怪盗レッドのオリジナル小説書いてみます!(8)

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444:星月夜 杏里:2017/03/27(月) 18:04 ID:XbE

>>442の続きです。




「うわぁ……」

本日2回目の漏れた声。
宝石は赤色の小さなクッションに置かれてあった。
今までは赤とか青とか、たまに緑とか、そんな色の宝石が多かったんだけど、今回の宝石はその名の通りキレイなオレンジ色!!
ライトをかざしてみると、まるで夕日のように、キレイで鮮やかなオレンジに変わった。

……思わず見惚れちゃいそうになったけど、ただでさえケイが急かしてきたんだから、急がなくちゃケイに後で叱られちゃう!!

そう思って、急いで宝石をポーチにしまい、大急ぎで部屋を後にした。

廊下を引き返そうとした……その瞬間―

ゾクリ

な、なんなの……
背筋に冷や汗が吹き出す。
嫌な予感と不安が私を襲う。
胸の鼓動がドクドクと音を立てて荒れ狂う。
怖い。

『アスカ、どうしたんだ?』

ケイの心配そうな声が聞こえる。
聞こえてるのに、ケイの言葉が耳に入ってこない。

周りを見ても、なんの変化も無い。
なぜ?
私はその嫌な予感の場所を、気配と勘を頼りに、なんとか探し出そうとした。

―その時だった。

ゾクリ

さらに嫌な予感が私を飲み込む。
この時、私はほぼ勘に任せて、体を屈めていた。

ヒュン

視界の端で、キラッと何かが通ったような気がした。
ふと立ち上がって床を見ると、何か銀の破片が刺さっていた。

あれって……
小型ナイフ?!
というか、柄の部分が無いのはなぜ?!
刃の部分しか残っていない。
え?!アレで飛ばしたら手とか切っちゃわない?

『アスカ、後ろを見ろ!!』

スピーカー越しに聞こえてくるケイの大声。

分かっていた。
分かっていたけど、振り向きたくなかった。
後ろにはとんでもない威圧感を感じる。
既に、私の背筋や顔には冷や汗が吹き出し、蔦って流れ、落ちていく。
自然と手は震えていた。

覚悟を決め、恐る恐る振り返って見ると……
<続く>(アスカが見たものとは?!)


なっちい(´∇`):2017/03/27(月) 18:25 ID:CAU [返信]

スペツナズナイフを持ったファルコンを見た


星月夜 杏里:2017/03/28(火) 20:33 ID:2.I [返信]

>>444の続きです。(この数字ってまさか……😱)





えっ!!!
驚き過ぎて声も出なかった。
だってそこに立っていたのは……

私と殆ど背丈が変わらない女の子だった。
ピッタリとした黒いスーツを着て、体のラインに合わせてオレンジのラインが入っている。
腰には、色々な武器を装備していた。
スタンガン、折りたたみナイフ、今床に刺さっている刃だけになっている小型ナイフ、玩具みたいな銃。
ただの警備員や一般人のわけが無いのは誰が見ても分かる。
女の子は顔を隠してなくて、顔から上の部分は丸出し。
顔立ちはかなり整っている。
髪は、オレンジ色に近い、明るい茶髪をしている。

私はスカーフで顔を深く覆う。

「あなたは誰?」

私は声色を変えて聞く。

「あら、そういうあなたこそどちら様?ま、その格好からして、怪盗レッドってところかしら?」

な、なんでレッド(わたし)の存在を知ってるの?!

「あら、やっぱりその顔はレッドなのね。会えて嬉しいわ」

女の子はニヤリと笑った。

ゾクリ

な、なんなの……この子。
背筋が凍るような、冷たい微笑み。
怖い。
でも……
なんだろう……
何か、引っかかる……

「でも、レッドの実力もあんまりね。私はあなたの存在を知っているのに、私の存在は調べなかったの? 残念だわ」

女の子は呆れたような顔をした。

この子の存在?

『アスカ、今さっき調べたところ、彼女は多分、このビルで橙の月(オレンジムーン)の警備の仕事についているスパイだ』

ス、スパイ?!
そうなの?!

「あなたは、スパイ……なの?」

私は、なんとか冷静を保った顔を続けた。

「あら、知ってるんじゃない。そうよ。私はスパイ。もっと詳しく言うと、今回、橙の月(オレンジムーン)の警備の仕事を依頼されたティーンスパイ。ブラッドと呼ばれているわ。」

ティーンスパイ?ブラッド?

『ティーンスパイとは13歳〜19歳までの若者のスパイのことだ。ブラッドっていうのは、英語で血を意味するが、彼女の場合、ブラッドオレンジのブラッドから来ているらしい。ブラッドオレンジっていうのは、オレンジの品種の一種だ』

ケイが説明してくれる。

でも、なんでスパイなんかが……

『警備が薄かったのはそういうことだったんだ』

どういうこと?
このビルの社長は自身があったんじゃなかったの?

『妙に思っていたんだ。金庫のセキュリティは3つもあったし、そのうち2つはハッキングか社長本人を使わないと絶対に開けられない。そんなに簡単には開けられない。それなのに、社長は念には念を入れてということで、ハンドルをわざわざ外してまで違う金庫に入れて置いたんだ。そんな心配性の社長がこんなにも警備を甘くするか?』

確かに、そう言われてみれば……

『監視カメラの映像を調べてみたが、警備員が隠れている様子は映っていなかった。そうすると、今までの警備員の強さなどもろともしないような強さを持つ協力者がいると考えられる。ただの警備員よりは協力させるのに少々の費用が必要になるが、警備員を大量に雇うよりかはずっと安かった、という理由も考えられる。』

な、なるほど……

『さっきから少し気になってはいたが、確信もなくアスカに知らせて、アスカの気が散ってしまうと悪いと思ったんだ』

あ、気づいてはいたのね。
まあ、気遣ってくれたんだし、別に良いよ。

「さて、早速だけど、橙の月(オレンジムーン)は返してもらうわよ。私の仕事だもの」

「残念だけど、そういうわけにはいかないわ。仕事だろうがなんだろうが、私は悪事を許さない。それが私の仕事でもあり、意思でもあるの」

「そういうと思ったけど、力ずくでも返してもらうわよ!」

女の子―ブラッドはスタンガンを素早く引き抜き、私に向かってきた。
<続く>


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