*with you in a new world*~アラジン二次創作~

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1:樹音@新一 ◆6Y:2019/10/15(火) 19:21 ID:MJ.

D社のアラジンの二次創作です。
家族から呆れられるほどアラジンを観まくり、
アラジンをこよなく愛する樹音による
アラジン二次創作です。

※注意※
荒らし、成り済まし、特攻絶対禁止。
第一話はアラジン完結編のエンディングから
数日って感じ。オリキャラも出てくる場合が
あります。その際はプロフィールを書きます。

25:樹音@新一 ◆6Y:2019/10/27(日) 09:17 ID:Cmg

>>24
ありがとうございます!
私には勿体ないくらいのお言葉…嬉しいです!
これからも頑張ります(^o^)

26:樹音@新一 ◆6Y:2019/10/28(月) 20:37 ID:ajQ

*第八話 悪魔の囁き *

―アランはどうにかして、アラジンを
地獄に突き落とすことが出来ないかと、懸命に
考えていた。アラジンとジャスミンの様子を
水晶玉に映す。すると、幸せそうな二人が現れた。
アランは怒りではらわたが煮えくりかえりそうな
思いでジッと水晶玉を見つめた後、見たことない
女性がアランの水晶玉に映りこむ。
―アランは人目で分かった。この女は、アラジンに
恋をしていると。それも、100%叶わないと分かり
きっている恋。その女はどこかに向かった。
市場だ。

「おい、シュウ。市場に行くぞ。使えそうな女を見つけた」

アランはニヤリと悪そうな笑みを浮かべ
シュウに向かって言った。
**
「―あら、果物を切らしているわ。市場に買いに行かなくちゃ」

アカネは大きな声で言った。アカネはジャスミンの
面倒を見る以外のこと―王宮の掃除や料理等も
よく手伝っていた。最もそれは、ジャスミンは
大抵のことは一人で良く出来るからなのだが。

「一人で大丈夫か、アカネ?まだ君は市場に行ったことが無いし、アグラバーにも来たばかりだろ?」

彼女を心配したアラジンが言った。
ジャスミンも、そんな彼に頷き、言った。

「そうね。私もそうだったけど、初めての市場は少し危険だわ。アルと一緒に行ってきたら?」

ジャスミンが言うとアラジンはニコリと悪戯っぽく
微笑み、もう一度口を開く。

「まぁ、アカネは君みたいにお金も無いのに子供達に屋台に売られているリンゴを渡したりはしないだろうけどね」

そう。ジャスミンはお腹を空かせた子供達を
哀れみ、屋台に売られているリンゴを渡してしまった。
その際泥棒と間違えられた時、アラジンが機転を
利かせて助けたのが二人の出会いだった。

「と、とにかくよ。そういう訳だから、アルと行って来ると良いわ」

ジャスミンが言うとアカネは首を横に振る。

「大丈夫。平気よ。あたしはこの街で暮らしたこともあるし。じゃ、行って来るわね」

そう言って、アカネは市場に向かった。
懐かしそうに市場を見渡していると、ドンっと
誰かとぶつかる。アカネは素早く謝った。

「あら、ごめんなさい」

アカネはぶつかった相手の顔を見て、びっくりし、
そして自分の目を疑った。何故ならぶつかった
相手の顔がアラジンにそっくりだったからだ。

「え……?あ、アル?」

アカネは目を白黒させた。アランはアカネを
油断させるべく、人の良さそうな笑みを浮かべた。
彼は見た目に似合う、純粋な青年を演じることを
得意としている。

「大丈夫。君こそ大丈夫かい?」

アカネはその笑みを見て、更に驚いた。
なんてアルにそっくりな人なの。

「あ、あたしは平気。て言うか、貴方は?」

どうしても気になって彼女は尋ねた。

「俺はアラン。よろしく。君は?あ、ねぇ、ちょっと落ち着いて話せる場所に行かないか?」

アランと名乗る青年は言った。いきなりのことに
アカネは混乱していた。

「あたしはアカネ。お、落ち着いて話せる場所?初対面よね、あたし達?」

それとも、あたしが覚えてないだけでどこかで
会ったことが?アカネは考えた。だが、その可能性は
無いだろう。向こうも名前を聞いていたからだ。
だが、それなら尚更何故だろう?どうして彼は
落ち着いて話せる場所に行こうと誘うのか?
アカネは分からなかった。

「良いから」

アランは戸惑うアカネの手を引っ張り、自分の
棲みかである要塞へと案内した。

「…ここ、貴方の家なの?どうしてあたしは連れて来られたの?」

アカネは素直に自分の疑問をアランにぶつけた。
そんな彼女にしびれを切らし、アランは本性を
剥き出しにした。

27:樹音@新一 ◆6Y >>26の続き:2019/10/29(火) 20:24 ID:C1M

「―お前は恋をしている。その恋は、絶対に叶わないと分かりきっている恋だ」

いきなり口調が変わったアランに戸惑いつつ
アカネは言った。

「あら、あたしが誰に恋をしてるって言ってるの?」

「お前の恋の相手は、アラジンだ」

長話はうんざりだとでも言うように、アランは
言った。アカネは頬を赤らめる。

「ち、違うわ!そんなの言いがかりよ!」

アカネは頬を赤らめたまま言った。そんな彼女に
対し、アランは不機嫌そうに顔をしかめて言った。

「私の魔法の水晶玉に誤りなどはない。お前は恋をしている、アラジンに。それは叶わない恋。アラジンにはいるのだから。愛する妻が。お前の恋は儚く散るのみ」

「だ、だけど、そうだとしても、そんなの貴方に関係ないじゃないの!それとも、何よ?貴方があたしの恋を叶えてくれるとでも言うのかしら?」

アカネはアランを睨みつつ、挑発するように言うと
彼はニヤリと悪そうな笑みを浮かべて

「ああ。よく分かったな、その通りだ。お前の姿をアラジンの愛する相手、ジャスミン王女に変えてやろう。そうすれば、アラジンはお前を愛す…」

と言ったのである。アカネは少し驚いたが
首を横に振り、大声で彼女は言った。

「そんなのあたしには必要ないわ!ジャスミンはあたしに家族のように接してくれる。アルもそうよ。あたしの良い相談相手よ。そんな二人に、嘘はつきたくないわ!あたしにはそんな偽りの魔法なんか、要らない。―もう帰って良いわよね?さよなら」

彼女はくるりとアランに背を向けて、帰ろうとした。
だが、アランは彼女の腕を強く引っ張り、引き留める。

「待て!良いのか?このまま何もせず終わってしまって。お前の恋は儚く散るのみ、それで良いのか?一瞬だけでも、愛されたくないか?自分の愛する人に、愛してもらいたくはないのか?」

アランのその、アラジンにそっくりな瞳にアカネは
引き込まれそうになる。そして、彼の言葉が
アカネの響く。
"一瞬だけでも、愛されたくないか?自分の愛する人に、愛してもらいたくはないのか? "
あたしだって、愛してもらいたい。あたしだって―。

そして、彼女は決心した。

「あたしだって、愛してもらいたい。自分の愛する人に。だから……あたしを、あたしの姿をジャスミンに変えて」

アランはニヤリと笑い、魔法の杖を取り出した。

「良かろう。お前をジャスミン王女に変えよう」

アカネは少しだけ考えた後に問う。

「貴方の魔法は、安全なの?」

「当たり前だろ?私は優しい魔法使いだからな」

そんなアランに、シュウは"嘘つけ "と言うような
表情をしていたが、本人もアカネも気付いていない。

「―さぁ、魔法をかけるぞ。準備は良いな?」

アカネは強く頷いた。

「偉大なる神よ。この哀れな女、アカネを麗しの美女、ジャスミン王女に姿を変えよ‼」

そんなことを言った後、何語かも分からない
呪文のような言葉を口にしたアランは魔法の杖を
一振りし、アカネに魔法をかけた。
雲のような煙がアカネの身体を包み込み、どんどん
姿を変えていく。アカネには戸惑っている暇すらも
なかった。瞬く間に、アカネの姿はジャスミンに
変わっていく。最後に眩しく目がくらむほどの
光が立ち込め、魔法は完成。
ジャスミン王女に姿を変えたアカネが瞬きした。

「ん……この声…あたしの声じゃないわ。ジャスミンの…本当にあたし、ジャスミンになったのね」

「そうだ。これでお前は、愛してもらえる。愛する相手に」

「で、でも…本物のジャスミンがいるわ。そうしたらすぐバレる。だって、そうでしょ?二人もいたら、おかしいもの…」

ジャスミンの声で、躊躇いがちにアカネは言う。

「心配ご無用。本物のジャスミン王女はここだ」

もう一度アランが魔法の杖を一振りすると、
本物のジャスミンがこの要塞にあるベッドに
すやすやと寝息をたてて眠っていた。アカネは
びっくりした。

「だ、大丈夫なの?まさか、死んでたり、しないわよね?」

寝息をたてているから、それはないと思ったが
念のために言ったのだった。

「そんな訳がないだろ。安心しろ、ただ眠っているだけさ。お前にかけた魔法が解ける時、彼女も眠りから覚める」

28:樹音@新一 ◆6Y:2019/10/29(火) 20:29 ID:C1M

(>>27の続き)

アカネはホッと安心したように溜め息をつく。

「でも…その魔法が解ける時っていつ?この魔法はいつまで効くの?」

アカネはまたもや心配そうに問う。

「明日の日没までだ。さぁ、もう行け!甘い一時を楽しむのだ‼」

アカネは駆け出した。そして、言う。

「ありがとう、"優しい魔法使い "さん。行って来るわ!」

【第九話 甘い一時を へ続く】

29:樹音@新一 ◆6Y:2019/10/30(水) 20:12 ID:/1c

*第九話 甘い一時を *

―ジャスミンの姿をしたアカネは軽い足取りで
歩き出す。するとアカネは視線を感じた。

「ジャスミン王女だ!」

「お美しい…」

市場を行き交う人々が、ジャスミンを見つけ
そんなことを呟く。ジャスミンに手を振る人も中には
いた。ジャスミンの姿をしたアカネは、少し
躊躇いがちに手を振り返し、自分は今ジャスミンなのだと
実感した。
**
宮殿に戻ると、アラジンが待っていた。
アブーも一緒だ。

「お帰り、ジャスミン」

アラジンはジャスミンの姿をしたアカネにニコリと
人の良さそうな笑みを浮かべた。その笑顔が
本来の姿をした自分に笑いかける時より、数倍
にこやかに、微笑んでいるような気がした。

「あ…た、ただいま、アル」

アカネは戸惑いつつ、アラジンに返事をした。
心臓がドキドキし、どう答えたら良いのか
分からなくなりそうだ。そんな彼女の様子を見た
アラジンは心配そうな表情をし、こう言った。

「大丈夫かい、ジャスミン?具合でも悪い?」

「へ?あ、ええ…大丈夫よ、気にしないで」

ジャスミンになりきるのはアカネには少しだけ
難しかった。あたし、こんなんで大丈夫かしら…
アカネは心でそう呟いた。

「そう?それなら、良いんだけど。あ、そうだ!噴水に行かない?」

アラジンはアカネを誘う。アカネは緊張して
断りかけたが、愛してもらいたくてこの姿に
なったのだ。チャンスは逃せない。

「勿論よ、行きましょ」
**
噴水に着くと、アラジンは彼女に接近する。
アカネの頬はぼうっと赤くなる。アラジンと
ジャスミンは、いつもこんな調子なのだろうか。
彼女は考える。

「久しぶりに、二人になれて嬉しいよ」

彼も頬を赤く染めながら言った。
アカネの胸は彼がそう言った時、チクリと痛む。
「ごめんなさい、アル。本当はあたしなの。アカネなのよ」
心で呟く。
俯いているアカネを見て、アラジンは言った。

「大丈夫?やっぱり、具合が悪いんじゃ……?」

30:樹音@新一 ◆6Y:2019/11/03(日) 10:15 ID:uek

(>>29の続き)

「そんなことないわ。大丈夫よ、心配してくれてありがとう」

アカネはにっこり微笑んで言った。
そして、心の中で「ちゃんとやるのよ」と
自分を励ました。アカネは元・踊り子。色仕掛けも
得意だ。

「アル…愛してる」

アカネは歓迎会の時のようにアラジンに
胸が当たるほどに近付く。アラジンはボッと
顔を赤らめ、赤面するがその後すぐ退けぞいた。

「え…」

アカネは驚いて、思わず声を漏らしてしまう。
まさか―正体がバレたの?アカネは顔を真っ青にする。

「あ、ごめん。いきなりでちょっと驚いちゃって…僕も君を愛してる。これまでも、これからもずっとだ」

アラジンはそう言ってアカネの目をまっすぐに
見つめる。アカネはホッとした。正体がバレた訳じゃ
無かったのね。
その後、アカネは高鳴る胸を何とか落ち着かせた。
キスでもされてしまうかもしれないと思ったからだ。
アカネはそわそわしてしまう。そしてジャスミンに
心で精一杯謝る。「ごめんなさい、許して」と。

―だがしかし。アラジンはアカネにキスは
しなかった。それどころか、抱き締めることさえ。
アカネはもう一度アラジンに接近するが、
アラジンはおもむろに立ち上がり、こう言ったのだ。

「ごめん。疲れてるのは僕の方なのかも。少し休ませてくれ」

そしてアラジンはその場を離れた。
アカネはさぁっと血の気が引いていくのが分かった。
無駄だった。アラジンの愛する人である
ジャスミンに変身しても。

「結局、駄目だったわ。あたしはいつもそう。愛する人に、本当に愛してはもらえない…。そうよ、だから家族もバラバラになった…」

そう呟き、涙を流して静かに泣いた。心の中に
もう会えない家族のことを思い描きながら。
**
―一方、アランの要塞。アランは可愛らしい寝息を
たてながら眠るジャスミンを見つめ、呟くように
言った。

「ジャスミン…眠る姿さえも美しい…」

シュウは読んでいる本から目を離すことなく
アランに調子を合わせて言った。

「まるで眠り姫みたいだな」

「いや、それ以上に美しい王女だよ、ジャスミン王女は。全く、あのドブネズミのワイフにしておくには勿体ない!宝の持ち腐れだ!」

シュウに答えながら、アランは怒鳴る。
アランの頭にはアラジンを地獄に突き落とすという
ことしか頭にないのである。

【第十話 本当にジャスミンなのか へ続く】

31:樹音@新一 ◆6Y:2019/11/06(水) 19:52 ID:y2Y

*第十話 本当にジャスミンなのか *

―アラジンはモヤモヤとした気持ちを
抱えていた。確かに自分は、ジャスミンを
心の底から…もっと言うと世界一愛している。
その気持ちは初めてジャスミンを市場で見た時から
変わっていない。なのに―噴水で久しぶりに
二人になった時何か違和感を感じた。
"本当にジャスミンなのか " アラジンの胸に
そんな疑念の気持ちが芽生えた。はぁっと一旦
溜め息をつき、モヤモヤする気持ちを落ち着かせる。

「やっぱり、こういう時ってちゃんと話した方が良いのかな?」

アラジンは呟くように言った。すると、どこに
紛れ込んでいたのか、相棒の猿、アブーがひょっこり
現れた。アラジンはフッと笑みを浮かべ、アブーの
頭を撫でる。そして今度はアブーに話しかけるような
口調で言った。

「やっぱり、話すよ。ジャスミンと。だってもう、嘘はつかないって約束はしたからね」

アブーをチラリと見ると、うんうんと言っている
ように頷いた。それを確認すると、ジャスミンの
元へ向かう。

「―ジャスミン。少し話したいことがあるんだ」

彼女はまだ噴水にいた。ジャスミンの姿をした
アカネは涙をごしごしと拭き、アラジンの方を
向く。何の話?少し身が固くなるような感覚を覚えた。

「何?」

「その、言いにくいんだけど…君は、君は本当に…ジャスミンなのか?」

アラジンは答えた。アカネはびくっとしたが、
後に笑う。

「―ドッキリ大成功ね!実はあたし、アカネなのよ!」

そんな、思いもよらない彼女の答えにアラジンは
唖然とした。

実はアカネ自身、正体をアラジンに明かそうと
していたのだ。嫌われても良い、ここから
追い出されても良い。でも、本当のことを
言わなくちゃ。愛しているなら尚更よ。泣きながら
アカネは決心していたのである。

32:若桜☆郁里ひよねこ◆ME:2019/11/06(水) 21:59 ID:skY

ここまで読んだよ!展開が凄くて、面白い!
アカネちゃん可愛い‼これからも期待!

33:樹音@新一 ◆6Y:2019/11/07(木) 19:32 ID:y2Y

見てくれて本当にありがとう‼
凄く嬉しい(*/□\*)テレッ
これからも頑張ります!

34:樹音@新一 ◆6Y:2019/11/07(木) 20:33 ID:y2Y

>>31
誤字発見…
アラジンの台詞
×「やっぱり、話すよ。ジャスミンと。だってもう、嘘はつかないって約束はしたからね」

○「やっぱり、話すよ。ジャスミンと。だってもう、嘘はつかないって約束をしたからね」

すみませんでした_(._.)_

35:樹音@新一 ◆6Y:2019/11/13(水) 20:08 ID:Mls

(>>31の続き)

「―ドッキリ、だって?それってどういう…」

アラジンは彼女に問う。アラジンは困惑していた。
確かに、違和感は感じたし疑問も持った。
だが…目の前の彼女はジャスミンにしか見えない。

「だって、どう見てもジャスミンにしか見えないじゃないか!どういうことなんだい?何かトリックがあるとか?」

アラジンは続けて言う。

その言葉を聞き、アカネは必死に言い訳を考えた。
まさか、貴方が大好きだから市場で出会った
"優しい魔法使い "に頼んでジャスミンの姿になったのよ!
とは言える訳もない。正体を明かそうと決心した
アカネだが、それほどの勇気はなかった。
じ、とまっすぐアラジンの目はアカネを見ている。

「あ、そ、それは…し、知り合いの"優しい魔法使いさん "に頼んでこの姿になったのよ」

アカネの頭に浮かんだ言い訳はこれだった。
"貴方が大好き "という部分は省いたが嘘はついていない
つもりである。

「へぇ、そうなんだ!それはそっくりな筈だな!だって魔法を使ったんだもの。だけど…何の為に?」

―そう。トリックが分かった今、アラジンの疑問は
そのことだった。アカネは内心ギクリとしたが
ちょうどよい言い訳を思い付く。彼女はその言い訳を
口にした。

「勿論、貴方を驚かせる為よ。それ以外に何があると思って?」

それを聞き、アラジンはぷっと吹き出した。
何だ、そんな簡単な理由だったのか。彼は思った。

36:樹音@新一 ◆6Y:2019/11/14(木) 20:35 ID:ivg

―ふう。何とか誤魔化せたかしら。アカネは
ホッと一息ついた。

「あ、もう一つ聞きたいことがあるんだけど…本物のジャスミンはどこにいるんだ?無事なんだよね?」

心配そうなアラジンの声。彼は本当に心から
ジャスミンを愛しているのだ。

「大丈夫、貴方のプリンセスは無事よ。安心して?」

アカネは答えた。アラジンは安心し、笑顔を
見せた。
**
―一方、アランの要塞。アランは水晶玉で先程の
アラジンとアカネのやり取りの一部始終を見ていた。
苛立たしげに舌打ちし、アランは言う。

「あの馬鹿女、ドブネズミに正体を明かしやがった!使えると思っていた私が馬鹿だった‼」

シュウは本から目を離さず、溜め息混じりに言う。

「使える女、か。あの女をジャスミン王女そっくりに姿を変えてやったのは、アラジンがあの女の正体に気付かなかったら―」

シュウは一旦そこで言葉を切る。
そして寝息を立てながら眠るジャスミンを横目で見つつ
また再び言葉を紡いだ。

「ここに眠る本物のジャスミン王女を自分の物に出来ると思ったからだろう?」

「当たり前だろう?!それ以外にあの女をジャスミン王女に変える意味があるか!?」

シュウの言葉に、怒鳴るように答え、魔法の杖を
手にする。

「もう"優しい魔法使い "の振りはやめだ!遊びは終わりだ!哀れな馬鹿女の姿を元に戻せ!」

魔法の杖を一振り、水晶玉に映るアカネの姿は
ジャスミンから元のアカネに戻る。アカネは
突然の出来事に驚き、アラジンは目を丸くする。

「あら、もう元に戻ったのね。魔法が解けるのは明日の日没までだと言っていたのに」

アカネは驚きつつ、独り言のように呟いた。

「君が正体を僕に明かしたからじゃないか?」

そんなアラジンの言葉にアカネも納得する。
アラジンはキョロキョロと辺りを見渡す。
ジャスミンを探しているのだ。すると。
ジャスミンはふわふわと宙に舞い、その後すとんと
着地した。

「何だか、夢でも見てたみたい。さっきまでの記憶がないのよ」

「ちょっとうたた寝でもしていたんじゃない?」

笑いながら、アカネは言った。彼女はまさかという
顔をしていたが嘘ではない。

再びその様子を見ていたアランは憎々しげな表情を
していた。

【第十一話 嵐の予感 へ続く】

37:樹音@新一 ◆6Y:2019/11/14(木) 20:58 ID:ivg

*ちょっと休憩*
~Q&A~

Q1,アラジンの二次創作を書こうと思った
きっかけは?

A,アラジンが大好き過ぎて、頭の中で
オリジナルのストーリーを作っていたのが最初の
きっかけです。それから、本格的に小説書きたいなと
思って今に至ります。

Q2,オリキャラのアカネという名前の由来は?

A,何となく"アカネ "って響き良いなぁって。
(結構適当です)

Q3,アカネのセクシーって設定忘れてない?

A,忘れてはいません。本当はもっと
女の武器を使ってアラジンを誘惑する女性に
したかったんです。でも、物語を進める上で、
今のような性格の方が合うかな、と。
まさかぼろぼろ涙を流す泣き虫キャラになるとは
思ってませんでした…

Q4,アカネが踊り子になったきっかけは何?

A,お金の為です。そして家族が消えた寂しさを埋める
為に踊り子をしていました。世界中を回ってました。

続きはまた今度。


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