「 どうしてきみは、海から会いにきてくれたの? なんでわたしを残して帰ってったの? 」 砂にきみの名前を書くと、すぐに波がさらった。きみは海に帰った。きっときみは魚だったんだ。マグロとかじゃなくて、カラフルな深海魚。どうせきみは不思議なひとで、いつも変で、すぐドジをするから海からお呼びがかかったんでしょ。それできみは、わたしになにも言わずに消えたんだ。きみは海に帰っただけだよ、そうに違いない。 >>2-3