【プロローグ】
『吸血鬼』
それは古くは古代エジプトにまでその起源を遡ることが出来る、古来より闇の支配者として君臨して来た悪の化身。
彼らは闇の中でしか生きることが出来ないものの、その力は絶大であり、例え吸血鬼になりたての幼子であっても武装した軍人を圧倒できるほどのパワーを持ち、闇夜に紛れて世界を影から支配してきた
だが、彼らの数だけ悲劇の数もある
生きるため、力を増すため、悦楽のため
或いは上位の吸血鬼達への恐怖故か…
様々な理由で数多の人間の血肉が必要となる
そうして幾星霜の時が流れたその中
人々の中から、愛すべき者達の仇のため
守りたい者のため、はたまた自らの強さを示すため、
様々な理由を胸に吸血鬼に対抗するために立ち上がった人々がいる……
果たして吸血鬼と人間
最後に地平に立つのは誰か……
【世界観】
物語の舞台は現代
吸血鬼と呼ばれる存在が世界の闇に潜む世界
吸血鬼達の軍勢こと『Nosferatu』と
吸血鬼を狩る武器を持つ人間達『Dhampir』
このいずれかの陣営に付いて、相手の組織を壊滅させた方の勝利となっています
詳細については「>>2」を参照して下さい
【ルール】
1.荒らしは相手にせずに通報
2.キャラリセは一週間(過ぎた場合は死亡判定)
3.エロはやり過ぎない範囲で
4.世界観を崩すようなキャラ禁止
5.異能には明確な弱点と限界を記載
6.世界観の中核になる王族等は要相談
7.本編内での顔文字の使用は禁止
8.ロルは三行以上お願いします
9.確定ロルは進行上必要な場合を除いて禁止
その他、提案や相談、キャラシート等は
https://ha10.net/test/write.cgi/yy/1662328617/l2
からお願いします
ピクリ……
(何だ…傀儡からの報告……?)
血で作った蝶や血を操っている鴉や鼠の視覚をとうして情報を得る。
(吸血鬼狩りの…女?…しかもA級かよ……!近いな、逃げるか)
感覚の共有を打ちきり、手元のグラスを一気に呷る。…鮮血のような酒は喉を焼くような感覚と共に通り抜け、幼い少女の血を飲んだあとのような香りと甘さを残して消えた。
「…悪いね、マスター。ちょっと面倒なことになった。」
そう言ってカウンターの上に酒代と口止め料に色をつけて置く。そのまま我が物顔でカウンターの中に入り、カーペットを捲る。そこにあったのは、どこにでもある床下収納への入口だった。そこを上げればこれまたよくある少し埃っぽい地下空間が顔を出す。
しかし、壁に寄り添うように置かれている人間では到底動かせそうにない棚を彼は軽々と動かす。そこにあったのは下水道への入口だった。
(いつもはあまりやらないけど……相手はA級…用心するに越したことはない、な……)
そんなことを考えながら手首を切り、出血させてから2つの扉に罠を仕掛ける。
一つ目の扉にはだんだんと体が動かなくなる神経毒を。二つ目の扉には体中の筋力が一時的に弱り、昏倒する毒を丁寧に仕掛ける。
(やりすぎかなぁ……まぁ…いっか。)
下水道に入り、またさらに出血させるて霧状に拡散させる。吸血鬼の匂いの分散とその過程で血を吸った鼠や蝙蝠を操り、自分の血の匂いを纏わせて別々の方向に走らせる。自身は蝙蝠に化けて無数に広がる下水道の中を進む。
(さて……とりあえず、できることはやった。……問題は相手がどこまでの実力者か……これは報告をしないとな)
少し悩みながらも有益な情報を得られたことに彼はわずかにその口角を釣り上げた。