★☆♪まいと薫のコラボ小説♪☆★

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1:まい◆8Q:2017/08/07(月) 09:36

こんにちは!
ここは、私と薫先生のコラボ小説を書くところです。
コメント、ぜひお願いします!
荒らしとなりすましは禁止です。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【あらすじ】
多田本真美だよっ!真美が、あらすじを紹介します!
真美は、私立彦宮学園の児童会長。
いろんなことで悩みが増えていくの。
このままじゃ児童会長なんて無理!って思ってたんだけど。
何か道が見えてきたの。
行った先は、同い年くらいの子たちが仕事してる!?
まい先生と薫先生によるコラボ小説、第一弾!ぜひどうぞ!

2:まい◆8Q:2017/08/07(月) 09:44

すみません。
>>1の〜以下は無視してください。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
わたし、金宮藍!って芸名でやってるんだけど、本名は、金子藍。
私、アイドルなんだけど、もう精神的に辛いことばっかり。
悩んでたら、目の前に道っ?
進んでみると、女の子たちが仕事してるのっ?
わたしたちの芽生える友情物語。
まい先生と薫先生によるコラボ小説、第一弾!ぜひどうぞ!

3:まい◆8Q:2017/08/07(月) 09:50

『*レインボーハッピー* まい』

人物紹介

金子 藍
メンバーカラーはピンク。
ひょんなきっかけでスカウトされて、芸能界へ。
レイハピメンバーで、通称あいぴー。

見水 夢乃。
メンバーカラーはライトブルー。
スカウトされて、芸能界へ。
レイハピのリーダー。
通称ゆめりん。

佐山 結奈
メンバーカラーはイエロー。
元モデル。
レイハピメンバー。
通称ゆっち。

宇都 りりか
メンバーカラーはパープル。
元青空キラリメンバー。
レイハピメンバー。
通称リリー。

4:薫:2017/08/07(月) 14:30

【解決事務所 パワフル☆ピース 登場人物紹介】

浄坂 桃奈

通称トウナ。
底抜けに明るいポジティブ女子。
雑誌を読んで、レイハピファンに。
あいぴー推し。

真路 美桜

通称ミオウ。
クールビューティーな秀才。
雑誌を読み、トウナと共にレイハピファンになった。
リリー推し。

ららこ みく

事務所の裏方担当。通称ララさん(みくさんとも呼ばれている)
雑誌を見てレイハピに興味を持つが、あいぴーが事務所に来るのに反対している。
あまりアイドルに興味はないが、ゆめりんは可愛いと称している。

相馬 ソウマ

ららこと同じくあいぴーが事務所に来ることに反対している。
美女好きなのが明らかに。
ゆっち推し(ソウマ曰く『チョーかわいい♥』)

ヒンメル

事務所で1番賢い(?)クロネコ。

5:みぃ◆8Q:2017/08/07(月) 14:47

初めまして!
いきなり失敗したみぃです。
元まいです。
名前変えさせていただきました。
分かりにくいので、>>1をいつかのコラボにしてもいいかもしれません。
では、作者みぃは、面白い物語をお届け出来るよう頑張ります。
この物語で頑張ってくれる子にバトンタッチ!
藍ちゃん、よろしく!

はいはーい!
みぃさんからバトンを受け取った、金子藍だよーっ!
『*レインボーハッピー*』の主人公でもあるよ♪
良かったらだけど、見てくれたら、わたしこれからももっと頑張ります。
今回、芸能界の仕事応援してくれるかな?
じゃあ、次は、薫先生とトウナちゃんにバトンタッチ!
よろしくぅ!

6:薫:2017/08/07(月) 15:51

はい!バトン受け取りました‼薫です!

今回のコラボ、とても楽しみです!

わたしもみぃ先生と一緒に面白い物語をお届けします。

見て前向きになってもらえる物語にしたいです!

じゃあ、解フル☆主人公、トウナにバトンタッチ‼


やっほー!トウナです☆

解決事務所でみんなを前向きにするお仕事やってるよ!

ある日見た雑誌で『レインボーハッピー』のファンになったんだ!

そんな時、わたしの推し、あいぴーが悩んでるって聞いたの!

ぜひ解決事務所にきてもらいたいんだけど、ララさんたちが猛反対!

ってあれ、挨拶のつもりがあらすじになっちゃった‼

ごめん!でも、これも個性ってことで!

もし良ければ本編も見てね!ところどころ作者が変なミスしてるけど………。

わたし、これからも頑張るね!


はい。
ちょっとトウナ!なんか好き勝手言ってるじゃん!

まぁいっか。

じゃ、これから始まるよ!

みぃ先生にバトンタッチ‼

7:みぃ◆8Q:2017/08/07(月) 16:23

1.精神的に辛い日々

わたしの初のCM撮影。
ドキドキ、ドキドキ。
CMを作る監督の中で恐いと有名な、森田監督と一緒。

わたし、金子藍。
って言うのは本名で、芸名は、金宮藍だよっ!
ある日、ひょんなきっかけで芸能界デビューしてから1ヶ月。
ちょっとはお仕事にも慣れてきた。
6月って言う梅雨の時期、ちょっとムシムシして暑いけど、現場がピリピリしてて寒かった!
アイドル活動では、レインボーハッピー、略してレイハピのメンバー。
ちょっとずつ有名になってきたよ!

「藍ちゃんいける?」

森田監督ににらまれて、もうちょっと休憩したかったけど、無理だなんて言えない。
小さい声で、「はい」って答えると、森田監督は「声が小さいっ!」って怒り出す。
関係ない人も背筋がゾクッっとするほどだよ。
わたし、頑張ってるつもり。
なのに、ダメ出しばっかり出るの。
オーケー出たのはない。
今までに撮った回数46回。
それがひとつも良くないなんて。
精神的に疲れすぎてて無理かも。

「藍ちゃん、いい?藍ちゃんが、15秒っていう短い時間で伝えるのは、芸能界1マンガ好きっていう藍ちゃんにしか出来ないこと」

うーん。
そんなに好きってわけじゃ。
わたしはただ、楽屋に『にゃお』っていう月刊誌持ってきただけで。
別に…。

「いい?にゃおガールに抜擢されてるんだから、しっかりやりなさいよ」

はい、すみません。
にゃおの魅力、必ずわたしが伝えて見せるから!
森田監督、見ててよ!

「いきます!」

わたしの掛け声が、撮影現場中に響いた。

8:薫:2017/08/07(月) 16:45

2.憧れのあいぴー

「トウナっ!見てみて‼」

事務所に入ってすぐ、ミオウが飛んで来た。

手には雑誌。

「なになに?……うわぁっ、あいぴーCM出るの?にゃおガール抜擢………すごいすごい‼わたしにゃお読んでるし‼」

「トウナ、あいぴー押しでしょ。ここ、インタビュー載ってるよ。にしても凄いね〜、レイハピ。結成してすぐに注目あびてるし、あいぴー最初からすごい厳しい監督に指導受けてるって………」

あ、説明するね。

レイハピは、わたしとミオウがファンのアイドルユニット。

解決事務所初仕事の後にミオウが読んでた雑誌に出てて、すぐファンになっちゃった‼

(解決事務所については本編を読んでね!丸投げしてごめん!)

いまでは1日3回以上『レインボーハッピー』って検索してるよ。

わたしはポジティブでピンクが似合うあいぴー推し!

ミオウは大人かわいいリリー推しだよ!

わたしはミオウから雑誌を受け取って、あいぴーのインタビューを見る。

………そうだ。

「ね、ミオウ!あいぴー事務所に招けないかな?悩んでるみたい……」

「確かに。そんな気する。インタビュー見ても……ね。笑顔を届けるアイドルには、笑顔でいてほしいし。ララさんたちに頼んでみる?」

「うん!」

憧れのあいぴーが前向きになってくれて、もしなかよくなれたら、一石二鳥だし!

というか、もし本当にそんなことあったら、一石1兆くらいだよ!

よし、ララさんお願い‼

ミオウと一緒に、ララさんのいる部屋へ行った。

9:みぃ◆8Q:2017/08/07(月) 17:31

3.もう無理かも

森田監督を何度か見る。
失敗は68回目。
次が69回。
でも、森田監督でCM撮影した一番短い人は、131回目だから。
まだまだ頑張ってやる!
わたしは、ファンの子がいると信じて、毎回力を入れて取り組んだ。
最後のセリフ、「にゃおッコになればあいぴーのサインもらえる!」のセリフを強調して、カットがかかる。

「藍ちゃんのCMじゃない。にゃおのCMだ!自分のところだけ強調するな!70回目!」

はぁ。
ダメだったか。
立ち位置で怒られたり、発音、声の大きさ、動作と、全て怒られてるのに。
わたし頑張ってるのに。

「よーい、スタート」

森田監督がスタートして、動作、発音や立ち位置を細かくして動いてみた。
最後のセリフも、頑張って。
だけど、結果は同じ…。

「ダメだダメだ!今日は終わりだ。藍ちゃん、もうちょっと力入れて!」

「はい。あと一度撮らせてください」

最後まであきらめずに、立ち直って撮影すること。
それが、にゃおッコのため。
最後のセリフを言い切ると、ヘナヘナ崩れ落ちた。
もう限界。

「まあまあ。明日も同じ時間に来て。はい、終わり」

こういうあっさりした終わり方。
わたしは、今日は楽屋に泊めてもらうことにした。
でも、ニュースでは、『森田監督に厳しく見られるレイハピ藍ちゃん』と出て、わたしが崩れ落ちる様子が流れている。
ウソッ!
撮られてたの?
でも、もう流れてしまったものは仕方ない。
インターネットでは、森田派か藍派で討論されていた。

10:薫:2017/08/07(月) 18:06

4.なんで反対⁉


「ララさんっ!」

わたし達はララさんのいる部屋に飛び込んだ。

「あ、二人とも。あいぴーちゃん出てるわよ」

ララさんはつけているテレビを指差す。

本当⁉って、あ………

「あいぴー………」

そこには、監督に指導され、崩れ落ちるあいぴーが映っていた。

芸能界は厳しいんだ。

人気が鰻登りのあいぴーも、こんなに努力している。

やっぱりあいぴー、事務所に来て欲しい‼

「あのね、ララさん。この子……あいぴー、解決事務所に来れるようにしてくれませんか?芸能界厳しいし、やっぱり安心して相談できるここに来て欲しいんだ……」

沈黙。

「……無理ね。というか、個人的に反対」

「「なんで⁉」」

ミオウとハモる。

「そこは自分で考えなさい。ほら、あいぴーちゃんのニュースも終わったし。もう18時よ。帰りなさい」

「はーい」

ララさんの有無を言わさない口調にしぶしぶ退室。

「おれもみくさんに同感だな……」

ソウマの呟く声が聞こえた。

11:みぃ◆8Q:2017/08/07(月) 20:15

5.きらめく光

わたしは、翌日。
疲れた状態で中学校へ行った。
友達の、美音ちゃんと陽菜ちゃん、琴ちゃんと千尋ちゃんが覗き込む。

「仕事で疲れてるんじゃない?藍ちゃん、ずっと仕事一途で頑張ってるもんね」

琴ちゃんがスクバ(スクールバッグ)を持ってくれて、わたしはまた崩れ落ちた。
この様子をまた撮られていた。
この映像が、またニュースで出ていることに気付いたのは、スマホを持っている陽菜ちゃんだけ。
だけど、わたしたちのおしゃべりの声にかき消されて、スマホのことなど考えていない。

「行こう。わたし、止まってられないもの」

そうだよ。
ここという場所に対しても、芸能界という厳しい世界に対しても。
怖くて止まってられない。
わたしに出来るベストを作っていかないといけないだけだから。

「藍ちゃんは偉いね。絶対わたしたち味方だから」

美音ちゃんがにっこり笑ってくれて、これからも頑張ろうと思えた。
きっと出来る。

「ちょっと相談したいことがあるんだけど、相談室に一度相談したいの。いい相談室ない?」

わたしがつぶやいた瞬間、一瞬だけ、前に綺麗な光がほとばしる。
まぶしくて目を閉じちゃったら、学校の昇降口に立っていた。

12:薫:2017/08/07(月) 21:31

6.厳しい芸能界

「トウナ、見てみて。またあいぴーニュースになっちゃってる。登校の様子ね………。」

また?

「本当にひどいよ。マスコミもちょっとは考えてほしいね。あいぴーにもプライベートあるんだし、悩みだってあるんだし。ねっ、ソウマもそう思うでしょ?」

なんとなく、ソウマに話を振ってみる。

「ま、オレもそう思うけどよ。現実を見てみろ、現実を。芸能界やマスコミはそんなもんだ。芸能界に入るにはそれなりの覚悟が必要なんだよ。そのあいぴーチャンも、そういうのに少しは慣れる必要があるんだ。メンタル強くないとやってけないからな。だからオレもみくさんも、あいぴーチャンの事を思って、事務所に招くことに反対してんだ。」

ふぅん。

たしかに一理ある。

でも、人に相談して強くなることもあるよね。

それは、あいぴーじゃない他のレイハピの子でも同じ。

みんなに前向きでいてほしいもん。

「ねぇソウマ。それはゆっちにも同じ事をいえる?」

ミオウが何気なく聞く。ソウマはゆっち推しなんだよね。

「まあな。それが優しさでもあるしな」

ソウマは凄い。

おちゃらけているけど、自分の考えがあるもん。

「予想外のことが起こったわね」

ララさんが顎に手を当てながらこっちに来る。

「どうしたの?」

「それが…… あいぴーちゃん、本当に事務所を必要としてるみたいなのよ。」

本当に‼

って喜ぶようなことじゃないか。

「あいぴーちゃん、事務所に呼んでもいい………というか、呼ぶ必要があると思うの。どう?トウナ、ミオウ」

「「もちろん!」」

あいぴーの役にたてるなら、なんでもOKだよ‼

「おいおい、遊びじゃねーんだからな」

ソウマがまた呟いていた。

13:みぃ◆8Q:2017/08/08(火) 07:44

7.強い意志

授業が全て終わり、きらめいた光を思い出して、また、同じことを言ってみようと思った。
同じことが起きたら、正体を探るんだから。

「…相談室ないかな」

目をギュッっと閉じて、おそるおそる目を開けてみる。
ただの、通学路。
みんなが、「レイハピの藍ちゃんだ」って言ってるだけ。
わたし、ヘンな人だよね。
さっきのは、疲れすぎて幻覚かな。
なーんて適当なことを考えて家に帰った。

「ただいまー」

「藍、CM出てるわよ!今やってる」

にゃおの?
CMって、いろんな時に出たり出なかったりだから、見たことないんだよ。
テレビを見て、目を点にする。
すっごく疲れた顔してるじゃん。
森田監督も、イヤだっただろうな。

「わたし、事務所行ってくる!」

こんなCMを届けるわけにはいかない。にゃおッコや、にゃおッコになりたい子へ届けるもの、こんなのでいいわけない!
わたしは、私服に着替えて電車に飛び乗った。
このままでいいわけない。
森田監督にお願いして、撮り直しか何かをしてもらうんだ。
芸能界は、そんなに甘いものじゃないはずだから…!

「小保さん!」

「あら、藍じゃない。仕事あるの?」

「いいえ。森田監督に撮り直しをさせていただきたくて」

すると、後ろから怖い顔の森田監督が来た。
ちょっと笑っているように見える。

「待っていたよ、藍ちゃん」

「この間は失礼しました!撮り直しさせてください!」

「よーし、やるぞーーっ!」

14:薫:2017/08/08(火) 11:04

8.まさかのあいぴー来られません⁉


「ねぇララさん、あいぴーここに来れるようになった?」

わたしがウキウキと聞くとララさんはソウマと顔を見合わせる。

「あいぴーちゃんはちょっと心境が不安定なのかな……占っても、個人情報がわからないのよ」

いやいや、個人情報なんて分からないのが普通だから。

てか、個人情報って必要なの?

「ここに来れるように上手く導くには、行動範囲とかを調べる必要があるんだ。でも、それがなぜか無理なんだよ」

わたしの心を読んで、ソウマは言う。

「いくつかの仮説をたてたわ。1つは、あいぴーちゃんの心境が特別だから。周りに悟られないように、心を塞いでるの。それか、もういっぱいなのね。1人で抱えすぎていて」

「あいぴーが?」

「まだ仮説よ。で、2つ目は事務所反対の誰かの仕業よ。ほら、沖縄からここに繋がる道も誰かの手で遮断されたでしょ。(詳しくは本編で‼)だからその誰かが占いの電波も悪くしたの」

電波って………なんだそれ。

「占いに電波なんてあるんですか?」

ミオウが聞くと、ララさんは

「ま、そんな感じの物があるのよ」

だって。

「占いの電波とやらが悪いなら、他のこと占っても分かんないんじゃない?」

「そう。でも他の事を占うとそうでもないから、1つ目の説が有力ね。だからあいぴーちゃんに心を開いて落ち着いて欲しいんだけど、それが事務所の仕事だし」

う〜ん、なんかいいことないかな。

あっ!

「わたしたちで調べるのは?あいぴーのことを1日5回スマホで検索、街中であいぴーを探して、尾行‼」

我ながらいいと思う‼

「いいと思うけど、ストーカーにならない?」

ミオウが言う。

でも………

「なんとかなるでしょ!ね、ソウマ‼」

適当に話しを振ってみる。

「ま、実行するのはお前たちだ。任せるけどよ、なんかあったら自己責任だ」

「よーし、ミオウ責任取るよね!いこういこう、あいぴー尾行大作戦」

………てなわけで、あいぴーが事務所に来れるように、尾行大作戦がはじまった。

15:みぃ◆8Q:2017/08/08(火) 11:39

9.最短CMオーケー

その日わたしは、最短69カットでCMが決まった。

「森田監督、ありがとうございました!また、よろしくお願いします!」

「いやいや。藍ちゃんが気付いてくれて嬉しいよ。ありがとう」

わたしは、事務所を出た途端、何となく心臓辺りが痛くなった。
衝撃が走るイメージ。
疲れがたまったのかな。
じゃあ、電車の中で寝よう。
そんなことを考えながら、ふと立ち止まる。
キョロキョロと辺りを見回す。
誰かが見ている。
そんな気がして怖かった。
だけど、また幻覚を見たのかと思って電車に乗る。
寝たかったけど、ちょっと寝られなかったの。
今日が初の給料日で、ついでに小保さんにもらったんだもん。
取られたくないし。
電車を降りて家に帰ると、ご飯の準備がきちんとされていた。

「藍、お帰り。疲れたでしょう?今日は藍が好きなハンバーグよ」

今にもあふれでそうな肉汁。
ゴックンとつばを呑み込んで、ハンバーグをバクバク食べる。
パクパクのレベルじゃないの。
バクバク。
疲れもだんだん取れてきて落ち着いてきたけど、相談したいことは山ほどある。
ママには出来ない、ね。
相談室、早く見つからないかなあ。
お願い、わたしを導いて!

16:薫:2017/08/08(火) 13:15

10.鋭いあいぴー


あの後わたしたちは急いで電車に乗って、あいぴーの所属事務所の最寄り駅で待ち伏せした。

そしてその後、尾行開始‼

まず、ミオウがあいぴーの乗る電車を確認。

ミオウは同じ電車に乗って、わたしは先回りしてあいぴーの降りる駅で待つ。

一応作戦成功‼

なんだけど、あいぴーはわたしたちに気付いてた……と思う。

しょっちゅう後ろ振り替えってたし。

でもちゃんと最後まで尾行できた!

一応あいぴーの家も確認。

そしてその近くの中学もチェック。

「やっぱりあいぴーの事務所近くがいいのかな。芸能について悩んでるなら、その近くがベストでしょ」

なんてミオウと会話しながら、事務所に戻る。

今日の尾行をララさんに報告して、事務所に来れるようにしてもらおう!

17:みぃ◆8Q:2017/08/08(火) 17:30

11.マスコミが見たもの

わたしは、何とか学校へ行った。
無理そうだったんだけど、頑張って。
友達と会えるしね。

「美音ちゃん、陽菜ちゃん!」

ちょうど、美音ちゃんたちがいたので、力を抜いた。
陽菜ちゃんは、おそるおそるスマホを見せる。
ん?何々?
スマホを覗き込むと、昨日崩れ落ちた時のことが載っている!

「藍ちゃん、解決出来ないことあったら言って。わたしたち、力になりたいから」

陽菜ちゃんがスマホをしまう。
美音ちゃんも、うんうんとうなずく。
わたしには仲間がいる。
けど…。

「うんん、平気。昨日、何とかしたから。ありがとね」

うん、そうだよ。
平気だよ。
ここではね。
相談室が見つかれば、綺麗さっぱり片付くのに。
本当にお願いします。
わたしに、芸能界で生きていく力をください。
何でもしますから。
わたしは、作り笑いでそっと笑った。

18:薫:2017/08/08(火) 20:58

12.解決事務所に続く道


やっぱりあいぴーに事務所に来て欲しい‼

だから早速ミオウと一緒にララさんにお願いした。

「ララさん、お願いします!あいぴーが事務所に来れるようにしてください!」

わたしとミオウが頭を下げると、ララさんは言った。

「昨日の尾行はどうなったの?」

「なかなか上手くいったよ!やっぱりあいぴーの事務所の近くから来てもらえたらいいな」

解決事務所に続く道は国内にいくつも………意外と沢山あるの。

あいぴーの事務所の近くにもないかな?

「あいぴーちゃんの事務所の近くの道……」

どこからか持って来た特大パネルにあいぴーの事務所が映し出される。

「あっ、ここね。事務所の最寄り駅の近くにあるわよ」

じゃあ、そこから来てもらえたらいいね!

「お願いできますか?ララさん。あいぴーがここに来れるようにしてください!」

もう一度頭を下げると、ソウマとララさんはプッと笑った。

「わたしたちも鬼じゃないわ。ダメなんて一言もいってないじゃない」

「そうだぞ。てかお前ら、オレの事忘れてないか?みくさんにばっかり頼んでよう」

ララさん………ソウマも、確かに忘れてたけどありがとう‼

「じゃあミオウ………あれやっちゃう?」

わたしたちの、あれ。

「いくよっ、せーのッ‼」

わたしはスウっと息を吸った。

「パワフル☆ピース………」

「「活動開始‼」」

19:みぃ◆8Q:2017/08/08(火) 22:39

13.光の正体

わたしは、後日の撮影後。
ヘトヘトな状態で駅へ向かう。
肩こった〜。
ちょっとグリグリ回しながら改札を通ろうとすると、後ろから肩を叩かれた。

「どちら様です?」

「あいぴー、こっち来て!」

謎の元気な女の子は、わたしを引っ張って駅の片隅のソファへ移動。
女の子ふたりがキラキラした目でこちらを見てくる。
わたしがアイドルって知ってるのかもしれない。
ちょっと身構えていると、わたしを引っ張ってきた子が声を上げる。

「わたし、浄坂桃奈!トウナって呼んでね!」

トウナさんは、にっこり笑う。
ちょっと、同じタイプかも。
きっと仲良くなれる。

「あ、わたしは金宮藍。っていうのは芸名だけど」

「へ〜え、あいぴーって芸名なんだ。知らなかった〜」

「あいぴーすみません」

女の子のひとりが、トウナさんに小さな声でしかる。
姉妹かな。
でも、身長は同じくらい?

「面白い方ですね。…何のご用でしょうか」

ちょっとトウナさんを上目使いで見ると、また手を引かれて、あの光だ!
美音ちゃんたちといたときに見たまぶしい光。
一瞬見えた光。
だけど、はっきり見える。

「あいぴー、飛び込んでっ!」

トウナさんに言われるがままに飛び込むと、わたしの体はふわりと浮いた。

20:薫:2017/08/09(水) 07:37

14.ミッションクリア‼



あいぴーが光に飛び込んだのを見届けて、不思議な感覚になる。

わたしたち事務所員は『繋がりの御札』があるから普通の道に見えるけど、相談者の人から見える道は少し違うのかも。

「トウナ。行くよ!」

ミオウに言われて、あいぴーを追いかける。

すると、いつものプラタナスの巨木の前にあいぴーが立っていた。

「あの、改めてはじめまして!わたし浄坂桃奈。律鎌小学6年!ひとつ年下だよ!で、こっちが……」

サイドテールのミオウを紹介する。

「真路美桜、崎紅学園の6年です。ミオウって呼んでください。あの、私たち勝手にあいぴーって呼んでて………すいません」

ミオウ、ちゃんとしてて凄い‼

あいぴーは

「いえいえ」

って突然の事で驚くはずなのに、冷静!

「ねぇあいぴー。ここは悩みを相談してもらって、来た人を前向きにする事務所なの!わたしたちが話しを聞くよ!中に入って‼」

そしていつもの通りプラタナスのへこんだ部分を押して、あいぴーに中へ入ってもらう。

ふふっ。

驚くよねぇ。

あいぴーとダイニングテーブルに向かい合って座って、にっこり笑う。

「話しきくよ。秘密は守るから!ねっ。わたしたちあいぴーに、前向きになって欲しいんだ‼」

21:みぃ◆8Q:2017/08/09(水) 17:06

15.祈りの気持ち

ファン、なんだね。
だからわたしのこと知ってるんだ。
でも…。

「あなたたちは、どうしてわたしをここに呼んだの」

「前向きになって、ほしいから…」

トウナさんがつぶやいて、わたしは前向きじゃないんだって思った。
きっと、トウナさんとミオウさんが、わたしを救ってくれる、救世主。
お願いします、どうかわたしを助けてください。

「わたしは、姉のスカウトで、姉が断ったのでわたしが替わりにアイドルになりました。やる気は、そんなにありませんでした」

わたしは、ちょっとでも詳しいことを言おうと思って、思い出す。
森田監督に厳しく言われたこと。
マスコミに撮られてしまったこと。
そして、精神的につらいこと。
期待に応えられないこと。
ありのままのわたしじゃない気がすることを話した。

「長くなってすみません。何か、小さいことでも良いので、アドバイスなどください」

トウナさん、ミオウさん。
わたしをレイハピのピンクの子に戻してください!
わたしは、祈るような気持ちでふたりの返答を待った。

22:薫:2017/08/09(水) 18:59

16.解決事務所の本当の仕事

「あのね、あいぴー。この事務所は悩みを解決するんじゃなくて、相談してくれた人に前向きになってもらう、そして、自力で解決してもらう、っていう事務所なの。あ、先に言っておこうと思って」

わたしがあわあわと言うと、ミオウがコソっと言う。

「トウナ、説明分かりにくい……」

「わぁっ、ごめん。んー、なんとなく理解して‼」

で、あいぴーに前向きになってもらうには…………

あっ!

「わたしね、事務所の男子に言われたんだ。あいぴーを事務所に招くのは反対、って。でもね、それはあいぴーがこれからも芸能界でやっていくために、メンタル強くないといけないし、慣れないといけないから、って理由だったの。だから……」

「自分は自分、と前向きに進んでほしいの」

ミオウがわたしの言葉につないでくれる。

「あいぴーの辛さ、大変さ、きっとレイハピのみんなも分かってくれるよ。自分でアイドルをやりたい、アイドルとしてこうしたい、っていう目標をちゃんと持ってやっていけば、きっと上手く行くよ!」

うん。

「あいぴーの本当やりたいことをやればいいんじゃない。あのね、関係ないかもしれないけど私、『勇往邁進』って言葉が好きなんだ。目標にむかい、真っ直ぐ元気に突き進むこと、って意味なの。で、トウナの好きな言葉が…………」

「『楽しい』は創るもの、って言葉がモットーなの。」

わたしはあいぴーに向かってにっこり笑った。

「あいぴーのやりたいことを正直にメンバーに話したらどうかな。あいぴーは、もっと人に頼っていいと思うよ。わたしも、今は仕事で話を聞いてるけど、いつでも友達として、話をきくよ!」

あいぴーを見ると、

「ありがとう」

って微笑んでくれた。

前向きになってもらえたら、事務所から元の場所に戻る。

あいぴー、前向きになってくれたかな?

23:みぃ◆8Q:2017/08/09(水) 19:44

17.前向きガール

わたしはその日、ベッドでボウッっとしていた。
アイドルとして、やるべきことが出来なかった気がして、ため息。
でも、きっとトウナさんが前向きにしてくれたかな。

翌日。
土曜日なので学校もなく、そのまま事務所に向かった。
今日、出来たらみんなに言おう。
これからも、迷惑かけるかもだけど、よろしくお願いしますって。
これが、昨日悩みに悩んで決めた最大の言葉になると思う。
楽屋でTシャツに着替えて、みんなを待つ。
鼓動が…ドクドクドクドク。

「早いね、あいぴー」

ゆめりんが手を振りながら事務所にやって来た。
またどんどん鼓動が激しくなってる!

「あ、あいぴー!おはー」

ゆっちも来て、すぐリリーも来た。
みんなが事務所の一角に集まる。
スタッフさんもいない、今がビッグチャンス!

「み、みんなっ!聞いて!」

メンバーみんなの視線がこちらを向いた。
わたしと同じ時期に芸能界デビューしたゆめりん。
元モデルの頼れるゆっち。
元青空キラリメンバーの大人っぽい、わたしの憧れリリー。

「わたし、まだ何にも出来ないけど、みんなで協力して、進化していきたいから、迷惑かけるかもだけど、よろしくお願いします!」

届いて!
この言葉で、わたしも、レイハピ全体が前向きになれれば…!

「いいじゃん、あいぴー」

ゆっちがつぶやくと、ゆめりんとリリーも「いいよ」って言ってくれる。
わたし、恵まれてるな〜。

「あら?みんな集まってるじゃない。はいはい、レイハピガールの撮影よ」

みんなで笑い合いながら、レイハピガール撮影現場へ行く。
きっと、前向きになれた。
トウナさんありがとう!
わたし、もう一度トウナさんのところへ行きたい!
そう思いながら、撮影現場へ移動した。


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