脱出 〜デスゲーム〜

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1:ちか◆g:2019/05/19(日) 10:23

誰かを救うためには誰かが犠牲にならなければいけない―――


感想◎ 荒らし× なりすまし×

2:ちか◆g:2019/05/19(日) 10:50

「ただいま」も言わずに、靴を脱ぎ捨て、すぐに自室へ向かう。

今日は非常に眠かった。

私の足音に気がついたのか母がこちらを向く。

「あら、帰ってたのね。おかえり」

「ただいま」

私は無愛想に答え、自室のドアを開ける。

私はいつもは真っ先に宿題をする派なのだが今日は真っ先にベッドに倒れこむ。

倒れこんだ瞬間、一気に眠気は襲ってきた。

意識がぼんやりとしていき、私は寝た。


「………い……おーい。聞こえてんのかー?」

誰かが私に呼びかけてるような気がした。

体を起こし、誰かを確認する。

「……ぬいぐるみ?」

右耳は破れ、継ぎはぎのクマのぬいぐるみがボタンの目で私を見つめていた。

あ、これは夢だな。私はすぐに気がついた。

「ぬいぐるみじゃなーーーーーい!!!おれは悪魔だ。次、ぬいぐるみだなんて呼んだら、どうなるか分かってんだろ
 
 うな?」

「悪魔…?」

クマは誇らしげに話した。

「そうさ、おれは悪魔なんだ。夢の中のわっるーい、悪魔さ。おれたち悪魔はテキトーに人を選んで、夢の中に連れ去

 り、夢の中に閉じ込めてしまうんだ。お前は運が悪かったな。

 あ、いいことを教えてやろう。おれたちが命令を出す。その命令に全部従えたら、出してやるよ」

「おれたち」ということは他にも悪魔が複数いるのだろうか?

夢の中に連れ去った?もし「命令」とやらに従えなければ――――。

「命令に従えなかったらどうなるの……?」

「おっと、物好きだねぇお嬢ちゃん。従えなかったら―――――


 死んでもらうよ」


「し、死ぬ?夢の中で?」

「夢の中だから大丈夫だと思ったか?もう二度と目を覚まさなくなるよ。

 だからせいぜい頑張ってね。

 おっと、言い忘れた。閉じ込められてるのはあんただけじゃないよ。だから協力して頑張るんだね。

 さ、他のやつらはこっちにいるから――――」

とクマは言い。私を暗闇に突き落とした。

3:ちか◆g:2019/05/19(日) 11:09

気がつくと、私はつめたい床の上に倒れていた。

辺りを見渡すと、人が一人だけいた。

クマは「閉じ込められてるのはあんただけじゃないよ」と言っていたが、私の他は一人しかいないのだろうか?

「やっと起きたみたいだね。じゃあ命令を始めるよ」

クマの姿は見えないのに、声が部屋中に響き渡った。

「ちょ、ちょっと待って!」

私は思わず、声をかけた。

「ん、なんだい?」

「閉じ込められてるのって二人だけ?」

「ううん。他にも違う部屋にいるよ」

「会える?」

「ここの部屋を脱出できて、生きていたらね」

クマはニヤリと笑った。

「それって、死ぬかもしれないっとこと?」

私よりも先に、私と閉じ込められている人が聞いた。

「うん。じゃあ命令に移ってもいいかな?」

私たちは返事が出来なかった。

死ぬかもしれない………。

「命令1。

 ―――鍵を制限時間内に見つけてこの部屋から脱出しろ―――

 制限時間は二人の自己紹介とかもかねて、今回は長めに設定してあげるよ。

 生きていれば、これからも協力していく「ペア」となるから、しっかりとね。

 「ペア」っていうのはね、これからの命令でも一緒になることが多いよ。「ペア」の片一方が死んだら

 一人で行動することになるから「ペア」はちゃんと守ってね。

 命令1の時間制限は2時間。命令1だから、簡単だよ。これからもっと楽しませてもらわないといけないからねぇ。

 ルール説明は終わり!

 ―――スタート―――」                                         

4:ちか◆g:2019/05/19(日) 12:04

「おれはお邪魔だと思うから失礼するよ」

といいクマは姿を消した。

「と、取り合えず自己紹介でもしましょうか…?」

と私は話しかけてみた。

「あ、うん。そうだね。僕から言うよ。

 僕の名前は 福積 千夜(フクズミ チヤ)チヤって呼んでくれて良いよ。

 年齢は16で高1だよ。帰宅部だから、足手まといになったらごめんね……」

チヤと名乗った人は気弱そうな人だった。

ブカブカな黒い服を着ており、襟ぐちは大きく開かれていて肩から今にも服がズレ落ちそうだった。

丈も長く、尻まですっぽりと隠れる長さだった。

明らかにサイズが合っていないようだが、そういうのが流行っているのだろうか?流行に疎い私にはさっぱり分からな

い。

「……この服装気になる?」

ジロジロ見すぎたのだろうか。チヤが自分から聞いてきた。

「あ、はい。私、流行に疎くて……」

「あはは、流行ではないと思うよ

 あ、時間もないと思うし、自己紹介お願いしてもいい?」

私は「はい」と言い、自己紹介をする。

「私の名前は 桜木 凪(サクラギ ナギ)です。ナギって呼んでくれていいです。

 歳は14で中二です。部活は陸上部をやってるので、チヤさんを連れて逃げるのは任せてください!」

「……頼もしい」

とチヤがつぶやいた。

「あ、ありがとうございます。

 あの、自己紹介も終ったので、そろそろ鍵を探しませんか?」

「そうだね、どこにあるのか全く分からないし、散らかしてみる?

 散らかすのは……得意なんだよね」

最後の一言を聞き、チヤの自室は想像できた。

「そうですね、散らかしてみましょう」

二人で散らかしていると、思ったより早く、容易に見つけることができた。

「思ったより……早く見つかったね」

「はい。あとはこの鍵で脱出するだけですね」

私はドアに鍵を差し、まわすとカチャリっと開く音がした。

ドアノブに手をかけまわして開けて見ると、何も見えないほど真っ暗な空間が広がっていた。

「い、行きますか……?」

思わず足がすくみ、チヤに聞いた。

「行くしかないよね。僕が先に行くよ」

チヤはそう言い、足を踏み出した瞬間チヤは消えた。

「ち、チヤさん?」

とドアの向こう側に行ったはずのチヤに呼びかけるが返答は返って来ない。

もしかして、真っ暗な空間には道はなくてチヤさんは堕ちた……?

私は落ちることを覚悟して、一歩踏み出す。

思ったとおり、そこに道はなく私は闇に堕ちて行った。

クマに突き落とされた時のように……。

もしかしたら、ここでの移動方法は堕ちることなのかもしれない。

私はそんなことを考えていたが、すぐに気を失ってしまった。

5:ちか◆g:2019/05/25(土) 13:03

「……さん…ナギさん…!」

私は誰かに呼びかけられる声で目が覚めた。

「ナギさん…!大丈夫?」

チヤが私を心配そうに見ていた。

「ち、チヤさん……ここは…?」

私はあたりを見渡した。チヤと私以外にも複数人の人がいて、みんな私と同じように混乱した様子だった。

「ここは命令2を行うところだよ。でも、新しく会う人もいるから情報交換をする時間を与えてあげるよ」

クマがチヤの代わりに答えた。

「く、クマ…!命令2の内容って……?」

「それはぁ教えられないよ。そんなことよりも情報交換……自己紹介をしておくといいさ。

 これから協力していくことになるからね。


 ……生きていれば…だけどね。


 それじゃぁ俺は失礼するよ」

クマは質問をする時間を与えずにさっさと消えてしまった。私だけではなく、他の人たちも呆然としているようだっ

た。

その中でも、スーツ姿のしっかりとしたような風貌の男性が皆に話しかけた。

「敵の言うとおりにするのは悔しいが、情報交換は必要だと思う。自分がなにものか。

 ここに来る前、何をしていたか。命令1の内容とか…。

 最低限の情報でいい。初対面の人を怪しんで自分のことを言いたくないのは分かる。

 だからこそ、皆を信用して言ってくれる人はいないか…?」

私たちは俯いたままで誰も言おうとしない。


「私……言ってもいいです」


小さい声だが確かに聞き取れた。

「私、皆さんのこと信用してみます!」

そういって立ち上がったのは私と同じくらいの年齢に見える、制服姿の女の子だった。

6:ちか◆g:2019/05/25(土) 13:31

「私の名前は 宇都宮 琴 (ウツノミヤ コト)です。

 15歳で中学生です。まさか…こんなことが起きるなんて思いませんでした…」

コトと名乗った女の子は勇気を出して、自分のことを話した。

「ここに来る前、何してた?」

スーツ姿の男性が聞くとコトは少し思い出すような素振りを見せた。

「そうですねぇ……。あ…確か、私は受験勉強してて疲れて寝ちゃったはずです。

 いつもは寝ないのに……」

「命令1の内容は?」

スーツ姿の男性がまた問う。

「【ペアと協力してドアを破壊する】という内容でしたよ。幸い、ペアが男性で、ドアが思ったより脆かったので助か

りました」

「そうか……命令1の内容は同じとは限らないんだな。

 俺とペアが実行した命令1は【鍵を探して脱出する】とうものだった。

 命令1は簡単に作られているようだな」

「そ、その命令1の内容は私たちと同じです…!」

私が口を挟むと、男性はこちらを向いた。

「同じ?命令1はランダムだったのか…?なんか遊ばれているみたいで悔しいな…」

男性はなにかを考え始め黙り込んでしまった。


「このスーツ男。人の情報は聞くのに、自分のことは何も言わないんだね」


誰かがつぶやく声が聞こえ、私は反射的に振り返ってしまった。

目が合う。

「なに?だってそう思わない?人のこと聞くなら先に自分から話すのが常識だろ?」

スーツ姿の男性は彼のことを見ていた。

彼の言うことは正しい。でも、そんなにはっきりと言わなくても………。


―――喧嘩の火種になる。


 

7:ちか◆g:2019/05/25(土) 13:48

「そ、そうだな。すまない」

スーツ姿の男性は私が思っていなかった、大人な反応をした。

「俺の名前は 依田 信二(ヨリタ シンジ)だ。

 32歳の会社員だ」

32歳…。学生だけかと思いきや、色々な年齢層の人が閉じ込められたのだろうか?

どっちにしろ、大人がいてくれると安心する。

「ヨリタさんは私のペアです」

とコトは言った。

大人の男性がペアならコトの心配は要らないだろう。少し安心した。

「きみは自分のこと、話したくないのか?」

ヨリタは私に聞いてきているようだった。

「あ、私も…自己紹介します!

 私の名前は 桜木 凪(サクラギ ナギ)です。

 歳は14で中二です。なので…コトさんと仲良くできたら嬉しいです…!」

「わ、私もナギさんと仲良くしたい!よろしくね、ナギちゃん!」

コトは顔を少し赤らめて言った。

8:ちか◆g:2019/05/25(土) 13:50

>>7名前ミスりました。
コトのペアはヨリタではないです。まだ名前が明かされていない男性です。

9:ちか◆g:2019/05/25(土) 14:11

「そろそろ、僕も自分のこと話したほうがいいよね…」

チヤが小さな声で言った。

「ああ、簡単なもので構わん」

ヨリタがそう言うと、チヤは話し始めた。

「僕の名前は 福積 千夜(フクズミ チヤ)

 年齢は16で高1だよ。ナギさんのペアね」

「ナギとチヤがペアか……。

 コトのペアは自分のこと…話したくないか?」

今までずっと黙り、私たちと会話のする気のなさそうな男性に聞いた。

「あぁ俺か。俺は 倉井 俊介 (クライ シュンスケ)

 17歳の高校生」

シュンスケは私たちのほうも見ずにそう言った。

「あまり俺たちに協力する気配はなさそうだな…」

ヨリタは彼の様子を見てそういった。

私のペアはチヤ、コトのペアはシュンスケ、ヨリタのペアは…?

『このスーツ男。人の情報は聞くのに、自分のことは何も言わないんだね』

とヨリタに悪態をついた男性を思い出した。

「あ、あの。ヨリタさんのペアって…もしかして…」

「あ?あぁ。彼じゃないよ。俺のペアは命令1の部屋を出てからはぐれてしまったんだ。

 俺のペアもはやく捜さないとね……」

ヨリタは辺りを見渡しながらそう言った。

部屋がたくさんあり、見つけるのは時間がかかりそうだ。

10:ちか◆g:2019/05/25(土) 14:27

「きみのペアはいなくなったのか?あと、そろそろ自己紹介を頼む」

とヨリタは彼に言った。

「……美川 京(ミカワ キョウ)

 21歳。大学生。

 僕のペア?そこにいるじゃん」

そう言って、キョウと名乗った男性が私たちの後ろのあたりを指差した。

「え?」

私たちが振り向くと、少しはなれたところに壁にもたれかかって座っている女の子がいた。

ヨリタが駆け寄って優しく話しかける。

「どうしたんだ?」

「あ……あの、えっと、私……。話すの…苦手で…」

彼女はしどろもどろに話した。

「そうか…。自己紹介はできるか?」

ヨリタは慎重に話しかける。

「は、はい。私は 柚木 桃香 (ユギ モモカ)です…。

 中一…です」

「よし。良く頑張ったな」

とヨリタは言った後、キョウに向き直る。

「こんな状態のモモカとどうやって命令1をクリアしたんだ?」

「えっと――――」

11:ちか◆g:2019/05/25(土) 14:51

「【ペアと協力してドアを破壊する】ってコトさんたちと同じ命令だったよ。
 
 モモカさんに話しかけてもまともに話してくれなかったから、モモカさんのこと何も知らないけど…」

『まともに話してくれなかったから』って……。もう少し相手を思いやった言動ができないのだろうか。

中一の女の子がこんな人とペアだと心配だ。

「おい!クマ!いるんだろ?出てきてくれ!」

ヨリタが不意に呼びかけた。

「な、何故クマを……?」

コトが不安そうに問う。

「なにか用かい?さっかく寝てたのになぁ」

クマが何もなかった空間からいきなり現れた。


「ペアって代わる事はできるのか?」


「えぇ?うん。いいよ。でもペアの交替は一度きりにするよ。

 ちゃんと、しっかり話し合って決めてね。

 もういいかな?失礼するよ」

クマは再び消えた。

一度きり………。今するべきなのか、とっておくべきなのか…。

「交替は…とっておくべきだと思います。

 まだ、どんな人なのか分かっていないし……」

「僕もコトと同じで交替はとっておくべきだと思うな…」

コトとチヤはヨリタにそう言った。

キョウがどういう人か分からないけど、モモカを放っておくのは危険なような気もする。

12:ちか◆g:2019/05/26(日) 15:17

「それはそうだな…。でも、ペア関係なくできるだけ大人数で動くように気をつけろ」

「はい」と私たちはヨリタの言うことに頷いた。

「もう、いいかなぁ?命令2を始めるよ」

クマはいつものようにどこからともなく現れた。

誰も返事はしない。死ぬかもしれないのに覚悟を決められるわけがない。

「う〜ん。相変わらずみんな、おれのこと無視するね。肯定ってことでいいかなぁ?」

クマは私たちに答える暇も与えず続きを話し始める。

「命令2。

 ―――かくれんぼ―――

 ルール説明をするね。

 そこのキミ」

クマはそういい、ヨリタを指す。

「キミのペアは命令1の部屋から出てからはぐれてしまったんだろう?

 キミのペアと同じように命令1の部屋から出て違うところに飛ばされた人が、あと3人いるんだ。

 その人たちを捜してあげてね。制限時間内に彼らを見つけないと、見つけられなかった人たちは死ぬよ。

 彼らの命はキミたちにかかっているのさ。よろしくね?

 制限時間内は3時間。十分だろう?じゃあ……

 ―――スタート―――」

私たちに命がかかっている?

そんなの重すぎる……。

そんな重大なこと、私が出来るのだろうか?

もし、見つけられなかったら―――――――――。

私が思考を廻らせていると、不意に肩にぬくもりを感じた。

「大丈夫だよ。ナギちゃん。みんなで協力するんだから…。ね?」

コトが私の様子に気づいてか、私の肩にポンと手を置き、優しく言った。

「こ、コトちゃん……。ありがとう」

私はコトに笑顔を向けた。

心配させてはいけない。私だけではなくコトも……みんな不安なのだから。

13:ちか◆g:2019/05/26(日) 17:24

「そろそろこの部屋を出て他の部屋を探索してみようか」

ヨリタは立ち上がって私たちに声をかけた。

「ねぇ、別行動なの?それと………」

チヤはそういって、モモカに視線を向けた。

「全員で行動するようにしよう。モモカは…歩けるか?」

「歩け…ます…」

モモカはヨリタの手を借りて立ち上がった。

「キョウ、キミがモモカの世話をするんだ」

ヨリタは私たちが思ってもいなかった発言をした。

「何故……キョウさんに…?」

私は思わず尋ねた。

「キョウが直接モモカになにかしたわけじゃない。

 ただ口調がきついだけかもしれないだろ?このゲーム内では仲間を信じることが大切だ……。

 それに、これから先ペアで動かされることもあるかもしれん。今のうちに慣れておかなければな…」

ヨリタは「モモカをよろしくな」と言い、キョウの方へ促した。

「えぇ、なんで僕が……はっきり言って足手まと…」

体格の良いヨリタがキョウを睨み付けるとキョウは呆気なく黙った。

「はいはい、僕がモモカさんに手を貸せばいいってことだね」

キョウはそういうと、モモカに肩を貸した。

不安だけど何事もなく全員を見つけ出せればいいのだが……。

「じゃあ行こうか」

ヨリタは先頭で歩き始めた。

「みんな、しっかりついてくるんだよ」

14:ちか◆g:2019/05/26(日) 17:56

<人物まとめパート1>
【仲間】
・桜木 凪(サクラギ ナギ) 
年齢:14歳 学年:中二 部活:陸上部 ペア:チヤ
外見:身長は152a 体重は41kg セミロングの髪型 目が大きく可愛らしい顔立ち 
備考:主人公

・福積 千夜(フクズミ チヤ)
年齢:16歳 学年:高一 部活:帰宅部 ペア:ナギ
外見:身長は165a 体重は48kg 黒髪でストレートな髪型 中性的な顔立ち 細身な体型

・宇都宮 琴 (ウツノミヤ コト)
年齢:15歳 学年:中三 部活:吹奏楽部 ペア:シュンスケ
外見:身長は155a 体重は43kg 髪型二つ結び 童顔 大人しそうな雰囲気

・依田 信二(ヨリタ シンジ)
年齢:32歳 ペア:???
外見:身長は183a 体重は68kg 髪型は短髪 はっきりとした顔立ち 筋肉質 
備考:まとめ役

・倉井 俊介 (クライ シュンスケ)
年齢:17歳 学年:高二 部活:パソコン部 ペア:コト
外見:身長は174a 体重は58kg 髪型は前髪が目にかかっている 暗い雰囲気
備考:協力する気はない

・美川 京(ミカワ キョウ)
年齢:21歳 学年:大学生 ペア:モモカ
外見:身長は168a 体重は52kg 癖毛 顔は整っているが性格が悪いと思われがち

・柚木 桃香 (ユギ モモカ)
年齢:13歳 学年:中一 部活:文芸部 ペア:キョウ
外見:身長は148a 体重は38kg ロングヘア 可愛らしい顔立ち
備考:コミュ障

【敵】
・クマ(悪魔たち)
夢の中にみんなを閉じ込めた悪役。
外見:右耳は破れ、継ぎはぎのクマのぬいぐるみ。目はボタン

※詳しいことが決まれば人物のまとめを再び出すかもしれません。

15:ちか◆g:2019/05/29(水) 19:07

ヨリタが私たちのいた部屋の隣の部屋のドアをそっと開ける。

中は真っ暗で音は一つも聞こえない。

「誰かいないか!!!」

ヨリタが真っ暗な空間に向かって呼びかけた。

返事は返って来ない。いないようだ。

「部屋は何部屋あるんでしょうか……」

コトがヨリタに聞く。

「見たところ……5部屋だな。部屋数も少ないし、時間もある。みんな、焦らずに捜そう」

「はい」と私たちは返事をした。

ヨリタが部屋の外に出て、また隣の部屋のドアをそっと開ける。

電気は点いており、うずくまった人の姿がはっきりと見えた。

「だ、大丈夫ですか!!!!????」

私は思わずかけよる。

「大丈夫です……。

 ヨリタさん…。あなたなら私を見つけてくれると……信じていました」

確か、ヨリタは『ペアとははぐれた』と言っていた。それなら彼女は――――

「ヨリタさんのペアですか…?」

「ああ、そうだ。【ペア】だけじゃない。彼女は会社の同僚だ。

 ツグミ。みんなに自己紹介をしてやってくれ」

ツグミと呼ばれた女性は「はい」と大きく頷いた。

ヨリタの方が上司なようだ。

「私の名前は 明石 亜実(アカイシ ツグミ)です。

 28歳でヨリタさんと同じ会社に勤めています」

ツグミもヨリタと同様、スーツを着ており、しっかりとした雰囲気の女性だった。

「ツグミは今回の命令は知っているのか?」

「はい、知っています。【かくれんぼ】ですよね?

 私は隠れる役でした…。本当は速く見つけて欲しかったんですけどね。私は物音に気づいてくれたおかげで…」

隠れる…というより隠される側の人間の方も今回の命令の内容は知っているようだ。

なら、見つけてもらうためにツグミのように物音を出すなどして存在を知らせてくれるのかもしれない。

「知っているのなら話は早い。次の部屋に入ろう」

ヨリタはそういい、隣の部屋のドアを開けようとする。


「あ、開かない……?」


ヨリタはドアノブをガチャガチャと回す。

しかし…開かない…。

「そ、そんな……。誰かいるの!!??」

チヤは部屋に向かって呼びかける。


「いる!!います!!助けて…」


中から声が聞こえた。

「何人だ!!??」

ヨリタが呼びかける。

「2人です!!だけど、中からは…どうにもできない…」

「そんな…!!今助ける!!」

そういい、ヨリタは力ずくでドアをこじ開けようとする。

「ヨリタさん待ってください…。まだ時間はあります!!落ち着いてドアを開ける方法を考えましょう!!」

私はそう言ったが、全くと言っていいほどドアをあける方法は考え付かなかった。

16:ちか◆g:2019/05/31(金) 17:51

「ガラスを割るしか……」

ヨリタは手を振り上げる。

「ま、待ってください!!!」

私は慌てて止める。

「ヨリタさんが怪我してしまうじゃないですか!!それに、穴を開けたとして、ある程度の大きさじゃないと入れませ

んし、仮に人が通れる大きさの穴が出来たとしても、通っている間にガラスの破片が突き刺さってしまいます…!」

「クソ…!どうすれば…」

ヨリタは再び手荒にドアをこじ開けようとする。

「なにか方法があるはずです!シュンスケさんもこんな時ぐらい協力してください…!」

私は興味がなさそうに辺りをフラフラしているシュンスケに声をかけた。

「俺は協力する気はないね。俺には関係ねえから」

あまりにも冷たすぎる態度に私は呆気にとられていると―――――


ガシャン!!!!


ガラスの割れる音が不意に聞こえた。

まさか…ヨリタが素手で……ガラスを……。

この私の考えはドアの方を見た瞬間打ち消された。

―――キョウが左手にそれほど大きくない金属のような棒を持っていたのだ。

キョウの見ている方向には小さな穴があった。

「その穴の大きさじゃ手しか入らないじゃないか。一体どうするつもりだ」

ヨリタはその小さな穴を見ながら言った。

「ヨリタさん。その穴に手を入れてみてよ」

ヨリタは言われ通り恐る恐る手を入れようとする。

「ヨリタさん…!危ないです!」

コトがとっさにヨリタの手を掴んで引きとめる。

「大丈夫だ」と言い、ヨリタはガラスの破片に当たらないようにそっと手を入れた。

「……これは……!!」

ヨリタが目を見開く。

「うん」とキョウが頷くとヨリタはゆっくりと手を回し始めた。

動いたら危ないと思い、私が止めようとしたが、その必要はなかった。


―――カチャリ


鍵の開くような音が聞こえたのだ。

17:ちか◆g:2019/05/31(金) 18:21

「なんで…開いたの?内側に鍵があったのだったら中に閉じ込められている人たちは開けれるんじゃないの?」

チヤが私が同じように思っていた疑問を述べる。

「ドア、開けて見て」

チヤはキョウに言われるがまま開ける。

部屋には真っ暗な空間が広がっていた。

「内側に鍵があることに気がつかなかったのか…!」

ヨリタがそう言い、「なるほど」と私たちは納得する。

「一番最初の部屋も真っ暗だったから、この部屋も真っ暗で閉じ込められた人たちは内鍵の存在に気づいていないん

 じゃないかって思ったんだ。最初は閉じ込められた人にドアのもとまで行かせようと思ったんだ。

 でも、真っ暗な部屋で人を歩かせるのは危ないと思ってね、外側から内鍵の近くのガラスを割って、手を入れて

 開けることにしたんだ」

キョウが頭の整理のつかない私たちに説明した。

キョウは今まで人のことを考えた発言ができていなかったため、キョウが協力的な行動をとったのは意外に思えた。

「なぁ電気はないのか?」

私が思考を廻らしている間もヨリタは部屋のドアの近くを手探りで電気を探していた。

「ないみたいですね……」

私も同じように探ったが手に何かがあたる感触は感じられなかった。

「大丈夫か!?出てこれるか!?」

ヨリタが部屋の方に向かって呼びかける。

「大丈夫です…!」

部屋の中の二人は廊下の薄暗い電気を頼りに恐る恐る出てきた。

閉じ込められていたのは制服を着た女子高生と優しそうな男性だった。


「お前だったのか………。助けるんじゃ…なかった……」


消え入りそうなぐらい小さな声が聞こえた。

声のした方を見ると殺意のこもった目で男性を見るキョウの姿があった。

18:ちか◆g:2019/06/01(土) 18:01

「キョウ…さん?どうしたんですか?」

私は小声でキョウに呼びかけた。

「あ、あぁ。全員見つかって良かったんじゃない?」

まるで会話が噛み合っていない。やっぱり何かこの男性と過去に何かが―――――

「やぁ。命令2は達成できたみたいだね。次のルール説明に移ってもいいかな?」

いつものように突然クマが現れた。

「待て。この二人との情報交換が先だ」

ヨリタは女子高生と優しそうな男性を指した。

「そうだね。ごゆっくりどうぞ」

クマはそう言い。再び消える。

次のルール説明、とクマは言っていた。やはり命令はまだ続くのだろうか……。

「じゃあ、俺から話します」

優しそうな男性がそう言い、話し始める。

「俺の名前は 神埼 優(カンザキ ユウ)です。

 年齢は21歳で大学生です。

 さっき、あんな部屋にいた。理由は分かりません…。命令1をクリアして、部屋を出ると下に落ちていくような感覚

 がしました。その後気を失って、気づいたらあの部屋でした」

21歳で大学生………。キョウさんと同じだ。やはり何か関わりが……。

「キョウとは知り合いか?」

ヨリタはキョウを指しながら言った。ヨリタもキョウと同じ21歳で大学生というところに疑問を持ったようだ。

「…ち、違います。知らない人です」

ユウはキョウを見た瞬間、少し表情が変わったような気がした。

驚いたような、戸惑っているような……。

「そうか」

ヨリタはそれ以上追及しようとはしなかった。

「あ、あの、私も話したほうがいいですよね…?」

女子高生は遠慮がちに言った。

19:ちか◆g:2019/06/01(土) 18:24

「ああ、頼む」

ヨリタがそう言うと女子高生は話し始めた。

「私の名前は 綾瀬 楓(アヤセ フウ)です。

 17歳の高校2年生です。

 あの部屋に閉じ込められていた理由は私も分かりません…。気づいたらあの部屋にいました。

 あ、私はユウさんのペアです」

「そうか。ありがとう。

 おい、クマ!情報交換は終った。次は何の用だ!」

ヨリタが何もない空間に向かってクマを呼ぶとクマは姿を現した。

「あぁ終ったんだね。じゃあ少し話しをさせてもらうよ。

 みんな、そろそろ命令にはなれたかい?」

なれるっていうか…。まぁ簡単だし…。と私たちは思い、曖昧に頷く。

「簡単だって思ってるでしょ?これからメインの命令に移るよ。

 今までの命令はサブだと思ってくれていいよ。これからメインの命令を合計三回下すよ。

 生き残っていていたら生き残っていた人の勝ち!どうだい?楽しそうだろ?

 メインの命令の間にもサブの命令をちょくちょく挟んでいくよ。サブの命令は休憩だと思ってくれていいよ。

 これまで通り簡単だからね。

 試しに今からメインの命令1をやってみよう。

 …あ、ちなみにメインの命令では必ず最低一人は死ぬよ」

「ま、待ってよ!今からって……。まだ覚悟できてないよ!!」

チヤは焦ったようにクマに訴えかけた。

「大丈夫だよ。メインの命令も最初は難易度を低めにしているからね」

「でも…最低一人は……死ぬんでしょ?」

コトが怯えたように聞くとクマは悪気のないように「うん」とあっさりと頷いた。

「そんな…!どうすれば!!!」

動揺がどんどん広がっていく。

「みんな、落ち着いて!少し時間をくれないか?クマ」

その中でもヨリタは私たちに何かを訴えかけようとしていた。

「…少しだけね」


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