今でも、あのときの衝撃が忘れられない。

「事故で亡くなったの。私が生まれて、しばらくしてね」

声のトーンが低くならないよう、ちょっと笑った。                            
            
       

755:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/11(月) 21:25

って!
何々。
この、『いけないことを聞いちゃった・・・シーン』は!?
しんみりしなくて、良いのに。
同情なんかいらない。

「それより!私、紫式部さんの『源氏物語』絶対読みます!楽しみにしてますから」

うん、これは絶対。
紫式部さんが、微笑んだ。
何も言わなかったけど、私には汲み取れた。

「Hello☆夏音〜!」

しっかし・・・。
ヤツ(お母さん)は、殺意がわくほどののほほんとした顔でタイムスリップマシーンに乗って現れた。

「お楽しみのとこ、悪いけど♪次、行くよ〜っ!」

はぁ!?
私、唖然。
次って!?

「お楽しみの、幕末♪♪」

私の、握った拳を見て、彰子さんと紫式部さんがふるふるとふるえ出す。
私の目に、暗い光が宿っているだろう。

「・・・一発殴らせろ〜っ!」

「きゃは☆」

ヤツは、私の攻撃を避け、タイムスリップマシーンに。
つられて、乗り込む。
あっ、はめられた。
そう気づいたときには、新選組と私はタイムスリップしていた。                                                                                   

756:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/14(木) 21:35

お知らせ

明日、更新できないかも(*_*;
最近、更新できてないし・・・。
土日に乞うご期待←おい
来週からは、またいつもどおりできると思います。            

757:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/16(土) 09:17

はぁぁ。
相変わらずのハチャメチャなお母さんだわ・・・。
私に、この人の血が流れているとは到底思えず。

「やっぱさぁ〜、このドキドキ感が良いのよね♪」

あのねぇ・・・。
沖田さんはじめ、みんなから殺気がわいてるよ?

「お母さん・・・。斬られてあっさり逝くよ?いつか」

断定するように、言えばお母さんは二ヒヒと笑った。
不気味!

「私には、長州がついてるから♪」

だからそれがヤバいの!!
とまあ、賑やかに(?)屯所に着いた。
お母さんは、なぜだか沖田さんの部屋に居座るって。
良いなぁ!

「おい、今から夏音の仕事について、教えてやる。咲と山崎を呼んでこい」

久しぶりだな、咲さん。
土方さんの部屋に残って、咲さんを待っていると。

「副長〜・・・。夏音が監察方、できますか?」

ぬぬぬっ。
咲さんめぇ!
やっぱり腹黒いよぉ・・・。
私が、恋敵だから?
うーん。
それだけじゃないような・・・。
なんて、気のせいかな。                                                                            
  

758:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/16(土) 12:45

20,バレるのはこりごり

すすっと障子が開いて、咲さんと知らない人。
この人が、山崎さんかぁ。

「監察方の仕事について、説明する・・・」

土方さんが言うけど、あんまり聞いてない。
だってさ。
山崎さん、美丈夫だもん。
浮気する意味とかじゃなくて、普通に思っただけ。
目が澄んでいて、綺麗。

「・・・わかったか?」

はっ。
聞いてない・・・。
んん〜。
聞いてないのバレたら、切腹になりそうだし。

「あはっ。大丈夫ですよ〜」

土方さんが、怪訝そうに見る。
怪しまれてる!
咲さんが、

「俺が注意しときます、手取り足取り教えときますから」

と、ニヤリ。
怪しいや。
咲さんは腹黒いし・・・。           
                                

759: アーヤ◆TQ:2017/12/16(土) 13:25

なんだか行き先が危ういよ!

760:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/16(土) 18:07

>>759
ありがとう!
確かに、色々危なさそうだよね(*^o^*)    

761:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/16(土) 18:21

手取り足取りって・・・。
危ない気がするし。
山崎さんが、グイッと身を乗り出す。
美丈夫に見られたら、困るよ〜。

「・・・女々しい」

ありゃあ・・・。
やっぱり、女々しいよねぇ・・・。
斎藤さんのときと良い、私って女々しいんだね・・・。

「女装なら上手いんじゃないか?」

咲さん・・・。
知ってて言ってる感満載だよ。

「・・・女装は、頼む」

はぁ!?
断定されたよ!?
土方さんが、くつくつと笑った。
でも。
山崎さんにバレるのはこりごりだよ。                           
        

762: アーヤ◆TQ:2017/12/16(土) 18:56

バレるかは時間の問題

763:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/17(日) 12:18

>>762
ありがとう!
時間の問題だよね(*´ω`*) 

764:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/17(日) 12:22

21,終焉へのエピローグ

────和やかなままだと思ってた。

みんなの目が、“鬼”の凄絶な光を放つ、までは。
でも・・・。

しーちゃんのときのような、別れが密かに近づいていた。                  

765:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/17(日) 12:27

あとがき

はいっ!
I完結で〜す!
今までこんなに続けられた作品は初めてなので、すごい嬉しいです。

今回は、前半平安時代にタイムスリップしました!
あの紫式部と夏音が対面!

後半は、いつもの(?)幕末へ。
最近、別ればかり書いてるような・・・(汗)
あの人との別れです。

新キャラも出てきましたね。
注目してみてくださいね(*´ω`*)

コメントくださった方々、ありがとうございます!
こんなに続けられたのは、みなさんのおかげです。

これからも頑張ろうと思います。

        リリカ                                  

766:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/17(日) 14:02

『時を駆けて、初恋*します。』J

登場人物

城里 夏音
本作の主人公。 
明るい。
裁縫などのチマチマ作業が得意で、沖田さんに想いを寄せている。

沖田 総司
新撰組隊士。
優しく、剣の腕が立つ。
夏音と両想い。

土方 歳三
新撰組副長。
S気質。
夏音が好き。

近藤 勇
新撰組局長。
大柄。
大食漢。
 
永倉 新八
新撰組隊士。 
明るい。
チャラい。

藤堂 平助
新撰組隊士。
優しく思いやりがある。
苦労人。

原田 左之助
新撰組隊士。
大食らい。
明るい。

山南 敬助
新撰組隊士。
穏和。
知的で頼りにされている。

斎藤 一
新撰組隊士。
子どもっぽく純粋。
夏音が好き。

井上 源三郎
新撰組隊士。
穏和。
ある意味最強。

山崎 蒸
新撰組隊士。
監察方で夏音の先輩。
夏音が女だと気づいてる・・・?


新撰組隊士。
夏音と同じく女。
腹黒いが、沖田さんが好きで夏音の恋敵。

花(はる)
夏音に惚れた女の子。        
                        

    

767:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/17(日) 14:07

1,お梅さんの悩み

ふあ〜・・・。
幕末にタイムスリップして1日めの夜。
眠い〜・・・。
布団に潜り込んで、はたと気づく。
前の時、土方さんの布団に入っちゃったよね!うわぁ・・・。
今、同室の土方さんはいないけど、ドキドキする・・・。
なんて思うのは、私だけ?

「あっ。前の、あの気になってた物・・・」

白い帳面みたいだったよね。
気になるから、探そうっと。

「よぅし・・・」

二ヒヒと笑って、文机に近づく。
秘密、見つけちゃうぜ〜・・・!!                                

768: アーヤ◆TQ:2017/12/17(日) 15:00

土方さんの布団にデシャウで潜ったね、あとまた目的の土方さん宛てのラブレター諦めてなかったんだ

769:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/17(日) 16:02

>>768
ありがとう!
夏音、諦めない質だからね(笑)  

770:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/17(日) 16:06

しっかし!!
タイミング悪かった・・・。
文机の持ち主=同室の方がギラギラした目で、私を見下ろしていた。

「・・・何をしていた?」

地の底から響いてくるような、低い声。
ゾワワッと背中の毛が、逆立つ。

「あはは。別に・・・」

愛想笑いして、そうっと布団に潜り込もうとしたら。
首根っこを掴まれた。
笑い事じゃない〜!!

「・・・全部吐け。拷問するぞ?」

いやだぁぁ!!
私、今日が命日かも・・・。                                   

771: アーヤ◆TQ:2017/12/17(日) 17:45

土方さんに見つかるとは運が悪いね夏音……
でも吐かなかったら強引にでも攻めて来そうだから、早くも言ったら夏音命拾いするからね。

772:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/17(日) 17:59

>>771
ありがとう!
いろんな意味で、吐かないと危ないね(笑)
不運なのも夏音の特徴だよね(笑)     

773:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/17(日) 18:06

「・・・すいません、ラブレターが気になって・・・」

人間、素直が一番よね。
私が言うのも、何だけど。
土方さんが、首を傾げる。

「らぶれたー?」

ああっ。
この時代、ラブレターなんて言葉ないか。
 
「恋文ってことです。で、誰宛なんですか?」

謝るのは後でね。
気になることを、聞いとこう。
土方さんが、不思議そうに、

「恋文・・・?そんなの送らないが」

はい!?
じゃ、あれは・・・。
何なの!?
ところが、土方さんが怒ったように(完全に怒ってる)、

「人の文机を、荒らすな・・・」

ひぃぃ!!
ごめんなさい〜!!                                

774:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/17(日) 21:25

うわぁ・・・。
お怒りになってる・・・!!
ヘルプミー!
沖田さんでも、誰でも良いから!
しかし・・・。
祈りむなしく、襲いかかられる。
ギャーーッ!

「お邪魔するね」

と、障子が開く。
障子の向こうから、山南さんの仏のような後光が眩しい笑顔が覗く。
助かった・・・?
ところが、山南さんは襲っている土方さんと、襲われている私を一瞥して、

「・・・邪魔してすまないね」

相変わらずの笑顔で、するするっと障子を閉めた。
あぁ!
神様〜!!
なんで唯一の神様が去っていったのよぅ!                                       

775: アーヤ◆TQ:2017/12/18(月) 18:31

勘違い夏音と冷静土方さん最高に面白可笑しく夫婦関係に見えるよ(*ノ▽ノ)

776: アーヤ◆TQ:2017/12/18(月) 18:33

やっぱり山南さんグッとタイミングってえっ👀⁉
何故か閉めた?

777:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/19(火) 17:00

>>775
ありがとう!
夫婦漫才みたいな(笑)
コンビ組んでも良いかもね(笑)

>>776
そりゃ・・・。
大人だし、察したんだよ(笑)   

778:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/19(火) 17:03

私は、障子にすがりつく。
ガバッと開けて、

「助けて!」

誰かに抱きついた。
だってさ、後ろに危ないヤツがいるもん・・・。

「夏音?」

斎藤さん!
助かった〜・・・!!     

779:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/20(水) 18:40

斎藤さんが、なぜか目をそらす。
はて?

「・・・目のやり場に困る」

んっ?
そうっと、視線を下げると。
わぁ!
着物が、はだけてて。
私の頬が、熱くなる。

「すいません!」

斎藤さんが、耳まで真っ赤にさせて、

「そう言や、お梅さんが悩んでる風情だったぞ」

お梅さんが??
何を、悩んでるのかな。

「ありがとうございます」

お礼を言って、八木邸に向かおうと後ろを向くと、斎藤さんが声をかける。

「着物、正せよ〜。平山さんに叱られるぞ」

平山さんに会ったことはないけど、口うるさそうな人なんだな〜。                           

780:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/21(木) 14:25

八木邸に着いて、戸をガラッと開け放つ。

「こんにちは〜!お梅さん〜?」

そう言いながら、入っていく。
珍しく、芹沢さんの声が聞こえない。
前だったら、大声が響いてたのに。

「・・・あぁ、夏音・・・」

お梅さん!?
現れたお梅さんの髪も、着物も乱れていた。
泣きじゃくったのか、頬に涙の後。

「・・・聞いちゃったの」

ほへ?   
何を?
まさかの芹沢さんが別の女の人を、妾にしようとか?
土方さんじゃあるまいし。

「・・・旦那様の、暗.殺計画を・・・」

芹沢さんの!?
どこで!?
それとなく、なんだかみんなが隠れて何かしてるな、とは感じてたけど。

「・・・夏音・・・。どう、すれば・・・」

良いの、という声は、掠れていた。
お梅さんの悩みと言うより、悲しみは深い。
私は、ただお梅さんの肩を抱いていることしかできなかった・・・。                            
                            

781:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/21(木) 14:32

2,為くん

「────お姉ちゃん!遊んでよ」 

為くんの声に、私はハッとした。
お梅さんの聞いた、あのことが気になって仕方なくて。
私は、笑って、

「わかったよ。他の子は、呼ばなくて良いの?」

為くんはにっこり笑った。
おおっ!
天使の微笑み〜。
癒される〜。

「もう呼んでるよ。お姉ちゃん、しっかりしてよ」

あはは。
ホントだ。
私が、物思いにふけってて、見てなかったけど近所の子が来ていた。

「じゃ、遊ぼっか」

為くんが、またまたにっこり。

「うん!」

鬼ごっこや、かくれんぼをしてしばらく遊んでいた。
和やかな、ひととき。
少しの間だけでも、芹沢さんの話を忘れることができて、良かった。                                             

782:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/21(木) 14:40

3,怪しい人影 

「ありがとう、お姉ちゃん!」

為くんが、近所の子たちと、にっこり笑って礼をした。
えへへ。
お礼言われるまでの事、ないけどな〜。

「お姉ちゃん」

為くんがいきなり、思い出したかのように真面目な顔に。
したがって、私も真面目に。

「今日、お姉ちゃんがぼんやりしてたときに」

ぼんやりしてたのか、私は。
ちょっとショック。

「変な男の人がね、見てたの」

誰を?
為くんを?
それか、近所の子たち?

「お姉ちゃんを」

えっ、私を!?
為くんが、真剣な面持ちで、

「じいっと見てて、僕たちが『お姉ちゃんに用事?』って、聞いたらね」

そこで、別の近所の女の子が、口を挟む。

「逃げてったよ。刀を持ってたから、お侍さんだよ」

逃げてったの?? 
そう言えば、ちょっと怪しい視線を感じた気が、したけど・・・。

「ありがとう、為くん。暗くならないうちに、帰ってね」

怪しい人が、為くんたちに手を出す確率も、高いしさ。
私は、為くんたちに手を振って、屯所に戻った。                                                                  

783:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/21(木) 16:24

4,「守れなくて、ごめんね」

その夜の事、だった・・・。

「夏音!」

斎藤さん?
どうしたの?
私は、お風呂から上がって、髪を少しだけ布で拭いていると。
斎藤さんと、沖田さんが部屋に入ってきた。

「この子たちが・・・」

二人の後ろからは、近所の子たち。
泣いてる?

「為くんが、いないの・・・」

はぁ!?
いない!?
もしかして・・・。
私は、考えるより先に飛び出す。
夜の風が、冷たい。

「来たか」

ゾッとするほど冷たい、声。
振り向けば、切れ上がった目の男の人が為くんの背に刀の刃を当てていた。

「為くんを返して」

「新撰組の情報を流してくれたらな」

えっ・・・。
それは・・・。
無理だよ・・・。
でも。

「わかった」

私は、わかっていた。
この人は、為くんも斬って私も斬るつもりだって。
為くんがこっちに、走ってくる。
それと同時に、白刃が閃く。

「守れなくて、ごめんね」

私は、そうっと為くんを抱きしめた。
刀が一閃。
熱い。
そう思った時、視界に沖田さんが駆け寄ってきたのが見えた。
私の意識が、闇に消えた。                 
              
                           

784:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/21(木) 16:34

5,お父さん

濃い霧が、私の周りを包んでいた。
此処は・・・?
私、斬られたハズだよね・・・?
私は、知らない間に歩いていた。
花が咲き乱れる、不思議な野原に来ていた。

「夏音」

ほえ?
誰?
濃い霧の合間を縫うように、誰かが来た。
ふっくらした、顔にどこか鋭さを秘めたような切れ長の目。
私と、そっくりで───────・・・。

「お父さん・・・?」

その人は、やんわり微笑んだ。
信じられない・・・。
涙が、流れる。
だって───────────・・・。

「ホントなの・・・?」

私が、小さい頃に死んじゃったから・・・。
でも、幻には見えなくて。
恐る恐る伸ばした手に、触れた温度。
温かい・・・。

「お父さん・・・!!」

見間違うことない。
写真で見ている、私のお父さん・・・。

「お父さん・・・。お父さん・・・!!」

抱きついて、泣いた。
今まで、お母さんが教えてくれた話でしか、わからなかったのに。
目の前にいるなんて───────・・・。                           
    

785:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/22(金) 14:28

ふと見れば、小川が流れている。

「夏音、行こっか」

お父さんが、ニコッと笑う。
えくぼができて、愛嬌がさらに溢れる。

「うんっ!」

しばらく戻りたくない。
これが夢ならば。
いっそ、覚めてほしくない。

「おいで」

お父さんが、先に向こう岸に行く。
私も、小川に足を突っ込んで、岸に上がろうとすると。
向こうの霧が深いところから、ぬうっと誰か現れた。

「お父さん・・・!?」

現れたのは、お父さんで。
お父さんが二人!?
でも、向こう岸から現れたお父さんは、厳しい顔。

「戻れ」

えっ!?
どういう・・・。
すると、優しい顔だったお父さんの顔が、般若のように歪んだ。

「邪魔するな!」

発せられた声は、さっきとは打って変わって地獄のそこから聞こえてきそうな声。
厳しい顔のお父さんが、般若顔のお父さんを止める。

「夏音!戻るんだ!」

ひょえ?
私は、止めているお父さんの言う通りに、来た道を戻る。
般若顔が、鬼の姿に変わって。

「振り返らずに戻るんだ!」

お父さんの声。
私は、必死に顔を覆って走る。
絶叫が聞こえた気がしたけど、振り返らずに走った。                  
                               

786:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/22(金) 14:38

6,あの世?

うっ・・・。
私は、恐る恐る開けた目に、眩しさを感じてゆっくり目を開ける。
お父さんは・・・?
般若顔、否、鬼は・・・?
どうなってるの・・・?

「夏音が目を覚ましたぞ!」

斎藤さんの声が、遠く聞こえる。
私・・・。
着られたんじゃ・・・?
生きてるの・・・?
ゆっくりと、目の前に手を動かす。
生きてる・・・。

「私、・・・生きてる・・・!」

背中に、ピリッとした痛みを感じる。
でも、それが生きてる証で。
そっと傷口が開かないよう、座る。

「夏音!」

「意識戻ったんですか!?」

ドタドタと音が聞こえる。
心配性(?)だなぁ。
クスッと笑っていると。
ガラッと戸があいて、沖田さんと土方さんが駆け込んできた。

「あはは。元気ですよ〜」

ちょっと心配かけたくないから、嘘言っちゃった。                                       
      

787:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/22(金) 19:55

そうだ。
お父さんの事も、言っとこう。

「実は、夢なんですかね?どこかの花が咲き乱れていた野原に私、いたんです。そしたら、お父さんに会っちゃったんですよ!でね・・・」

と、さっき見た出来事を言うと。
沖田さんが、ニコニコと、

「あの世に渡りかけたのでは?」

と、土方さんを見やる。
当の土方さんはどうともしてない感じ、だけど。
額から汗が流れたのを、私は見逃さなかった。

「あれぇ?怖がりなんですかぁ?」

「なっ!んなわけねぇ!」

じゃ、なんで焦ってるの?
私と、沖田さんと斎藤さんはニヤニヤ笑った。
からかえるし!

「そーだ!今度、お化けが出ないか、確かめてみません?」

いっそ、みんなで。
そしたら、誰が一番ビビってるかも、よぅくわかるし。
って言っても、ビビってる人、もうわかっちゃった。

「そう言や、傷口、お医者さんに・・・」

見せたのかな。
斎藤さんが、

「ああ。咲が、サラシを巻かせてな」

そう言う事ね。
女だとバレたらアレだし。
咲さんに見られたくらいなら、大した問題ないや。

「咲が名乗り出なかったら、俺がやるつもりだったけどな」

土方さんが、ぼそりと聞き捨てならない事を言う。
ダメだろ、それ!
現代だったら、犯.罪だぞ!?

「さすが、女には手が早いですねぇ〜」

「女に好かれるからな、副長は」

あはは。
確かに、二枚目だし手も早そう。
そう言えば、前、好きな人がいるって言ってたよね。

「前に、好きな人がいるって言ってましたよね。その人と、どうなったんですか?」

もう恋仲に?
ちなみに、その人は誰なんだ?                                      
                                                                 

788:リリカ@恋歌<偽者>JA:2017/12/22(金) 20:31

その相手は…ノンスタイル井上だった。

789:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/22(金) 21:24

>>788
止めてくれますか?
一応、削除依頼出しました。
これ以上するようでしたら、アク禁出しますので。    

790:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/22(金) 21:32

7,肝試し

ん?
私、可笑しな事言ったか?
土方さん、真っ赤。

「・・・それは・・・」

無理には聞かないけどね。
私が、そう言うと、がっくりと肩が垂れた。
ありゃ?
悪いこと、言っちゃった?

「それよか、肝試ししません?二人一組になって」

途端、沖田さんの目が輝く。
子供みたい。
ふふっ、可愛い〜。

「どうやって決めますか?」

妥当な、じゃんけんとか。
じゃんけんの仕方を教えて、やってみる。

「最初はグー・・・じゃんけんぽい!」

私・・・パー。
沖田さん・・・チョキ。
土方さん・・・パー。
斎藤さん・・・チョキ。

「見事に分かれましたし、これでやりましょ!」

心中、ビビる土方さんを見たくてうずうず。
・・・なんて、私はSかも。                                    

791:アーヤ◆PY:2017/12/22(金) 21:59

夏音と土方さんのハプニングお化け屋敷見てみたい

792:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 08:18

>>791
ありがとう!
いろんな意味でのハプニング、ありそうだよね(*^▽^*)

793:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 08:33

8,お墓

「って事で、近くのお墓に、おぼん借りてきたので、これを取りに行ってもらいま〜す!」

私は、ジャンッとおぼんを見せる。
用意周到なのだ!
おぼん借りる際、近藤さんたちも参加したいって言ってたし、OKした。
人数が一気に増えたけど、なおさら楽しそう!

「じゃあ、沖田さんたちから!」

「行ってきます」

にっこり笑って、沖田さんたちが出発。

「楽しみですね〜!お化け、出たら良いなあ〜」

スリルとか出そうじゃん!
反対に、土方さんは真っ青。
あはっ!
鬼がお化けを怖がってる!
面白すぎる!

「ギャーー!」 

ありゃ?
斎藤さんの悲鳴だ。
お化けが出たとかっ!?
しかし、ウキウキする私と反対に、顔を白くする土方さん。
これが、演技だったら、相当な役者だよ〜。                                                             

794:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 10:34

9,女の子

しばらくして。

「こぇぇ〜!」

「そうでしたか?」

ちょっと青い顔になった、斎藤さんと飄々としている沖田さんが戻ってきた。
演技じゃなかったんだ。
さっきの悲鳴。

「何か、出たんですか?」

ワクワク。
出たんなら、さらにビビる土方さんを見れるし。

「いやいや、雰囲気が怖くてな・・・」

斎藤さん、ブルブル震えた。
それを聞いたら、一気に土方さんが青ざめる。
私は、にっこり笑って腕をとる。

「行きますよ〜」

「行かねえぇぇ!」

絶叫する土方さん。
山南さんが、仏の笑顔でその肩を叩く。

「土方くん、人間、諦めが肝心だよ」

そうそう!
私は、にっこり笑う。

「行って来まーす!!」                                          

795:アーヤ◆We.:2017/12/23(土) 11:34

完全なる夏音がドSになっているけれども、土方さん以上じゃあなくって安心だよ。
相当なハプニングでキスをしたりとか?
夏音の胸を触ってとかのハラハラドキドキのハプニングが好きです

796:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 12:48

>>795
ありがとう!
ハプニング、楽しみだな〜←他人事
書いてても、ハラハラする(*´ω`*)  

797:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 12:59

私は、さっき沖田さんから聞いておいた話を思い出す。
ふふっ、どんな反応するかなぁ?

「そう言えば、昔、ここらへんで家族が斬られたって事件があったらしいですねぇ。女の子の幽霊でも出るんですかね」

思い切りニヤニヤ言うと。
おおっ、怖い!
睨まれたよ。
怖くなっての、逆ギレ!?

「その子、絶対土方さんに惚れますって、沖田さんが言ってました〜」

私も、そう思う。
あわわ。
土方さんからピリピリした殺気を感じるよ。

「総司、絶対斬る!」

うわーん、怖いよ。
・・・なぁんて茶番は止めて、真面目に歩こ。

「・・・お姉ちゃん、亜依のお母さん、知らない?」

ひょえ?
いきなり、背後から声をかけられる。
振り向くと、黒髪を結った、女の子が立っていた。
為くんの友達かなぁ?

「見てないよ。じゃ、一緒に探してあげる」

女の子────話からして、亜依ちゃん───は、ニコッと笑った。
かく言う事で、肝試ししながらの亜依ちゃんのお母さんを探していると。

「亜依!」

綺麗な女の人が、現れた。
髪には薄紅色の簪が。

「お母さん!」

良かったね、亜依ちゃん。
亜依ちゃんは笑って、

「ありがとう、お姉ちゃん!」

ふふっ、良かったぁ!
土方さんを見やれば、プルプル震えている。
どうしたの?
亜依ちゃんが、お母さんと手を取って歩き出す。
いたって、いい光景じゃん。                                                          
                              

798:&◆Sg:2017/12/23(土) 14:01

バカな光景じゃ。

799:アーヤ◆We.:2017/12/23(土) 14:47

まさかの幽霊だからか2人して何かが起こりそう

800:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 14:50

>>798
あのう…。
批判、誹謗中傷はやめてください。

>>799
ありがとう!
ありそうだよね( ̄ー ̄)ニヤリ

800行くよ〜!
応援してくれて、ありがとうございます!(*^-^*)  
   

801:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 14:57

土方さんが、震えながら、

「あの薄紅色の簪・・・。総司の言ってた事件のとき、親子の母親が付けていたそうだ・・・」

ひぃ!?
まさか・・・。

「亜依ちゃんが、幽霊・・・!?」

さっきまでのルンルン気分はどこへやら。
私も、すうっと血の気が失せる。
振り返れば、もう亜依ちゃん親子の姿は見えず。

「ギャーー!」

悲鳴をあげたのは、私。
まさかの亜依ちゃんが幽霊だったなんて・・・。

「怖いです!はやくおぼん取って、帰りましょ!」

焦った私は、そのままずっこける。
足元が暗くて見えない!

「焦るんじゃねぇ!」

そう言う土方さんこそ、めちゃくちゃ焦ってるじゃないか。
私は、急いでおぼんを取って、土方さんと屯所へ駆け戻る。
着物の前がはだけるのにもかまわず。                                                   

802:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 15:11

10,ハプニングハプニング!?

ふうっ・・・。
やっとついたぁ!
気付けば、全身びっしょり。
汗か、これは。

「夏音!幽霊は、出なかったか〜・・・。・・・どうした、その格好!?」

へ?
格好??
着物と袴だけど・・・。
タイミング良く(?)土方さん到着。
着物、乱れて・・・。
って、私もじゃん!

「手が早い人は、さすがですねぇ・・・」

「許さないぜ、俺の夏音に手を出しやがって!」

あれ?
なんか、勘違いしてない?
私は、慌てて否定しようと、

「違いますって!」

と、三人の間に割り込む。
途端に、と言うか、偶然に、土方さんが斎藤さんの胸ぐらを掴もうとし、間に私が割り込んだもんだから、従って私の鎖骨あたりを掴んでしまい。
指が、下に動こうと・・・。

「・・・ギャーー!」

私の悲鳴があがった。                                                        

803:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 16:31

頬に熱を感じる。
いやいやいや・・・!
ハプニングとは言え、超恥ずかしい。
騒ぎを聞きつけてか、咲さんが来た。

「何々?夏音、どうした?」

同じ女とは言え、今は・・・。
ハプニングで、胸に・・・。
いやだぁ!
すごい照れるし、恥ずかしいし!

「・・・一さん、斬りましょう」

「だな!副長、覚悟。あんまし痛くないように、一発で斬るからな」

うぅぅ!
もう、土方さんが斬られようが煮られようが知らない!
偶然とは言え、自業自得だからね!
私は、熱を持った頬を押さえるようにして、屯所の中に戻った。                                  

804:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 16:40

11,ギスギス

うぅうぅ・・・。
気まずいよぉ。
ハプニングの元凶(?)と同室だなんて。

「おおおお、おやすみなさいっ!」

やたらに“お”が多かったけど、なんとか就寝の挨拶。
向こうの顔を見ずに、布団にくるまる。
あーあ。
咲さんと寝た方がまだマシだよ〜・・・。

「悪かったな」

突然、そんなことを言われる。
なんて顔をすれば・・・?
って、布団にくるまってるから、わかんないか。

「良いですよ、別に。ハプニング・・・偶然だったですし・・・」

確信犯なら、話は別だけどっ!
文机をあさりだい!
けど・・・。
こんな、ギスギスしてるときなんて、もってのほかだよね・・・。

「明日、何か予定ありますか?」

聞いて後悔。
副長だもの、仕事よね。

「いや、明日は、清算するだけだ」

何を?
しかし、土方さんは寝たみたい。
スースー寝息が聞こえる。

「ふわぁ・・・」

私も、欠伸。
寝とかないと明日、困るもんね。                                                  

805:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 18:22

12,恋人役

ふわぁ〜・・・。
相変わらず、眩しい朝だな。
眠い目を擦りつつ、布団から立ち上がる。

「ん〜っ!」

思いっきり伸びをして、寝間着を着替えようと帯に手をかける。
あっ!
はたと土方さんの存在に気付き、見ると。

「良かった、寝てた」

そりゃもう、可愛い寝顔でね。
スースー寝てて、S心がわく。
イタズラ・・・する暇もないな。
急いで、着物と袴に着替える。

「夏音〜。朝食食べようぜ〜」

斎藤さんが、声をかける。
でも、土方さん起こさないと。
そっと鼻を掴んで、ひたすらに待つだけ。

「・・・〜っ!っが!」

息苦しそうに土方さん、起床。
しばらく苦しそうにしてから、土方さんは私を睨む。

「やめろ!」

はいはい。
ごめんなさい。                                             

806:匿名:2017/12/23(土) 18:47

許さない。

807:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 20:54

>>806
他のスレでも荒らさないでください。
不快です。  

808:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 20:57

にしても。
箸を動かしながら、考える。
清算って、何を?

「夏音。今日、暇か」

えっ?
暇、だけど。

「都に用があるからな」

ん??
どんな用なんだ?
若干ドキドキしながら、朝食を終えた。        

809:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/23(土) 21:29

だって!
デートとかだったら・・・。
なぁんて期待する私、乙女みたい。

「簪・・・」

しーちゃんがくれた物しかないや。
でも、とっておきの宝物。
お梅さんに髪を結ってもらおっと。             

810:匿名:2017/12/24(日) 11:45

自分で髪結えないの!?クズじゃんw

811:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/24(日) 13:26

>>810
時代なので…。
仕方ないです。
ですので、クズwは、ちょっと。  

812:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/24(日) 13:28

髪が結えないのは、この時代の髪型は難しいから。
なんて。
お梅さんに習っとかないと。

「お梅さん、今度、結い方を教えてくれませんか?」

お梅さんはにっこり。

「良いわよ」

良かった。
お梅さんが優しい人で。          

813:匿名:2017/12/24(日) 16:22

あなたの小説誰も見てないよ?悲しいね〜w

814:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/24(日) 18:07

>>813
そうですか。

815:ゆかこ (ノ>_<)ノ ≡dice5:2017/12/24(日) 18:15

リリカさん私は見てますよ!!めちゃくちゃ面白いです。荒しの言葉真に受けないでください!!私リリカさんの小説大好きですよ?
あ、更新毎日楽しみに待ってます!頑張って下さいね〜!

816:匿名:2017/12/24(日) 19:37

↑だったらコメしろよまぎらわしーんだよ。あと、顔文字って古いから。

817:ゆかこ (=゚ω゚)ノ ―===≡≡≡ dice2:2017/12/24(日) 19:51

あ、はいそうですか。
いや古いもなにも私の自由じゃないですか?なんであなたに言われなきゃなんですか?
これ以上はリリカさんの迷惑になるのでもうコメントしません。匿名さんも止めてください。
匿名さん荒い言葉使いでごめんなさい

818:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/24(日) 21:02

>>815
ありがとうございます!
はい、気にしません。
気にするだけムダですよね。
頑張ります!
  

819:匿名:2017/12/25(月) 12:44

黙れよ二次元オタクw

820:リリカ@恋歌◆Wg hoge:2017/12/26(火) 21:12

>>812

結い方がわからないと困る。
万が一───そう、万が一、お梅さんがいなくなったら。
そんなことないと、思うけど。

「頼りきりは、だめだよね・・・」

じゃないと!
馬鹿にされるもの。        

821:薫+*Mio+*◆v. 久しぶり!:2017/12/27(水) 07:52

リリカ!久しぶり!
葉っぱに来れなくなった薫です!
今はいろいろあって、書き込みできてるの。
多分、次来れるのは何ヵ月も先だけど……。
小説も、応援してる!
解フル☆もね、パワーアップさせるから!(葉っぱ来れなくなってから、手書きで別の物語書いてたんだ)
じゃ、またね!(よいお年を!)

822:リリカ@恋歌◆Wg hoge:2017/12/27(水) 11:07

>>821
薫!
おひさ〜(≧▽≦)
何ヶ月でも待ってます(*^▽^*)
解フル☆超楽しみだよ〜(*^o^*)
よいお年を〜(*´ω`*)  

823:リリカ@恋歌◆Wg hoge:2017/12/27(水) 11:14

恥ずかしながら、私、いろんな意味ですごい人との知り合いだもの。
恥かかせたくない。

「夏音、行くぞ」

はいはーい。
都に出ると、着飾った綺麗な芸子さんたちがちらほら。

「今から、人に会う。おまえは、俺の恋人役な」

はぁ!?
恋人役〜!
待ち合わせ場所(?)に着いて、少し待つと。

「歳さま、今日は何のご用で?」

はんなりとした、綺麗な女の人が現れる。
化粧もしているから、恐らく恋人。
土方さんの恋人が、私を見て固まる。

「・・・どなた?この小娘は」

ひぇ!?
いきなりドスが利いてるよ!                                   

824:リリカ@恋歌◆Wg hoge:2017/12/27(水) 18:33

土方さん、下手なこと言わないで。
この人、ヤバい目をしてるもん!

「俺の恋人だ」

「こんな、小娘が?」

ひょえ!
”小娘“のところで、憎悪が見えたような。

「悪いが、これで終わりだ」

はんなり美人、土方さんにすがろうとするけど、スルリと逃げられた。
そしたら。

「泥棒猫!人のモノを、盗らないで!!」

パシンッ。
へっ・・・。
何を、されたの・・・??                 

825:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/29(金) 10:26

ジンジンと頬が熱くなる。
やっと、気がついた。
叩かれたの〜!?
女の人は、ちょっと泣きながら、

「小娘のくせに・・・。私の、歳さまを奪うから・・・」

あはは。
痛いけど、苦笑い。
そんなに好かれてんだね。
土方さんって。

「帰るぞ」

ちょっ!?
泣いてる人が、可哀想だよ!

「先、帰っててください!私、この人送ってくるんで!!」

ハッとしたように、女の人が顔を上げる。
私は、女の人の手を取って歩き出す。
いくら何でも、放っとくのはひどいもん。                       

826:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/30(土) 08:02

13,花ちゃんに惚れられる!?

「あの、名前は?」

一応というか、聞いてみると。
女の人は、頬を染めた。
うっわぁ・・・。
かわいい!
モテるよ、この人!

「花ですっ。数えで、12」

ってことは、同い年!?
さり気なく、土方さん、ロリコン・・・。

「ろり・・・?私が、歳を偽ったから・・」

何で?
偽る必要性が?

「だって。12じゃ、相手されないもの。これも、化粧してて誤魔化してるだけ」

化粧とったら、美人だと思うのに〜。
花ちゃんが、私を見て頬を赤らめる。

「良かったら、名前を・・・」

そう言や、名乗ってなかったね。                         

827:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/30(土) 17:31

「城里夏音ですっ。よろしくお願いしますね」

ぽおっと、花ちゃんの顔が、一層赤くなる。

「夏音・・・。良かったら、お茶しない?」

振り絞るように、花ちゃんが聞く。
この後かぁ・・・。
土方さんに、先帰っててもらったからなぁ・・・。

「良いですよ、行きましょう」

花ちゃんの顔が、パアッと明るくなった。

「うれしい!私、夏音に惚れたかも・・・」

ええっ!?
それは、冗談で言ったら、だめだよ?
私、そっち系じゃないからね?                        

828:アーヤ◆We.:2017/12/31(日) 09:33

やっぱりお化け屋敷で、幽霊に会ったんだね…

それにしても2人の服がはだけたのは意外と驚いた!!!
土方さんってマジでロリコンじゃあないんだよね?
ロリコンだったらショックだよ

829:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/31(日) 10:28

>>828
ありがとう!
うん、意外な形で幽霊と遭遇した(笑)
ロリコンではないよ!
たまたま、好きになった(好かれた?)子が、年下過ぎただけ(笑)      
      

830:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/31(日) 10:38

14,バレる?

花ちゃんとお茶して、屯所に帰る。
帰路につきながら、お団子美味しかったな〜と、思い出す。
今度、沖田さんと行きたいな〜。

「帰りました〜」

声をかけると、奥から、

「城里ってさ、女みたいじゃねぇ?」

と、ドキリとする声が聞こえた。
嘘でしょ?!
耳を澄ませば、

「だよなぁ!」

「今度、こっそり風呂を・・・」

ヘンな事を考えているのが、聞こえる。
誰だ?
こんな、噂をたててるのは?

「夏音・・・?」

ひょあっ!?
誰!?
振り向くと、小首を傾げた咲さん。

「あのっ。噂をたててるのは、誰ですか!?」

聞くと、咲さんは奥に行って、戻ってきた。

「暇な隊士たちだ。何なら、一緒に風呂行くか?今日から」

神様仏様、咲様!
助かるよ〜!
バレるなんてことは、もうイヤだし。
何より、迷惑がかかるから。                                                     

831:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/31(日) 15:54

15,双子の弟と妹!?

と。

「夏音!」

お母さん?
振り向くと、ニヤニヤ笑ってるお母さんと、緊張したような桂さん。
暇な隊士たちが、飛び出してくる。

「桂ーー!」

お母さんが、きょるーんと色目を使って、

「今日だけ、桂さんを捕まえないで」

バカな隊士たちは、あっさりノックアウト。
で?
知らせって?
そう言えば、ちょっとお腹、膨らんでない?
食べ過ぎ?
ダイエットしないとね。

「違うわ。なぁんとね!」

何?
ヘンな予感。

「あなたに、双子の弟と妹ができたのよ!」

・・・・・そのときの心情は、書ききれないくらい。
五秒くらいして。

「はぁぁぁぁ!?」

私の、絶叫と言うか悲鳴が、屯所に響いた。                           

832:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/31(日) 18:13

「名前は、雪哉と、香里ね」

はぁぁぁぁ!?
現実味がないと思ってたけど!
名前まで!
お母さんは、愛おしそうな、慈しんでる目で、お腹を撫でる。

「雪哉、香里。元気に、生まれてきてね」

ズキッ。
変なの・・・。
私に、そんな目を向けてないのに。

「でもさ、私と父親が違うよ?私・・・」

うまく接することができるか、わかんないのに。
って、言いたかった。

「大丈夫よ?そんなこと気にしなくて良いわ」

カッチーン。
そんなこと・・・!?
お父さんが違う、重大な問題だと思うのに。

「・・・あっそう。私、その子たちに会いたくない。頑張ってね」

他人事のように。
淡々と言い放てば、お母さんたちが固まった。
私は、くるりと踵をかえして、土方さんの部屋に向かった。                               
              

833:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/31(日) 18:21

16,喜べない理由

そっと部屋の戸を開ければ、土方さんは留守だった。
良かった。
居たら、困る。

「はぁ・・・。変なの・・・」

お母さんと桂さんに子供ができると言うのに。素直に喜べない。
喜べない理由、か・・・。

「お父さんの事、なのかな」

私にとったら、雪哉と香里は、異母兄弟になる。
私が、居たたまれなくなりそうで・・・。

「・・・喜べないよ・・・」

ちょっと涙が、盛り上がってきた。
世界がゆがんで見える。

「夏音さん?帰ったんですか〜?」

わっ、沖田さん。
そう言や、顔を見てなかった。
目尻の涙を拭って、部屋を出た。                               

834:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/01(月) 11:07

こんなこと見せちゃいけない。
私は、ニコッと笑った。

「ただいま、沖田さん」

沖田さんが、不思議そうに見る。
ドキイッ!
泣いてたの、バレた?

「そこで、夏音さんの母上と会ったんですが。どうしたんですか?」

はぁ・・・。
お母さんの名前を聞いたら、またじわっと涙が盛り上がってきた。

「夏音さん?聞きますから、部屋に入りましょう」

ぐすっと涙を拭いて、沖田さんの部屋に入った。
私は、雪哉と香里の事、父親が違うことを話した。
話してるうちに、また悲しくなってきた。

「どう、せ。私だけ、お父さんが違う。結局、雪哉と香里も大きくなったら、わかるよ。そしたら、私は・・・一人」

あんな目を私に、向けたことなんてないのに。
もう涙すら出なくなった。                                                   

835:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/01(月) 12:51

今更ですが、新年明けましておめでとうございます。
今年も、こんな駄作に目をかけてくださるとうれしいです!
よろしくお願いします!

         ☆

やっかんでるし、そんな自分が嫌だ。

「どうぞ嫌いになってください。私、生まれてくる妹たちが嫌いな、心が狭い女ですよ」

いっそ、大嫌いと言っても良いかもしれない。
そんなことを求めるのも心が狭いからかもしれなくて。

「嫌いになんて、なれないですよ。好きな女の子を、嫌いになんてならないです」

ありゃ、ちょっと怒ってる?
と・・・。

「総司、時間だ」

戸があいて、土方さんが顔を覗かす。
私がいるのに驚いたのか、眉をはね上げる。

「夏音は、部屋に戻るか平助といろ」

ええっ!?
どこか、出かけるの?

「はいはーい。やりたくないですよ・・・」

沖田さんが、愚痴をこぼす。
ん?
何を、しに行くんだろ?       
                                            

836: アーヤ◆TQ:2018/01/01(月) 15:14

またやらかしたけど、どうなる?

夏音を一番大切にしてあげてまだ小さいけど中身はちょっとだけ大人なだけで本当は寂しいってこと気付いてあげて産まれるこにもだけどもね……

837:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/01(月) 17:09

>>836
ありがとう!
お母さんちょっと鈍感だからね。 
夏音も大人びているせいだからかね?
本当は寂しがりだしね…。      

838:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/01(月) 17:18

17,悪い予感

仕方なく、部屋を出て、藤堂さんの部屋に。

「藤堂さん〜?」

ガラッと開ければ、藤堂さんの他に、永倉さんと原田さんがいた。

「どうした?夏音」

あっ!
お菓子食べてる!
ズルい。

「暇です!それと、夕食前はお菓子食べないでくださーい。私が、もらいます」

「あっ!とるな!それ・・・」

言いかける前に、私はお菓子を取り上げる。
ん〜っ!
美味しい〜!

「近藤さんのだぞ」

げっ!
近藤さんの!?
勝手に!? 
食べてるの!?                                 

839: アーヤ◆TQ:2018/01/02(火) 08:46

夏音の行動が少しだけなんだけど、やっぱり何か仕出かす夏音って感じだね……😅
さすがあの自己中の親の娘だね……😅

840:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/02(火) 10:26

>>839
ありがとう!
うん、なんか仕出かすよ‥(苦笑)
さすがと言うか、親がアレだしね…(*_*;     

841:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/02(火) 10:37

原田さんが、

「ちょっと用があるから、行くな」

と、部屋を出る。
用?
うーん。
沖田さんと、どっかに行くのかな。

「いーなー、遊郭かよぅ。行きたいな〜」

藤堂さん、永倉さん・・・。
女好きだねぇ・・・。
ってか、風呂入ろうかな。
咲さん、いるかなぁ・・・?

「ちょっと、お梅さん、探して来ますね」

八木邸に向かって、外へ出る。
寒い・・・。
でも、悪い予感がする・・・。
なぁんて思うのは、沖田さんたちが居ないからかな・・・。  
    
                 

842: アーヤ◆TQ:2018/01/02(火) 10:47

その悪い予感が悲しい結末じゃあない方向になら良いって思う。

もう少しで切ない方向に行くっていう感じだから800いっているからね😣

843:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/02(火) 12:06

>>842
ありがとう!
ちょっと悲しい結末かな…。
800内で、主な事件を書ききれると良いな←書ききらないとダメだな。          

844:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/02(火) 12:19

18,終焉

あれ?
八木邸の戸を開けて、不審に思う。
いつもなら、何かしら声がするのに。

「お梅さん・・・?」

用事かな?
一室の扉を開けると。

「ぁ・・・キャーーーー!」

目の前に広がっていたのは。
血の赤。
いや、赤黒い血が、そこら中に飛び散っていた。
そして、部屋の中に横たわっていたのは・・・。

「お梅さん・・・芹沢さん・・・!?」

血まみれの芹沢さんと、首の皮一枚で繋がっている、お梅さん・・・。
嫌だ嫌だ、こんな変わり果てたお梅さんの姿なんて!

「いやーーーーーーーーー!」

でも、もっと衝撃的だったのは。

「ぁ・・・あっ・・・なんで・・・」

返り血を浴びたのか、真っ赤に染まった沖田さんたち─────────。                                
         

845: アーヤ◆TQ:2018/01/02(火) 14:38

新撰組も浴びたの!!?

846: くろーばー ◆Ms:2018/01/02(火) 14:51


 ……やっぱ、すごい……リリィ凄いよ!!これからもq(*・ω・*)pファイト!


847: アーヤ◆TQ:2018/01/02(火) 17:05

真っ赤に染まった沖田さん達ってことは、土方さんに斉藤さんだね

848:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/03(水) 07:49

>>845
ありがとう!
実行犯(?)みたいなモンだし……。

>>846
ありがとう!
むぅも頑張ってね!
小説応援してますp(^-^)q

>>847
斎藤さんは……どうかな? 
いたりいなかったり(←どっちだ)だし。             

849:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/03(水) 08:00

私も、みんなも何も言わない。
いや、言えない。

「・・・・何で、ここにいる?」

土方さんが聞く。

「お風呂、お梅さんと入ろうかなって・・・」

あぁ、また泣いちゃう。
お梅さんを思い出して。
それと同時に、ムラムラとした怒りがこみ上げてきた。

「あなたたちは・・・鬼なんですか?・・そりゃ、芹沢さんも悪いところはありましたよ、でも・・・」

暴力(?)で片付けるのはひどい。
そして、何よりも。

「関係ないお梅さんを、巻き込まないで・・・ほしかった」

色んな感情が、はじけてきている。
雪哉と香里の事、今のお梅さんの事────。
お梅さんの体を触っても、ひんやりと冷たくて。
その顔も、白く生きている感じではなかった。

「今回の事は─────」

誰かが、口を開く。
途端、私の中でプツンと何かが切れた。

「人の命をないがしろにした、あなたたち、鬼の仕業でしょう!?」

そして、私は外に飛び出した。
もう、どこに行って誰を頼れば良いのか、わからない。
そこから先の記憶は、途切れてしまった。                                 
                                           

850: アーヤ◆TQ:2018/01/03(水) 09:43

確かに度が過ぎている感じだね……😅

夏音はもう沖田さんと、土方さん達にはどう接して良いのかもわからないままなのかな本当に怖いね二人はね……・゜・(つД`)・゜・

851:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/03(水) 10:35

>>850
ありがとう!
今、すごい困惑してるし、接し方も変わるかな…?
いろんな意味で怖いよね(*_*;     


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