はい、3作品目のたかキングでーす!
今回は異世界モノにしてみます。
他の2作品もかきますがこちらも頑張りますのでコメントよろしくお願いします!
>>2 プロローグ
>>3 登場人物
>>4〜 スタート!
〜プロローグ〜
俺は斎藤 舞樹。間宮高校の二年だ。
友達もそこそこいて、学力もまあまあ、顔立ちもイケメンらしく、学年では二番目にモテる。
…と独り言で自己紹介しながら下校するとか自分でヤバいと思ってる。
そんな俺だが…ん?そういえばこの林に道なんてあったか?気になるな…よし。行ってみよう。
そして俺は伸びた草を掻き分けながら奥へと進む。5分くらい進んだところで、開けた場所が現れた。あれ?なんだあれ?開けた場所の中心に水晶玉のようなものが落ちていた。俺はそれを拾うと、突然俺のまわりを光が包み、俺は気を失った。
〜登場人物〜
マイキ(斎藤 舞樹)
異世界に送られたイケメン高校生。伝説の勇者に選ばれることになった。ファンタジーゲームが大好き。
マイカ(齊藤 舞花)
同じく異世界に送られた女子高生。伝説の魔法使いに選ばれる。正統派で友達想い。ゲームはあまりしない。
ヴァルナ
もともと神殿の管理人だった女性。マイキとマイカの案内役になる。とにかく陽気。
【今回は登場人物がどんどん増えます。ここにないキャラは作中で紹介します!】
「………っ…こ…ここは…?」
何かの建物みたいだ…
ん?なんか重い…
えっ!?なんか俺と同い年くらいの女子が俺の上で倒れてる!
「……うぅ…」
ん?目を覚ましたか。
「こ、ここは、あなたは?」
「ここは何処かはわかんねぇけど俺は斎藤舞樹。」
「え!?わたし、齊藤舞花!名前似てる!」
そう言って生徒手帳を見せてくる。豊中高校の二年か…
「あ、これさいとうの『齊』の字が違うな。多分生き別れた双子ではなさそうだな。」
「それにしても、ここは?」
「さぁ?」
すると、どこからか足音がしてきた。
「ようやく来ましたね。伝説の勇者様と魔法使い様♪」
『…へ?』
俺が勇者か魔法使い?
声がしてすぐ、入り口のドアが開いてゲームの天使を思わせる羽をもった女性が来た。その瞬間俺は気づいた。
ここは異世界だ。
「お、お前誰だ?」
「申し遅れました。私はこのマナリエール神殿の管理人のヴァルナと申します。」
「まなりえーるしんでん?」
「はい、ここは伝説に選ばれた者が召喚される神殿です。」
「は?俺がその伝説に選ばれたのか!?」
「はい。」
この無愛想め…
「ではまずは地上へ行きましょう。」
そうしてヴァルナと共に階段を登っていく。その途中、舞花に耳打ちした。
「おい、ここ異世界だぞ。」
「え!?」
「ああ、とりあえず名前は異世界だからカタカナにしてマイキとマイカな。OK?」
「うん。」
と、ちょうど話が終わったところで地上に着いた。
「ではまず、登録をしましょう。」
『登録?』
「はい。と言ってもここに両手をかざしていただくだけです。」
「あ、これか。」
そして俺、ついでマイカも登録の機械に両手をかざした。
「はい、二人のパスができました。」
「なんだこれ?」
「こちらはこの世界の身分証明書です。リアルタイムであなたがたのレベルや称号が写し出されます。ほら。」
そうして俺は自分のパスを見た。
<マイキ Lv.42
称号:未来の伝説の勇者
スキル:なし>
『よっ、42レベル!?』
ってなんかヴァルナまで驚いてやがる…
「このマナリエール市では高くてLv.20ですから。ってマイカ様もLv.38!?」
俺もマイカのパスを見てみた。
<マイカ Lv.38
称号:未来の伝説の魔法使い
スキル:なし>
と、ここで疑問を投げかけた。
「あの、この水晶はなんですか?」
「こちらはマイキ様の持っているのが勇者の水晶、マイカ様の持っているのが魔法使いの水晶です。これを持った者が伝説となります。では次は旅にでましょう。聞かれる前になんで旅に出るか話しておくと、最後の水晶を探す旅です。」
『最後の水晶?』
「はい、竜王の水晶です。竜王の水晶は格別の強さを持ちつつも、所在がわからないのです。そして、3つの水晶が集まる時…」
『…集まる時?』
「…何かが起こります。」
『何かって何だよ!』
「まあ、では旅の用意をしましょう。まずは仲間を増やしましょう。では奴隷マーケットへ行きましょう。」
『奴隷マーケット?』
「はい、この世界には奴隷制度があり、各市で一定以上の強さの者が奴隷の主人となる権利を得ます。ちなみにこの市ではLv.15以上が規定ですからあなたがたなら問題ありません。では着いたら二人合わせて3、4人の仲間を集めてください。ただ強さは今回はあまり気にしなくていいです。」
『ほう…』
そして10分程歩くと…
「はい、着きました。」
「結構いっぱいいる!」
「思ったんだけど、マイカって可愛いよな。」
「え!?そ、そんなことよりじゃあ一度別のところで見て仲間を選んでここ集合で。」
「じゃあ私はここで待っていますね。」
そうしてマイカは西側、俺は東側のエリアに行った。
「おっと、そこの奴隷探してるっぽいやつ!」
「俺?」
「ああ、ここだよ。もしかして奴隷持つの初めてか?」
「はい。」
「じゃあパス見して。」
俺はパスを見せた。
「Lv.40超え!?じゃあもう自由に見てって!」
「ありがとうございます。」
そういって建物の中を散策する。
って言ってもどんなやつがいいかな?
その時、奴隷の一人である俺と同い年くらいの女の子が俺の腕に捕まってきた。
「はじめまして、ご主人サマ♪」
「は?」
新作おめでとう〜!
私こういうゲーム系(?)結構好きだよ!
つ、続きが気になる……
>>6
ありがとう!葉っぱってこういうのが意外と少なかったからね…
まあ昔どうだかは知らないけど。
最近忙しくて3つとも短レスになりそうです…
ということで短レスだけど…
〜続き〜
「お、お前、何だよ。」
「ワタシ?サリヤ。ワタシ、あなたの奴隷になりたいなぁ♪」
「は?」
再び疑問詞で返す。
サリヤっていう女の子は更に俺の腕を抱きしめてきた。
「と・に・か・く!ワタシあなたの奴隷になりたい♪いい?」
俺は少し考えてから、
「ああ、じゃあお前にしよう!」
「やったぁ♪」
「おっ、この子にするんだね?じゃあ登録するからその子とあんたの手、ここに置いて。」
そういって、さっきパスを登録した機械と同じものに手をかざした。
「はい、これが奴隷用のパスね。」
<サリヤ Lv.4
称号:なし
スキル:なし
主人:マイキ>
「これでいいんですね?」
「ああ、じゃあまた縁があれば来いよ!」
そうしてマイカと別れたほうへ戻り始めた。
…その間もサリヤはずっと俺の腕に掴まっていた。それはもう主人と奴隷よりかは恋人どうしを思いたたせる雰囲気だった。
やはりサリヤはずっと俺の腕に掴まっていた。
と、そこでマイカはすでについていて待っていた。
「ごめんマイカ。俺は色々あってこの子にしたんだ。」
「ワタシサリヤ。よろしく♪」
サリヤは俺の腕に掴まったまま自己紹介をした。
「ところでマイカ、その二人がマイカの選んだ奴隷?」
そう言ってマイカの側にいた二人の女の子を指さした。
「うん。二人とも自己紹介して。」
「わわわ、わたし、モモ…よよよ、よろしく…ああ、あの…じじ、11歳…」
こっちの子は人と接するのが苦手そうだな。一方こっちの子は…
「わたくし、12歳のミリサと申しますわ。以後お見知りおきを。」
やばい、正反対や…
「二人とも、よろしく。」
そこにヴァルナさんも戻ってきた。
「二人とも戻っていたのですね。では次に武器を。勇者であるマイキ様にまこの剣を、魔法使いのマイカ様にはこの杖を。」
そう言って大きめの剣を手渡された。
「それとこのバッグも。これはいくらでも入れられます。」
「そうなのか、ドラえ○んの四次元○ケットみたいなものか。」
試しに剣を入れてみるとすっぽり入った。
「それとこれも。マイキ様にはサリヤさん用の武器の魔法銃を、マイカ様にはモモさん用の短剣とミリサさん用の槍です。」
そう言って三人の奴隷たちにも武器が渡され、サリヤとモモは腰につけ、ミリサは背中に背負った。
「では、旅にでましょう。」
『もう!?』
「はい、と言っても私の馬車がありますので。最初の目的地はここの近くで伝説の言い伝えもあるカラミヤ市です。では馬車に乗ってください。いい忘れていましたが私も旅に同行します。」
『はーい!』
そういって馬車に乗り込んだ。馬車は長椅子が三列に並んでその後ろに荷物置き場があるかたちだ。
一番前の椅子はヴァルナさんが馬の面倒をみているので俺は二列目に座った。すると…
「失礼しますね、ご主人サマ♪」
「隣ごめんね、マイキ♪」
サリヤとマイカが両サイドに座った。それも結構密着している。俺らより少し年が下のモモとミリサはその不思議な光景を眺めながら三列目に座っていた。
「Zzz…」
二人とも俺の隣で寝たか…
ってかヴァルナさん近くって言ってたのにもう一時間はたってるぞ…
「ヴァルナさん、まだ着かないんですか?」
「はい、今半分くらいですかね。」
げっ、まだ半分もあんのかよ…
すると、
「ゴアアアァァァ!」
突然の音に、二人も起き上がる。
「何ですか、この声は!?」
「近くにワイバーンがいますね。この世界では飛行可能な下級ドラゴンのことをワイバーンと呼んでいます。このあたりに出現するのはLv.20くらいですね。」
「飛べるのか…俺の剣は届かなそうだな…」
すると、さっきまで寝てた二人が名乗りでた。
「私の魔法なら大丈夫!」
「銃でうち落としてみせますよ、ご主人サマ♪」
「二人とも頼んだ!ところでヴァルナさん、マイカは魔法使えるんですか?」
「はい。とても簡単なのです。まあ見ていてください。」
すると、ワイバーンが姿を現した。
「覚悟よ、ファイア!」
するとマイカの杖から炎がでてきた。本当に簡単だ。
「ワタシだって!とりゃー!」
サリヤも無駄に可愛らしい声をあげながら応戦する。するとそれを見ていたミリサが槍を構えた。
「届くのか?」
「まあ見ていてくださいませ、マイキさん。とりゃああぁぁっ!」
すると、ミリサは空高くジャンプし、ワイバーンを槍で突き刺した。
「ミリサさん、ナイス!」
「どうやったんだ!?」
ミリサはワイバーンごと槍を地面に突き刺すと言ってきた。
「何故ですかって?私、跳躍のスキルを持っていますの。それにレベルも11ですし。いえ、いま倒したので12になりましたわね。」
「スキルか…」
俺がミリサのスキルに感心しているその横で、完全にいいとこを取られたマイカとサリヤがいた。
「マイキ、私だって頑張ってたでしょ!?」
「そうですよご主人サマ!ワタシもご主人サマのために頑張ったんですよ!?」
「そ、そうか…」
「ではまた出発しましょう。」
するとさっきの位置に座りなおして馬車はまた進み始めた。
ワイバーンの奇襲以降は何事もなく馬車は進んでいった。とはいってもまだ到着までに時間がかかりそうだ。そこで俺はとある疑問をマイカに投げかけてみた。
「どうしてミリサとモモを奴隷に選んだんだ?」
「ああ、即戦力採用。」
「は?」
まるでビズ○ーチのCMじゃねーか。
「だってミリサはさっきのでわかっただろうけど戦闘に役立つスキルが多いからね。モモは心理攻撃が得意だからああいうのというかは悪人とかに強いし。まああの見た目とのギャップがあるけど。」
「まあな…」
「ご主人サマ!?」
「なんだよサリヤ…」
ちょっと俺がマイカと話していただけですぐ怒るんだから…
「…ご主人サマ、やっぱりもう少し寝る。」
「私も…あー眠。」
そう言って俺の膝に頭をのせて寝てしまった。まさかのW膝枕。
ちょっと質問いいかな?
この作品って主人公はマイキとマイカなのかな?それともマイキだけ?
もし、どこかに書いてあったらごめん…
>>11
最初のうちはマイキ主観ですすめるけど基本はW主人公だよ!
なんかわかりづらい…
>>12
おぉ!なるほど!ありがとね!
コメントしとらんけどいっつも見とるよ!
頑張れ〜!
このあと馬車に揺られること45分。
「着きました。ここがカラミヤ市です。」
「やっと着いたぁ!」
カラミヤ市は都会とも田舎とも言えない、まあゲームの中盤にありそうな街だな。
「それで、伝説の言い伝えってのは?」
「それはこの街の一角にあるカラミヤ城にあります。許可はとってあるのでいきましょう。」
『城だー!』
やべぇ、他のやつのテンションについていけねぇ…
そして城の庭に着いた。
「おい、中は入らないのか?」
「はい。言い伝えはここなので。では説明しましょう。このカラミヤ市や最初にいたマナリエール市などはクラリデント王国の中の市です。その王国の前身であるクラルナ王国は今から100年前に隣国のデラカライ王国と戦争をしていました。その中でデラカライ王国は最終兵器として人造龍を造りだしました。その人造龍は荒れ狂い、クラルナ王国もデラカライ王国も壊しつくしました。そこにクラルナ王国の伝説の3人が現れ、その人造龍を倒し2つの王国の国境に封印したのです。そしてその伝説の3人は死後に水晶に魂を宿らせました。しかしその後デラカライ王国を受け継いだダラルデライ王国がその水晶を奪い人造龍を復活させこのクラリデント王国を侵略しようとしているのです。そしてそれひとつで人造龍をよみがえらせられる竜王の水晶を奪ったのです。しかしそれ単体では復活までにとても時間がかかり必ず残りの水晶も奪いにくると思い、その水晶をあなたがたのいた世界に送り、それをあなたがたが拾った訳です。」
『なんかすげぇ壮大…』
「そしてその人造龍が間もなく復活するのです。しかし水晶に選ばれたものが二人もいれば、それまでにとめられ、もし手遅れでも再び封印できるでしょう。」
「それで俺らの出番ってか。」
「はい。」
「私にそんなことできるのかな?」
「マイカなら出来るよ!俺と協力すれば!」
「うん!っていうことはヴァルナさん、次に向かうのはそのダラルデライ王国?」
「はい。ただ相当遠いので時間はかかりますが。この馬車でもかるく一週間はかかります。なので途中の街で休みながらゆっくり行きましょう。そんなすぐには人造龍は復活しませんから。それに今日はこのカラミヤ市に泊まるので。」
「そうか…まあ終わり良ければ全てよしだな。」
そういって俺たちは市街地に戻ってヴァルナさんが予約してくれた宿に行った。
「ああーっ!疲れたぁっ!」
俺は男だからサリヤも一緒の部屋が良かったらしいがマイカに預けた。まあマイカの目もアレだったし。
「コンコン、マイキ!夕飯の時間だよー!」
「わかった、今行く!」
それにしてもとんでもない世界に来てしまった。
「ん〜♪おいしー!」
「いくら食べても飽きないよ。」
宿の夕飯は結構うまい。それでやはり聞きたいこともあるわけで。
「そういえばヴァルナさん、ヴァルナさんって人類じゃないですよね。その羽とか。」
「はい。私は天使族です。ちなみにクラリデント王国は人口の90%が人類ですが他の種族もいます。それと先程言ったダラルデライ王国は人口の半数以上が人類以外の戦闘に優れた種族なのです。」
「そうか。」
「ごー主人ーサマー♪」
「なんだよサリヤ。」
「一緒に寝た_」
「駄目だ。」
「早いですよー!」
やべぇ、サリヤのやつ完全に俺に好意抱いてやがる。で、そうなると今度は…
「マイキ、明日時間ありそうだから街探索しない?二人で。」
「ああ、是非…」
「ご主人サマァ?」
こうなる。
「なんですかサリヤさん。あなたは奴隷なのですから私と違って決定権はないんですよ?」
「あらごめんなさい、でもワタシ、アナタの奴隷じゃなくてマイキサマがご主人サマですから♪だからご主人サマを助ける義務があるんですよ♪」
こういうのはめんどくさいからな。言い合ってる間に席を離れてミリサとモモのところに逃げる。
「あらマイキさん、どうしたのです?」
「あそこに居たくないだけだよ。それよりミリサって強いんだね。」
「勿論ですわよ。ちゃんと毎日鍛えてますから。それにしてもあんな奴隷の面倒もみれない主人より貴方のようなしっかり面倒見れるししかもイケメンな主人の奴隷になりたかったですわ。そうですよね、モモ?」
「あ、え…あ、うん…」
「相変わらずモモは話すの苦手なんだ。そんな緊張しなくていいのに。」
「そそ…そんなこと言われても…」
「じゃあなんもしねぇからなんか言ってみろよ。」
「じゃ、じゃあ…かっこいいですね…ああ…」
なぜだ!なぜそのコメントを選んだ!?そりゃ自分で照れもするわ!
「!?何いつの間に逃げてるんですかご主人サマ!?」
「あー面倒くせぇ…もう今日は寝るわ。」
「では明日は午後にこの街を出るので。」
『おやすみー!』
やっと一日が終わった…ん?そーいや水晶見つけてこっち来たとき地上夕方だったよな?もしかして時間の流れが違うんだな。
_
「そこまでだ、伝説に選ばれし勇者よ。貴様の運命はここで尽きるのだ。」
「お、お前は誰だ…」
「貴様ごときに名乗る必要もない。消えろ。」
「うわああぁぁっ!」
_
「おはようございます、ご主人サマ♪」
「!!サ、サリヤ!」
何故か殺されかけていたためサリヤを見たことで恐怖から反射的にサリヤを抱いてしまう。
「ご、ご主人サマ!?どどど、どうしたんですか!?」
「こ…ここは?寝室か…」
「ご主人サマ、何か悪い夢でも見たんですか?」
「ああ…今も恐怖で誰かに頼らないと駄目だ…少しこのままでいさせてくれ…」
「い、いいですよ♪」
なんかサリヤが照れてるが今はそれどころじゃない。夢だったからいいがこの世界にいるから正夢にならないといいが…
そして10分ほどたってようやく元に戻ることが出来た。
「ところでサリヤ、なんで俺の部屋にいるんだ?ま、まさか俺が寝たあとこっそり入って一緒に寝たとか…」
「流石にそれはしませんよ。主人の言いつけを守らない奴隷など主人の性格次第では捨てられることもあるもん。本当にご主人サマが起きる5分前くらいに様子見に来ただけですよ♪」
「そ…そうか。それにしてもさっきは冷静な判断ができなかったとはいえいきなり抱きついたりして悪かった。」
「別にいいんですよ♪!?う…後ろ」
「後ろ?」
何かに怯えているサリヤの指さすほうに振り返ると…
「マーイーキー…今の話はどーゆーことかなぁ?」
とてつもない人相で迫るマイカがいた。やばい、これある意味さっきの夢より怖いぞ…
「あ、いや、それは…」
「サリヤ!あなたは許せない…モモ!精神魔法でサリヤのマイキへの好意を全て消してやって!」
「は…はい!ササ、サリヤさんにはわわ、悪いけど…主人の命令だから…恨まないでね…えいっ!」
「や、やめて!ああっ!」
やばい、本当にサリヤに危害加えやがった。精神的だけど。
「…主人…私に命令を…」
「ほらざまあないね。モモ、朝食だから行くよ。」
「はは、はいっ!」
そういってマイカとモモは部屋を去って行った。
「主人…命令を…命令を…」
「サリヤ…どうしちまったんだよ…」
「命令を…なーんちゃって♪ご主人サマ♪」
「サ、サリヤ!大丈夫だったのか!?」
今度は安心からもう一度サリヤに抱きつきてしまう。
「イケメンだからって流石に抱きつきすぎるとキモいですよ。まあそれにしてもモモの精神魔法は強い。ワタシも精神耐性のスキルがなければのまれてたわ。」
「スキル?お前、スキル持ってなかったんじゃ…」
もう一度パスを見る。Lv.4のスキルは無しになっている。
「本当はワタシ、Lv.24でスキルをたくさん持ってるんですよ。それでそのスキルの中に『隠蔽』があってそのスキルの能力でパスのステータスを書き換えたの。」
「そういうことか。」
「でもそれはご主人サマとワタシの秘密ってことで♪精神魔法の件はご主人サマがなんとかして解除したってことにしておいてくださいね♪」
「ああわかった。そろそろ俺たちも朝飯にしようぜ。」
「はい♪」
そうして朝食に向かった。やはり朝食中に精神魔法の件を聞かれたが俺が解いたことにしておいた。
「さてマイキ、どこ行く?」
「あ、ああ…」
結局マイカと二人で街を散策することになった…
「あらマイキ、もしかしてあのサリヤのこと気にしてるのぉ?」
「ま、まあな…」
「そんなの平気だよ。私の忠実な奴隷たちが面倒みていてくれてるから。」
「お前、どうかしてるだろ…昨日はこんなんじゃなかったじゃんか…」
「そんなことより、二人でもっと街をぶらつこう?」
「あ、ああ。」
なぜだろう…俺は今マイカに魅了されているような感覚だ…マイカのことが…ま、まさか!そうだ、スキルの発動方法はこうか!
「マイカ…」
「なぁに、マイキ?」
「…お前のその手には乗らない!」
「あら、なんのこと?」
「とぼけるなよ。モモから習得した精神魔法のうちの『魅惑』を使って俺を魅了させたんだろ!この際だから言ってやる。サリヤは精神耐性のスキルを持っている。そして俺はそのスキルを受けとる側と受け渡す側の両方が認証した時に使える『スキル共用』を使って俺にも使用できるようにしたんだよ!だから朝のモモの魔法も俺が治した以前にまずかかってねえんだよ!」
「あらそう。でも、ここで伝説の3人のうち二人が分裂したらどーなるのかな?」
「テメェ…分裂こそしねぇが今のうちはお前とは行動しねぇからな!」
そう言い放して俺はとにかく街を進んでいった。すると目の前にポツンと一軒の洋館が現れた。どうやら街のはずれに来ていたようだ。近づいてみるとなにやら騒がしい物音がする。そうっとドアを開けると…
「あらご主人サマ、なんでご主人サマまでこんなところに?」
「サリヤこそモモとミリサと一緒にいたんじゃ?」
「はい、でも抜け出して来ました♪」
「なんでそこまでしてこんなところまで…」
「そんなの決まってるじゃないですか………貴様を消すためですよ…」
するといきなり俺に槍を突き刺そうとしてくるサリヤ…
「お前、サリヤじゃないな!」
「あら鋭い。私達は化けにより人々の暗殺を繰り返す集団『デス・ディファレンツ』さ。ちなみに貴様の奴隷のサリヤもそうだがマイカとか言ってたやつも私達が監禁してるわよ。」
そうか、さっきマイカがおかしかったのもこいつらの仲間がマイカに化けてたのか!
「お、お前ら…俺が勇者に選ばれていながらそうしたことを後悔させてやる!」
そう言ってLv.40超えのスピードで近づくと敵の首もとをしばいて殺さない程度に瀕死にさせた。多分さっきの物音はサリヤとマイカがあがいている音だと俺は考える。やつの言い方からしてモモやミリサやヴァルナさんは平気なようだ。まあとにかく二人を救出しよう。あいつは私『達』って言ってたからまだこの洋館には仲間がいるはずだ。気を付けよう。
それにしても、あの朝のは恐らくマイカだけすでに化けている方でサリヤは俺がでかけてからだな。ならさっき習得した耐性スキルは平気そうだ…
「ご…ご主人サマ…こっち…」
あそこにいるのはサリヤ…でもさっきので見破りのスキルを習得してるから。これを使おう。………。偽者だ。
「ご主人サマー!」
こっちに走ってくる偽者をかわして後ろから気絶させた。すると…
バキュンバキュン…
「これは、サリヤの魔法銃の音だ!流石に道具は違うだろ。」
そうして音のするほうへ走る。
「ご主人サマ!」
見破りスキルを使っても本物だ。
「サリヤ!そうだ、マイカは!?」
「マイカさんならワタシの背中。そうとう体力も魔力も使ってて危ない。一応ワタシの魔力治癒で魔力は応急処置したし体力はそれほどでもないから。」
「早くここから脱出しよう!ヴァルナさんなら治療してくれると思うから!マイカずっと背負ってたのか?ここからは俺が背負っていくから敵を倒してくれ!」
「わかりました、ご主人サマ♪」
こうして脱出をはじめた。
洋館の脱出は意外にもてこずらなかった。サリヤが倒してくれたかららしい。俺はマイカを背負ってサリヤに出口への道を教えていった。マイカも時々意識をうっすら取り戻して弱々しく俺を掴む両手に力を入れて抱き締めてくれた。マイカは昨日の夜中からあいつらと戦っていたらしい。その途中で大魔法を使ったようであいつらは一気に逃げたけどマイカも気を失ったらしい。
「サリヤ、あそこが出口だ!このまま宿に戻るぞ!」
「了解です、ご主人サマ♪」
「それとサリヤ、宿についてマイカが治療をうけている間話したいことがあるんだ。いいか?」
「はい、それとワタシもご主人サマにいいたいことがあるんです。」
「了解!」
そうしてそのまま洋館を脱出、宿まで行った。
「ヴァルナさん!マイカの治療お願いできます!?」
「ど、どうしたのですか?とりあえず治療しましょう。」
「ありがとうございます。それとモモ…」
「なな、なんです…?」
「朝のマイカなんだけど、あれは偽者だ。だからマイカを嫌わないでやってくれ。」
「わわわ、わかりました!」
「よし、サリヤ、俺の部屋で話するぞ。」
「はい♪」
そうして俺の部屋に移動した。
「まずサリヤから話してくれ。」
「了解です♪で、話っていうのが、もしご主人サマがこの世界での役目を終えてご主人サマの世界に帰る時は、ワタシもついていきたいです。ずっとご主人サマと一緒にいたいんです!」
「そういうことか。ヴァルナさんとか詳しい方に聞かないとわからないけど可能なら大歓迎だよ!ただ、俺たちの世界に来たら高校に通ってもらったりと色々あるぞ、いいか?」
「はい♪」
「それで俺からの話なんだが…ほとんどサリヤに言われたな。」
「…え?」
「俺ももっとサリヤと一緒にいたい。だって大切な仲間だから。」
そうサリマを抱きしめながら訴える。
「だから、今日もサリヤが連れ去られる隙を与えた自分が悔しい。そこで一つお願いなんだが、俺はもっとサリヤと仲良く、楽しい仲間でいたい。そのために上下関係はほしくない。だからその『ご主人サマ』という呼び方を変えて欲しい。上下関係を感じない呼び方ならなんでもいいから。」
「わかりました、ごしゅ…えっと…ダーリン♪」
「ああ………ダーリン!?」
「だって、何でもいいんでしょ?」
「わかったわかった…」
そうして俺たちは皆のいる部屋に戻った。今俺は聞きたいこと以外に一つわかった。
サリヤは俺が確実に好きだな。
なんだかんだでマイカの治療のため出発が明日に延期になった。そこで今度こそ街を散策することにした。サリヤと一緒に。ちなみにヴァルナさんからある程度のお金は支給されているので買い物もできる。
「あっ、そーいやこの服装変えたいな。俺とマイカは高校の制服で異世界感台無しだしサリヤとミリサとモモは貧相な奴隷服だしな。そこの衣服屋よってくか。」
「了解、ダーリン♪」
「いらっしゃい!どんな服が欲しいのかね?」
「えっと…まずマイカはこの魔法使いっぽいワンピースかな。それでミリサとモモはこの街の人が着てるのと同じタイプのを黄色とピンクの色違いで、俺のはこのTHE・勇者な黒のこの一式で、サリヤは…」
「ワタシはこのドレス風なこの赤いのがいーなぁ♪」
「じゃあこれで。」
「了解、5点ね。毎度あり!」
こうして五人分の服を買って宿に戻る。
「マイキ、おかえり!」
「あっ、マイカ大丈夫か?」
「うん。なれない魔力を一気に使ったから気を失ったらしい。でももう大丈夫。」
「よかった。それでマイカとミリサとモモの服買っておいたから後で着とけよ。」
「オッケー!」
するとヴァルナさんがやってきた。
「マイカ様の体調もまだ万全ではないので今日は出発しません。ゆっくり体を休めてください。というのも明日からは2、3日馬車泊まりになるので。」
「ああ、わかった。」
なかなかハードだな…
翌日、朝早くカラミヤを出た俺たちは、3時間ほど馬車に揺られて草原で馬を休めるため休息していた。
「マイカ、大丈夫か?」
「もう平気だってばマイキ!」
「それにしても暇だな…あっ、そーいや俺のカバンにトランプあったよな…」
そういって俺は高校の休み時間に使ってたトランプを取り出す。するとサリヤが食いつく。
「この紙切れなんなの?暇だからってこれ取り出したけどこれでどうやって暇を潰すの?」
「あー、こっちの世界にはトランプがないのか…」
「なにやら楽しそうなことやっておりますわね。わたくしとモモもまぜてくださいます?ほら、モモも行きますわよ!」
「…うん!」
「あっ、ヴァルナさんもやります?」
「それでは入れさせていただきます。」
そうしてトランプを知らない四人に俺たちの世界のババ抜きを教えていざ勝負…おっと、この世界ならではの注意を忘れてた。
「あっ、相手の心を読んだりカードのマークを透かしてみたりできる魔法を使うの禁止な。」
『はーい!』
そうしてババ抜きを始めると、このメンバーの意外な一面があらわになった。まずミリサ。
「こっち…とみせかけてこっちですわね!ああっ!!」
勝負運がない上に顔や声にすぐ出るためこの休憩でやった13戦中6戦がミリサの負け。戦いは強いのに心理戦はダメダメだ。一方のモモ。
「……これだぁっ!」
とんでもない気迫でいつものモジモジ感が全くない。心理戦になると集中するタイプだ。
マイカはトランプを知ってるからパス。
サリヤは想像どおりだった。
「ダーリン、ババ持ってたらワタシに渡していいんですよ♪」
俺が好きなあまり、俺が負けなければ自分は負けてもいいスタイル。
そして一番イメージが覆ったのがヴァルナさん。
「よしっ、あがりですっ♪もう一回やりましょうよ♪」
いわゆる仕事とプライベートで切り替わるタイプの激しいやつだ。いつもの『案内役・ヴァルナ』からは想像もつかない陽気な雰囲気。どことなく可愛い。ただそこに大人の雰囲気はなく、それこそ俺たちの世界で高校生でバイトしてる人くらいの感じだ。まあなんやかんやで心理戦のババ抜きはとても楽しく、長い馬車旅の安息になりそうだ。