【謎少女】#5
その女の子は猫耳の帽子をかぶっている。
そして、水色を基調としたパーカーらしきものを着ている。あと、袖が長くて手が見えない。...
その子は頬を赤く染めてゆっくり口を開いた―
『あの、あなたは誰ですか...?』
第一声がこれか。当然わたしは無視した。
だってわたしの敷地だから。なんとなくこの女、めんどくさそうだ。
『あの、聞こえてますよね?私、ここに住みたいんです...家出...家出したんです!』
なんか滑舌悪いし、このままにしたらうるさそう、だから答えてあげることにした。
「ここに住んでる。ちうっていう。それだけ。」
『ちうさん?ここに住まわせてほしいの。お願い』
「わたしがいる。あなたのすむ場所、ここじゃない。だから...帰って」
『家出したの!!なにか出来ることあればするから...』
ああもう。おしに弱いのに。
結局okした。廃病院をお掃除してくれるし、まあいいけど。