テニスの王子様にヒロインがトリップしちゃいましたよ!?【2】

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1:アポロ◆A.:2015/10/01(木) 21:37 ID:4/o

おはようございます、こんにちは、こんばんは、はじめまして。
色々混ぜた駄作者アポロです。
ろくに完結させてないのに書き始めちゃうアポロです。

これはですね、アレですよアレ。
テニスの王子様にヒロインがトリップしちゃいましたよ!? の別シリーズ第二弾なんです。
そのうちテニスの王子様にヒロインがトリップしちゃいましたよ!? とクロスリンクさせていく予定です。

御名前はもういいや! 
【涼風 いおり】でいいや! 面倒臭い!
赤嶺いおちゃんと【り】の違いですけど、そこはそこですでに考えてありますので。

そして赤嶺いおちゃんは氷帝。涼風いおりちゃんは四天宝寺!
しかも男装してます、めっちゃイケメンちゃんと化します。
しかもトリップはいおちゃんの様に階段から落ちたと言う悲惨なモノではなくて、アレですよアレ。

実は、ってここは本編でいいっすよね。

そしてプロフィール!

名前:涼風 いおり(すずかぜ いおり)
性別:女 誕生日:4/9 牡羊座
学年:(前)中三・(現)中三
身長・体重 :170cm ・?kg
一人称(女時)『あたし』(男時)『俺』
喋り方:超一般的。(関西弁)
特徴:テニプリをまずなんにも知らない。聞かされるまで存在すら知らなかった。
相当の面倒臭がり。何もかもにおいて天才。成績トップオンリー。
男女どちらの時もめっちゃ美形。
近畿、兵庫県出身。なので関西弁喋れる(逆に標準語が無理)※←関西人大抵それ。
家庭的。善哉などの和菓子を好んで作ったり食べたり。しかも家が甘味処。(リアルでもテニプリワールドでも)
男子更衣室で着替えていても馴染んで違和感ナッシング☆(もちろんそんなことはしない)な子。
口癖:「俺の辞書に退屈は認めねぇ!(あたしの辞書に退屈は認めねぇ!)」
神奈川の詐欺師の様に嘘をつくのが巧い。
“爆”乳で、男装時はサラシ着用。ギリギリ誤魔化してる。でも先生達は女って知ってる、が、口止め(脅しとも言う)されてる。


次の更新でLet’s go! テニプリワールド!!

42:アポロ◆A.:2015/11/17(火) 22:37 ID:4/o

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43:アポロ◆A.:2015/11/17(火) 22:47 ID:4/o

やっと出ました……。一安心です。では小説投下!


昨日の夜、合宿所から大阪にかえって参ったで!

朝、家から出たら蔵が待ち伏せとった。



「おはよう、いおり。」

『おん、おはよーさん。』



そんな挨拶を交わして学校へと赴く。

途中、「白石先輩の隣に居る子めっちゃイケメンやしめっちゃ綺麗ー!」「お似合いって感じやね!」等と好き放題言ってくれちゃってます。

下駄箱へに手を伸ばせばそこは「涼風君の下駄箱やで?」と隣の男子に言われ、髪を後ろでちょいとくくり、パッチン止めと髪止めを外してにやりと笑って見せる。



「おっ、おまっ、まさか!」

『し、黙りや。まだ内緒。お前だけ特別や。』



そんなことを言うてウインクしてみる。友達はこくこくこくと首を激しく縦に振った。



「こら。」

『いてぇ!』



蔵に左腕で殴られた。自棄に痛い。なんなんこいつ、筋肉やべぇ。


ただいまあたしの制服は女子特待生制服です。(イラスト参照)胸が異様にキツいですが。

教室に入ればざわっとざわめくクラスメイト。その中でユウジと金色だけがにやりと笑う。そしてそれににやりと笑い返せば「かっこいぃ……」と言われた。

なんっでやねんんんんんんん!?

44:アポロ◆A.:2015/11/21(土) 22:37 ID:4/o

あたしが元々の席につけば「!!?」と言う表情であたしを見る周囲の目に耐えられず……。



『ど、どおも〜……す、涼風いおりでーす……。』



と手を振ってみた。より困惑していく教室内で金色とユウジが声を掛けてくる。



「いおり君、ちゃんと事情を説明せなあかんでっ! そんなところもカッコいいけど!」



いおり君!?

とか毎回驚かんでエエってば。



「お前、浮気か!?」

『ユウジそれあたしに向ける言葉ちゃう。』

「知るか。」



ひでぇやコイツ!

とかやっていると、



「すっ、涼風君……なんかなっ?」



恐る恐る聞いてきた女の子。その子に「おん!」と笑い返せば顔を赤くして行ってしまった。

女になる前の男友達は「ホンマに涼風なんか!?」と聞いてくる。

しつこいっちゅーねん。



「おん、ホンマホンマ〜。正真正銘涼風いおりやで。
すまんなぁ、今まで男装してて、実はあたし女やねん。」



そう告げればその男友達を押し退けて大して喋ったことのない女の子達があたしの席を取り囲んだ。



「涼風君女の子やったん!?」

「男の子かとおもっとったわ〜。」

「女の子でもかっこよさは健全やな!」

「はぁ良かった! ファンクラブが解散するとこやったわ!」

「また男装するやんな!?」

『男装は……望んでくれたらいつでもするで、やから……その、怒ってへん……?』



<今の涼風君に怒る女の子なんて存在するわけないやんっ!>



『マジですか、光すげぇ。』



光の言うこと当たってたで、お前凄いな。勘が。



『まぁ態度なんて変えずに今まで通りよろしく頼むわ!』



そう机に足をガッとのせて腕捲りしながらクラス全体に告げれば「おおおおお!」と歓声が上がった。

すげぇ、光エスパー!

45:アポロ◆A.:2015/11/22(日) 22:32 ID:4/o


次の休み時間、あたしが女ということは瞬く間に全生徒に広まり、主に女の子中心にあたしのクラスには人がいっぱい来た。



「「「「「涼風先輩!」」」」」

『ん? なんや?』

「女の子でもイケメンっ!」

「かっこい〜……!」

「私達先輩のファンクラブの会員なんです!」

「先輩女の子でもかっこいいです!」

「胸もおっきい……!」

「涼風! あんたホンマ最高やわ!」



どうやら受け入れてくれたらしい。席に戻れば男子が「お疲れ〜」と声を掛ける。
元々男の格好をして転入してきたから、男子は慣れたのか、よく喋る。よかった! 嫌われんで!

46:アポロ◆A.:2015/11/22(日) 22:38 ID:4/o

翌日の昼休み、あたしのクラスには女の子が殺到した。



「涼風君! これ貰ってくれる?」

『おぉ! 美味しそう! もらってええん?』

「エエってば! 涼風君に作ってきたようなもんやから!」

『ならありがとう頂戴するな!』



1,2時間目が丁度調理実習やったらしく、あたしはいっぱいクッキーやカップケーキが貰えた。自由につくってええとかホンマこの学校自由やな!

いまだブレない女の子達はあたしの事を君付けで呼ぶ。別にエエけど!
こんなに慕ってくれてあたしは嬉しい!

https://ha10.net/up/data/img/4744.jpg

47:アポロ◆A.:2015/11/22(日) 22:59 ID:4/o

ちょうど二年生も調理実習やったらしく、三年生に混じって渡しに来てくれた。

身長ちっちゃくてめっちゃ可愛いし嬉しい……!(上のイラスト参照)



『ホンマありがとう! 美味しく頂くな! あたし甘いもんめっちゃ好きやねん!』



そう告げれば照れて顔を染める女の子達。もーかわいい! と飛び付きたいところやけど、手にはクッキーやカップケーキの入った袋が抱えられていて飛び付けない。

よし、美味しくいただこう。そうだ、あれがちょうどあったはずや。



『ハイ、凉白風甘味処の一品無料券!』



渡してくれた三人の二年生。三年生に混じって、と言う勇気に惚れました。と告げれば「エエんですか!?」「ありがとうございます!」「わぁ、凉白風の一品無料券!」と喜ぶ女の子達。
周囲はいいなー、と男子も混じって声をあげる。



「っていうか、先輩……なんでこんなもん持ってるんですか?」



三人の二年生の一人があたしに聞いた。そうや、知らんかったんか。



『実はあたしな、あそこの店の一人娘やねん。』



そう告げれば周囲はざわわっとざわめく。なんなん? 意外なんかな。



「ホンマですか!?」

『おん、ホンマホンマ〜。』

「スゴいです! 今日いきます! 行くやんね!?」

「「おん!」」



興奮気味に女の子達は去っていった。

席につけば「アンタ凉白風の一人娘やったん!?」とか「俺らも今日行くから奢って!」と食い付く友達に『親にゆうてあたしが払ったるわ』と笑う。



「ちょ、いおり!」

『ん? あぁ! 白鷺さん!』

「皐(さつき)でエエって!」

『皐! どないしたん!?』

「三年生のマドンナ、細谷佳奈(ほそや かな)さんが来とるで!」

『マジで!?』

「ほら、待っとるから行ったり!」

『お、おん!』



恐らく親友となった皐に言われドアの前に行けば控え目に笑う女の子、細谷佳奈さんが居た。



「す、涼風きゅっ!」



ぁ、噛んだ。可愛い……!



『焦らんでエエよ、ゆっくり喋り? 待っとるから。っちゅーか大丈夫か? 舌噛んでないか?』



顔を覗けばボッと赤く染まる佳奈さん。熱か?(←鈍感)



「すっ、すす、涼風君! あの……これ……っ!」



そういって渡されたのは周りより可愛くラッピングされたカップケーキ。美味しそう。



『……くれるん?』

「……い、いらんかったらエエよ! あんなにいっぱい貰っとるし……。」

『そんなん貰うに決まっとるやろ?美味しくてなんぼでも食えるし! それにあたしに作ってきてくれたんやったらめっちゃ感謝やわ、あたしホンマ甘いもん好きやねん!』



ソッと受け取り笑えば周りから桃色の悲鳴が上がる。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい、気持ち悪かったやんなごめんなさい。(違う)



「ありがとうっ……! あと、お友達になってくれへん?」

『大歓迎やわ! 女の子万歳!』



がばっと飛び付けばきゃああああっ! と声が上がる、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいみんなのマドンナ細谷佳奈ちゃんに飛び付いてごめんなさい。



「ありがとう!」



そういって佳奈ちゃんは友達のところに駆けて行った。

可愛い。

48:アポロ◆A.:2015/11/22(日) 23:20 ID:4/o

そのsideの主人公は『』でしゃべってます。

実砂side


私が今日学校に行けば「あの子可愛い」と周りで囁かれる。
私って化粧のし過ぎでみんなよそよそしかったのかな? なんて思って厚化粧し過ぎたなぁ、とかぶりっこ過ぎて思い出したら嫌気が差してきた。

下駄箱のところに行けば謙也君に出会った。



『おはよう謙也君!』

「ん? どっちらさ……実砂ちゃん?」

『そうでーす。』

「おん、今の方が断然可愛いわ。」

『ありがとう謙也君。今前までの私を思い出すと吐き気がするよ。いおちゃんといおりちゃんに感謝しないと。』

「気にしぃな、俺らはもうそんなことないで。」

『ありがとうっ!』



そう笑えば謙也君も笑った。


謙也君とお話ししながら教室に入ればざわっとざわめく教室内。多分いおりちゃんの所もそんな感じなんだろうなぁ。



「ちょっとちょっと! めっちゃかわいい!」

「御嬢様? 転校生なんかな?」

「転校生なら先生がHRの時に連れてくるやろ?」

「「せやなぁ。」」

「誰やろ。」



周りがさわさわと喋る中、私は席に着いた。



「ちょ、名前分からんけどあんた! そこ加川さんの席やで!?」



慌てて教える女の子に苦笑が漏れた。



『あはは……。』



私のその声にその女の子は目を見開いた。それは周囲も同じ。しばらくの静寂。聞こえてくるのは謙也君と白石君の笑いを堪える声。



「あんた……もしかして、加川実砂さん……?」

『うん。加川実砂、歳は15歳。誕生日は4/16、スリーサイズは上から「いや、あんた女の子やろ!!?」……はっ!』



途端にその女の子の表情は柔らかくなった。そしてぱらぱらと人が集まり始め、私は訳を話す。



『私ね、前まで厚化粧してて、ぶりっこしてたの。でも、テニス部の合宿に涼風君と一緒に行って……化粧落としたところを見られて、いおりちゃんとその時一緒にいた他の学校のマネージャーさんが「かわいい」って言ってくれたの。
だから勇気を持って化粧をせずに来たの。
今思えばぶりっこしてるときの自分に吐き気がして……うっぷ……。』

「わあああ! ちょ、加川さん!?」

「誰かビニール持ってこおおおい!」

「ちょ、吐いたらあかんって!」

「大丈夫!?」

『だ、大丈夫……。』



ヤバかった。ホントに吐き掛けた。でも、みんなはもう笑っていた。



「これからよろしゅうな加川さん!」

『よろしくね!』

「実砂ちゃんって呼んでもええ?」

『良いよ!』

「友達になろや!」

『ありがとうっ!』



わらわらと男女問わず集まるクラスメイト受け答えにちょっと大変だったけど。
白石君と謙也君が親指をぐっと立てていたので私は笑いながら親指を立て返した。

49:アポロ◆A.:2015/11/22(日) 23:37 ID:4/o

加川実砂親指立て返しイラスト
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50:アポロ◆A.:2015/11/22(日) 23:39 ID:4/o

もう一回トライ!

https://ha10.net/up/img/4746.jpg

51:アポロ◆A.:2015/11/22(日) 23:42 ID:4/o

大事なところが抜けてました! もう一度トライ!

https://ha10.net/up/data/img/4746.jpg

52:アポロ◆A.:2015/11/23(月) 00:47 ID:4/o

実砂side
翌日の三時間目、1組と合同で女子はお菓子作り、男子は木工だった。
お菓子は何でも良いので、みんな無難に、クッキー等を作っている。
私は昨日一番仲良くなった細谷佳奈ちゃんと一緒にお菓子を作ることにした。
そして昨日、いおりちゃんが女の子と言うことはすぐに広がり、クラスの子も見に行ってた。
「色っぽくてかっこいい女の子とかマジで惚れそうやわ!」等々騒ぐ女の子達。みんなテニス部とかいおりちゃんに渡しにいくんだろう。
佳奈ちゃんに聞けば「涼風君に渡す!」と意気込んでカップケーキを作り始める。いおりちゃん甘いもの好きだからな。あ、白石君や謙也君にも作らないと。

「ねねっ、実砂実砂! 涼風君って甘いの苦手なんかなっ!?」

そう聞いてくる佳奈ちゃんに『いおりちゃんは甘いのが好き!』と返せば「甘いのが好きなんや〜。」と返ってくる。
そして私の発言を聞いたクラスメイトは「どうしょう! 甘さ控えめにしてもーた!」と慌て出した。

『……メレンゲ菓子でも作ろーかなぁ。』

それを聞き付けた佳奈ちゃんとは別の女の子、『宮原飛鳥』ちゃんが「メレンゲ菓子作れるん!?」と言ってきた。

『うん! 一緒に作ろ!』

「かわええ!」

くぅー! と唸る飛鳥ちゃん。謙也君も似たようなことするときあるよね……。いおりちゃんにはメレンゲ菓子で、謙也君と白石君にはクッキーにしよう!
のち、佳奈ちゃんも加えて楽しくお喋りしながらお菓子を作り終えた。メレンゲ菓子をひとつつまんで食べる。
メレンゲ菓子はオーブンで焦げない程度に焼いた。サクッとしたかと思えば溶けていく。隣の飛鳥ちゃんも「うま〜♪」と笑っている。佳奈ちゃんは苦笑い。

『一個食べる?』

「エエの!?」

『はい!』

「ん、ふぁ……美味しい!」

美味しかったし良かった。三時間目と四時間目の間の休み時間、私は謙也君と白石君にクッキーを渡す。

『はい、いつも部活お疲れ様です』

「ありがとさん実砂ちゃん!」

「おっ、実砂ちゃんありがとう! クッキーか?」

『そ。いおりちゃんはメレンゲ。』

「メレンゲも食いたいわ〜。」

『謙也君の分はありません。』

「あ、コラ白石! 笑うな!」

小突き合いを始める二人に笑みが漏れた。すると、肩をちょちょんと指でつつかれた。見ると女子クラスメイトが。内容を聞けばみんな揃っていおりちゃんが貰ってくれるかどうかと言うものだった。みんな昼休みに渡しに行くらしい。私は部活の時に渡そ。

『いおりちゃんに限って一生懸命作った物を貰わないなんて絶対無いよ!』

私が言えば不安気な声を発す女子クラスメイト。それに気づいたのか、白石君と謙也君が聞いてきた。

「(みんな何でこんな不安そうなん?)」

「(白石に同意やわ。)」

『(いおりちゃんにみんな渡したいんだけど受け取ってくれるかどうか心配なんだって)』

「(マジか、いおりに限って受け取らんとかないやろ)」

「(いおりホンマ女の子と甘いものには弱いしな)」

『(二人とも言ってあげて?)』

「(実砂ちゃん言えばええやん?)」

『( 言 っ て あ げ て ? )』

「「(分かりましたああああ!)」」

すると謙也君と白石君が喋り始めた。

「いおりに限って受け取らんとかないやろ〜。なぁ白石?」

「せやで。あのいおりが女の子からのプレゼントを受け取らへん筈が無いわ。絶対それは無い! 絶対無い! ありえへん!」

そして「そうなんかぁ」と納得する女子クラスメイト。

53:アポロ◆A.:2015/11/23(月) 03:08 ID:4/o

爽加side


っと言う訳でやって来ました立海。


……なんで立海?


あぁ、どうも、トリッパーの太刀川爽加です。
よく冷めてるねと言われます。そうですね、冷めてますよ。冷めてますけどなにか?

校舎を見上げ、『うわでか……』と声をあげた。

いやマジ立海の校舎バリでけぇんだけど。


確か神様はテニプリ界には私含め『3人』の日本人女の子がトリップしたとか言ってたなぁ。
どこの学校に居るんだろう。青学? 氷帝? 四天宝寺? それとも、ここ?

まぁテニス部と関わるつもりはさらさら無いので放置。会えるなら赤也クンに会いたい。わかめ美味しいよね。



『さて、職員室。どこだ。』



とりあえずあそこの木の上で寝てる人に聞いてみよう。



『すいません。』

「……ぐぅ。」

『……すいません。』

「……ぐぅ、ぐぅ。」

『……。(イラッ)』
















『狸寝入りしてんじゃねぇよ銀髪。』



どかっ。

木を蹴る。案の定その男は頭からドシンと落ちた。痛そう。

んん? なんか見覚えあるぞ。

銀髪に赤い髪ゴム……あ。

やべぇ、やべぇ。逃げろ。



『あ、やっぱ良いです。さようなら。』



すたすたすた……がしっ。

あ、やっぱり? 腕掴まれました。



「待ちんしゃい。」



あ、フラグ立った。やべぇ。



『なんですか。』

「人を頭から落としておいてそれは無かろ?」

『勝手に頭から落ちたのは貴方です。なので私的には有りなんです。』

「俺的には無しなんじゃが。」

『貴方の有る無し私様に関係無しです。さようなら。』

「だから待ちんしゃい。」

『だから離してください。』

「いや、だから……待てっちゅうとるんに。」

『いや、だから……離せよ気持ちわりぃなてめぇ。』

「本性を表しよったな。」

『知るか、死ね。離せ、死ね。死ね。死ね。離せよ銀髪チョロ毛。』

「死ね。を連発するんじゃなか。」

『貴方が離せば済むことです。』

「おまんが俺を落としたことを謝れば良いことです。」

『ごめんなさい。さようなら。』

「待ちんしゃい。」

『まだなにか用ですか。なんなんですか、寂しいんですか、ボッチですか。かまってほしいんですか。もしそうならとんでもないかまってちゃんならぬかまって君ですね貴方。んだよめんどくせぇな。』

「ノーブレスでようそうつらつら言えるの。」

『聞きたいことはそれだけですか。私は職員室に行くんです。さようなら。』

「待ちんしゃい。」

『まだなにか御用なんですかてめぇ。いい加減にしろよ、めんどくせぇ男だな。とっとと要件言えよめんどくせぇな。』

「めんどくせぇな連発じゃの。」

『そうですねハイハイ。もうダルいんではなしてもらえます? てめぇのたけぇ鼻ブチ折るぞ。いい加減私様も腕いてぇんだけど。何気に力入れんのやめてくんない? あぁあめんどくせぇ。あくびすんのもめんどくせぇ。てめぇとしゃべんのめんどくせぇ。てめぇと対峙すんのもめんどくせぇ。立ってんのめんどくせぇ。しゃべんのめんどくせぇ。息すんのもめんどくせぇ。』

「見事にめんどくせぇ連発じゃの。」

『あーハイハイそーですね。とっととはなしていただけますでしょうkあーめんどくせぇ。』

「会話が成り立たんぜよ。」

『とっとと離していただけますか。』

「えー、どーしょーかのぉ。」

『じゃあお先に失礼。アデュー。』



腕を振り払い全力疾走。

校舎に入れば超安全。あー、自分の安否確認すんのもめんどくせぇな。

54:アポロ◆A.:2015/11/23(月) 05:34 ID:4/o

爽加side
職員室に着いて先生に挨拶して。
そして3-B組の扉の前へ。いやいや、あたし3-Aがよかったたよ。
3-B、銀髪ちょろ毛居るじゃん。



「入ってこーい」

『嫌です。』

「!?」



がたがたと扉を向こうで開けようとする先生。こちらで必死にそれをさせまいと閉めている私。

それが30分続いて、疲れたから力を抜いたらドア開いた。最悪。



「ぜぇ、はぁ……自己紹介をしなさい。」

『嫌です。』

「嫌ですじゃなくて。」

『太刀川爽加です。よろしくしないでください。よろしくお願いします。』



そう言えば笑い始める3-B。そんなにあたしの自己紹介は滑稽だったか。良かった良かった。これで私には誰も近付かないだろ。


嘘だろぃ?

人がわんさかわんさか集まってくるんだけど。
コミュ障な私を追い詰めないで。



散々だ。

55:アポロ◆A.:2015/11/23(月) 16:11 ID:4/o

いおりside



「いおり君!」

「いおり! これ!」

「涼風様! はい!」

「涼風先輩! どうぞっ!」

「涼風! やる!」



わらわらと集まる女の子。エエね……THE.女の子やねっ!



『みんな纏めてありがとさんっ! 美味しく頂くわ!』



笑って席に戻る。エエわぁ、女の子可愛い……!



「涼風……顔緩みっぱなしやで。」

『なんやユウジ、羨ましいんか? 安心しぃや、五時間目俺ら調理実習やから……。』

「俺とか言うな! 耳元で喋るな気持ち悪い。」

『俺様ホモの方がキモい思うわ。』

「ひっど!」

56:アポロ◆A.:2015/11/23(月) 16:24 ID:4/o




『おし。』



調理室にて。あたしは食料準備を終えた。



『(塩饅頭作って部活のみんなで食べよ)』



こりゃ量がヤバイなぁ。

そう考えて苦笑い。周りの女子はなんぞなんぞとあたしを覗きに来る。



「ん……なぁ、いおり。」

『なん? 皐。』

「なんでうちも一緒に作らんといかんの? 女子の視線がヤバいんやけど。」

『ええやん、心細いやん。』

「それうち以外に言うたあかんで。」

『はいはーい。』

「気ぃ抜けた返事やなぁ?」

『ふいふーい。』

57:アポロ◆A.:2015/11/23(月) 17:26 ID:4/o

太刀川爽加ちゃんです。いおちゃんと同じ中学三年生にして胸は真っ平ら。

http://up10.net/up/data/img/4758.jpg

58:アポロ◆A.:2015/11/23(月) 17:28 ID:4/o

間違えました……(笑)

https://ha10.net/up/data/img/4758.jpg

59:アポロ◆qg:2015/11/24(火) 22:57 ID:4/o


さて、お菓子作りも終わり、部活。みんなはテニスの打ち込んでいるけど、あたしはフェンスの傍でおろおろと苦笑い。



「涼風先輩!」

「先輩!」

「いおりさんっ!」



ばばば、と渡されるお菓子に笑顔が溢れる。嬉しい。苦笑いなんてしたくないけど。
背中の視線がパない。光のオーラがヤバイ。




そして部活も終わった放課後、塩饅頭を差し出せばみんなわらわらと集まってくる。



「いおりさんいおりさんっ!」

『光? どないした。』

「……めっちゃ旨いっすわ。」

『てーんきゅっ! 愛しとるで光!』

「「「「愛しっ!?」」」」



あれ、みんないっせいにこちらを向いたんですけど。光顔真っ赤。あ、頭掻いた。

……はっ!



『愛しとるで、言うても友達としてっちゅー話やで?』

「なーんや、安心。」

「紛らわしいやっちゃな。」

「ねーちゃん旨いでー!」

『金ちゃん可愛いわー。純粋。』



わちゃわちゃやな。



「あ、いおり君、はい。」

『?』



突然実砂ちゃんが鞄から袋を取り出した。甘い匂いが漂う。メレンゲ菓子か!?



『メレンゲ菓子か!?』

「よくわかったね!」

『いただきます。』

「「「「はやっ!」」」」

60:アポロ◆qg:2015/11/25(水) 17:21 ID:eG2

prrrr、突然あたしの携帯に電話が掛かってきた。誰やねん。



『どちらさんや?』

「電話か?」

『うお! 蔵! ビビらすな!』



とかわちゃわちゃしながらディスプレイを覗く。そこには『幸村精市』と出ていた。ので、まとわりついている蔵を突き飛ばして『精ちゃん!』と叫んだ。



「こんにちはいおり。うるさいね。」

『ごめんなさいごめんなさいこんにちは。お願いやから呪わんといて。』

「仕方ないなぁ。ところでね、なんで俺が連絡したと思う?」

『暇潰しか?』

「呪うよ?」

『ごめんなさいいいいいい!』

「ふふっ。」

『ヒッ。』

「実はね、立海にマネージャーがついたんだ。」

『……ミーハーか?』

「だれがそんなこと言ったんだい?」

『すいませんんんんんん!? え、ミーハーちゃうの!??』

「うん、そうなんだ。」

『精ちゃんのお気に入りか?』

「よくわかったね。」

『そりゃ友達やからな。』

「ありがとう。その子がね、俺たちのことすっごい嫌ってるんだ。面白いから無理矢理マネージャーにしちゃった。」

『鬼畜か。』

「殺るよ?」

『殺らんといて! っちゅうか災難やな、その子。名前は?』

「太刀川爽加だよ。俺から見ても可愛いね。」

『マジでか。調べよ。今度写真送ってや。』

「分かった。じゃあね。」

『おん。』



ぶつっ。
電話が切れた。すればすぐにみんなが誰から!? と聞いてくる。



『幸村や、幸村精市。』

「あぁ、友達の。で、何の話やったん?」

『おん。っていうか謙也でしゃばんな。まぁ、そんでな。立海がマネージャー取ったらしいんや。』

「「「「マジでか!!!!?」」」」

『うっさい。精ちゃんが無理矢理入れたらしいんや。』

「鬼畜……。」

『精ちゃんに呪い殺されるで。』

「嘘!? ほんまに!?」

『あたし腹痛止まらんかった。』

「嘘や幸村呪わんといて。」

『蔵のばーか。嘘に決まってんだろ。』

「!!?」

61:アポロ◆A.:2015/11/25(水) 17:28 ID:eG2

翌日、写真が携帯に来た。

https://ha10.net/up/data/img/4775.jpg


『可愛い……!』



あたしは一人悶えた。

62:アポロ◆A.:2015/11/26(木) 13:30 ID:eG2




『……な、光。』

「え、なんすか? ようやくその気に?」

『ちゃうわアホ。お前今なんつった。』



裏庭で光と二人きり。なぜこうなった。

事の出来は遡ること一分前。

光に呼び出されたあたしは共に裏庭へ。そして言われた。



「いおりさん、好きです。付き合ってください。」



なんか王道な告白を受けた。そしてしばらくフリーズ。やべぇ。



『ひかるん、ごめんなさい、あたし今そんな余裕ないねん。』

「そうですか、ならこれから俺はずっといおりさんの周りに居ますんで。」



すたすたすた、そんな感じに行ってしまった光。

おい作者! 雑だよバカ!

63:アポロ◆A.:2015/11/28(土) 08:57 ID:eG2

光の告白はとりあえず置いておく。返事はゴメンで返したし。

でも、次の日。なんだろう、実砂ちゃんが黒い。しかもベッタリ。


『実砂ちゃん……なんかあったん?』

「ううん? なんにもないよ? とりあえず悪い虫が付かない様にねー。」


くすっ、そんな風に笑った実砂ちゃんは完璧な黒属性だった。
腕に引っ付く実砂ちゃんは可愛いから許すけど。
すると。



「いーおーりーさーん!」

『え、ひかふッ』



あたしにタックル! というかあたしに飛び付いただけなんだけど……。



『光、重い。』

「愛の重さです。」

「財前君、離れようか。」

「実砂先輩……嫌です。」

「絶対呪ってあげる。」

「やめてください。」

『まず離れよか光!! 実砂ちゃん……はとりあえずその中学生が読まんようなまがまがしい分厚い本片付けて!!』



笑顔が黒いよ実砂さん!!



「財前、次いおりちゃんに飛び付いたらどうなるか、考えてね?」

『(『財前』呼び捨て!!?)』

「実砂先輩、同性愛っすか。」

「バカだなぁ、私はいおりちゃんに悪い虫が付かない様にしてるだけだよ? というわけで財前バイバイ。」

『あ、ちょ……実砂ちゃんんんんん!?』



ちょっと光と話したいことがあったんだけどなぁ!!?

64:アポロ◆A.:2015/11/28(土) 09:01 ID:eG2

実砂ちゃんと別れて教室に入ればおはよう、おはよう、と返ってくる。良いねぇ、可愛い。

席に付けば。



『なぁユウジ……あたし光に告白されたんだけど。』

「!!? なんやいおり!? 浮気か!? 死なすど!」

『なんでやねん!』

「いおりは小春の次に好きやで?」

『ああ、おん。(良かったギャグか……!)』

65:アポロ◆A.:2015/11/28(土) 16:26 ID:eG2

調子に乗って書いてみた絵です。下手。

https://ha10.net/up/data/img/4797.jpg

66:アポロ◆A.:2015/11/29(日) 12:04 ID:eG2

部活にいけば、蔵が他校からお前に連絡があったと話出した。



「なんやまた合同合宿するらしーてな。」

『またかよ。ホンマ作者合同合宿好きやな。』

「まぁ聞きや。
そんで、幸村からの提案やねんけど、各校のマネージャーの交流を深めてほしいから、日曜日にマネージャーだけで遊びに行けって。」

『精ちゃんからか。仕方ないわ。遊びにいく。
氷帝のいおも実砂ちゃんも立海の太刀川さんも来るんやろ!?』

「いや、青学もマネージャーを取ったらしい。」

『マジか。どんな子?』

「手塚クンと割り込んできた不二に聞いてんけど、なんやいおりらがめっちゃ嫌いなタイプらしいで。
媚売って、レギュラーと親しい子を虐めて、ブスで。あ、最後のブスは不二からや。
やから気ぃつけや。」

『それあたしらめっちゃ嫌いなタイプやん。』

「言うたやろ、頑張りや。」

『おん。』

67:アポロ◆A.:2015/11/29(日) 20:33 ID:eG2



やって来た日曜日。
精ちゃんに言われた時間帯に学校に来れば、景吾のヘリが止まっていた、しかも校庭に。

とりあえずそれに実砂ちゃんと乗り込めば、あっという間に東京に着いた。



『ありゃま、東京は空気が濁ってるやなー。』

「私東京から転校してきたから懐かしいな、ってぐらいしか思わないけど。」



そんな風に会話をしていると、いおが太刀川さんを連れてやって来た。



「いやー、悪い悪い。爽加がだれてて。」

「いお、お願いだから離してちょうだい、腕が痛い。」

「「よろしく/よろしゅー、太刀川さん。」」

「うん、涼風さん、加川さん。よろし……く……






待て。いお、どーなってんの。」



あ、なんか、あたしら見てすぐにいおに太刀川さんが質問した。

そしてずんずんとあたしに向かって……え!?
なんであたしに向かってきてんの!?



「……あなた、本当に女の子?」

『あたしは女の子や。この胸を見ろ。……やっぱり見ないでください。』

「どっちなのよ。
というか、あなた、顔がすっごくイケメンで、胸も大きいとかなんなのよ。ずるいわね!」

『おわ! 触んな触んな!』

「声もイケボなの!?」

『ちょ、誰か助けてやあああああ!』



その後、みんな名前呼びになり、実砂ちゃんは太刀川さんに「可愛い」を連発され、結局みんな名前呼びになった。

68:アポロ◆A.:2015/12/23(水) 16:10 ID:eG2

それからして、やって来たのは二人の女の子だった。片方は荷物をたくさん持った小柄でいかにも気が弱そうな可愛い女の子。もう一方は身長が高く、スラッとした美人の貧乳、気がキツそうで金髪をひとまとめに束ね、見下す様にあたし等を見ていた。



「お、おおおっ、御待たせしましたっ……私、青学マネージャーの御影 朱李(みかげ しゅり)と言います。3年生です……。」

「あたしは倉間かのん(くらま かのん)中学三年生ー。この子と同じ青学マネージャーでー、役立たずのこの子の代わりに仕事してまーす。あ、ちょっと聞いてもらえますー? この子ー、あたしの事いじめてくるんですよ? 酷いとか思いません?」



いかにも、と言う二人の光景にやっぱりか、とあたし等四人はそう思った。多分いじめられているのは御影さんの方で、いじめて荷物まで持たせているのは倉間さんの方や。
なんて酷い子なんやろ、と思いつつ『あたしは中学三年生四天宝寺のマネージャー、涼風いおりや。よろしゅー御影さん、倉間さん。』と笑って告げる。「いおり君と同い年で、四天宝寺中学テニス部マネージャーをしてる加川実砂、よろしくね。」実砂ちゃんが言い終わればいおが口を開く。



「中学三年、氷帝テニス部マネージャー、赤嶺いお。」



機嫌悪そうに告げるいお、それは多分倉間さんの態度や。あたしも今ちょー我慢してるもん。



「私は太刀川爽加、立海テニス部マネージャーをさせられているの、よろしくね。」



さすが、大人な対応の爽加。御姉さん毎回驚かされるわ。
よろしくー、と挨拶を交わしてあたしは御影さんに声を掛けた。



『よろしゅー、御影さん。良かったら朱李ちゃんって呼ばせてろもてええ?』



声を掛けられるとは思っていなかったのか、驚いた顔をしながら「あ、はぁ」と頷く。あたしが笑って『荷物持つわ』と声を掛けたら「えええっ!? 良いですよ! 大丈夫です!」と強がるもんやから、強引にあたしが持ってやった。困った顔をする朱李ちゃんに笑うと、いつの間にか隣に来ていた倉間さんに笑ってこう言われた。

69:アポロ◆A.:2015/12/23(水) 16:21 ID:eG2

実砂side



「いおりちゃんってすっごいかっこいいねー! どう? 今度あたしとお茶でもしない!?」



いおりちゃんの腕に絡み付いてにこやかに御影さんから離れた倉間さんに私は怒りで顔をしかめた。
あれはいおりちゃんのイケメンさに惚れた人の顔だ。気持ち悪い……美人だけど、気持ちが悪い。
ミーハーにいおりちゃんは触らせない。誰であろうと私達三人以外にいおりちゃんは触らせない。

私は早くいこうよ!と告げる。その時の爽加ちゃんといおちゃんの顔が怯え切った顔をしていたのは多分気のせいだ。
ぞろぞろと大世帯で歩く。男の人がいおりちゃんやいおちゃん、爽加ちゃんに声を掛けていたが、いおりちゃんは「すんません、君に興味あらへんわ」いおちゃんは「結構だ」爽加ちゃんは「今この子達と居るの分からない? 目が見えないの? 見えてるでしょ? っていうかあんたの相手をするにも面倒臭いのよ、どっか行って。」と返したにも関わらず、依然と言い寄るそいつらに「「「近寄んなキモい」」」と全員声を揃えて告げた。流石。


こうして、倉間さんが御影さんをはぶろうと一生懸命な所にいおりちゃんが割り込み自分の隣に居させて、とあまりトラブル無く今日は終わった。

……とりあえず。
今日の朝から私達を付けてきていた白石君と財前と謙也君は明日お仕置きかなっ?

70:アポロ◆A.:2015/12/24(木) 21:43 ID:eG2

実砂side
翌日。あれから、みんなと別れて私たちも大阪へと舞い戻ってきた。
月曜日、昨日は私たちのあとをコソコソ付いてきていたエクスタピアスに近付く。丁度集まってるなー……。

私は黒魔術の分厚い本を片手に三人に近付いていった。



『白石君、謙也君、財前。君達昨日は御苦労様、立派なストーキングだったよ。』

「あ、あはは……やっぱり実砂ちゃんには気づかれとったか。目ぇ合ったもんな。」

『話を逸らさないでよ白石。』

「君付けが無くなったやと……!?」

「実砂ちゃん! 実砂ちゃんは可愛いままで居って!」

『黙れ忍足。ストーキングなんて趣味悪い。』

「俺暴言吐かれた気ぃすんねんけど。」

「実際吐かれてますしね。」

『財前、何自分関係無いみたいな顔してるの。いおりちゃんのストーカー。気持ち悪い。』

「いおりさんへの愛の重さです。」

『いおりちゃん重いのは嫌いらしいよ。』

「なんやと……!?」

『分かったら三人共、私の黒魔術の実験……じゃなかった、お仕置きされなさい!』

「「おもいっきり実験する気やん!」」

「……ホンマタチ悪いっすわ。やめてくださいよ。」

『問答無用っ!』


そのあとテニス部部室内には三人の悲痛な叫び声が聞こえたとか♪

お仕置き完了!

71:アポロ◆A.:2016/01/10(日) 23:11 ID:eG2

いおりside

なんや部室から主力三人の断末魔が聞こえてきた気がしたんやけど、気のせいか。

とりあえず、関西大会を無事突破したあたしら四天宝寺はのんびりと全国大会に向けて英気を養っていた。
3-2と書かれた教室のドア付近で他愛もない会話をしようと実砂ちゃんを呼ぶ。

『実砂ちゃーん!』
「いおりちゃん!」

ぱたぱたと駆け寄ってきてくれる実砂ちゃんは天使だ。




そして今、あたしたちは知るよしも無かった。
これから先、とんでもない事が起こることなんて__


【神様のゲーム】に続く


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