少年陰陽師 〜幻絵巻〜

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117:貴璃:2016/06/25(土) 22:51

そして、また続きかきます!

頑張れっ、勾陣姐さん!!

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「ーーーなんだ、勾」

屋根の上に居る物の怪のすぐ後ろに立った瞬間、彼は少し鬱陶しげに声をかけた。

「なんだはないだろう、相も変わらず愛想の欠片もない奴だ」
「嫌味を言うために来たのか?」
「いいや?そんなわけはないだろう」

一つ嘆息すると、勾陣は前髪をかきあげて、物の怪と目線を合わせるために座り込んだ。

「騰蛇、あまりあの子にひどい事を言ってやるな。まだ、傷つきやすい子供なのだから」
「その必要性を感じないな。勾、これでも俺は気を使っている」
「それくらいは知っているさ。だが、あの子を傷つける事を言うのとは別物だ」
「………結局何が言いたい」

なかなか要領を得ない勾陣にいらいらしながら、顔を上げる。
ーーーと、そこにあったのは、静かな怒りに満ちた黒曜の瞳だった。

怒っている。
それはわかる。だが、何故怒っているのか、皆目見当がつかない。

ーーー全く、何に怒っているのか。女というのはつくづく面倒だ。

そう思いつつ、目を合わせる。

「私が言いたいのは、あの子を傷つけるなということだけだ。こちらが見ていられないほどに、最近の昌浩の雰囲気は痛々しい」
「だからって、俺には関係無い」
「…そう言うだろうことも、知っていたさ…。しかし、覚えておけ。あの子を泣かせるようなことがあったなら」

そこで一旦言葉を区切り、真っ直ぐに、燃える瞳で夕焼け色の瞳を見返した。

「ーーー晴明が、悲しむだろう。そして、怒る。無論、私達もだ」

そう言うと、軽やかに屋根から飛び降りる。
静かに着地すると、もう一度屋根を見上げて言った。

「騰蛇。その姿でなくとも、本性に戻っていても問題無いと思うぞ?」

その瞬間、ほんの一瞬だけ、逡巡の色が見えた。

「そう…だな。たしかに、この姿は嫌いだ」
「そうか」
「………だが………、この姿なら………」
「?? なんだ、聞こえない」
「………いや、気にするな。さっさと戻れ」

はたはたと手を振り、物の怪は東の空を見つめ続ける。
その姿を見つめ、勾陣は瞑目した。

嗚呼、お前は。
お前の、心は。
何処に消えた。
何故消えた。
あの子の前での微笑みは、本物だったはずなのに。
あの子のおかげで変わったはずなのに。

あの子の泣く姿を見たく無いと言ったのはお前だ、騰蛇。
だが、今は、お前があの子を泣かしている。

嗚呼、世の中理不尽だ。
何故、彼らにばかり、試練が降り注ぐのだーーー



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「…ぁ、勾陣。おかえり」
「………まて、昌浩。私は頭痛を禁じ得ないんだが」

小屋に入ると同時に聞こえた寝ていなくてはならないはずの少年の声に思わず額に手を当てる。

「だって、眠くならないから」
「ちょっと、昌浩起きてたのっ!?もう…っ!!」
「昌浩………我もそろそろ本気で寝て欲しいのだが」

どうやら、玄武と太陰も気づいてなかったらしい。
呆れたような声音で声をかける。
そして、とどめの寡黙な六合の声が低く響いた。

「…昌浩、寝ろ」

ぐうの音も出ない。普段喋らないからこそ、彼の言葉には不思議と逆らい難い響きがある。

「………わかった。努力は、する」
「努力じゃなくて、寝るのよっ!!」

昌浩の返事に間髪入れず、きゃんきゃんと甲高い声が言った。

「うむ。我も太陰の意見に賛成だ」
「昌浩、お前の負けだな」

神将からの総攻撃にため息を漏らし、渋々と目を瞑ったのだった。

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対談終わり。
こんな感じで平気かな??


咲夜:2016/06/26(日) 17:19 [返信]

ごめん!
来ようと思ったんだけど、なんか開けなくて……。昨日の夜からiPodと格闘してた…。
ちなみに今日は部活が一日練習でした!

>>117、平気どころか、喜んで跳ね回るくらいだよ!(*^o^*)


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