第50話福岡到着!〜皐月視点〜
頭がまだ痛い・・・、具合なんて好調なのにどうして?それに妙に息苦しい。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「どうしたの、恋姫?」
「はぁ・・・ちょっと、息苦しいだけ・・・」
「大丈夫?!背中さすってあげようか?」
吹雪が心配そうに言ってくれるが、俺は気持ちだけ受け取っておくと言って大きく息を吸っておいた。
それに吹雪の事を出来るだけさ支えよう、約束したんだ!染岡と・・・。
俺がいつかエイリア学園の奴だってバレる時まで支えてやるんだ!俺は心の中でそう誓った。
それにしても・・・俺の体、どうしたんだろう?俺は自分の手の平をみながら、何故倒れてしまったのかも考えた。
そして、ようやく陽花戸中に着き、皆は次々とキャラバンから降りていく。
「吹雪、ちょっと手・・・借りて貰ってもいい?」
「え?いいけど、やっぱり具合が良くないんだよ。キャラバンで休んでおいた方が・・・」
「ううん、充分休めたよ。心配してくれてありがとうな」
俺は吹雪の手を借りながら俺はキャラバンを降りると、陽花戸中の校長が円堂と話していた。
隣には夏未も居るって事は・・・夏未の知り合いか?夏未・・・どれだけ顔が広いんだか・・・。
そういや、円堂大介ってイナズマイレブンの監督もやってたんだよな・・・。
俺のサッカーを始めたきっかけは父さんの息子さんの影響でもあり、円堂大介さんの影響でもある。
イナズマイレブンの話を父さんに聞かせて貰った時に俺はサッカーを始めた。
結果、黒猫の舞姫って言う異名も付いてしまったが・・・。
(今じゃあ俺はサッカーを汚してる奴だな・・・)
円堂大介さんや父さんの息子さんは今のサッカーの状況を見たら、泣くかな?いや、サッカー自体が泣いてるか。
取り敢えずの所、円堂と夏未と姉さんは校長先生と話す為、陽花戸中に入って行った。
俺も少しその場を離れ、父さんに報告と言うより剣崎に報告する。
剣崎か・・・うん、嫌だな!俺はそう思いながら、ケータイで剣崎に報告する。
「コアです、雷門は無事福岡に」
『分かりました、旦那様には私から報告します。また、ノートの内容が分かり次第お願いします』
「はい」
俺は通話を切ると皆の所に戻って行った。
〜エイリア学園では(作者視点)〜
「まさか、こんなにも早く狂気の力が働くとはな」
水色のスポットライトがガゼルを照らす、その照らされたガゼルの顔は不機嫌そのものと言えばいい。
「あぁ、倒れた時はビビったぜ」
赤色のスポットライトがバーンを照らす、その照らされたバーンの顔は心配そうな顔そのものだった。
「それ程までに雷門の誰かから狂気の力の根源になる物があった、そろそろ本当に回収しないとコアの体にも異変が出始めてる」
「「!!」」
白色のスポットライトがグランを照らす、グランの言葉にバーンとガゼルは一層に顔を険しくさせた。
「倒れたのも異変の一つさ。多分、これ以上狂気の力を集めるとコアの人格どころじゃない。皐月の人格と一緒に無くなっちゃうよ」
「くそッ!俺達に何か出来ねぇのかよ!!」
「出来たとしてもコアに教えてしまえば、エイリア学園を裏切るだろう」
ガゼルの言葉にバーンは舌打ちをした。
グランは二人に見えない様に何かを企んでる様子で目を細めた。
続く