Hotinside the red

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1:◆jU:2023/07/26(水) 06:49

今年の夏は暑くて、熱い

301:ミィリィ・イニール◆.s hoge:2023/08/22(火) 15:55




  … 夕暮れ … 黄昏に満ちて 遠くみる古城は

  虚ろの影。__揺れる陽炎(かげろ)のほろろに …

   身やるは【谷】 … 森を穿てる岩肌が底__





  … __確かな覚え。其処は、なにかがあった場所
  以降【谷】といふ、八つへ隔たれた静寂のソナタ。

   赫陽:夕熱、血の光__何れも届かぬ【谷】の底


       … 閑散__木枯らし風の鳴る

     心呑まれる深淵に … ぽつ_ぽつと …


     " 気 " を吸う、わずかな 生の呼音




_______

302:ミィリィ・イニール◆.s hoge:2023/08/22(火) 23:20



         「 フゥゥ… 」




  ____ … 果たして、魔子は其処にいた


( 【谷】底の深淵。…一寸先も、足元すらも見えはせぬ
 むろん 物怖じる気は、ある … 魔子は幼く__いまだ

   【血】に醒めもしない "魔子" なのだから。

  けれどね ___あれは … 自分で求めてたのさ )




           __くわっ


          「 ふんっ!!! 」


      [ "鎧"を纏い … 虚空を突き出す ]


          「 たぁっ!!! 」


    [ 体幹を絞り __ 片足で立ち、振り抜く ]




   ( … 己を絞り 未だ見ぬ "域" を知らんとする

   突き、蹴りに 光速の力を埋めても … 果たしては

    魔子は 見えなかった。_己が【血】我が【性】 )




       「 !!… ____はぁあっ… 」


      [ 立ち込める暗雲に…歯を食い縛り ]



         キ"ュ"ゥ"ゥ""""ンッッッッ❗!!




____________




( ___…岩肌を穿つ〖刃〗。…かがやく帯が暗い空に消え

  … 小さな岩が雨垂れのように__鎧を鳴らす中で


       応えぬ暗闇に … 晴れぬ暗雲に
      俯く魔子は … ただの子供のように

      __己に … 身勝手な、失望を抱く


  … 照らせる闇に__応じるモノが隠れている筈がない
  それを知りながら … あれは、止められはしなかった )




        「 ……っ ……[ぎゅっ] 」



  (…残滓を切り取る〖マフラー〗を握り … 悔しく
     拳を握り … 未だ何者にもなれない魔子


   __魔子は … 強く、執着する…【渇望】する)

303:ミィリィ・イニール◆.s hoge:2023/08/23(水) 15:47




     [カン…ゴゴッッ ___ バラッ …バラバッ]



          「 …… ? 」


 ( ふと … 思考を焦がす渇望がゆらぐ程度には__重く
   やかましい衝撃が鎧にぶつかる … 兜へ響いて

    魔子はおぼろより醒め __ 頭上を見上げ )



         [ ズォォォォッッ___ ]



      (巨大な岩が落ちてくるのを見つけた)

304:ミィリィ・イニール◆.s hoge:2023/08/23(水) 16:03



(…魔子を見咎めるような巨岩の大本は__先程、…砕き裂いた岩肌の亀裂。…あまりの衝撃に耐えかね、遂におおきく抉れて落下してくる【魔子】を原因としたもの。…その、事実をとっくに掴んだ魔子は____)




         「 ……… [ぐぐ…っ] 」


          [ __グググ…ッ ]



( 他意を込めずに … 拳を強く握り固めた__"怒り"。…自分からなる災害に対し、抱いたものは決して適切なモノではなく、…渇望と不足と、応えられぬ己の無力を…叩きつけんとする … "傲慢な怒り"__…魔子は、身を守るためではなく 自ら抱いた"怒り"を晴らさんと … 憂さ晴らしとばかりに、何よりも強く…強く ____ 全霊の力を籠めた。)




    「 (…っ) ぅ"ぁああああああぁぁっっ!! 」




          ___ ヒュッ …






             「…!?」


   [ ズッ …… ハ"ラ"ハ"ラ"ハ"ラ"ハ"ラ"ハ"ラ"ハ"ラ"ッッ!!! ]




   ( … 強く __"正確な"衝撃を受け 内側から
    弾けるように崩れる巨岩。細かな破片の雨に
   防御の腕を構え、__…その様を魔子は凝視する




      ______今のは 違う。 )



    「 (あたしじゃ … "ない"__!?) 」


____________




      「 ……… ______(何が…?) 」



  ( 破片を凌ぎ __ …魔子は構えを "迎撃" に変える

    解きはしない、__"なにか" が居る、恐らく … )




          「 …… (!) 」



        ____とても…近くに。

305:ミィリィ・イニール◆.s hoge:2023/08/24(木) 00:08




( ___ 足元も見えない暗闇 …【谷】の深淵をかき分け

   "なにか"が潜む … 闇(やみ)ふかき褥へ姿を探す
    恐れる心__恐怖のつんざき、ありとあらゆる…

    【揺らぎ】を殺し。__魔子は、眼を凝らし )




        _______________ え…?




     
 ( 二畳先の闇(やみ)に見た…"それ"に魔子の間抜けた声 )



______それは

[前身 至るところに亀裂と損傷]

______半壊した

[緑を基調に灰のスーツ]


______"鎧"であった。



______そして …

306:ミィリィ・イニール◆.s hoge:2023/08/24(木) 21:53



        「 … … … … … … ??


     (スーツ…?でも、あんなの見たこと__)」


           [ ト"ォッ ]


       「 !… ……_____えっ!? 」



( "次"を迷い、手を出しあぐね __ 魔子は"隙"を見せる
  …"それ"は不甲斐ない様を呆れるように脚踏みして …

 眼を細めた一瞬の合間に … 目と鼻の先へ到達してみせた。)



    _____"それ"を纏う…"者"でもあった!





    [ たたっ ] 「 っっ (見えなかった…!?) 」



( 複眼の放つ灰色の光に睨まれ __ 魔子はその場を飛び退く

  たった瞬きの一瞬。… 1秒にも満たないそれだけの間で
 自身の〖目〗を潜ってみせた"それ"に、…認めたくもないが

   ___ "恐れ"が芽生えている…!一先ず、距離を )



      [たたんっ] 「 …… わ ッ!? 」


            [ ド ンッ ]


          〖 ・・・・・・ 〗



         ( _______取れない )

307:ミィリィ・イニール◆.s hoge:2023/08/24(木) 22:07


( … 再び目の前に立つ、半壊したスーツ。… 片目が壊れた
 灰色の複眼は __ … 不気味な沈黙と共に魔子を威圧する )




        「 っっ!!(また…っ) 」




 ( ___ 見えなかった。…繰り返された驚きに、この事態が
  まぐれでも、不意を突かれたでもない "実力の差" だと

   そして逃げる事も無駄と悟り、魔子は留まり構える )



        [ キリリッ ]  … !? … ?



   ( …… だが、亡霊のような出で立ちの"それ"は
    目と鼻の先にありながら … 魔子を追いながら

      なにか … 仕掛けて来るでもない。…

    尸龍なみにわけの分からない存在を目の前に …
    こういった経験に乏しい魔子は混乱する__が )




          〖 ・・・・・ 〗



  ( … "それ"が、軋む音を立てながら右手を上げる

       水に 沈んでいるような鈍い動き。
    だが 直前の速度を見せつけられた魔子には …

    ____当然それだけで警戒に足りうる…! )

308:ミィリィ・イニール◆.s hoge:2023/08/24(木) 22:24




          「 …!_____[キリッ] 」




    ( 魔子は可能な限り防御と…回避の姿勢を取る

   はたして何が来る…不可視の光線、念道力のパンチ。
    未知の"アクション"に備え … 魔子は構える…! )


__________________



          〖 ・・・・・ 〗



 ( ところが"それ"は 水平まで上げた手の甲を、裏返すと

   … 折り畳んだ__人差し指を、伸ばし 魔子へ向け )




            「 …!? 」





     ( … 二度、三度 ___ 自分に向けて折った
      魔子も … その意味は理解している……。)





        〖 [ かかってこいよ ] 〗




           「[プツッ]………💢」

309:ミィリィ・イニール◆.s hoge:2023/08/24(木) 22:40



     「 怪我…してもっっ知らないんだからっ!! 」



(____謂れも無いのに、こんな…!父母よりは、血の気が少ない魔子でも流石に…手が出る…!さっきので沸いた敗北感が余計にそうさせるっ!)



   ____ダンッ!! [籠手の装甲が展開…竜巻を纏い!]

       「【エアリアルスマッシュ】ッ!!」



          [ バヒュッ____… ]

            「 …っ! 」


   (___予想通り…"それ"は上げた右手で拳を掴み …
    風の激突に小揺らぎもせずに受け止めた。…そう

     "予想通り"。__勢い任せで勝てるなんて …)



    ___ボボボボ…ッ[至近距離。…これを狙っていた!]

       「【バニシングぅ…オーラ】ぁっ!!」




      ( … 考えるほど甘い子じゃないっ!! )

310:ミィリィ・イニール◆.s hoge:2023/08/24(木) 22:48


     _____ホ"ォロ"ォ"ォォ"ォ"ォ"ッッ!!!


  [籠手、足甲が展開__灼熱の"バリア"を噴き出す!!]

    「 (この___…至近距離でこの火力ならっ) 」

___________________



      〖[ボヒュッ____…ゴゴゴゴゴ…ッ]〗


        「 なっ____… えっ!? 」



( __ …第三者から見れば分かりきった結果。… "それ"は
  灼熱のバリアを耐えぬき … 掴んだ拳も離さなかった。

       魔子は驚く。…そして、"驚く"。

   あの灼熱で傷、1つ付かない"防御"にも驚いたが
    … それよりも、バリアを受け止めたであろう

    ____左の【手】は…魔子をもっと驚かせた。 )



          「 … それ …っ 」

311:ミィリィ・イニール◆.s hoge:2023/08/24(木) 23:15


        【 ヒートハンド 】


   [ … "それ"の手は "籠手"ごと燃え盛り …
    灼熱を搔き __ 掌で奪い取っていた…! ]



         〖 ・・・・・ 〗

         _____グァッ!!


       「 [ガキンッ!!] ………っっ

          (父さんの…っ!?) 」



  ( 技こそ名乗らなかったが 見間違える筈がない。……

  正真正銘 "父親の技" を"それ"が繰り出したことに
   魔子は驚愕しながら … 上へ殴り飛ばされるっ!!

    しっかりとガードしたが…感じた熱は【本物】。)


__________________



        ______ひゅ ひゅんっ



      「 … ぅ、うそ…っ"これ"もっ!? 」

312:ミィリィ・イニール◆.s hoge:2023/08/24(木) 23:26




     [高速、かつ三次元的な軌道で飛来した

          ____4つの "手"]


       【 ハンド アナザー ミー 】


           ____そして



    〖 [バゥンッ!! バゥッ バゥッ バゥンッ!!] 〗

    [ 手を変え 位置変え "銃の形"にして
    … 薄むらさきの魔力を放ってくる…そう ]


          【 ハンドガン 】




    「っっ…【ストロボライト ホールド】っっ!!」

      [ バシュッッ!!___ピタッ…ピタッ!! ]


 ( 独特の軌道 位置を変えつつ放たれる魔弾をなんとか
   腕で__脚で防御し … レンズから強烈な光を放ち

     … 光に当たった"手"を停止させるっ!!)




  「 どういう事…っ!? 父さん…じゃないのに…っ 」



    ( 混乱は深まり 空中で制御が取れないなか
      地面へライトを放ち"それ"の姿を…… )



    「 (居ないっ!?)……っどこ、…どこっ!? 」




           …!! _____上っ!?

313:ミィリィ・イニール◆.s hoge:2023/08/24(木) 23:44




( ____ 真上。… 手と、もみ合う内に回り込んだのだろう
 魔子が見上げた先で"それ"と、背後に浮かぶ大きな"両手"。

   … __魔子の脳裏の…"封じられた奥底"で疼く記憶 )



         「 (あれは…っ!?) 」



( ___ …"両手"が"それ"の足裏目掛けて、デコピンの
   形で指を引き絞る ___ …本体の加速を強めて …

       "突撃"を仕掛ける技。…そう )




        「【カタパルト・ダーラ】…!!」


       〖[ ド オ ォォ ン ッッ ]〗


  ( 発射された"それ"が瞬く間に魔子へと迫るっ!! )




     「 バリア全開!!防御100パーセント……


     [ ドッッガァ ゴ ォ ォォ ォォ ンッ! ]


     わ あ あ あ ぁ ぁ ぁ ぁ っ !? 」




   ( … ___全力の防御虚しく…魔子は大きく回転し
     地面へぶつかり … 転がり 転がり …__ )



      [ ドッッ ズ ゥゥ ン ッッ !! ]



         ____岩肌に激突した。



          〖 ・・・・・ 〗



  ( … 昇る土煙を__"それ" は半壊した複眼で見下ろす )

314:ミィリィ・イニール◆.s hoge:2023/08/29(火) 13:19


          [パラパラ…ッ]



      「__っっ … ててっ…」


( … 爆発じみた衝撃で 一瞬頭が真っ白になり___

  ぼやける視界を頭を振って晴らし、… 岩片を払って
 重い身体を起こす … たった一度の攻防だけで…浮かぶ
  【敗北】のビジョン。…今まで、得てきた"強さ"と…

   __自信。…"余裕"に、激しい揺らぎが生じ……
  魔子は あまりに久しい感情。焦りを思い出していた )


_________




   「 あなたは… あなたは、だれだっ…!

     どうして…父さんの技を使える…っ
        ___どうして… 」

315:ミィリィ・イニール◆.s hoge:2023/08/29(火) 13:24



     「 わたしを試すような真似を…っ!? 」


             [ドン]



( … ___顔を上げ、魔子は叫んだ。…"それ"は、目の前で
 立ち上がれず…無防備な魔子の前で、佇み見下ろしていた。

  魔子は…分かっている、その気なら__自分は今ごろ…

  逃げも抗うも無駄と知らしめた"それ"。…__
   疑問は強まり、ついに魔子は叫んだ、…しかし )








    〖 ・・それを知る資格はおまえに無い 〗



     _____"ノイズ"まみれの声を響かせる

316:ミィリィ・イニール◆.s hoge:2023/08/29(火) 13:45



____[ドクン…]


「(機械…音声?__いや…違う、声をスーツで加工してる…)

     ___(…そんなことよりも…っ)…っ」



    〖 ・・まこと、剛き精神(こころ)なく

      我が道拓く チカラ も無くして・・ 〗



    (__言い返す魔子を圧し、…厳しいノイズが響く)



   〖 光も闇も 半端な その手に宿りはしないのだ
   ・・いまのお前は __ 疑問をそそぐ価値すら無い。〗


____________




(___厳しく。…内面を抉り、…真正面より突き付ける
  唐突かつ的確な、"魔子"そのものを__貫くことば)




        [ギリ…] ____!!


(__…"自分"が、崩れ去る感覚。…まさしく鼻っ柱を折られた今__…魔子は未熟の地を踏んだ。__…そして、またもや久しき…"挑戦"と"燃える心"を胸に、不屈の睨み。__…侮辱を、必ず覆すと 対抗の意識を燃やす…


__その眼を… "それ" は待っていた)




    〖 ・・ 悔しいか? その眼。・・ なら

   己が チカラ … "借物" を越える己を呼び醒まし


   __私の修めた【 7つの手 】を超えろっ!! 〗








        【 壱之手・ハンドガン 】


        〖 ビギナーズ・ハンド 〗


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