そこには誰かが居た
人間かもしれない、化け物かもしれない
それは知り合いかもしれないし、赤の他人かもしれない
ただ、ここではそんなものは関係ない
この場所では、世界の仕切りなどない、多重に重なる世界線の枷は、ここでは意味をなさない
数多の世界の訪問者たちが集う場所
“クロスオーバー”
物語には、番外編というものが付き物である
さぁ、“スピンオフ”を始めよう
ふ、……花顔柳腰。
(花のような笑みに、微笑で返す。襟で隠れた口元は見えないが、内心では嬉しい模様。)
「、ふ、へへ、えへ…」
(へら…とうれしそうに口元に手を添えながらも微笑む、あぁこんなにも嬉しいものだったなんて)
「……微笑ましいねぇ」
(独り言のようにつぶやく、美しいものを見た、これはこれで良いものを見れたと、満足気に紅茶を飲む)
……次に会う時は、別の空間を希望するぞ。
どうにも…俺は茶会に向いていない。猫の舌だ。
ともかく、リィン。お前の魂の安寧は任せておけ。…四六時中。
…延年転寿。
(微笑むリィンの頭を撫で、席から立ち上がる。着物の振袖を翻し【出口】へと向かった。)
「は、はいっ、よ、よろしくお願いしますっ、累様!」
(深深と彼に対してお辞儀をする)
「……行った、か……?」
(辺りを警戒しつつ現れるのはどこか軽薄そうな印象を受ける男。
……しかし見る人が見れば隠しようもない気配を纏わせている)
「!おや、気が付かなかった、また新しいお客人かな?」
(そちらの方に振り向きつつ告げる)
「……彼になにかあったのかい?」
「ちょっと昔殺されかけてな?」
(安全を確認したらしく机に近付いてくる)
「あは、なんだいそれ、いいねぇ修羅場になりかけじゃないか」
(面白い、と近づいてくる相手に告げる)
「………」
(新しい人だ、と、シキの傍に隠れる)
「あーそうだ。……危ない危ない」
(冷や汗を垂らしながらもう一度出口の方を見る。
……そしてシキに向き直った時、彼(彼女?)の傍にもう一人――――いや、誰か……人工生命がいることに気付く)
「!あ、ぅ、…」
「おやおや、僕にも懐いちゃった?喜ばしいことだが、隠れちゃ可愛い顔が見えないぞ?」
(気づかれたことに気がつき、なにか言おうと声を出すが、何を言えばいいのか分からず、口ごもる)
「へぇ……なるほど……って、ん?」
(よくできてるな、とかいう興味の視線を投げ掛ける。……が、その隣にいるシキに……生命の可能性の究極を発見し、隠れた少女から意識を外す)
「…ん?あれ、なぁに、対象は僕に変わったのかい?」
(意識がこちらに向いていることに気がつき、わざとらしく問う)
「ふぅん······俺が『やった』人以外で不死身の奴は初めて見たな······」
(興味の目を向けて)
「ん〜?そうなのかい?まぁ僕も他人にこうされた身ではあるけど、きみたちの権能はすごいねぇ」
(興味にまみれているよ、と笑う)
「……し、し、シキさまっ」
「?なんだいリィンちゃん」
(くいっと、隠れていた相手の袖を引く)
「り、り、りぃんは、そ、そろそろ、おいとま、させていただきますっ、その…あまりここに居るのも、…えと…す、すこし、問題がありまして…」
(斜め下に目を逸らしながら、告げる)
「おや、それはそれは、うむ、了解したよ、気が向いたらまた来るといい、まぁ自己意思で来れるものなのかは分からないが」
(まっているぞう、と頭を撫でる)
「え、えへ…は、はい、っ」
(よろしく、おねがい、します、と告げる、その言葉を告げた少女は、もうその場から姿を消していた)
このスレ下がったままにしておくのはもったいない気がする。
369:◆Qc:2022/01/16(日) 23:06 「「······」」
(気付けばここにいた、と言わんばかりに、ここへ現れてからもしばらくは動かなかった。
見渡せば、かつてここが栄えていた証拠と思しき、整然と整理された机、椅子···
月の名残を追い、双月がやって来た。)
「おや、来客とは珍しいこともあるものだ」
(一体何時からそこに居たのか、2つの椅子を並べたベッドに横たわり、シルバーアッシュの長髪を床に垂らすセーラー服姿の少女、彼女は二人の姿を視界に入れると、横たわった体勢のまま笑みを見せて)
「「······遅いですよ」」
(······二人は一瞬前まで全く感じなかった気配に僅かに泡を食った。だが『ここ』はそういう場所だと頭のどこかで理解もしていたので、口をついて出てきたのは恨み節のようにも聞こえるそんな言葉。······実際結構待っていたのだ。)
「別に良いだろう? 待ち合わせをしていた訳でもあるまいし」
(ゆっくりと上体を起こしながら、面白くなってきたと言わんばかりの楽しげな口調で言い、二人に改めて視線を向け)
「さてと、自己紹介が必要かな、私の名は十七夜月(かのう)スフィアだ」
「「わたしは···双月です」」
(がらんどうとした机椅子の群れを見回して、向き直る)
「「とりあえず、少しの間······よろしくお願いします」」
(そして近くにあった椅子を同時に持ってきて、座る。その動きにラグはない)
「ふふっ、まるで鏡だな、意識しての行動でないなら大したものだ」
(何から何までシンクロする二人の動きに感嘆の声を上げ、席についた二人を目だけを動かし見比べて)
「こちらこそよろしく、ミス・ソウゲツ」