お兄ちゃんがほしいなぁ…
妹がほしいなぁ…
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そんなこと、叶うはずもないのに思ったことがありませんか?
これは、そんな願いをもった一人の中学生と、一人の大学生の話。
>>2 作者からのお願い、ルールなど。
>>3 登場人物 >>4 予備
「「なんでお兄ちゃんと妹がほしいと願う人が互いにいるのに、 二人は兄弟になれないんだろう…」」
「っ!そうだっ、メール!!」
掲示板に書き込めなくてもメールがあった。
メールならハッキングとかないよね…?
私は携帯のメール画面を開いた。
希望がみえて嬉しいドキドキ感と、もし失敗したらというふたつの緊張がまざった。
麻生泰彦、麻生泰彦、麻生泰彦、麻生泰彦、麻生泰彦…
私は目を大きくし、一心不乱にお兄ちゃんの名前を探した。
久しぶりに会ったときにメアド交換して、それから何回もメールしたのに―
お兄ちゃんのメアドが見当たらない…………
確かに登録しておいたはずなのに、ユーザー自体消えてしまっている。
なんでないの?
今までのメールのやりとりは全部幻覚…?
受信メールにもお兄ちゃんのメールはなかったし、ほんとになんで──?
ここでまた私は絶望的になった。
これではお兄ちゃんと連絡の手段がなくなってしまった。
会いに行くっていっても今の私じゃとうてい行けそうもないし、行けたとしても場所がわからない。
お兄ちゃんは忙しいだろうし、あのゆりが私じゃないことだって気づいてないかもしれない。
そんなことを考えると、今まで以上に悲しくなってしまい、涙がとまらなくでてきた。
今おこってることがとても怖くて、どうすればいいのかわからなくて、不安で…
「なっ、なんでよぉ…」
私は地面にぺたりと崩れ、つぶやいた。
おさえていた涙はもうとめることはできず、たまっていたたくさんの涙がいっきにでてきた。
涙が眼鏡を汚す。私はそれが嫌で眼鏡をはずして涙をぬぐった。
それでもどんどん涙はでてきて、いつまでたっても途絶えない。
もう、どうすればいいの?おにちゃん……
....疲れた....
夕方から驚きと恐怖の連発で、私の体は衰弱してしまった。
今はもう太陽もとっくに沈んだ9時。
あれからずっとぼーっとしていた。
記憶が曖昧なので、もしかすると勉強していたかもしれないし、本を読んでいたかもしれない。
こうしてぼーっとしているのも何故か疲れてしまていることに気付き、私は寝ることにした。
お腹もすいてる、目が赤い、髪はぼっさぼさ。
だけどご飯も食べる気にならず、動く気力もなく、ただベッドに入って眠りにつこうとする。
まだ9時だというのに、瞼がとても重くていつの間にか寝ていた。
朝起きたのは午前06時22分。
暖かい冬の日差しが、寝起きの私を迎えてくれた。
今日の夢はどんなだっけ?と、記憶を探るがでてきそうででてこない。
体を起きこして敷布団をみると、私のかおがあったところがしめっていて、
白いシーツが透け、シーツがかけてある布団の葉っぱの模様が見えていた。
きっと寝ながら涙を流していたのだろう。
私は自分のメンタルが弱いと自覚している。 嫌なことがあったりするとすぐ弱い心がでてしまう。
そんな自分がとても嫌で、普段はポジティブに物事を考えているけど、それもずっとは続かない。
まぁ逆に言えばメンタル弱子になっていても、落ち着いたらポジティブになれる。
今は寝て体も休まり落ち着いていて、そうポジティブに物事を考えられる私になっている。
布団からムクッとでて外れていた眼鏡をかけ、パソコンを開いて書き込めるか確かめる。
一日たてば書き込めるようになっているかもしれない。
そして一番気になるのは、私が「.」をみなくなったあと、更新されてないかだ。
お兄ちゃんと違うゆりが新しく書き込んでいたならそれは見るしかない。
絶対に真相を見つけ出して、またお兄ちゃんと話せるようにすると、私は固く思った。