“深淵唱詩”

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1:アビス◆wc:2017/10/12(木) 06:11

思いついたら取りあえず書く事に決めた(センスは皆無)。

電柱から覗く君は誰だろか?
私はコソリと確かめゆく
けれども何時もシュッパイする

今日も君はシャッテン延びる電柱から私を見ている
そんな所で見てないで早くお入りよ
けれども君は首を横に振る

レーゲン降る日も
シュタルカー・ヴィント吹く日も
君は只私を柱から覗くだけ

何故かと私は君に聞いた
君は口を開いた
“だって僕はゲシュペンストだから”

464:フォルテ:2018/07/05(木) 22:27

読みにくくてごめんなさい。

465:フォルテ:2018/07/05(木) 22:27

これも歪んでますね…

466:フォルテ:2018/07/05(木) 22:28

私、アタマおかしいからなあ。www

467:アビス◆wc:2018/07/05(木) 22:49

>>462
こういう病み系も良いな。

468:アビス◆wc:2018/07/05(木) 22:54

私の詩は
不思議な世界観とかおとぎ話みたい
って云われるんだよ。

469:アビス◆wc:2018/07/05(木) 23:10

跪け!不幸共!
我を讃えよ!
崇めよ!奉れ!

貴様等不幸は
我が下僕となれ!

我は貴様等不幸を
虐げ踏みにじる

傲慢不遜たる
女帝ぞ!

我に従わぬならば
右手に持つ硬鞭で

悲鳴のフォリアを
あげさせる

アジタードに
叫べ!

啼け!
鳴け!
泣け!

我は女帝なり
不幸不運を従えし者!

不幸不運は
我が下僕よ
我が兵士よ!

命惜しくば
近付くな

我が左手の
慰み物に
なりたくなければ!

我が左手は
貪婪なる獣

いくら血に濡らそうと
貪婪故に
満たされん!

不幸不運を従える
我が恐ろしいか?

獣の左手を持つ
我が醜いか?嗤うのか?

我からに云わせれば
幸福を纏い乍

其れに気付かぬ侭
己を不幸だと悲しむ

貴様等の方が
愚かで嗤えるがな!

何時までも
幸福を夢見て
這いつくばっているが良い

其の間に
我が下僕と兵士が
地を侵略しようぞ

そして我は頂にて
敗れし者の血で
満たされた杯を仰ぎ

骸の玉座に座し
我を嗤いし者等を
見下しでもしようか

平伏せ貴様等!
頭を垂れよ!
地に着く程に!

我は女帝ぞ!
不幸不運を従えた
傲慢不遜たるな!

470:フォルテ:2018/07/05(木) 23:15

>>469すごい…独自の世界観が…アビス大先輩ワールドができている…私は病みしかかけないからなあ…私、将来の夢が小説家なのに、ワンパターンだからなあ。

471:フォルテ:2018/07/06(金) 13:36

海辺を歩く
クラゲがたゆたう
のんきで、良いよな。
私にも自由が欲しい。

山に登る
小鳥がさえずる
のんきで、良いよな。
私にも自由が欲しい。

花園に入る
薔薇が香る
のんきで、良いよな。
私にも自由が欲しい。

私は死んだ。
神様がいる
のんきで、良いよな。
私にも自由が欲しい。

神様は問うた。
何故お前はものを見る度
うらやむ?
何故自分が持っている大切なものに気づかぬ?

私は答える
だって、だって。
クラゲはたゆたうだけで良い。小鳥はさえずるだけで良い。花は香るだけで良い。神様は叶えるだけで良い。
私は自分の時間を作ることさえままならぬのに。

神様は呆れた
お前だって良いものを持っているのに。
愚か者。
でも今気づいたところでもう遅い。

472:フォルテ:2018/07/06(金) 13:37

初めて長編ポエム書きました❗

473:フォルテ:2018/07/06(金) 21:59

ああ、無理、無理、無理。
こんなに君を想うのに
とどかない、トドカナイ、届かない。
素直になれない。
コミュ障の私には
ハードルが高すぎて。

そうやっていつも失うんだよ。

474:フォルテ:2018/07/06(金) 21:59

イミフですね

475:フォルテ:2018/07/06(金) 21:59

すみません

476:フォルテ:2018/07/06(金) 21:59

短すぎますねwwww

477:アビス◆wc:2018/07/06(金) 23:47

>>471
うん、読みやすいね。
これからも頑張って。

>>474
大丈夫。私の詩も
意味が判らないのが多いから。

478:アビス◆wc:2018/07/06(金) 23:57

「朝鮮朝顔」(全2章)
(1)

部屋にうずくまっている
隅に すみに 只 スミに

虚ろな黒目で
反対の角を只
見ている 見ている 只 見ている

白くて広い部屋
何も無いから
此処はなんだ?

故に恐ろしかった
無機物に

有機物の心が
現れているから

切味の悪い
銀の刃でも
あれば良いのに

腕にある
赤い線を見つめる

目の前に
巨大な鳥の足があった

此処には私しか
いないのにな

だとしたら
これは私の幻覚か

天井から
足が生えてるなんて
可笑しいと思ったんだ

そうなると
いよいよ私は
気が違う一歩手前だな

足は私を
追い詰めはしない
遠ざかりもしない

生えてる
其れだけなのだ

私は床を見て
只笑む 冷笑む
黒目を狭めて狂笑む

479:アビス◆wc:2018/07/07(土) 19:56

(2)
白い花の種が欲しい
せめて花位は飾りたい

直ぐ枯れる奴でも良い
せめて何か彩りが欲しい
其れ位の贅沢はさせてくれ

この部屋は
所謂私なのだから

嗚呼 次は
紐が欲しいな

首に引っ掛けて
布を頭から被って
てるてる坊主になりたい

気が違って狂るのは
自らでも判る

ならば其れが疾く来る様
モルヒネをくれまいか?

夢中になって
依存して
中毒者となり

本に 本に
気が違って仕舞いたい

何も無くして
笑いたい

何も無くして
怒りたい

何も無くして
泣きむせびたい

最早 薬を縋ねれば
ならぬ程

私は表情が
消え失せているのだ

壁に問うてみよう
なぁ 私は笑っているか?

なぁ 私は
怒っているか?

なぁ 私は
泣いているか?

答えておくれよ…
もう私は判らんのよ…

ずっと壁と
夜通し問答をした

だが壁は
何も答えず
只 壁だった

気付けば私は
ベッドの上だ

あの部屋は
何処に…?

手首の重苦しい鎖は何?
足首の鉄球は何だ?

これではまるで
奴隷の様ではないか!

窓の緑の色が
今の今迄惨めな私を
より惨めにした様な気がした

私を戻してくれ
あの部屋に!

この部屋は嫌いだ!
私を苦しめる物でしか無い!

あの部屋が良い…
何も無き 白き部屋…

なぁ あの部屋に
置いてきた

花の種は
花になったか?

白く美しき花よ
丁度この窓から
見えている

朝顔の
様なんだ

枯れていたら
種をくれ

私は其れを
飲みたい

480:フォルテ:2018/07/07(土) 22:07

暗闇の中で
独りぼっち
消えたい
死にたい
か細い
少年の声は
その悲痛な叫びは
誰にも
届くことなく
無情にも
暗闇の中へ
吸い込まれていった
誰一人
気づかなかった

ああ神様
僕は生まれてくる意味があったの?
生まれてきても、よかったの?
生きる意味が見いだせない
もう生きるのに
疲れたんだ
いっそ一思いに
殺してくれや
しないだろうか

別に
いじめられたわけでも
虐待を受けた訳でもないが
ただ疲れたんだ
中間試験481点
期末試験5教科だけだと471点
10点下がった、怒られた
お前は勉強しかできぬのだから
ココロを蝕むその言葉
どうして
大人は結果しか見ない?
どうして
そこに辿り着くまでの
過程を認めない?
いつも
笑顔の仮面を着けた道化師は
哭いている
どうして
大人が決めた
「イイコ」にならなくちゃいけない?
どうか僕を認めて。

481:フォルテ:2018/07/07(土) 22:17

えっと、私が抱えていること全部吐き出して見ました。実話ですwww 詩に登場する少年はそのまま私です。まあ、私は少女ですし、一人称は主に「ウチ」、たまに「あたし」・「私」ですけどねwww四国地方のJCなので(ど田舎)ちなみにアビス大先輩はどの地方にお住みなのですか?あっ、話が脱線している!!!


アビス大先輩の目を汚すものになりますがよろしければお読みください。

482:フォルテ:2018/07/07(土) 22:21

今は崖っぷちですねwww アビス大先輩の詩が命綱って感じですwwうわ、私、鬱というかメンヘラこじらせてる〜〜www

483:フォルテ:2018/07/07(土) 22:37

まあ、好きな人の存在も命綱ですが

484:フォルテ:2018/07/07(土) 22:38

>>483wwwww恥ッッッッッッッッッッッッズ

485:アビス◆wc:2018/07/07(土) 22:45

>>481
大変だったんだね…
でも、良く努力したね!偉いよ!。

そうだね、私も「イイコ」は嫌いだ。
特に押し付けられた物程、
辛いものは無いよ。
でもね、此処でならそんな「イイコ」にならなくても良いんだよ。
「悪い子」になったって良いんだ。

因みに、私は近畿地方に住んでるよ。

486:アビス◆wc:2018/07/07(土) 23:00

芒野原の狐奉る祠
赤ン坊が泣いていた

この子の母は
産み落とし男と
逃げ去った

祠に住んでる
妾は見ていた

母の所業は
鬼畜なり

止めもせぬ男も
また鬼畜なり

ならばこの子を
育てよう

笑って生きて
ゆけるよう

ありとあらゆる
教えよう

愛しき赤児よ
泣くのはおやめ

妾の腕の中で
ゆるりと眠りや

今日から
妾が母親じゃ

恨よ辛よ憎よ
今だけはこの児を
解放してやってくれぬか

妾は教えた
文字を 言葉を

そしてやや子を
沢山愛でた

血なぞ繋がって
おらぬとも

妾は云おう
親子であると

こうして育った
我がやや子

大きゅうなった
綺麗になった

そしてやや子に
伝えねば

妾は
人でなくて
狐だと

おんしは人で
捨てられていたのだと

それでも良いよと云い
それでも妾を母と呼んだ

妾がやや子よ
おまへは清き
真ッ直ぐな児じゃの

どうかやや子よ
清きままであれ

妾が目を閉じ
覚まさなくとも

やや子よ
己が人生を歩むが良い

やや子の
腕の中で
眠る事になろうとは

これが
紅に染まる時で
なかったなら

妾はどれだけ
嬉しき事か

泣かないでおくれ
妾は最期に

おんしの笑顔を
求めるぞ

487:フォルテ:2018/07/07(土) 23:01

>>485アビス大先輩〜!ありがとうございます!尊敬します!嬉し涙が出てきました❗私のような「異端児」の存在を認めてくださりありがとうございます!

488:アビス◆wc:2018/07/08(日) 21:07

>>487
私は、誰の助けにもなる事は
はっきり云って出来ないけれど、
それでも良いのなら
何時でも此処に来て、
自分の気持ちを詩にすると良い。
歓迎しよう。

489:アビス◆wc:2018/07/08(日) 21:23

「猫が火男の観察をしたならば」

昼間っから
酒を飲んでは

一人で大笑いしている
呑兵衛がいる

彼れは独り身さ
連れ添う女房は

彼れの酒呑みの
悪癖に辟易して

子供を連れて
出て行っちまったのさ

(女房と子供は
いねぇからぁ
俺ぁ一人だぁ)

(口五月蝿く云ってた
彼奴はいねぇ)

(冷たく見下してやがった
餓鬼もいねぇ)

(嗚呼自由だよぉ
酒が美味ぇくて
しょうがねぇなぁ)

呂律が回ってないから
何云っているのか
僕には判らないけど

兎に角 彼奴は
馬と鹿みたいに
陽気だにゃあ

けど夜になったら
途端に大人しくなって

別れた女房と
子供の名を呟いては

涙を流して
後悔してたよ

(ごめんよぉ おまへ…
ごめんなぁ 子供よ…)

(駄目な父ちゃんで
本当にごめんなぁ…)

そんで流した分だけ
僕の飼い主ん家行っては

酒を仰いじゃ
千鳥足で帰って

それで一頻り
愚痴々々々々々々こぼしては
事切れたみたいに眠るんだ

(俺が悪ぃじゃねぇんだぁ
悪ぁるぃのはなぁ…俺か
俺じゃねぇかあコンチクショウ!)

顔を覗いてみたらさ
火男みたいに
真ッ赤なんだよにゃあ

490:フォルテ:2018/07/08(日) 22:50

あはははははは
人間って
怒りを通り越すと
笑えてくるね
哀しみを通り越すと
笑えてくるね


大人なんてさ、
どいつもこいつも
まともな奴は
いやしねえ
わかったツラして
偉そうに
お前に何がわかるんだ?
私は一人の人間です
あなた方の
模型でも
マリオネットでも
ありません


あなたのためを思って
ココロを鬼に?
よく言うよね!
嘘ばっか。
本当に
私のことを思うのなら
もう、私に干渉しないでくれ。
私はお前らが決めた
型にはまった人生なんて
シナリオ通りの人生なんて
望んでないよ?
送り先を間違えた宅配便
はた迷惑な宅配便


いい人・悪い人の
判断基準は
結局自分にとって
都合のいい人・都合の悪い人
なんでしょ?
そうやって人を
分けようとするから
戦争がおこるんだ。
何でまだ気づかないの?
人間は醜いんだよ。


子供嫌いな大人がいるが
所詮大人も小さな子供
何でそんなに
人を2つに
分けたがる?
みんな欲張らずに
安心して暮らせたら
十分じゃないのかよ?
世界にはそれすらできない
人もいる。
欲なんて
捨てちまえよ。


大人は矛盾しすぎだ。
何でこんなこと
したんだ?と
聞くから
答えりゃ言い訳するな?
お前が理由を言えと
言ったから
答えただけだろうが❗
だからと言って
答えなきゃ
無視するな?
じゃあどうすりゃいい?
お前らはどうして欲しい?
どうしたい?
八つ当たりだろ、
ただの。

491:アビス◆wc:2018/07/09(月) 21:24

(1)
斬首台がまた一つ
背負うべき咎無き者の首を落とす

其の度に湧く民衆の歓声
罪人の断末魔は
喜びに掻き消される

道楽者達が
斬首台に立つ時

民衆は
(金持ちなんぞに
なるからだ ざまあみろ)

と 云わんばかりの
嫉妬混じりの目で睨む

民衆は待ちわびる
断罪の刃が

罪人の首に
落ちる事を

其の刃は
自分達の思いを
代弁している

だから彼奴は
裁かれるべきなんだ

そんな物は建前で
本当の所は

人間が
自らの目の前で
事切れるのが見たい

只 それだけだ

血が
流れるのが見たい

只 それだけだ

道楽者の退屈は
金を使えば
紛らわせるがな

民衆はそういう訳には
いかないんだ

だからさ 道楽者が
用意した玩具

つまり民衆 貴方等自身だ
罪があるなら使えば良い

たとえ無くとも
でっち上げて

被害者ぶって
嘘泣けば良い

そうすれば玩具は
斬首台の上さ

固定されて
ガタガタ震えて
命乞いする様 見て 嗤え

何も やって いないと
本当の事を 云っている 玩具を

嘘吐き だと云って
嘘怒れ

上を見ろ ぎらりと光る
鈍銀の刃

あれが壊して
くれるんだよ

さぁ 落ちろ

ゴトンと

転がって

首から流れる
赤き血を見て

狂喜べ民衆
我が玩具

空を見ろ
肉袋

見下す私は
退屈だ

斬首は楽しい
直ぐ終って 飽きる

今度は 如何しよう
そうだ 拷問にしよう

生きたまま内臓引き出して
ウインチで晒そうか

ファラリスにて
雄牛の悲鳴の再現を

そして生まれる
黄金の骨
我が新たなる調度品

492:フォルテ:2018/07/09(月) 21:49

>>491少しグロい…ですね。ゾクッとしました。詩自体にもゾクッとしましたが、それに共感してしまう病んだフォルテ氏(12)にもゾクッとしました。人間の心理を痛いほど突いていますね。

493:アビス◆wc:2018/07/10(火) 21:30

(2)
玩具を昔 壊してしまった
若し 高い所から落としたら
どうなるだろうという

ちょっとした 子供の好奇心

ばらばらになった
一片 拾って見ていた

周りは叫ぶ
玩具を見て 私を見て

ほらほら 皆見てよ
これがこうなって
こう繋がってるんだって

何故 異常だと
云われるのか 判らなかった

私は其の時
純粋であった

無知でもあったが故に

壊した物は
二度と戻りは
しないのだと

判らなかった

病院に暫く
入れられた

私は泣いた
白が怖かった

出される薬を
飲むふりして
吐き出して

同室の水に
混ぜて飲ませたら

そいつの正体は
蟹だったんだ
口からぶくぶく泡吐いてたから

今迄自分のやった事に
罪の意識は無い

だから何故
私は今
斬首台の上にいる?

あぁ
空が青いな

あぁ
地面が真っ赤だ

あぁ
混ざって紫とならないかな

494:アビス◆wc:2018/07/10(火) 21:35

>>492
否、これは単純に思い付いて
書いただけなんだよ。
「する」側と「される」側と「見る」側ってこんな感じじゃないかなって。

495:アビス◆wc:2018/07/11(水) 20:48

巨大な水槽が
私の前に 今 ある

三角座りをして
水だけの水槽を
私は見ている

これだけ大きいのに
何故魚一匹すら
いないのだろう

上を見ると
何かが入っている
袋が吊り下げられている

左右激しく
動いていたり

やたら静か
だったり

何かうめいて
いたり…

紐を切る
鋏まで用意されている

先ず切るのは
激しく動く袋だ

水槽に落ちて
袋が溶けた

中身は鮫で
元気に泳ぎ回り

早く餌が欲しいのか
ガチガチ歯を鳴らす

うめいている袋を切る?
否 静かな袋からだ

ボチャボチャボチャ
大量だった

中身は…なんだ
只の海星だったよ

落ちる幾つかの
海星を鮫は喰らった

でも変なんだよ
この海星

人間みたいな
爪がある

鮫が喰い千切った所から
赤いのが出てる 血かな?

最後にうめいている
袋を切ってみよう

中身はペンギン
だったよ

しかも新種っぽい
だって落ちてる時に
ぎゃーって云ったんだもん

でもこのペンギン
泳ぎは下手だね

ほら 足じゃなくてさ
羽をも少し
動かして御覧よ

早く逃げないと
鮫の餌になるよ

鮫がペンギンに
追い付いた

ペンギンの下半身を
喰い千切った

どうせならさ
上半身の方も
食べてくれよ

ペンギンが
何か云ってるね

ヒ…シ…
 ク…マ…

やだなこのペンギン
ここに熊なんて
いないでしょう

鮫が残りの
上半身を喰った
凄い迫力だ!

496:詠み人知らず:2018/07/11(水) 22:24

黒い箱が
朝 私のベッドの上に
あった

持ってみると
軽かった

穴がひとつ
あったので覗いたら

空があったんだ
村があったんだよ!

視点を変えれば
海も見える

村の方に
目をやったら
人がいた

焚き火を囲って
マイムマイムを
踊ってる

チャッチャチャララ
チャッチャチャララ
楽しそうだなぁ

突然踊りを
止めたかと思えば

空を見て
騒ぎ出した

(侵入者だー!
侵入者だー!)

(大きな目玉が
こっちを見てるぞー!)

目玉…?
私の事か!

(槍を持てー!
槍を持てー!
投げろー!わー!わー!)

え?届くの…?
ちょっ…!痛い!いたたっ!

(効いてるぞー!
効いてるぞー!)

(次は大砲だー!
大砲持って来ーい!)

勝手に覗いたのが
悪かった!ごめんって!

(退いてくぞー!
侵入者は)

(我らに恐れをなして
逃げていったぞー!)

目がまだ痛いや…
知らない物には
触らない方がいいね

にしても これは何だろう
箱をまた覗く
槍が飛んでくるかも

…今度はやたらと
文明が進んでいる!?

マンションとか
ビルが建ってて

空中では
車が飛んでいた!

一体この箱世界は
何千…否 何万年…?
時が経ったのだ?

驚いて
箱を放り投げてしまった

でも面白いな
今度はどうなって
いるのだろう…?

…何も見えない
真ッ暗だ

気になる 気になる
気になってしょうがない!

箱よ 見せてくれ!
世界は一体
どうなったんだ!?

497:アビス◆wc:2018/07/11(水) 22:26

>>496は私だよ。
名前を入れ忘れてたんだ。

498:アビス◆wc:2018/07/13(金) 22:33

「星河の寂莫」(全2章)
(1)
汽車に乗って
何処か遠くへ 行きたい

皆はもう 下を向いて
歩いている

片手に小箱を
持ち乍

何かを探している
訳では無く

小箱の虚像と
見合い乍
只 歩いている

私にとっては
それがとても苦しかった

私は小箱を
持っていないから

誰も持ってない
世界へと行きたいんだ

車掌さん
私は其の汽車に
乗りたいんです

星河を間近で
見れるのでしょう

夜の空に
瞬く星々に

私は想いを
馳せていたい

私ばかりが
上を見ていて

皆ばかりが
下を見るのは
もう 嫌なのです

一緒に見上げる
そんな時が
あったとしても

其の時の星空を
記憶するのは…

私は目と脳だけれど
皆は小箱に留めて
後から楽しむのでしょう?

私には
それが寂しくて
堪らない

一緒の景色を
見ている筈なのに

お互いに 違う景色を
見ている様だから

皆が華やかな
虚光の世で
生きていくのならば

私は一人
星河の寂莫へと
消えていきたい…

私は今から
汽車に乗ります

さようなら…

499:アビス◆wc:2018/07/13(金) 22:52

(2)

天駆ける
汽車の窓から
見えるのは

栄える虚光に
彩られた街

上から見たら
こんなにも 良く判る

人はもう
上も下も何も
見てはいない

只 歩いている
だけなのだと

間違えた
私が見るのは
下じゃなく上だ

雲一つ無い夜空に
星々が瞬く

瞬く星々が集まって
 輝く星河となる

星河を見渡すと
星の海になった

私が地上から
星を見ていたのは

ほんの一部分に
過ぎなかったのだ

この汽車に
乗客は私一人らしい

他に誰かは
車掌ぐらいだ

車掌は汽笛を
鳴らし乍
鼻唄を歌っている

500:アビス◆wc:2018/07/14(土) 15:13

私は魔女
悠久の刻を
生きる者

しわくちゃの
ハバァだと
思ったね?

でも残念
全然違う

ずっと若い
姿のまんまさ

がっかりした?
まぁ良く云われる事だ
その反応はありきたりだね

まぁ座っておくれよ
茶と菓子は位は
出すからさ

その顔は何?
変な物を入れてると
思ったね?

失礼だな
茶に毒は
入っちゃいないし

菓子に人の部位は
練り込んでないよ

昔パイに人を刻んで
作っていたのだけれど

それがもう
不味い事 不味い事

だから私の使い魔に
食べさせた

美味しい 美味しい
云っていたけど

其の後庭で
戻してたのを見たよ

やっぱりって
思ったな

使い魔というのは
暖炉の前で眠っている
其処の黒猫の事さ

元々は普通の
猫だったのだけれど

其の頃の私は
使い魔をまだ
持っていなくて

いい加減
使い魔を作れと

五月蝿く云われてた
事もあってか

私は調度良いと思って
この子を使い魔にした

真面目な子だよ
良く働いてくれる

おや 眠たそうな
顔をしているね

良かったら
私のベッドを
使いなよ

…毒は仕込んじゃ
いないけど

薬は仕込んで
いたのだよ

起きて黒猫
ご飯にするよ

目の前に材料が
あるから
シチューにしよう

パイの様に
失敗はしないからさ

黒猫よ
鍋に水を入れて
沸かしておいて

其の間に
私は材料を
刻んでおくから

太股の部分は
君にあげるよ
好きだものね

骨の部分は
頭だけ残して

他は砕いて
庭の肥料としよう

私は魔女だ
好物は人肉の
パイとシチュー

森に迷い込んだ
人間をもてなして
薬で眠らせ食べるのさ

同胞は私を
悪食と呼ぶね

おやおやそれは
昔の話だよ

同胞も何人か
喰ったがね

今は人間で
我慢してるから
良いじゃない

私は歳を
とらないのさ

同胞を食い過ぎた
罰として

だからずっと
この姿

501:フォルテ:2018/07/16(月) 22:02

世界観!!!

502:アビス◆wc:2018/07/16(月) 23:30

>>501
ありがとう!

503:アビス◆wc:2018/07/16(月) 23:37

(作者ヨリ)
500いったー!
…って事で感謝のコメントを
書こうと思ったのに、何故か規制が
掛かり、打った文字が消えました…
「騎士」よ、貴方には特に
感謝してます!ありがとう!
フォルテもありがとう!他の来てくれた人達もありがとう!

最近スランプ気味だけど、
頑張ります!!とりあえず!

504:アビス◆wc:2018/07/16(月) 23:58

(1)
僕は黒猫
魔女の使い魔
やっています

元々僕は
普通の野良猫だった

ゴミ箱漁って
残飯探して

屋根の上を散歩して
忙しく動く人間尻目に
お昼寝したり

そんな感じで
自由をニャアニャア
歌ってた

ある日僕は
道路を渡ってた

鉄の魔獣に
いきなりはねられた

もう痛くて
兎に角此処から逃げないと

森の中を
彷徨った

そしてある家の前で
事切れたんだ

失う寸前
人を見た

僕を見て
ニヤリと笑った
何がそんなに可笑しいの?

…目が覚めた
僕はあの時 事切れた筈

僕に何をしたのと
聞いたなら

私は魔女で
君を使い魔にしたと
僕に云ってきた

505:フォルテ:2018/07/17(火) 18:41

>>503 500,おめでとうございます!でも私は、お礼を言われるようなことは一切してません。いきなりスレに乱入して、ゴミのような詩を書き散らかしているガキです。

506:アビス◆wc:2018/07/17(火) 19:48

>>505
それでも私はお礼を云いたいんだよ。
これからも来てくれたら嬉しい。

507:アビス◆wc:2018/07/17(火) 21:05

(2)
その姿で魔女なんだ
僕はてっきり
しわくちゃかと

こんなナリでも
私は魔女さ

君より昔に産まれて
君より長く生きている

僕は信じるしか
なかったよ

現にこうして
生きているから

使い魔となった僕
自由はないけど
それでもいいや

三食おやつは
ついてくる

ふかふかの
寝床で寝れる

そして
二本の足で
立てるし歩ける

鉛筆だって
持てるから
字も書ける

箒だって
持てるから
掃除もできる

そんな僕の
ご主人は

僕に服を
着せてくる

エプロンだったり
割烹着だったり
給仕服など着せたりしては

可愛いと云って
写真を撮るんだ

508:アビス◆wc:2018/07/17(火) 21:10

(3)

ある日ご主人が
パイを焼いた

僕はそれを
食べてみた

それはもう
不味くて
しょうがニャイ

目の前で
戻すのは悪いから

庭に出てから
吐き出した

暖炉の前で
眠っていたら
ご主人の話し声

ご主人と
話している人は
ご愁傷様ニャ

だってご主人と
僕のゴハンに
なるのだもの

見た目は
若いけど

中身はとっても
悪い魔女

それが僕の
ご主人ニャ

骨粉を庭に
撒かないと

ご主人に
怒られるのニャ

509:アビス◆wc:2018/07/18(水) 22:00

「ピグロ」(1)

おい 其処の怠け者
草っ原を寝床にして
青空眺めてるお前だよ

皆 汗水垂らして
働いているぞ

なのにお前は
寝てばっかりだから
汗の一つもかいてない

馬だって
働いているぞ

荷物を積んだ馬車を
文句云わずに運んでるんだ

あ 馬がお前を見て
鼻で笑ったぞ

なのにお前は
知らん顔か

馬に馬鹿に
されるなんざ
洒落にもならんね

私だったら
恥ずかし過ぎて
顔がタコだわ

おい オッチャン
馬鈴薯をくれ
芽がどんどこ生えたやつ

そら食え
泡吹き乍倒れてろ

お前みたいな
怠け者は

土と混じって
畑の肥料にでも
なりゃ良いさ

510:アビス◆wc:2018/07/18(水) 22:09

(2)

おい 起きろ怠け者
寝たフリを
するんじゃない

皆 とっくに起きて
働いているぞ

もう馬鈴薯の毒は
抜けてんだろ

怠け者の癖に
体は人一倍丈夫なのな

お前の弟は
畑を耕しているぞ

土に刺さる
鍬の音が
聞こえないか

お前の妹
花を摘んでは
異国へ売りに行っている

それでお前は
何をしているんだ?

食っちゃ寝ーの
食っちゃ寝ーのの
ナマケモノ生活か

いい御身分だな
弟も妹も
何も云っちゃいないがね

家畜以下の目で
蔑んでるぞ

それをお前は
お得意の知らんふりで
見ないふり

反論なんて
許されると思うのか?

筋金入りの
お前なんか

ビンに入った
ホルマリン漬けにでも
なればいいのに

そうすればお前は
働けるな
展示品として

511:アビス◆wc:2018/07/20(金) 04:33

「化道呪兎」

赤い目の女の人
村をじっと見つめてる

された事を黙るは
己がとって罪なりや

ならば果たそう
許しはしないと云うのなら

柱と土に
埋められた

生きたまま
私の体は
辱しめられた

私を嬲った
男共

其を見てい乍
救わず嗤った女共

石をぶつけた
子供共

 覚悟しろ 覚悟しろ
呪詛の兎が
 今宵参るぞ

赤き空よ 赤き月よ
私を化に変えよ

赤い眼は
より赤く

私の体
黒兎に変ぜ
大なる者

耳も長うに
悲鳴が聞きたし

牙と爪は
金色に

咆哮に恐れて
身を縮こませてろ

家に籠って
念仏でも唱えてろ

探し出して
裂いてやろ

見つけ出して
嬲ってやろか

逃げろ 逃げろ
逃げ惑え

我が身可愛さに
己が子を差し出せ
全員喰ってやろ

豆鉄砲なぞ
効くものか

煌々と照せ
赤き月よ
染まりし大地を

赤い空よ
決して晴れるな
青い空を私は憎む

512:フォルテ:2018/07/21(土) 00:30

黒い無数の瞳が
ヒトに問いかける
僕は、何か悪いことをしましたか?
口々に騒ぐ
此所は何処ですか?
動物愛護施設?
罪のない
動物の命を奪うことが?
そっちがその気なら
こっちも人間を
「愛護」してあげる❗
ようこそ
此所は人間愛護施設

513:アビス◆wc:2018/07/21(土) 08:45

星になりたいと
隣人が突然云い出した

飲んでいた
珈琲を
私は吹いて仕舞った

ほら 見ておくれよ
夜の帳に浮かぶ
星達をさ

燦然たる輝きを
放っているだろう
だから僕はなりたいんだ

…明日の月が
綺麗でなければ
良いのに

そうすれば僕は
星になれるんだけどな

ねぇ 明日望遠鏡でさ
空を見て欲しいんだよ
それで僕を見つけてくれよ

そう云って彼奴は
星になった

望遠鏡で
彼奴を探した

あぁ いたな
呑気に手を振っている

…あの時の月が
綺麗であったら
良かったのに

銀花の手向けを
彼奴に
送りたかったよ

今日の珈琲は
少し熱かったか

514:アビス◆wc:2018/07/21(土) 21:41

人形の体に
針を刺した

人形は
何も語らず

青い瞳で
私を見つめる

それが私を
酷く苛立たせ

人形の右足を
引き千切る

右足から
 綿が出た

だけど人形は
何も云わずに
床と瞳をくっつける

(おい 少しは
何か云え)

(痛いと云え
痛いと云え)

何故 お前は
何も云わない?

無くなった右足の代わりに
亜米利加ザリガニの
左鋏を詰めてやる

人形を苛める時
嫌いな相手の名を呼ぼう

人形を其の名を
持つ者とみなそう

ほらほら痛いか?
痛いなら叫べ
泣いて仕舞え!

は としたところで
ふ と我にかえる

それで此奴は人形で
嫌いな彼奴では無いと
漸く気付く

激しい後悔が
私を襲った

何て事をと
八つ当たっても
仕様が無いだろうと

人形は
尚も何も云わず
責めもしない

それが余計に
苦しいよ

針を抜いて
全て血が出れば良い

人形よ
お前の綿で
私の馘を絞め乍

恨み言を呟いて
ゆっくりと私の命を
奪えば良い…

515:フォルテ:2018/07/22(日) 00:39

>>514共感できることが怖い❗

516:アビス◆wc:2018/07/22(日) 21:58

二 三 三 二
三 二 二 三…

これは
私の詩の行だ

二 三 二 二
三 二 三 三…

と この様に
大体二か三になる

三 二 三 一
二 三 二 四…

たまに一や四も
出て来るが

二 三 二 三
三 二 三 二…と

やはり私の詩は
二か三になる

五や六も
いれてみようと
試みたが

どうにもこうにも
筆が進まず
断念した

私にはどうやら
二と三が性に
合っているらしい

517:フォルテ:2018/07/23(月) 23:55

こんにちは、と言えば
笑って挨拶を返すのは
何故だろう
挨拶は
なんのために
あるのだろうか

この世から
挨拶が消えたら
どうなるのだろうか
考えているときに
願いを叶える
魔女がやって来て
ためしに
挨拶を無くしてと
願ってみた

結果
教室に入っても
近所の人と会っても
話しかける切っ掛けがなくて
この世界から
コトバはキエタ

518:アビス◆wc:2018/07/24(火) 21:58

「ロンリネンス・ウルス」(全4章)
(1)
誰もいない街を
私は歩いている

灯りは無く
濃い霧がかかって
先は見えない

何かが
出そうな夜だ

暫く
彷徨いていると

ぼんやりとだが
光が見えた

左右にゆらゆら
揺れ乍
光は奥に消え

追い掛けていたら
賑やかな声と

人形や玩具が
目の前で
人間の様な事

あまりにも
非ィ日常であるので

私は其処で
棒の様

クマの人形が
僕ん家においでよと
私の手を引き

云われるがままに
私は行った

この人形
何処かで…?

ねぇ 私は
貴方と何処かで
会っている様な

さぁ?僕は君とは
初めてだよ

519:アビス◆wc:2018/07/24(火) 22:06

(2)
(…やっぱり覚えて
いないんだね 僕の事)

着いた先は
豪華な屋敷

ねぇ 此処が
貴方のお家なの?

そうだよ!すごく
立派だろう?

此処に住んでるのは
僕ひとり!

だからとっても
さびしいんだ…
さぁ 上がってよ!

ケェキは如何?
クッキイもあるよ
フルーツだって

一通り食べたら
紅茶を飲んで
シロップたっぷりの

口の中の
甘さに蕩けて

何も考えず
眠りについて

大丈夫だよ
隣には
僕がいるから

君は僕を
忘れたようだ

だけどね
僕は君を
覚えてる

それに時間は
たくさんあるんだ

ゆっくりと
今の君を
消せばいい…

ゆっくりと
昔の君を
取り戻したら

また一緒に
遊ぼうよ…

520:アビス◆wc:2018/07/25(水) 21:40

(3)

あの時私は
貴方を捨てた

私が大きく
なったから

そして私は
忘れたんだ

いつも一緒に
いてくれた貴方を

混濁する中で
貴方は昔の私を
取り戻すと云った

どういう意味で
どうする気なのだろう…

521:アビス◆wc:2018/07/25(水) 21:48

(4)

今の君は
いらないんだ

だけど君は
こんなにも
大きくなった

だったら僕は
君の心を壊すよ
記憶を消すよ

あの日は
間違いなんだ

君が僕を
捨てたのは

だから僕は
やり直す

この屋敷も
君と僕の為なんだ

まだ駄目だよ
起きてはいけない

君が今を
全て忘れる迄

刻む時計は
止まりはしないし

月が癪に障る
声で嗤い続ける

太陽が昇る時
君は今より 昔になる

無邪気な笑顔で
僕に抱きついておいで

時計は
壊しておこう

ごはんも一緒
 お風呂も一緒
勿論寝る時も一緒

僕はクマさん人形
一人の女の子の寂しがりな
オトモダチだよ

522:アビス◆wc:2018/07/27(金) 08:32

柔らかい褥の上で
私の首を絞めてくれ

虫一匹すら
殺した事の無い
お前の其の白い手で

褥の軋む音
お前の細い指を
私の首に包み込ませ…

そうだ そのまま
力を込めて

もっとだ もっと
あぁ 今 私の命は
お前の手にあるよ

それがとても
嬉しいのだ

最もお前の愛を
感じるのだ

だのに何故か
お前は其の度に
悲しそうな顔をする?

何故泣くのだ
理解が出来ない

やめて欲しいと
云われても

私が満足する迄
やめさせない

それでたとえ
死んだとしても

愛するお前の
手なのだから

なんら悔いは
無いさ

それどころか
最高だよ

523:アビス◆wc:2018/07/27(金) 08:43

傷ついている
彼女が眠っている
傍らで僕は
恍惚としている

彼女に付いている
傷は皆 僕が付けた

ある日 彼女が
傷を作って
帰って来た

其の姿を見て
僕は心配しなかった

むしろ何時もより
素敵だった事を
覚えている

膝に巻かれている
包帯がとても憎たらしくて
剥ぎ取りたかったよ

彼女に判らない様
僕は彼女を傷付けた

沢山 沢山
沢山 沢山…

彼女の肌に
鮮やかに
映える様に

そして今 あるのは
全身包帯で
眠っている彼女

病院には
連れて行きたくない
直っちゃうからさ

それに僕は彼女の
今の姿が
一番好きなんだ

このまま
直らなければ
良いのに…

524:アビス◆wc:2018/07/29(日) 21:32

「向日葵の眼」

いくらやめてと
云っても

叩いてくるんだ
目の前の
大きな物が

泣いたら
更に打ってくる

地面に倒れる
私の頭を掴んで
また突き倒す

咳き込んで
嘔吐した

大きな物は
腹を蹴って
叱りつける

もう一人は
見ていながら

何も知らないと
見ないふり

虚ろな瞳で
見えていたのは

霞んだ景色と
笑う物が二人

私の言葉
あの二人に
一切届かなかった

しょうがないのかな
喋る言葉が違うから

せめてこのまま
命が果てるなら
目を見開きたい

あの物二人を
映し続ける
末路を望む

見つめ続ける
二人で歩く彼奴等を

赤子を抱いている
幸せそうだ

眠る赤子の横に
私はいた

すぅすぅ寝息をたてては
少しだけ体を
もそもそ動かす

そんな赤子の口を
私は手で抑える

息のしない赤子を見て
女は叫んで泣いた

何故 赤子の時は泣いて
私の時は何もしなかった?

呼び続けるが良い
もう戻らない 赤子の名を

空に向かって云え
赤子への謝罪を

窓を開けろ
そして飛べ
赤子待つ元へ

男は堕ちた
何もする気が無いと
万年床へ

男の様子を
私は見つめる

失いし哉
男の大切な物全て

横たわれ
目を瞑れ
其のまま起きるな

腐れ 脹れろ
虫集れ

冷たき石に
向日葵を

我が目の代わりぞ
忘れるな

見てる 見つめる
見詰め続ける
私の目 私の目

向日葵の花

525:フォルテ:2018/07/30(月) 01:02

あの、アビス大先輩、専スレしてください❗

526:フォルテ:2018/07/30(月) 01:03

無理でしょうか?

527:アビス◆wc:2018/07/30(月) 17:16

>>525
それは…難しいね。
嬉しいお誘いなのだけれど、
来れない時が多々ある上に
実を云えば話す力が無いからねぇ…

528:フォルテ:2018/07/30(月) 17:18

そうですか…
分かりました。無理をいってすみません😣💦⤵
私もコミュ力ないですよ!

529:アビス◆wc:2018/07/30(月) 21:03

>>528
でも、誘ってくれて
本当にありがとうね。

530:アビス◆wc:2018/07/30(月) 21:10

「魔女が味方だと誰が云った?」
(全2章)
(1)
シンデレラが
置いていった硝子の靴は

王子様とを繋ぐ
赤い糸となるのだけれど

私はそれを
壊しちゃった

シンデレラが
妬ましかった
訳じゃない

いいえ いいえ
ただね どうなるか
見てみたかったのよ

茫然と立ち尽くす
王子様

あらあら
どうしたのですか
王子様?

お顔が優れない
様ですが?

この硝子の欠片に
何か御用で?

もしかして
この靴の持主と
結婚したかったのかしら?

だとしたら
ごめんなさいね

もう一生
叶わないわ

高笑いしながら
私は箒で空を飛ぶ

さぁ 次は
あの子の所だ

どうなるかな?
楽しみだよ

531:アビス◆wc:2018/07/30(月) 21:23

(2)

コツコツと
私は扉を叩く

おはよう
シンデレラ

貴女にね
云わなきゃいけない事が
あるから来たの

舞踏会に
貴女が去り際に
落とした硝子の靴

あれ
割っちゃったのよ

ごめんなさい
そしてわざとなの

まぁ当然
怒るわね

でも
私が何時

貴女の
味方だって

云ったのかしら?

崩れる
シンデレラ

私は耳元で
囁くの

甘い夢は
もう終わり

苦い現実を
与えるわ

さようなら
シンデレラ

いいえ
「灰被りの娘」

私は消えるわ
貴女の目の前で
高笑いしながらね

靴を割ったら
どうなるかなんて
本当は判ってた

割らなかったら
ハッピーエンドで
終わるでしょ?

私はそれが
大嫌いなのよ

じゃあ最初から
助けなきゃ
いいだろうって?

それもそうだろうね
云うと思ったよ

だって
面白そうだって
思ったもの

きっかけを与えて
有頂天になった人間の

叶う寸前で
其れ等全てを
台無しにする…

それから
絶望に沈む
人間って

最高に
素敵じゃない

悪趣味外道?
なんとでも云いなさい

絶対罰を
受けるって?

じゃあ今から
受けるわね

火炙り 首はね
色々あるわ

好きなの選んで
ちょうだいよ

何で笑っていられるか?
それは秘密よ
教えてあげない

532:アビス◆wc:2018/07/31(火) 22:00

(1)
いくら君の手を
こっちから握っても

目は覚めず
眠ったままの君

起きて私の手を
握り返しておくれよ

あの時に
君の手を
離さなければ

今 この時は
無かっただろう

急に起きては
くれないか

それで吃驚して
目を見開いている
私の其の額を

指先で小突いて
情けない顔だと
馬鹿にしてくれても良いから

533:アビス◆wc:2018/07/31(火) 22:04

(2)
君の身体を
繋いでいる
無数の管

それが全て
私には

君を縛りつける
鎖に見える

全部引き千切って
君を自由に
してやりたいよ

望んだのは
私の筈なのに

判っているんだ
でも抗いたかったんだ

奇跡に
希望を託してみたかった

其の結果が
これだよ

534:アビス◆wc:2018/07/31(火) 22:09

(3)
日が経って
やつれていく
君の顔を見て

もういいよ
生きたくないよと
云っている様に見えた

だから私は今
君を自由にする為
右に鋏を持っている

私が断ち切ったら
君は天国へと行くと良い

でも私は
そちらに行けない

私は必ず地獄へ
堕とされるのだから

其の時迄に
私の事を
忘れてくれ 君よ

そして私は
次の転生迄
覚えていよう 君を

535:アビス◆wc:2018/08/01(水) 21:29

「傘泥棒へ」
(1)
私の傘よ
おのれは今
何処にいる?

いなくなって
しまったのよ

駅に
置き去りに
あの日に

おのれが消えた
置き去りにした
駅に聞いた

無いと云ったので
誰かに盗まれたと
確信する

其の日は
本に酷い雨だった

ある筈の傘は
盗まれたので
濡れ帰る羽目に

全てが濡れた
鞄も 本も 弁当も

私の体も濡れた
纏う服が 水の様

本当に寒かった!
盗まれさえしなければ
こんな事にはならなかった!

536:アビス◆wc:2018/08/01(水) 21:33

(2)
私の傘は
今何処?

紫で水に触ららば
桜の紋様

私は犯人を
許すまじ

お前さえ
私の傘を
盗まなければ

私は濡れた
犬の様では
無かったのに

私の傘を
返せ 犯人

返せ 返せ
返せ返せ返せ

返さなければ
私は幽となりて

毎夜毎夜
お前への怨を
唱え続けるぞ…

537:アビス◆wc:2018/08/01(水) 21:38

(3)
お前の首を
絞めたのならば

私の傘は
戻ってくるか?

口から入り
臓府を掻き毟ならば

私の傘は
戻ってくるか?

石地面に
お前の足を引き回せれば

私の傘は
戻ってくるか?

そうなりたく無かば
本に 早く 疾く

返せ 返せ 返せ
返せ 返せ 返せ

私の傘を 私の傘を 私の傘を
私の傘を 私の傘を 私の傘を

お前の骨で
組としようか?

お前の皮で
雨水防ごうか?

私の傘を疾く 返せ
私の傘を疾く 返せ

538:フォルテ:2018/08/03(金) 02:24

こんばんわ。お久しぶりです。覚えていますか?お世話になりました。今は通常はスノーフレーク、創作ではゆきいちごとしてやっていってます。ここに詩を書くことはなくなりますが、自分のスレを作ったのでぜひ、来てください。たまにここに来ますね。ありがとうございました。
https://ha10.net/poem/1533228833.html

539:アビス◆wc:2018/08/03(金) 17:08

>>538
そうか、頑張れ!応援してるよ。

540:アビス◆wc:2018/08/03(金) 20:50

「思議 不詩議」(1)(砂人の目)

公園の砂を
掘っていたら

底から人の目が
覗いてた

人の目は
空を上と下と
右と左とを

ギョロリ ギョロリ
ひんむき見ていた

私が覗くと
人の目は

不快そうに
目を細め

退けと
云わんばかり

私が退いたら
人の目は

また目を開いては
空を見ていた

541:アビス◆wc:2018/08/03(金) 20:55

(2)(溜の蛙)

家の先にある
水溜まりにて

釣りを
試みてみる

何か珍しいのが
釣れないかと

じっと待ってみる
すると蛙が
出てきたのだが

跳ばずに 鳴かずに
這って出てきた

しかも一匹
だけでは無く

たくさん出てきて
共食いをしていた

呑む蛙の中で
呑まれた蛙の
鳴き声がした

呑み過ぎ臍天の
蛙の腹がはち切れて

胃酸で溶けかけた
蛙達が出てきて
地獄絵図

糸が引いていたのだが
蛙に夢中で
気が付かなかった

542:スノーフレーク&◆5k:2018/08/03(金) 23:22

独立したくせにまた来ました。(図々しくてすみません)
>>540ちょっとグロいですね。でも、すごくいいと思います‼天才ですね‼そういえば、アビス大先輩、私が初めて来た頃と作風が違いますね。変えたんですか?



P.S  元フォルテです♪

543:アビス◆wc:2018/08/04(土) 21:11

>>542
全然大丈夫だよ、気にしてないからね

私は得意な作風と
云う物が無いからねぇ。
でも、此処に来てくれた皆は
「不思議な世界観」や
「おとぎ話」みたいだって云ってたよ

544:アビス◆wc:2018/08/06(月) 08:52

(3)(女子と妖精)

人形を手に
ぶら下げた

女の子が
レンガの上を
指差して

妖精が此処に
いるのと
云っていた

どんなのかと
聞いてみた

人を小さくして
其のまま羽を
生やしているのだと

そして女の子は
妖精を捕まえて
首根っこをへし折った

545:アビス◆wc:2018/08/06(月) 08:58

(4)(魚の食方)

魚を釣ったんだ
ほら あの家の前にある
水溜まりで

見た目は
普通で
中くらい

焼魚にしようか
煮魚にしようか
刺身にしようか

少し迷ったけど
焼魚にしよう

それでは
内臓を抜く為に
腹を裂こうか

それで
切ってみたら

人間の指が
其の魚の腹ん中から
いっぱい出てきた

私は吃驚
したけれど

とりあえず
お腹は
減っているので

指を捨てて
内臓を抜いて
焼いて食べた

546:アビス◆wc:2018/08/06(月) 09:03

(5)(婦人と鴉)

中世の様な
帽子とドレスを着た
貴婦人が

傘を開いて
立っていた

上から下まで
全部が黒い

顔と手は
白かった
それで触れると固い

空で鴉が
輪になり飛び乍

徐々に此方へ
降りてくる

かごめかごめ
よろしくの

後の正面
誰が当てるのか

貴婦人は
無口であるからさ

私が答える
しかないよ
鴉一羽と

547:アビス◆wc:2018/08/06(月) 09:09

(6)(何もせずに)

三角座りで
見ていた

上にある
空では無い

下にある
地面でも無い

視線の先には
天末線の建物等

其の中では
人がこみごみ
してるけど

私には特に
関係無い

丘の上から
三角座りで

建物の中に沈む
夕日を見ていた

丘の上で
寝っ転がってた

夜の帳に
星が点在していた

己の家に
帰らないのかと
云っている様だった

帰る家?
そんな物は
何処にも無いよ

では此処で
何をしているか?

此処に座り続けてる以外
何もしてないよ

548:アビス◆wc:2018/08/07(火) 08:21

(7)(風船旅)

風船の中に
入りたい

私が風船の中に
入ったら

誰か空気を
入れてくれ

それで私は
空を飛ぶからさ

若しも空に
風船が
浮かんでいても

其の中には
私が入って
いるんだよ

だから
割らないで
欲しいんだ

549:アビス◆wc:2018/08/07(火) 08:25

(8)(風船旅 その弐)

風船で
ここまで
やってきた

そう 青い地球が
目の前にある

他にあるものと云えば
衛星とか

そこから出てくる
宇宙塵

はっきり云って
綺麗とは
云えないね

地球が段々
遠くなる

もう帰る事は
出来ないや

太陽がさ
目の前に
あるんだもの

叫び声は駄目だ
空気が無いから

550:アビス◆wc:2018/08/07(火) 21:27

背中の皮を剥いで
種を埋める

肉に埋る種と
種を埋める時に染まる
指先の血

舐めた口の中は
鉄であり
背徳の甘露

芽は出ないものか
肉に詰まった欲を
糧として

ようやっと
種から芽が
出てきた

根を張り
肉を侵食し
軋む音

それは何か
嗚呼 あの音に
似ている

人と人が
繋がり
動物となる時だ

すくすくと成長してゆく
植物は太い茎を
高らかに伸ばし

やがて咲く花を
待ち乍

私は鉢となる
骸を持っている

花が咲いた
大輪の

赤と白と黒が
混じる歪色

そして花は
落ちる

其の時にまた
種が出来る

待ち焦がれていた
骸に種を埋める時よ

骸に肉の様な
欲は無い

ならば咲くか
何も糧無き花が

其の色は
透明であると
願いたい

551:アビス◆wc:2018/08/08(水) 10:25

光無き恐凶の
其の目には

血の涙が
常に流るる

この世の光を
拒みては

他の幸福を
恨み嫉み

人ノ形をした
化物は

ひねもす渇いた心で
この世を彷徨う

負の情の傀儡化
其れは何時から始まった?

生まれた時からか?
時が経ってからなのか…?

ある日私は獣をほふった
がじがじじゅるると
血肉を喰らってすすって

口で直接食べたから
周りはべたべた
洗おうという気はおきない

人が私を見ては
恐れおののき

化物と呼んでは
石をぶつけ さげすんだ

それは付いた血を拭っても
変わりはしなかった

水面に映る
私の姿

乱した髪に
絶望に果てを見た眼

伸びた爪と
ボロの着物

ぶつけられて
腫れた顔

この姿ならば
化物とみられても
しょうが無いのか?

否 違うな
私を化物に変えたは
彼奴等だ

大人も餓鬼も
等しく憎い

彼奴等の幸福
嫉ねましいな妬ましいな

里を見据えて
私は七夜に詛言を吐く

即座味塵 狗神猿神
水官長縄 飛火変火
呪恨黒血 闇怨真言
  青血伽羅…

大人は首を掻き毟って
事切れれば良い

そしたら私は
首に喜んで
かぶりつく

すするの子子子
下品な音立てて
口の血は拭わない

餓鬼は大人の
腹ん中に戻す
もしくは丸飲み

人を失った鬼畜の所業
代償として光を
浴びれなくなった

恨み無くば辛み無くば
般若のねはん

女の腹にゃ
骸が孕む

産まれ出んば
鬼の子だ

552:アビス◆wc:2018/08/11(土) 21:09

私は生まれた
母から生まれた

母は人から
化物と呼ばれ
さげすまれ

そして母は
本とに鬼となり

人を喰らって
私を孕んで生んだ

そして其の後
母は事切れた

一人野山で
育った
私の体は

何かの呪か
異に白くて細くはあるが
逞しい

手と足の爪は
全てを切り裂かんとす程
鋭く長きな

真昼の光を浴びずんば
火傷を負いるが故に

日中は山に籠りて
太陽に恐れを抱く

日が落ち黄昏となりれば
私もようやく人里に降りれる

そして其処で
噂を聞いた

あの山にゃ
かくも恐ろしき鬼が
住んどるぞ

命惜しくば
決して近付くなかれと

噂の鬼ならば
今 お前の後におるぞ

気に食わんから
今夜取って喰ってやる

肌を少し見せれば
蛾みたくフラフラ
誘われついてくる

馬鹿な人よな
まんまと来よったよ

私と云う火に
飛び込み来たれ

そしたらお前の脆弱な体を
引っ掻き裂いて
喰らって尽くす

やめられはしないな
人の肉を喰らう事

黙って喰われろ
私は耳が良い故に

つんざく悲鳴が
癪に障る

もう戻れはしないな
今更人の道には

ならばこのまま
悪鬼羅刹と
なって仕舞おう

553:アビス◆wc:2018/08/12(日) 21:56

此処は廃遊園地です
全てのアトラクションは
もれなく動きません

大広場で
私は踊っています
たった一人で

くるくると
回って

ひらひらと
服をはためかせて

観客は
錆びた子供用の
乗り物です

軽快な音楽を
鳴らしては

ギギギギ云って
歩いていますよ
犬や猫やパンダがね

メリィゴォランドのカップは
火花を散らせて高速回転

園内放送の
ヒビ割れたスピィカァからは
不気味な声が常に

「楽しいですか?
楽しいですか?
 楽しいですか?」

次はお化け屋敷です
勿論電気はありません
真ッ闇闇です

なので はぐれない様
気を付けましょう

先刻から
赤ちゃんのガラガラ音が
聞こえてきます

布袋を被った
でっかい赤ん坊が

笑い乍
後をついてきますが
気にしないで下さい

振り返っても
良いですが
声を上げないで下さい

赤ん坊が
泣きます

そして
鎌を持った女が
睨みます

「私の子 私の子 私の子
泣かせた 泣かせた 泣かせた」

そして
奇声をあげて
発狂し乍追い掛けてくるので

とりあえず
逃げましょう

捕まったら
顔とお腹を
メッタ刺しにされて

それから
赤ん坊に
食べられますので

ほら 赤ん坊って
何でも口に
入れたがるでしょう

それの大っきい版と
思って下さいな

お化け屋敷を出たら
風船を持ったピエロが
立っていますので

貰ってあげて
下さい

おや そろそろ
閉園の時間の
ようですね

ではさようなら
また会いましょう

私が誰かと
問われたら

此処の園長ですよと
答えるしかないですね

554:アビス◆wc:2018/08/14(火) 19:25

「ディオス・デ・ラ・ムエルテ」
(1)
私は
深い闇の中にいる

幾ら他が
手を伸ばそうと

姿が判らなければ
捕らえられはしない

幾ら他が
声を張上げようと

届きはせず
闇に吸われて
消えて行く

つまりだ
私を救える者なぞ
誰もいない

闇は謂わば
醜き私を庇護する
隠者の衣だ

光は私にとって
忌むべき物だ

そして私は他を
光とみなす

私の闇に土足で踏み入り
蹂躙せしむるならば

私の醜姿を
白日に晒すのならば

黒刄にて
汝が不可抗たる内に

其の身を
闇に沈めし後

静寂無音を
取り戻さんとする事を

私は
いとわんとせん

其の身を明光に
浴びさせ続けたいのならば

決して私に
近付く無かれ

私は闇に隠遁せし
全からくの命を狩りし
死神が故に

555:アビス◆wc:2018/08/14(火) 19:34

(2)
背に負う棺には
私が狩りし
命の根幹たる魂が常ありき

穢身に覚えし者ありやは
其の魂の転生赦さず
私の手により消滅せしむる物なり

今更嘆こうが
もう遅い

神に祈ろうが
絶に聞き入れられぬ

穢身の魂よ
我が手により
煉獄に堕ちよ

魂への
更なる呵責の為に

私は詠う
呪いの歌を

天国の門に
拒まれし
汝等の因果は

生前に犯せし
罪が故

我は捕らえ
罰する者

善悪の彼岸を
見据える者

黒刄にて
裁かれよ

煉獄の焔にて
其の魂焼かれよ

それでも尚
其に穢があるならば

円環の理から
消滅せよ!

556:アビス◆wc:2018/08/16(木) 19:23

「銀蘭盆書」

台の上に
人が一人

其の横に
私がいる

銀の盆に
心臓一つ

銀の盆に
目の玉二つ

銀の盆に
鼻一つ

銀の盆に
耳二つ

銀の盆に
歯 三十二

銀の盆に
髪十万

銀の盆に
舌一つ

銀の盆に
脳味噌一つ

銀の盆に
肺二つ

銀の盆に
肝臓一つ

銀の盆に
腎臓二つ

銀の盆に
胃一つ

銀の盆に
たんのう一つ

銀の盆に
膵臓一つ

銀の盆に
大腸1.6m

銀の盆に
小腸6m

銀の盆に
骨206

銀の盆に
手が二つ

銀の盆に
足が二つ

銀の盆に
指二十

銀の盆に
爪二十

ほら これがさ
君なのだよ
中と外全てにあったんだ

557:アビス◆wc:2018/08/16(木) 19:43

私はやり過ぎてない
只 自分の身を
守っただけよ

人間と謂う生物が
違う「何か」に
見えていた毎日

其れに怯えていた私は
格好の弱い
「獲物」だった

すれ違えば
後指を指されて嗤われ

消しゴムの滓が
机に何時も
飛んできた

遊びと云って
いたけれど

本当は
ちがうクセに

私の困る顔見て
クスクスしていたの
知っているわよ

ある日私が
歩いていたら

同じクラスの
男子全員が

親指を逆さに
下げてきた

私は泣いて
逃げ出した

嗤っている
声を背に

其の後彼奴等は
説教されたって
聞いたけど

あの後誰一人
私に謝りに
来なかった

きっと嘘だと
思っている

自分達は
正しい事をした

学校不適合者の
私を追い出す為にと

先生達も
黙認している

でなきゃ
誰か一人は
謝りに来る筈よ

それから私は
過激な妄想に
入り浸り

刃物で刺したり
切りつけたり

水に顔を沈めて
溺れさせたり

他にも色々
やったっけ

でもこれは全て
自分を守る為の
妄想なのよ

…一つ位
現実にしても
良かったかもね

558:アビス◆wc:2018/08/17(金) 19:52

私は愛されてない
でも躰は愛されている

だから私は今日も
自分を売る

夜街を彩る看板
ネオンの電飾が
チカチカ光る

其処で私は
待っている

今日の私を
愛する男を

肩を抱き寄せられ
腰に手を回され

お互いに見つめ合えば
それが始まり

褥で足を
絡みつかせ

下着一枚…

軋む音に
快楽を覚え

繋がる時に
喘ぎ啼く

けれども私の心は
渇くばかり

天井を見上げれば
つくばかりは溜め息…

時には虚空に
耐えきれず
泣く事もあった

そしてまた
私は求める

交われば
忘れられる

終わって仕舞えば
思い出す

何時しか私は
邪婬を貪る様に

金は二の次
兎に角私は
愛されたい

躰だけでも
愛されたい

559:アビス◆wc:2018/08/17(金) 20:00

(1)
逃れたかった
自由を拒む檻から

そして私は
逃げ出した

枷を千切り
檻を壊して

空は青かった
太陽は輝いていた

私は喜んだ
再び外を
見られたから

同時に恐怖も
込み上げた

追ってくるかも
しれない

捕まったら
何をされるか
判らない

彼の人は
私の望む物
全てをくれた

そして引き換えに
自由を失った

其の分だけ
私を愛してくれた

自由を望むのは
彼の愛を拒絶する事だと
判っていた

それでも尚
私は外界への自由が
欲しかった

私はふと思う
自由を手に入れた
其れは叶った

だけど其の先は
どうすれば?

頼る物が
何も無い

自由なのが
今は怖い

誰か
助けて

孤独は
嫌だよ

560:アビス◆wc:2018/08/17(金) 20:07

(2)
何が悪かったんだ
望む物全てを
俺は彼女に与えた

そして彼女は
逃げ出した
自由が欲しいと残して

俺だけを見る様にした
檻は壊れていて

側に居る様にした
枷は千切れていた

だが 何処へ
逃げようとも

必ず捕まえて
再び彼女を
愛し直そう

逃げた所で
彼女には頼る物が
何一つ無いだろう

俺が彼女を
手に入れた時から

俺は彼女に関わる者
全てを消した

若しこうやって逃げ出しても
直ぐに俺の元へ
戻ってくる様に

今頃彼女は
泣いているだろうな

自ら望んだ自由に
恐怖し乍

怒りはしない
其の代わり
抱き締めてあげよう

561:アビス◆wc:2018/08/19(日) 01:08

(3)
これで
良かったのかも
しれない

彼の愛を拒んだから
怖い目にあったんだ

連れ戻された時
打たれるのかと
思ったけれど

彼は只 何も云わず
抱きしめて
頭を撫でてくれた

其の手は酷く優しくて
泣きじゃくる幼子を
慈しむ様だった

そして目に見える
枷や檻よりも
恐ろしかった

私は彼から
逃げられない

だけれど
それがとても
安心できた

だから私は
彼を受け入れて

改めて
好きになろう

562:アビス◆wc:2018/08/19(日) 01:14

(4)
戻ってきてくれて
良かったと

腕の中で
眠る彼女に
呟いた

逃げ出した時は
足でも切断しようと
思ったが

彼女の痛がる姿を
見たくない

そして何よりも
嫌われてしまうから
やめにした

ならば温かく
迎えに行こう

震える体を
抱き締めて
頭を撫でてやる

そうすれば彼女はもう
俺から逃げは
しないだろう

目に見える
檻や枷よりも弱いが

絶対に壊れはしない
見えない鎖に

彼女と俺を
繋ごう

もう二度と
離れない様に…

563:アビス◆wc:2018/08/19(日) 16:47

「ワンダァミュジアム」

真夜中の
美術館の
見回りをしていたら

小人の像と
キューピッドの像が
踊ってた

チータカタータカ
リズムを刻んで

そのまま そのまま
回りながら
奥の方へと消えていった

その後 後ろから
走ってくる音がした

大理石の一角獣と
天馬が競走していた

木伊乃の包帯を
ゴールテープ代わりにする

先にゴールしたのは
一角獣の方だった
(角のある分有利だから)

その後一角獣と
天馬も奥の方へと
消えてった

話し声がした
そっと覗くと

考える人が
モナリザを
口説いてた

モナリザは
変わらぬ微笑で

「お断り致します」と
云っていたので

私は笑い出さずには
いられなかった

考える人からは
悲壮感が漂っていた

笑いを堪えたまま
館内を歩いていると
音が聞こえた

絵の中の女の子が
バイオリンを弾いていた

天使の像と木伊乃が
聴き魅入っている

私も立ち止まって
聞いていたら

また夜が来て
私は見回りを始める

繰り返し繰り返し
何度も何度も


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