はい!掛け持ち3作までとか決めたそばから新作を書く(バカな)薫です!
今回はちゃんとした起承転結を考えない、現実的なものを書こうかな?と思いました。
はっきり言って、放置します。
でもちゃんと書くので、更新したら見てほしい……です。
ちゃんと更新する小説は……今のところ『解フル☆』かな?
そちらももしよければ見てくださいね。
感想は喜んで読ませていただきます。
荒らしとなりすまし、見て不快になるような言動はなしで。
では……start‼
【登場人物紹介】
黄昏渡話呼 (たそがれ とわこ)
小学6年生、思春期突入の地味な女子。
幼馴染との関係、友達との関係、家族との関係……悩みが尽きない。
基本的に真面目と見られ、友達は多くない。
往銘均 (おうめい さとる)
小学6年生、渡話呼の幼馴染。
クラスではお調子者で、比較的に目立つ。
友達は多い方。
小学生になってから、渡話呼とは疎遠になっていた。
朝先心野(あささき ここの)
渡話呼の友達。
サバサバとした性格。
さっぱりとした友達関係を好む。
+*プロローグ+*
私は目立たなくていい。
今の生活に、満足しているんです。
でも、1つ。
憂鬱な黄昏時を、キミと二人で過ごしたい。
あの日のキミとの約束を、きっとずっと忘れません――――
《黄昏時に、キミと二人で。》通称:たそキミ。
うわぁ、不思議な雰囲気の話❣
楽しみにしています❗
頑張れ〜❕
>>4
ありがとうございます!
しばらくは放置しますが……
あと、私からもタメ口いいですか?
こんにちは!シュクルです。いつも私の小説の感想を書いてくれて、ありがとうございます!
薫さんの新しい小説、面白そうですね!
小説のタイトルとかが素敵だと思いました!つづきを楽しみにしています!
シュクルさんありがとうございます。
前から思っていたのですが、タメ口いいですか?
>>5
もちろんいいよ〜!
>>8
ありがとう!文楓って呼んでいい?
4月6日 始業式
「ねぇねぇ、ウチと友達にならない?」
始業式も終わり、最上級生になった私。
初めての、6年2組での休み時間。
そんな時、ふと、自己紹介で1番目立ってた女子――滑守いよか――のめす いよか――さんが話し掛けてきた。
「ウチね、このクラス全員と仲良くしたいの。えっと……たそがれサンだっけ?」
そう、私の名前は黄昏渡話呼――たそがれ、とわこ。
黄昏、なんて苗字、余り聞かないし、ましてや"とわこ"なんて今時珍しい。
特に、この漢字。
渡って話して呼ぶ……どのような意味が込められているのだろうか、って自分でも気になっちゃう。
黄昏渡話呼、なんて名前は同い年の子に読んでもらえず、自己紹介でもあまり覚えてくれないのだ。
でも、覚えてくれていた滑守さん。
少し嬉しくなって、
「はい、黄昏渡話呼です。よろしくお願いします」
と笑って返事をしていた。
いつの間にか。
すると滑守さんは、
「うん、よろ!ウチのこと、"すいか"って呼んでね!」
と笑い返してくれた。
でも、なんですいか………?
「あ、ウチの名前、滑守のス、いよかのイとカで、すいか!」
と、察した滑守さんが教えてくれた。
―彼女、向日葵みたい。太陽に向かって咲き、沢山の種子を残す向日葵。でも、夏の間しか咲かない向日葵―――――
「黄昏サンのことは……うーん、タソトワって呼んでいい?」
ゲッ。あだ名……私、あまり好きじゃない。
嫌いではないの。
でも、"渡話呼"って呼んでほしい。
でも、言いづらいしな……。
滑守さんの向日葵が、より輝きを放った気がした。
えっ、と………
「渡話呼って可愛い名前だよね!渡話呼って呼んであげようよ!」
さっと後ろを向くと、ショートカットの高身長の女の子が立っていた。
「あこ……」
滑守さんに"あこ"と呼ばれたその子は、
「よろしく!渡話呼!」
と笑ってくれた。
「アタシ朝先心野!あささきの"あ"と、ここのの"こ"で、あこ!よろしくね!」
「はい……よろしく。お願いします」
つい、よろしく、と言ってしまいそうになって、慌てて付け足す。
「なんで敬語?タメでいいのに!」
あこちゃんがそう言ってくれたので、私は言った。
「じゃ、あこちゃん、よろしく!」
しかし、それを不服そうに見ていた滑守さん。
「ウチにもタメにしてよ?あと、渡話呼って呼ぶから、すいかって呼んで。じゃね!」
そして、スタスタ行ってしまった。
なんだったんだろう。
「あ、授業始まる。じゃ!」
あこちゃんは手を軽く振って、自分の席に戻っていった。
のめ……すいかちゃんと、あこちゃん。
なぜかあだ名呼びをためらってしまうすいかちゃん。
たった今少し話しただけなのに、心が暖かくなる、誰にでも平等な雰囲気のあこちゃん。
教室は、さっき見たときよりも綺麗になっていた。
名前間違えました。
これからもしばしば間違えると思いますが、
薫+*Mio+*◆T.
薫+*Sena+*◆v.
は私です。
すいません、トリップ逆です!(何度間違えてるのよ!byすいか)
13:シュクル◆8U:2017/08/27(日) 19:59 >>7
いいですよ〜!私も呼びタメでいいでしょうか?
すいかちゃんの不服そうな顔浮かぶ・・・
これからも応援してるよ!
頑張れ薫〜❗(薫でいいかな?)
>>シュクル(って呼んでいい?)
いいよ!ぜひぜひ!
私は薫とか、かおるんって呼ばれてるから……まぁ、自由にいいよ!
>>文楓
いいよ!薫で!
すいかの顔、ねぇ……どんなかな?
想像してくれてありがとう!
>>15
シュクルって呼んでいいよ〜!
ありがとう!じゃあ、呼びタメにするよ!
薫さんのことは、かおるんって呼ばせてもらうね!
>>16
うん!OK♪
そして小説も、今日明日に更新できる……かな?
プロローグにとても惹かれますね。
頑張ってください!
>>18
ありがとうございます‼‼
嬉しいです‼‼(作者はカマチョ&単純なんです!)
あまり更新は出来ないと思いますが、もしよければこれからも読んでくださいね。
>>10
春の長雨が来ていないため、まだ咲いている桜。
しかし、その数は減り続けている。
はらはらと休みなく散るその姿は、入学式を終えた学校から去っていく何かのようだ。
梅はとうに散っている。
5年生の時にみた梅の花は、もう戻って来ないようだ。
しかし、6年生のタンポポはやって来たらしい。
私は今、あこちゃんと一緒に帰路についている。
薫だ!
小説面白い!
楽しみだよ!
あ、元リリカだよ。
ありがとう!
これから、来れるときに少しずつ更新していくつもり(^-^)/
あと、時初完結おめでとう!(遅くなってごめん!)
短編小説も読んでるよ〜
「とわこ。ちょっと、気を付けた方がいいかもよ」
「なんで?」
あこちゃんの謎発言に、首をかしげる。
「とわこって、丁寧でしょ。優しいし大人しいし。そういう性格、いよかは利用しようとしたんだと思う」
「えっ?」
いきなり、なぁに?
「今は知らなくて大丈夫だよ。ただ、嫌なことはちゃんと嫌って言ってね」
なにそれ……まるで、私が弱いみたいだ。
「大丈夫だよ」
すいかちゃんが私を利用とか、よく分かんないけど…。
すいかちゃんは、友達になろうって言ってくれたから。
でも、あこちゃんの言うことも正しいのかも……?
私はしばらく、唸っていた。
ランドセルが、少し重くなった。
私があまりにも考え込んでいたのだろう。
あこちゃんは説明してくれた。
「とわこって、丁寧で礼儀正しいなぁって思ったの。親しくない人―――いよかやアタシに、最初敬語で話したり、さん付けで呼んだりしたでしょ。だから、そういう性格を見たいよかは、ああやってとわこと仲良くしようとしたのかなぁ、って」
あこちゃんの言った私の性格は、ほとんど間違っていない。
でも、すいかちゃんが私を利用しようとしたのはなぜかが分からない。
「えっ、と……」
なんと言えばいいか迷っていると、あこちゃんはもう一度口を開いた。
「いよかは、クラスみんなと仲良くなりたい、みたいなこと言ってたよね」
「うん、言ってた」
「なら、他の人に話しかけに行っててもいいんじゃない?クラス全員と仲良くしたいなら、もっといろいろな人と話すだろうし」
「たしかに……」
すいかちゃんはあの後、すぐに席に戻ってしまった。
授業が始まるから、という理由もあったと思うけれど、その後も沢山の子と話している感じではなかった。
どちらかと言うと、目立つ女の子達で固まって騒いでいるといあ感じで…。
じゃあ、私に話しかけてくれたのは……。
「他の子とは、もう仲が良かったんじゃないのかな。あるいは、明日話してみるとか……」
私の説明も、かなり有り得ると思う。
でも、妙に説得力がなかった。
「さあね。まぁ、とわこがいいならそれでいいよ。余計なこと話しちゃったね」
もう忘れて、と言ったあこちゃんも、少し困ったような顔をしていた。
「家、こっちだから、じゃあね。また明日」
そして、角を曲がって行ってしまう。
「あ、…」
バイバイ。言おうとしたけれど、私が音を発する前に、あこちゃんがひょいっと顔を覗かせた。
「とわこの人を信じれるとこ、凄く良いと思う。じゃね、また」
誉められた……?
誉められた―――
小さく「バイバイ」と呟くと、気持ちが高ぶっていくのが分かった。
心が晴れてくる、そんな感じ。
凄く良いと思う。人を信じれるとこ、凄く良いと思う――――
嬉しい。
道端の緑がはっきりと見えた。
土筆(つくし)が沢山伸びている。
登校するときには気が付かなかった。
軽くなった頭を上げ、暖かくなった季節を見た。
ーーーーーーーーーー
トリップ変えました。
これからはこれでいきます。
《訂正》
誤・騒いでいるといあ感じ
正・騒いでいるという感じ
ーーーーーーーーーーーーーー
私は日記張を閉じて、目をつぶり、はぁっと息をはいた。
今は、黄昏時――
黄昏時とは、簡単に言うと夕暮れ時のこと。
日が沈んだすぐ後、雲のない空に夕焼けの赤みが残る時間帯。
この黄昏時。独りでいるのが1番嫌で、憂鬱な時――
私はもう一度日記張を開いて、鉛筆を持った。
『今日、あこちゃんといよかちゃんが話しかけてくれた!』
皆の良いと思った行動を、最後に少し書いて日記を終わる。私の日課。
そして――暗くなりかけた空を見て、あの日のことを考えていた。
第一章〜春暖の候〜
あの時、すいかちゃんのことを『いよかちゃん』と書いたことに理由はない。
本当に――無意識だった。
なぜ、あだ名で呼ぶのを躊躇ってしまうのか。
今の私にはわからないが、仲良くしてくれるすいかちゃんのことが好きなのは事実だ。
だから―気にせずにいよう。
この言葉を、何度繰り返したことか。
何故――引っかかっているのか。
葉桜の真下を通りながら、私は思案していた。
綿毛となったたんぽぽを、視界に入れながら。
そして、4月だというのに元気な太陽を感じながら。
――彼に気付くまで。
視界に沢山の足が入り、顔を上げた。
ランドセルの黒が、強く見える。
その輪の中で笑うのは――彼。
そんなこと、ずっと前から知っていた。
顔を上げるまでもない。
でも、気付いていなかった。
心の中の矛盾する感情を弄びながら、静かに通り過ぎる。
往銘、均――
その時、道端で静かに、少し憂いをたたえて咲いている、桃色の花を見つけた…。
校門をくぐり、昇降口へ。
人口密度の高い、校舎が開く前の時間帯は、あまり好きではない。
でも、良いのだ。
みんなと同じように、普通に。
大して目立つこともなく、誰かと話していれば良いのだ。
大きな声で話して、笑って。
若者言葉を使うすいかちゃん達が向日葵なら、私は菫。
そう、私は目立たなくて良いんです。
今の生活に満足しているんです――
誰にともなく心の中で語りかけると、少し悲しくなってきた。
一人で立っている。それが、目立つことに繋がる気がしたから。
本当は、誰かと一緒にいることで安心したいのだ。
私は独りじゃない、と。
下を向いていたことに気付き、視線を上に向けた。
――私には、無意識に下を向いてしまう癖がある。
顔は動かさずに、目だけで周りを確認すると…
――見つけた。
別に、探していた訳じゃない。
ただ…気がついたら、なんとなく見ているだけ。
これが、好きだという感情ではないのか。
何度も問いかけ、悩み、やはり肯定する。
――往銘、均。
均しいと書いて、さとると読む。
変わった読み方だなぁ、でも綺麗な名前だなぁ。何度も思う。
つい、じっと見てしまっていたようだ。
フッと目が合い…お互いすぐに反らす。
あぁ…もう少し見ていられたら良いのに。
彼は――私の太陽です。
しかし、世界とは不思議なものだ。
太陽があるなら月も存在し、その他多数の惑星も存在する。
今日現れたのは、太陽と、火星――
「ねぇ、とわこ。均と、知り合い?」
―すいかちゃんだ。
「うん、保育園の頃に仲が良かったんだ。今はあんまり話さないけど、親同士の仲が良いの」
均くんのことを訊かれて、少し…いや、かなり嬉しかった。
さっきの、見られてたのかな…?
「ふぅん…。」
私の答えを聞いたすいかちゃんの顔は――嬉しそうにも、嫌そうにも見える。
不意に。
『利用しようとした』
あの時の会話が鮮明に思い出される。
なぜだろうか。
今まで――3週間くらい、すいかちゃんと話してきた。
今までと同じように、向日葵と菫のまま。
話して楽しい友達だった。
それなのに――急にあこちゃんの言葉を思い出してしまったのは、なぜだろうか。
しかし、この季節の気候とは不思議なものだ。
桜からたんぽぽへ。そして今、たんぽぽからシロツメクサへ移り変わろうとしている。
温かくなったり、冷たくなったり。
暖かくなったり、涼しくなったり。
暑くなったり、寒くなったり――
まるで、私たちの心の中、そしてその関係ををうつし出しているみたい。
あたたかかったのは、保育園の時。
今は…涼しいのだろうか。
築山に咲くつつじの花を眺めていると、肩をポンとたたかれた。
「おはよう!」
あこちゃんだ。
「おはよう」
私もあこちゃんのとびきりの笑顔に負けないよう、頑張って微笑んでみたけど……。
上手く笑えているかな?変じゃないかな?
なんて、要らぬ心配をしてしまう。
あこちゃんなら――大丈夫だよって、自分に言い聞かせて。
あこちゃんは、何なのだろうか。
――私の知る花や惑星には、当てはまらないような気がした。
「ねぇ、教室入らないの?」
つい、ボーっとしてしまっていたようだ。
あこちゃんの言葉に、
「うん、入ろう」
とあわてて答える。
ガヤガヤとした昇降口。
一年生も学校に慣れてきたようで、元気いっぱいだ。
まだ落ち着きがない一年生の下駄箱は、動物園のよう。
そんな毎年見る光景が微笑ましくて、自然と口角が上がってしまう。
「可愛いよね、一年生。とわこって、小さい子に好かれそう」
あこちゃんがニコニコとして言うが、私にはよく分からない。
私だって、小さい子と関わる機会があったかもしれないのに……今では、少し避けているから。
「私、あんまり小さい子と関わったことないの。だから、分からないけど……」
そのまま思ったことを伝えると、あこちゃんは少し意外そうな顔。
「そうなんだ。兄妹いないの?」
兄妹……。
いたかもしれない、兄妹。
何年経っても、この話題が出る度に思ってしまう。
過去のことを引きずっていても仕方がない。
でも、幼い私に、あの衝撃は大きかった。
「私には……いないよ」
つい目を伏せて言うと、感の良いあこちゃんは察してくれたようだ。
「あっ……。なんか、ごめんね」
兄妹がいないだけで、こんな顔をするなんて、意味不明だろう。
でも、何も訊かないでくれるあこちゃんに、感謝しかなかった。
その後は、あたりさわりのない――あこちゃんの習い事の話とか、クラスの友達の話とか――をして……。
3階まで、少し疲れる階段をのぼる。
反対側から
「おはよう〜」
と階段をおりてくる先生に――私は、小さな声で。あこちゃんは大きな声で挨拶をした。
小さく身を縮ませて、恥ずかしい六年生だ。
それをふと自覚してしまった瞬間に、私は自分が菫でさえもないような気がした。
綺麗に咲くことなど出来ない、惨めな人間だ。
しかし、そんなことをあこちゃんが気にするはずもない。
六年二組の教室に――同じく、あこちゃんは大きな声で挨拶。
私は――無言で静かに足を踏み入れた。
下を向いて、あこちゃんの背に隠れて。
いてもいなくても変わらない人間として振る舞う。
それは苦でもあり、楽でもあった。
『あれ?そこにいたの?』
なんて言われるほどに存在感の薄い私は、空気と一体化してしまっているのだ。
あるのが当たり前。あるかないかなんて意識しない。
なかったらないで良い。
――私は、きっとそういう人なのだ。
一人でセンチメンタルな気分になっていると、不意に。
肩が誰かとぶつかった。
「あっ、ごめんなさい!!」
反射的に口走ると、ぶつかった相手と目が合う。
彼はたしか――品川留(しながわりゅう)くん。
今年初めてクラスが一緒になった男子だ。
そんなことを光のスピードで考えていると、彼は
「こっちこそゴメン!じゃ!」
と言い去っていった。
少しの会話ではある。
でも、そんな些細な言葉が私の心を暖めた。
そう、私は――ごめんなさい、と言って返してくれる人に飢えていたのだ、きっと。
そして、無意識に口角が上がり。
視線を前に戻すと……また。
――均くんと、目があった。
なぜだろうか。気まずく感じてしまうのは。
学年が上がるにつれて、関わりが少なくなったのは仕方がない。
それなのに関わりを持っていたいと思う私は、変なのだろうか。
迷惑なのだろうか。
こんなことを考えるのは――きっと私だけなのだろう。
そうそう考えながら、席へ。
ランドセルをおろして、教科書類をお道具箱の中へ入れる。
宿題の書き取り帳とプリントは机の上へ置いて。
ランドセルをしまったら出しに行こう。
それを頭の中で素早く確認しつつ、再び教室の後ろへ向かう。
ランドセルをロッカーに押し込みつつ、時間を確認した。
……なんて文章にすると、時間通りに行動しないと落ち着かない人みたいだ。
そういう人は、どちらかというと苦手なのに。
朝にやるべきことを全て終えた私は、椅子に座って軽くのびをした。
開かれた窓から、涼しい風が吹き込む。
春……だなぁ……。
ふと頭に浮かぶ春の情景。
それと、今の私の眼に映る春は……同じなのだろうか。
まだ少し冷たさの残る、しかし生暖かい風が、私に些細な幸せを運んできたようだ。
――河嵜由比(かわさきゆい)ちゃん。
私たち三班の副班長で、嫌味のない女の子。
そんな彼女と、少しばかり話せたのだ。
「ねえとわこちゃん、健康チェックのことなんだけど…」
私は保健委員会に属している。
当然、委員長とか副委員長とか、そんな役割は持っていない、普通の委員なのだけれど。
あーっ、なんかミスりました!>>39の内容は間違いです!!
無視してください!!
>>38
いつも通り、日記帳を開いて。
今日のことを思い出しながら、丁寧に文字を綴って行く。
『今日は、留くんと少しだけ話せた!些細なことだけど、すごく嬉しい。』
お母さん、ふぅちゃん。
深く思いだし、考えそうになり、あわてて心を落ち着かせる。
――大丈夫だから。
私は、私は、きっと……。
精一杯生きるから。
でも、出来ることなら…………
第二章 〜新緑の候〜
すでに生暖かい、それでも少し涼しい風が、私に些細な幸せを運んできたようだ。
――河嵜由比(かわさきゆい)ちゃん。
私たち三班の副班長で、嫌味のない女の子。
明るく元気な性格で、クラスの中心にいるような彼女と、少しばかり話せたのだ。
「ねえとわこちゃん、健康チェックのことなんだけど…」
私は保健委員会に属している。
当然、委員長とか副委員長とか、そんな役割は持っていない、普通の委員なのだけれど。
でも、少し役に立てるなら…と、口を開いた、その時。
「ゆーいー!一年生の教室行こうよ!」
それはほぼ同時だった。
私が由比ちゃんに説明を始めたのと、すいかちゃんが由比ちゃんに声をかけたのと。
一年生……。
私の最近の悩みでもある、一年生との関わり方。
あんまり、教室に行かないからか。
それとも、コミュニケーションが下手なのか。
どちらにも当てはまるだろうけど、私はペアの子とあまり仲良くなれていない。
ペアとは、六年生と一年生の縦割りで決められる。
六年生は、主にそのペアの子のお世話をしたり、遊んだりするのだ。
私のペアは、日坂萌瑚(にっさかもこ)ちゃんという。
最初は大人しそうだったけれども、明るい一面も最近知って。
可愛いなぁ、と思ってしまう。
……そう。
思うのだ。可愛い、と――
ーー以下、主以外レス禁ーー
それなのに。
それを上手く表現できない、上手く関われない。
――どうして。
どうして邪魔するんですか、私の、過去――
一年生を迎える会の準備をした、あの日。
腐れ縁である橘川陽から、言われたことがある。
『一年生は、そんなこと、望んでないけどな』
私が、一年生にプレゼントする地図の表紙を糊付けするときだ。
少し細かいところにこだわりを持つ私は、ちゃんと真ん中に貼れるようにと、台紙の長さを測っていた。
『すげーな、お前。こんなところにこだわるんだ』
誉め言葉である。
そのくらいは分かった。
均くんほどではないが、そこそこの付き合いがある男子だ。
そこに先生も来て、
『すごいねぇ』
と私の手元を覗き込んだときにそのセリフだ。
本当のこと。
的を射すぎていて、言葉に詰まった。
そうだ。一年生は、なにも完璧を求めているわけではない。
……ただの自己満足じゃん。
自分そう思った瞬間、もこちゃんが私に見せてくれた笑顔が偽物に思えてしまった。
こんなことをしている私とみんなは、全然違って。
――もこちゃんは、サクラだ。
直感的に響いた。
そのことを、なぜか鮮明に覚えている。
……話がそれてしまった。
由比ちゃんに説明をするか、しないのか。
訊かれたことに対して、答えるのが“普通”ではある。
でも、すいかちゃんが……。
「あー、行こ行こー!」
由比ちゃんは、私の方へ向けていた身体をすいかちゃんの方へ向け、大きな声で返事をした。
……なら、私、説明は…。
「で、何だっけ!」
――どうして。
話、訊いてくれるの?
そりゃあ、由比ちゃんに訊かれたことだけど。
ほとんどの場合は、私のことなんて忘れたかのように……走って行ってしまうのに。
優しさ。目立つ、明るい子が慕われる理由。
それは――
心のどこかで、侮辱してしまっていたかも。
あまり良くは思っていなかった。
そんなの、知らず嫌いだよって。
チューリップである由比ちゃんは、私に同じ笑顔を見せてくれた。
……良かった。
私、ちゃんと“友達”出来てるかも。
「えっとね、次は……」
伝える努力をしないと。
ちゃんと理解してもらえるように、語彙力をフル活用して、頑張って説明した。
伝わったかな……!
「とわこちゃん、ありがとう!」
そう言った由比ちゃんは、手を振って去っていった。
きっと……一年生の教室に。
私も、行った方がいいのかな。
一年生との仲がイマイチ。なんとなく惨めだ。
しかし、次の瞬間にその考えはなくなる。
「……あのさ。とわ、こ……」