絶え間なく、セミが鳴き続ける。 太陽が容赦なく照りつける中、僕は、ある人のお墓に来ていた。 墓石に掘られた名前は「近藤ゆかり」。 僕は、その名前から顔をそむけ、お供え物のバームクーヘンをおいた。 それから手を10秒ほど合わせると、そそくさと立ち去る。 僕の時間は、ある時からずっと止まったままだ。 そう、6年前のあの日から―。