スレタイどおり!
私と薫のコラボ小説です!
荒らしなどの迷惑行為は禁止。
コメントくれたら嬉しいです!
>>2-3までレス禁!
解フル☆キャラ紹介
浄坂桃奈(主人公)
・通称トウナ
・明るくて常に前向き
・解決事務所で人の相談にのっている
真路美桜
・通称ミオウ
・頭が良く、少し考えが後ろ向き
・トウナの相棒(?)
ららこ みく(ララさん)
相馬ソウマ
ヒンメル(猫)
・事務所の裏方担当
・かなり個性的
作品紹介(解フル☆)
・トウナ、ミオウが普通ではない事務所で人の悩み相談に乗り、解決の手助けをする(1話参照)
・笑える(?)話が多い…と思われる
1,買い物で二人きり!? (夏音side)
はぁ・・・。
私────城里夏音は深いため息を吐いた。
なぜかって?
そんなの簡単。
その答えは・・・。
「土方さんって、何であんな壁ドンを・・・」
隣で歩いてる、土方さん。
ついこの間、私はタイムスリップした幕末で、壁ドンされたのだ。
「はぁ・・・」
私がため息を吐いてる間も、土方さんは飄々としている。
なんかムカつく・・・。
でもね、帰りたくても帰れない。
買い物中だもん・・・。
「土方さん・・はやく帰り」
「あれは何だ?」
言いかけた言葉は、土方さんの言葉にかき消された。
指差している先には、このあたりにあったのか、不思議な見覚えのない道・・・。
「行ってみましょう!」
スーパーへの近道かも。
私は、喜び勇んで土方さんと不思議な道へと歩いていった。
2.特別な相談者?(トウナside)
「「特別な相談者?」」
わたし――浄坂桃奈とミオウ――真路美桜は、声をハモらせてララさんへ言った。
今回事務所に来るのは、特別な相談者らしい。
「そ、特別。なんとなんと!幕末からタイムスリップしてきた、土方歳三に会えるんだぜ!」
ソウマの興奮した声に、首を傾げるわたし。
ひじかた……としぞう?
誰?……とミオウに視線を向けると、説明してくれた。
さすが、トップ校のトップだ。
「土方歳三。幕末の…新撰組って知ってる?その新撰組の副長よ。美形でモテたとか、鬼の副長って呼ばれてたとか。興味深い人ね」
へえ……そんなお方が、タイムスリップしていて、この事務所に来ると!
……この普通じゃない事務所に対し、白眼をむきたい。
「ま、いいじゃない。夏音ちゃんっていう同い年の女の子も一緒よ」
なら良いかもしれない!
仲良くなりたいし!!
「で、どう特別なんですか?その……夏音さんと土方さんは」
「ふふっ、それはね……」
「おう、それはな……」
………勿体つけないで早く教えてください。
「普段は裏方の私達も、その二人に会うのよ‼」
「…………。」
何だ、そっちか……。心の声が、ミオウとハモった……気がした。
ま、まあ、会えることのない偉人に会えるんだもん!
そりゃあ特別だよね~‼
それに、この事務所事態が奇異な存在だしっ⁉
珍しく興奮しているララさんが見れるんだもん!
特別だ!すごいね~!
………という事にしておいた。
3,不思議な事務所 (夏音side)
道を歩いていくと、ちょっとずつ暗くなっていき、私はちょっと怖くなってきた。
「ヤバい・・・沖田さん~」
私、暗いところは好きじゃない。
土方さんはニヤリと笑っただけ。
ドSめぇ~!
「事務所・・・?」
私は、その建物を見て、思わずつぶやいた。
なんとなく・・・そう、なんとなく、私は入らないといけない気がしてきて。
「不思議な事務所・・・」
私は、フラッと事務所に入ってしまった。
「夏音、買い物は!?」
土方さんの怒鳴り声すら耳に入らなかった。
4.謎なテンション(トウナside)
「いや~久しぶりだな。裏方以外、表に出て仕事するなんてよ」
「土方歳三……人間の偉人ってどんな人なのか気になるわ…!」
あのねぇ。
わたしがこんなことを言う日が来るとは思ってもいなかったけど…。
ララさん!人間の偉人って、おかしいでしょ!
偉人って人だからね⁉
ああ、めちゃくちゃ当たり前だ……。
偉い人って書いて偉人だもん。
人以外、何があるのか(いるのか)知りたい。
ってか、ララさんだって、普通に見た目は人間だからね!(本当は木の精だよ)
普通の人間と同じように買い物とか行ってるって、自分で言ってたし‼
……いや、木の精だなんて、気のせいだったのか?
ああ……わたし、キャラクター崩壊してるなぁ……。
ねぇ、ミオウ?
……ミオウ??
「土方さん…あの美形を、生で見れるなんて……」
………ダメだこれ。
珍しくわたしが常識人っぽくなってるよ!
なにこのキャラクター崩壊っぷり。
みんな、テンションおかしいよ~
もしも~し⁉
まぁ、いいや。
楽しんだ者勝ちだよね。
前向きに!この波に乗ってみよー‼
夏音ちゃんって子とも、仲良くなりたいし!
その時。
カランカラン、と、ドアに取り付けたベルが音をたてた。
5,自己紹介 (夏音side)
「うわぁ・・・」
事務所に入って、第一声はこれ。
雰囲気にのまれる。
私は、ニコニコ笑っている人たちを見た。
「あのっ、私、城里・・・」
言い掛けると、土方さんが飛び込んできた。
「アホ!知らん奴に名乗るな!」
ええっ?
でも・・・。
私は、土方さんに諭すように、
「なんか、自己紹介しなきゃって思うの。だから、止めないで」
それから、にっこり笑いかけて、
「改めまして。初めまして、私、城里夏音です」
自己紹介した。
そして、私は土方さんをつつく。
「自己紹介して」
やむなく、土方さんもボソッと、
「土方歳三だ。よろしく」
自己紹介する。
でも、耳が真っ赤だから、照れてるのが丸わかり。
私は、クスッと笑ってしまった。
6.単なる変人(トウナside)
夏音ちゃんと土方さんが入って来たとき、事務所メンバーの興奮度はMAX。
感激しすぎて声が出ない、って感じだ。
………なんだろう。ここまで来ると、わたしだけ仲間外れ感があるんだけど。
わたしも、土方さんや新撰組に関して詳しかったら、あんな風に興奮するのかな?
………なんて思いながら、御丁寧に自己紹介してくれた二人に向き直る。
「はじめましてだね!わたしはトウナ。浄坂桃奈だよ!こっちの人たちは、人間の偉人……じゃなくって、歴史上の人物である土方さんに会えておかしくなってるから、放っておいてね」
ああ、これをいつもミオウがやってるのか。
1人だけ冷静な常識人って感じがして、これはこれで良いかも。
「このサイドテールの目がハートになってる人がミオウで、そこの髪ボサボサ男子がソウマ。あっちがララさんで、黒猫がヒンメル!」
一方的にペラペラ喋りまくって、息を付く。
うーん……。
「ごめんね、変な人たちで。本当に…単なる変人の集まりだから。気にしないで。えっと……しばらくしたら皆の興奮も収まるだろうから、ちょっと待っててくれる?本当はここ、悩みを相談してもらって解決の手助けをする所なんだけど……」
とにかく話す。話せば理解してくれる……はず。
えっと、えっと……。
「土方さん、もし良ければこの人たちと少し話してくれます?あ、別に無視してくれてもいいですよ……夏音ちゃんは、猫大丈夫?ヒンメルって猫がいるからもしよければ遊んでて……わたし、お茶入れてくるから‼」
とにかく言うことを言ったわたしは、ロボットのように機械的に立ち上がり、お茶を入れに向かった。
本当に……「すいま千円、二千円」って感じだ。
ごめんね、夏音ちゃんに土方さん……。
そして、事務所メンバー!!
あなた達、普段わたしをバカ扱いしてるけど、今はあなた達の方がヤバい人だからね!
7,猫モテ土方さん (夏音side)
トウナさんかぁ・・・。
かわいい名前・・・。
もしかして、私の名前よりセンスあるんじゃない?
「ソウマくんに・・・ミオウさん・・・ララさん・・・ヒンメルちゃん!」
よし、覚えた!
私は、ヒンメルちゃんに近付く。
かわいい・・・。
「ヒンメルちゃん~」
きてほしくて、近付く。
しかし、ヒンメルちゃんは私の前をプイッと通り過ぎ。
「にゃん!」
土方さんの膝に飛び込んだ。
ガーン!
土方さん・・・猫にすらモテちゃうの・・・。
「ね、猫・・・」
驚く土方さん。
まったく、いいご身分だこと。
猫モテ土方さんめ。
私は、肩をすくめた。
8.相談…の前に遊んじゃおう!(トウナside)
キッチンでアイスティーを淹れて、夏音ちゃんの所に戻る。
にしても、夏音ちゃんって名前が可愛いよね~!
わたしなんて、「ももな」って読み間違われるんだから、まったく!
「紅茶淹れたよ!冷たいけど、大丈夫?あ、シロップとミルク使って……」
言いながら、自分の紅茶にシロップを投入。
「夏音ちゃんは、ヒンメルと遊べて……」
ない。
って、ヒンメル、土方さんのとこにいるじゃん!
ヒンメルも土方さんの凄さがわかるのか!?
………うーん。
性別も年齢も不詳の猫さえも虜にするなんて。
みんなが言うのとは別の意味で、土方さん、凄すぎ。
そして、完全に他の事務所員を無視しているわたしは、夏音ちゃんに事務所の説明。
「さっきも言ったけど、ここは悩みを相談してもらって、その解決の手助けをする場所。……なんだけど、見ての通りの状態だから……」
本当に、「すいま千円、二千円」だよ。
ん?でも、この状態は……仲良くなれるチャンスかも⁉
「ねえ、夏音ちゃん、土方さん。相談の前に、ちょっと遊ばない?今だけではあるけど、二人と仲良くなりたいし!」
いつもと違う事務所も……悪くないよね!
夏音ちゃんと土方さん、二人の返事を待った。
9,遊ぼう! (夏音side)
トウナちゃんのキラキラした瞳。
もちろん、私はうきうき。
「うん!遊ぼう!」
どう遊ぼう・・・?
私は、妄想の世界に入り浸る。
「夏音・・・バ夏音!」
突如、隣から“暴言”が聞こえてきた。
バ夏音・・・?
「それは・・・俺も遊べというのか・・・?」
恐る恐る土方さんが聞く。
私は、にっこり笑いかける。
「もちろんです!・・・あ、もしかして」
私は、ニヤリと笑う。
「遊んでくれないんですか?こぉんなに可愛い女の子たちを傷付けるの・・・?」
実際、事務所の女の子たちはかなりと言うより、結構可愛い。
土方さんは、頬をピクピクさせながら、
「わかった・・・」
と、しぶしぶうなずいてくれた。
私は、ニコッとトウナちゃんに微笑みかけた。
10.何して遊ぶ?
「わーっ、ありがとう‼この変人たちも喜ぶよ!」
「愛想」のいい夏音ちゃんとは、気が「合いそ」うだよ!
わたしも笑顔で返事をする。
この、キャラ崩壊しまくりのララさんとミオウが、可愛い女の子なのかはともかくとして……。
まあ、ミオウも普段はクールな美少女って感じだし(今は違うけど)ララさんも普段は綺麗なお姉さんだし…。(今は違うよ)
「じゃあ、遊ぼうか!何がいい?」
わたしは立ち上がって、棚をガサゴソとあさる。
「おおっ!」
「おい、何見つけたんだ?」
いつの間にか隣に来ていたソウマに手元を覗かれる。
……ちなみにソウマは、いつも物事を面白がってるから、そこまで変ではない。
「わたしの愛す、アイスクリームが……!」
「アハハッ。土方さん、夏音さん。新しいアイスが、あったらしいッスよ~」
むむ……なかなかやるなぁ、ソウマ。
って、こっちだけで盛り上がってちゃダメじゃん!
「定番のトランプとかどうかな。かるたもあったよ。あ、シンプルにかくれんぼとかは?この事務所結構広くて……」
わたしが思い付く遊びを挙げていくと、すぐさまチェックが入る。
「おい、事務所は極秘機関だからな。変なことするなよ」
……今日はララさんからではなく、ソウマから。
後でララさんに怒られそうだから、という声が聞こえたのはわたしだけだろうか。
「というか、お客さんである夏音ちゃんか土方さんに決めてもらうのが無難じゃない⁉……ってことで二人とも、やりたいことある?」
さあさあ、どんな遊びでもかかって来いっ!
11,シンプルに鬼ごっこ? (夏音side)
どんな遊びにしようかな・・・。
私は、必死にない頭を振り絞る。
よし、この際、“頼れる大人”に聞いてみよう。
「ねぇえ、土方さん♪」
思いっきり甘ったるい声を出す。
我ながら悪寒が走った。
「土方さんは、なんの遊びにしたいですか?」
思いつかなかった、という事情は省いて。
土方さんは考え込むように頭を抱える。
ありゃ?
頭が回る人なのに。
ってか、美形が頭抱えるの反則だよね?
「きれい・・・」
ミオウさんとララさんの口から、そんな声が聞こえたような。
聞き間違いかな?
「よし」
あっ、思いついた?
土方さんが、私の耳元に口を寄せる。
「・・・鬼ごっこ」
途端に私は、吹き出した。
だってさ・・・鬼の副長が鬼ごっこしたいって!
爆笑必至。
「アハハ・・・えーっと、シンプルに鬼ごっこでいいかな?」
私は爆笑で口元をゆるませながら、聞いた。
12.鬼は……
「鬼ごっこ!しよう!」
いいね~!
シンプルイズベスト!
「鬼、誰にする?」
わたし、鬼嫌いじゃないんだよな~♪
なんて考えてると、人の心の中を読めるソウマがあっさり、
「お前、駄目な。ソッコーで捕まる」
が、ガーン……。
ま、足が速いって褒め言葉になるよね!
………ね⁉
「あ、ミオウとララさんも!やるよね?」
「「やるやる!」」
土方さんがいるから!
……わたしには聞こえたよ~!
二人とも~!おーい!
……まぁいいや、放っておこう。
で、鬼は…
「あ、ミオウも駄目な。誰も捕まらずに終わる」
…………。
ソウマ~!言っちゃいけない事実もあるんだよ?
って言うか、
「ダメ出しするならソウマが鬼やりなよ!」
「……おう」
と言うことで、鬼はソウマに。
「あ、あそこの部屋入ったら庭だから。そこ行こう」
………普通じゃなさすぎ、この事務所。
部屋に入ったら庭とか、意味不明だし。
と言うことで、ゾロゾロと一行は部屋の中……庭へ。
土方さんは、ヒンメルをだっこしてくれてる。
……ヒンメル~!女子二人(わたしを除く)の視線に気付こうか……。
それにしても、楽しくなりそうだな!
13,スタート
鬼ごっこ!
私は、正直足に自信がない。
50メートル走の結果は、悲惨すぎて、封印されてる。
「捕まっちゃうかも・・・」
でも楽しみ。
にしても。
「ヒンメルちゃん、土方さんに懐きすぎじゃない?」
聞けば、土方さんも困惑してるように、首を傾げる。
「俺も思う」
妙に猫モテしてる・・・。
イケメンのフェロモンがわかるのかな?
土方さんのヒンメルちゃんを見てる目は、とっても優しい。
少なくとも、私を「バ夏音」って言うときよりはね!
「鬼ごっこ、そろそろスタートするのかな?」
私は、めっちゃワクワクして、待った。
14.先輩VS後輩
「10秒数えたら捕まえにいくぞ~」
ソウマの声に、わたしは笑いが止まらない。
いや~、だって…。
絶対楽しいはずじゃん!
「10~9~」
カウントが始まって、ダッシュ!
ミオウは遊具(ここ、校庭なみに広いの!)の影に隠れているし、ララさんは……少し離れたところでクスクス笑っている。
………ソウマ、絶対ララさんは狙わないよね。
というか、狙うと怖そう。
土方さんも、年上だし…何かあったら斬られそうで怖い。
「0、行くぞ~!」
来る!わたしはソウマが誰を狙うか、様子を見る。
……ちょっと、ヒンメル。
土方さんの腕の中で寝ないであげて。
猫が寝込んだ!
……なんつって。
「え⁉ソウマ、土方さん狙うの⁉」
ソウマが土方さんの方へ走っていくのを見て、驚き。
足の速さはともかくとして、その度胸には恐れ入る。
……と、思ったら。
ヒンメルが、土方さんの腕から抜け出した!
驚く一同。
………てか、さっきまで寝てたよね。
「待ってくださいよ、センパイ!」
ソウマはヒンメルの賢さに感服して、センパイと呼んでいる…らしい。
追いかけるのは、後輩。逃げるのは、先輩。
しばらく、自分達が逃げる立場であることも忘れて、観戦(?)してしまった…。
15,楽しい時間
ヒンメルちゃん・・・逃げ足はやいね・・・。
私は、ヒンメルちゃんに逃げられて少し悲しそうな(?)の土方さんを見て、吹き出す。
「さぁさ、逃げましょ!」
私は、とりあえず土方さんの腕をとり、ミオウさんのいる遊具の影に隠れる。
ミオウさんの顔が、赤くなったような・・・。
「さすが色男!」
私は、ニヤリと笑って、冷やかす。
土方さんに睨まれる。
ヤバ・・・いろんな意味で“鬼ごっこ”が始まってるよ・・・。
「ひぃぃぃ!」
私は、慌てて遊具の影を飛び出す。
一部始終を見ていたらしい、トウナちゃんに笑いかけられ、私は少し恥ずかしくなった。
でも、スゴい楽しい時間・・・。
「最高・・・!」
この時間が続けば良いな・・・なんて。
16.猫の弱点
それから、鬼が変わるたびに、ヒンメルを捕まえようとしているみたいだけど……。
誰も捕まえられない。
わたしはというと…鬼にすらなっていない。
みんな、捕まえてくれないんだよね~。
「待ってくださいってば、センパイ!」
何度も鬼になっては、ヒンメルを追いかける、ソウマ。
最終的にヒンメルは、木のてっぺんまで登っちゃった。
「凄い…猫って感じ」
疲れたのか、大の字になっているソウマを見て、夏音ちゃんと笑い合っていると……。
「あれ、下りれなくなっているんじゃない?」
ミオウが肩をつついてきた。
「あ…本当だ」
猫って、登るはいいけど下りれなくなることがあるって聞いたことあるけど……。
どうしたらいいんだろう!?
助けに行かないと!
でも、あんなに高い所まで登れるのかな…。
不安で顔を見合わせる。
どうしよう………
17,ヒンメルちゃん救出
私は、あわてずににっこり笑う。
トウナちゃんたちが、不思議そうに私をみる。
「いいこと思いついた!」
それもすごくいいこと。
それはね・・・。
「この中で背の高い人にヒンメルちゃんを救出してもらいましょうよ!」
当然。
みんなの視線が背の高い人、つまり、土方さんに集中する。
「はぁっ!?」
土方さんが怒鳴る。
仕方ないよね~?
「第一、女の子を登らせますか?第二に、後輩を登らせますか?ここは、大人で“イケメン”な土方さんに助けてもらった方が良いでしょ!」
それに、ヒンメルちゃんに懐かれてたじゃないか。
それを指摘すれば、仕方なくという風に、土方さんはうなずいた。
「安心して!骨折したら、斎藤さんに手当てしてもらうから!」
「医者じゃないのかよ!」
盛大なツッコミが入った。
私は、「どうどう」と土方さんの背中を叩いて落ち着かせる。
18.あざといヒンメル(トウナside)
夏音ちゃんと土方さんのやり取りに、ついつい笑ってしまう。
うん、めちゃくちゃ和むよ!
斎藤さんって方も、新撰組の人かな?
他のメンバーもいたら、もっと楽しそう!
……なんて考えてるうちに、土方さんは木を登っていく。
さすがだね!無駄な動きがないし、凄くスムーズな足運びだ。
「さすが…土方さん、カッコいい♡」
ミオウの目がハートになっている。
まぁ…ミオウは女子校に通ってるしね。
こんなに美形でカッコいい大人がいたら、そりゃあときめくだろう。
「ニャーッ」
土方さんに優しく助けられて、ヒンメルは無事に地面に下り立った。
「ありがとうございます!土方さん!」
わたしがお礼を言っていると、
「あら、どうしたの?みんな」
ララさんの声が。
……そういえば、いなかったよね。
「ヒンメルが木に登って、下りられなくなっちゃって。土方さんに助けてもらったんです」
するとミオウの説明に、首を傾げたララさん。
「ヒンメルが下りれなくなった?ヒンメル、木登りは大の得意なのよ。自力で下りられないなんて、あり得ないわ」
は………?
ポカンとする一同。
ヒンメル、もしかして…
「土方さんに助けてもらいたいからって…ヒンメル、ずる賢い!うぅ…」
はいはい、ミオウ。
キャラクター崩壊しすぎだよ~!
……ヒンメルって、意外とあざといのね。
19,天然色男
ララさんから衝撃の事実発覚!
私は、もう爆笑。
「・・・あざとい猫だな」
とか言いながら、土方さんはヒンメルちゃんを優しいいたわる(?)ような目で見ていた。
「にゃおーん」
ほら、ヒンメルちゃん、めっちゃ懐いてるし。
何なんだろうね。
イケメンのフェロモンって。
「と言うか、ミオウさんにもサービスくらいしてあげてくださいよ」
私は、土方さんに意見する。
土方さんは、黙ってミオウさんに近付き。
「何をしてほしい・・・?」
不思議そうに聞く。
うぬぬ!
この天然(?)色男は~っ!
私は、呆れて肩をすくめる。
20.何して遊ぶ?part2
うわ~!
夏音ちゃんと土方さんの言葉に、ミオウは真っ赤!
なんだろう…大人の色気を感じるよ‼土方さん。
ミオウ~せっかくだから、何かやってもらいなよ~!
ドキドキしながら見守っていると、ミオウが、顔から火が出ているんじゃないかというほど真っ赤な顔で言った。
「じゃ、じゃあ……。疲れたし、みんなでお茶にしませんか?それか、室内に戻って遊ぶとか……。ほっ、ほらほら、昨日、トウナがみたらし団子を見たらしいので……」
クスッ。一同はいろんな意味で笑いを噛み殺.す。
(たしかにみたらし団子、見付けたけどね)
それに…ミオウ~!
そんな事言って、またヒンメルに嫉妬するんでしょ~!
「まあ、良いんじゃない?棚に、トウナが愛す、アイスクリームもあったみたいだし」
ララさん……真面目な顔で言うから、余計に笑えます。
「室内で遊ぶなら、やっぱりだじゃれ対決でしょ!」
わたし、ソウマとよくやるんだよね~!
だじゃれを言いまくって、先に笑った方が負けなの!
「「却下‼」」
ララさんとミオウから、辛辣な一言……。
「じゃ、じゃあ…また、夏音ちゃんと土方さんに決めてもらう?」
なんだか、ごめんね……。
21,提案
みたらし団子かぁ。
私、めっちゃ好き!
室内での遊び・・・かぁ?
何だろう?
「なにが良いと思います?」
教えてくれるよね。
ところが、土方さんは冷たく言い放つ。
「考えろ」
うぅ・・・。
私は、思い切って提案する。
「かくれんぼはどうかな・・・」
さっき、トウナちゃんが言ってたような気がするし。
22.まずはティータイム!
かくれんぼかぁ~
事務所って不思議な所だし、広いし面白そうだよね!
ただ、さっきソウマが何か言ってた気が……。
だんだんまともになってきたララさんに訊いてみる。
「事務所の中でかくれんぼ、良いですか?」
何か言われるかな…って思ったけど、答えはあっさり。
「あら、良いわよ。面白そうじゃない。土方さんもいるし…」
はいー!最後の一言、聞いちゃったぞ‼
「ただし、入ってはいけないところもあるからね」
「は~い!」
みんなで口を揃えて返事をした。
「じゃあ、室内入って、まずは団子とアイス食べようよ!」
と言うことで、まずは部屋でティータイムに。
23,土方さんの想い出の女性(ひと)
お団子・・・!
私は、目の色を変えて、お団子を見つめる。
そして一口、頬張る。
「んま~い!」
ふわふわと言うか、モチモチ!
口の中で溶けたりして!
「ふわぁ・・・幸せ」
まったりとつぶやき、土方さんを見ると。
なぜだか、懐かしそうに見ていた。
「どうしたんですか~?想い出の女性(ひと)でもいるんですか?」
からかうように言うと。
土方さんはうなずいた。
「お琴・・・俺の元婚約者だ」
へぇ、元婚約者・・・。
・・・元婚約者ぁっ!?
私たちは、唖然として土方さんを見てしまった。
24.アイス争奪戦!(トウナside)
ひ、土方さん…婚約者いるの⁉
って、『元』って言ってたか。
さすが美男子!(男子じゃないかもだけど)
に・し・て・も。
「このお団子、美味しい~」
噛む度に、団子本来の甘みとみたらしの旨味が増していって。
それが合わさり、噛むごとに美味しさが倍増!
もちっとしてて柔らかく、口の中で溶けるような食感がさいこー!
夏音ちゃんも喜んでくれて、嬉しい!
ミオウは…
「土方さんの、婚約者……」
なんて、死んだ目をしている。
なんなんだか……。
「あ、(わたしの愛す)アイスもあるよ!……って!これ!」
「なんだよトーナ」
めんどくさそうに返信をするソウマに、アイスのカップを突き付ける。
「これ!ハー◯ンダッツだよ!美味しいやつ!」
「うおぉぉぉ!マジか!」
「うん!1つしかないけど」
わたしが、その一言を言った瞬間……その場の温度が下がった…気がした。
「やってやろうじゃねぇか…」
「わたしだって!」
そして、謎のバトル勃発。
夏音ちゃんも、ハーゲン◯ッツ食べたいよね⁉ね!?
「なら……」
わたしは良いことを思い付いて、口を開く。
「参加しないララさんかミオウに鬼になってもらって、かくれんぼしよう。最後まで見付からなかった人が、◯ーゲンダッツ食べれる」
「おう!負けねーぜ?」
ということで、ハーゲンダッ◯をかけたかくれんぼが始まる…。
25,かくれんぼ!
あのハーゲンダッ◯!
私、今、家にいる居候がいないとき、内緒で食べてた。
今は、家計が火の車で食べれてない。
火の車の理由。
単にみんなが大食いなの!
プラス、電気代とか足してけば・・・火の車になるよ!
「絶対、勝つんだから!」
私は、思いきり息巻く。
アレだけは譲れないもん!
「ねっ、土方さん!」
私は、土方さんを振り仰ぐ。
ところが、土方さんは黙っていた。
「どうしたんですか~、お琴さんでも見つけたんですか~」
私は、からかい半分で聞く。
土方さんは、至極真面目な顔で、
「ミオウとやらがお琴に似ているような・・・」
前世とか?
私は、ニコニコ笑った。
だとしたら、スゴい縁だね。
「絶対、かくれんぼで優勝するぞぉ~」
私は、ちょっと身構えて、再び息巻いた。
26.やっぱり譲れない!
お琴さんって人に似ている…と言われたミオウが、真っ赤っ赤。
見てるこっちが恥ずかしいよ~!
「ミオウ、鬼、頼める?ハーゲンダ◯ツをかけた勝負!」
顔を両手で押さえながら、こくこく頷くミオウ。
じゃあ…始まる…けど…。
「……なんかさ。家計が苦しくて食べれないなんて…譲りたくなっちゃうよね…」
わたしの言葉に、ソウマは頷く。
「あぁ。だがな…」
「やっぱり譲れない!/譲れねぇ!」
ハモった。
でも…やっぱり、ハ◯ゲンダッツは譲れないんだよ~!!
「じゃ、向こうの部屋使って。事務所は入っちゃいけない所もあるから…あの部屋以外は、ダメだからね」
ララさんの言葉に、わたしたちは揃って返事。
そして、
「にゃ~ん」
相変わらず、ヒンメルは土方さんの腕の中。
「ミュ~ン」
甘えたように泣いて、丸くなって寝ちゃった。
「ヒンメルは…ハーゲ◯ダッツ食べないよね…」
自分に言い聞かせて、みんなに同意を求める。
さっき、鬼ごっこ参加してたからね…。
1番あなどっちゃいけない相手かも⁉
これコラボなのに、解フルはキャラ崩壊しているから笑える。
やっぱり土方さんはモテ過ぎだね!
いつか私とも,コラボして下さい。
アーヤ、ありがとう~(≧▽≦)
美形はモテるんすよ(笑)
三人でコラボしよーね!
27,かくれんぼスタート
いよいよかぁ!
私は、めちゃくちゃ逸る心臓を押さえ、どこに隠れるか吟味する。
「どこに隠れようかなっ・・・」
柱のあたりとか良いかも!
「俺は、柱の陰に隠れるか」
うわっ、土方さんと被った。
どうしよう・・・。
土方さんが、首を傾げる。
「被ったらダメなのか?」
うーんとね。
「土方さん、長身でしょ?丸見えになっちゃうから・・・」
理論的に言ってみる。
納得でしょ?
じゃあ、私、どこに隠れようかな・・・。
そろそろかくれんぼスタートのはず。
確かに一緒に隠れたら一発で見つかってしまうもんね,長身で良い意味では良いけどね悪い意味だったらデカイだからね(。-_-。)
33: アーヤ◆TQ:2018/04/08(日) 14:00 >>31
三人でやりたいよ!
私も両方の小説頑張っているよ!
>>30
私も、本当のミオウのキャラクターが分からなくなってきた(笑)
>>33
いつか、機会があればやろうね~
28.その頃、トウナとソウマは…
わたしは、隠れるところを探して、ウロウロ。
どこが良いかなぁ…
難しすぎず、簡単すぎない場所って、どこだろ?
「おい、トウナ!オレ、どこ隠れればいいと思う?」
「いや、わたしは自分のことで手一杯なんだけど!」
ソウマの声に、わたしは全力で突っ込む。
ソウマは…
「チビだから、棚の中でいいでしょ」
「お前の方がチビだろ!…でも、それ良いな」
棚入れるんかい!
心の中で、またまた盛大に突っ込みながら、わたしは周囲を見渡した。
あ!棚は無理でも、押し入れの中は行けるんじゃない!?
少し高いところにある押し入れを開けて。
自慢の運動神経で軽々と中に入った。
これ、落ちないように気を付けないとな~
そろそろ始まるよね?
夏音ちゃんと土方さんはどこに隠れたんだろう…
面白いよ、トウナとソウマのやり取りO(≧∇≦)O
36:乙葉@恋歌◆Wg:2018/04/09(月) 21:25 29,堂々の不正行為
ふぅ。
私は、そっと胸をなで下ろす。
どこに隠れたか?
ふふふ、それはね・・・本棚の裏!
バレやすいけどね。
「ドキドキしてきたぁ・・・」
ミオウさんの気配。
そうっと見ると、ミオウさんは柱に向かっていた。
あはは!
土方さん、バレたね。
「見つかったか・・・」
土方さんは、髪をかきあげる。
それもサマになってる。
「これはなかったことにしろ」
はぁ!?
それって・・・。
私が、もう一度伺うと。
ドンッ
軽やかな(?)音と共に、土方さんがミオウさんに、壁ドンしていた。
って、これ、堂々の不正行為じゃない!?
【>>32 ヒドい意味で言えば、デカいだよね~!】
30.見つかった……?
「トウナ見っけ」
「えぇ~!早いよ~!!」
わたしはあっという間に見つかって、押し入れから出てきた。
ハ◯ゲンダッツ、食べたかったよぉ…。
でも、夏音ちゃん達に食べてほしい…って気持ちも、無くはない。
「いや~、早く見つけすぎだよ、ミオウ!わたしが最初?」
何気なく訊くと、ミオウが真っ赤に。
本当にリンゴかタコみたい。
いや、GHQのトップだったりして!?(すみません…by作者)
「うん…最初、だよ…」
う~ん。
怪しげな匂いがプンプンする。
まあ、いっか。
わたしは、他の美味しいものはないのかと、探しに行った。
……ソウマが、狭いところで死にそうになっていることなど、知る由もない。
❮>>35ありがとう!2人のやり取りは私も書いてて楽しい♪❯
31,口喧嘩
まったく。
私は、堂々と不正行為をしてミオウさんを欺いた(?)土方さんを黙って睨む。
「女の子を手玉に取るの、最悪です!」
こそこそっと囁けば、土方さんも言い返す。
「男を手玉に取るヤツに言われたくはねぇな!」
はぁ!?
私は、カッとなって、土方さんを睨みつけながら、
「どの口が何をほざいてるんですか・・・!」
小声で怒鳴りつける。
私、ハーゲ◯ダッツ食べたいんだから・・・!でも、不正行為はダメだよね!?
「あぁん?」
土方さんが睨み返し。
小声ながら、口喧嘩が止まらなくなってしまった。
駆け巡る争いだなって思うよ
40:アーヤ◆Z2:2018/04/11(水) 15:25トウナと土方さんの喧嘩面白い
41:薫+*Mio+*◆xs:2018/04/14(土) 11:38 32.ソウマ、死す(?)
わたしは、事務所の棚をゴソゴソ。
ハーゲンダッ◯もう一個ないかなぁ……。
そんなことを考えていると、
「ぐぐっ…」
と呻き声が。
ちょっと、やめてよ!
変な人いたら怖いんだけどっ!
……というのは冗談で。
この声、絶対に…!!
「ソウマ!!」
わたしが叫ぶと、またまた
「うっ…」
と呻く。
棚なんかに隠れるからだよ。
わたし、知ーらなーい!
「ミオウに見付かるまで、頑張ってねー」
棒読みで励ますと、ソウマは、『チーン』と効果音がつきそうなほど、グッタリ。
本当に、変な人。
本当に変人だよね😁
43:乙葉@恋歌◆Wg 希望の色で満ち溢れてたら良いのにな、世界。*9:2018/04/14(土) 21:23 33,殺気でバレる?
「と言うか」
不意に、土方さんが口喧嘩を切り上げる。
ふんっ!
こんなとこだけ大人だな~。
「おまえ、鈍感だろ。・・・この間の、どう思ってんだ」
この間・・・?
って、もしかして。
あの壁ドン!?
倉知さんとのどうのこうのの際の、アレ!?
「えっ、それ・・・。言っていいですか?」
土方さんがうなずく。
私、毒舌なんだけど・・・。
私は、すうっと息を吸い、
「迷惑ですよ。私、今、気持ちに整理がついてないです。第一、」
しゃべりだすと口が止まらず。
土方さんの顔が、怖くなっていく。
「そんなことしてるヒマがよくあるなと」
言い切ると、どわっと土方さんから殺気が放出される。
もしかして、殺気でバレたりして・・・!?
34.まさかの事態!?
ソウマを見捨てたわたしは、ミオウのところへ行ってみた。
二人は見付かったかな……?
「ミ~オ~ウ!どう?」
「どうすれば良いと思う?」
私が尋ねたのに、なぜか問いが返ってきて、わたしは首を傾げる。
どうすればって……なに?
するとそれが伝わったのか、説明をしてくれた。
「夏音さんと土方さん。二人は同じ場所に隠れているんじゃないかと思う。そうしたら…」
そこでわたしもピンと来て、同じく頭を抱えた。
「同じところに隠れてるなら、二人同時に見付けちゃうよね…」
そう。ソウマは除外して、見付けていないのは夏音ちゃんと土方さんの二人。
それにミオウの推測が当たっている――二人が同じところに隠れているのなら、同時に見付けてしまう。
今回ハ◯ゲンダッツを食べられるのは、最後まで見付からなかった人。
二人同時に見付けてしまったら、それに該当する人がいなくなってしまう。
「どうする……?」
うーんと唸ること数10秒。
「なら、二人に食べてもらえば良いんじゃね?」
生き返った(?)ソウマの声がした。
……ソウマ、自爆したね。まだミオウには見付かってなかったはずなのに。
「はい、見っけ」
ミオウに言われて、失態に気付いたらしいソウマ。
ドンマ~イ!
ところで。
「二人に食べてもらうって……??」
35,逃走!
ヤバいよ・・・。
殺気が・・・。
私は、本能的に逃げる。
もちろん、見つからないように。
「ヒマだとぉ~!?」
うわぁん!
私、逃走しないと命が・・・。
「ヤバい~っ!」
私は、もう命の危機を感じ、逃走。
土方さんがものすごい殺気を出す。
ざっと考えて、さっきの3倍!
「誰かぁ!」
私は、思い切り逃走した。
あはは,ソウマ意外と優しいな!
それにしても、夏音と土方さんコンビは相変わらず面白いよ!
36.相変わらずのララさん
そして、その時…。
「誰かぁ!」
こちらに向かって、全力疾走してくる夏音ちゃん。
……と、それを追いかける土方さん。
え、これって…!
「二人とも、見付けちゃった…」
ミオウが頭を抱える。
わたしは、きょとんとしている二人に説明。
「あのね、夏音ちゃん達二人、見付かってなかったの。で、二人が同じ所に隠れてるんじゃないかって考えて……。そうしたら、二人同時に見付けちゃうでしょ?だから、ハーゲンダッ◯はどちらが食べれば良いのかと考えてて……」
ゴタゴタの説明。
我ながら情けない…。
そんな中、居心地の悪い沈黙が流れる。
「え、と…」
わたしが口をパクパクさせていると、奥の方から声が聞こえてきた。
「何やってるの、みんな?」
ララさんだ。
……たしかに、さっきまでいなかった。
わたしたちは、今までの経緯をカクカクシカジカ説明。
すると…
「ハーゲ◯ダッツ?なら、冷蔵庫に人数分あるけど」
えーーーっ!
何それ~!!
「聞いてないよ~」
「言ってないよ~」
わたしの言葉に、お茶目に答えるララさん。
もうっ……。
「ま、良いよね!みんなでハ◯ゲンダッツ、食べよう!夏音ちゃんと土方さん、先に選んで良いよ!」
わたしの言葉に、みんなの口角が上がる。
嬉しいな~!
みたらし団子風味のハー◯ンダッツ、初めて見た!
なんてどうでも良いことを考えながら、わたしはやはり笑っていた。
37,やっぱり意地悪土方さん
うわぁぁぁ・・・♪
私は、思わず口元を抑えた。
なぜか。
とっっっても美味しいから・・・!!
「美味しいですね、土方さん!!これ、沖田さんのために買っていきたいな~・・・♡」
好きな人にあげたいな。
ムッとしたのか、土方さんが唇を歪める。
「何でも総司宛かよ」
言い方にイラッとし、私は睨む。
土方さんは飄々とハーゲンダッ◯を頬張る。
やっぱり意地悪土方さんだっっ!!
でも仲が良いコンビだって思うよ、正に逃げ切れられないコンビって感じだな!
50:薫@ゆず◆xs:2018/04/22(日) 10:15 38.わたしの愛すアイスクリーム
うわああぁ…!
何だろうね、見た目からして美味しそう~!
チョコレート味のハー◯ンダッツを前に、目をキラッキラにさせていると、
「お前と夏音ちゃん、同じような顔してる」
…と、ソウマ。
でも、美味しすぎるんだもん!仕方ないよね。
「で、これからはどうするの?」
抹茶味のハーゲン◯ッツを頬張りながら、ミオウ。
「う~ん…夏音ちゃん達の悩み相談…はどうする?」
わたしも疑問を返す。
すると、自ずと二人の方へ視線が集まった。
やっぱり夏音は新撰組の誰かってことかな?
私の予想では、沖田さんの進展の相談?
又は、土方さんのこと?
早く何の相談が、見たい。
39,回想
思えば。
いろいろ悩んでたよな~。
「まったく、土方さんのせいで・・・」
途端に殺気が向く。
私は、回想する。
原因?的なのは、私がお母さんからの着信・・・倉知さんとの婚約話を聞かされたこと。
「怖かった~・・・」
あのときの土方さん、怖かったし。
腕の力とか、顔とか。
でも、切なさそうな瞳。
「あれは・・・大声なお前のせいで・・・!」
まぁ、そうかも。
私は、ちょっと首をすくめた。
でも事実、怖かった。
【>>51 ありがとう♡(*^^*)♡】
どれを話すのかな?
54:薫@ゆず◆xs:2018/04/25(水) 15:46 40.わたしたちの仕事
何かを考えているらしい夏音ちゃんを見ながら、わたしも心を落ち着かせる。
わたしたち事務所員の仕事。それは――
「夏音ちゃんの話を聴いて、解決の手助けをすること…」
そう。わたしたちの仕事はそれ以上でも以下でもない。
少し、話して楽になってもらって。
少し、手助けをするだけ。
あとは、夏音ちゃん自身に任せるしかないんだ。
「夏音ちゃん。落ち着いたらでいいんだ。嫌なことは言わなくても良いから…少し、わたしたちに話してみない?」
力になるよ。
心の中で、そっと付け加えた。
優しいし頼もしいよね。
56:亜依@恋歌◆Wg:2018/04/29(日) 07:18 41,決断
私は、言いたげな顔の土方さんを無視して、どうするか考える。
言った方がいいよね・・・。
でも・・・。
「よし!決めたっ」
私は、腹をくくった。
言う決断を下したのだ。
「実はね・・・」
私は、幕末に行ったとき、土方さんに襲われかかったことを話した。
ララさんの目が、輝いてるような・・・。
「と、言うことです・・・」
話したら楽になったな。
解決できるとかは別として、すっきりした。
だってさ、これは沖田さんにすら言えてないモノだから・・・。
まあ,あれは凄かったもんね……
襲い方が野性的だった感じ?
42.事務所員と相談者、対等な友達
「……そっか」
夏音ちゃんの話を一通り聴き終えて、ミオウと目だけで会話する。
解決の手助けをするのか、それとも……。
「夏音ちゃんは、どう?」
本人の意思を尊重できるように。
わたしは、慎重に言葉を紡ぐ。
「解決の手助け…といっても、わたしたちにできることは限られているから…。夏音ちゃんが、やってほしいと思うことを、出来る限りやりたいの」
もしもこれが、事務所員と相談者という関係ではなく、対等な友達同士だったら良かったのにな…。
そんなことを考えちゃう、ダメな人でごめんね。
わたしは、仕事をしていくなかで、過去に感じたことのない思いに少し驚きながらも、伝える。
「今だけかもしれないけれど…友達として、できることはある?」
43,できること
できること・・・・。
私は、無い頭を必死に動かす。
こんな時頭が悪いのを悔やまれる。
もしかしたら・・・。
「対等」な関係になったら。
何か変わるのかも・・・。
変だな、今まで生きてきてこんな不思議な気持ちに陥るとは。
解決策・・・・思いついた。
私は、にっこり微笑む。
「トウナちゃんたちと友達になりたいな」
これが私の「答え」。
対等になれると良いねっていうより、この瞬間だけの友達って言葉は寂しくもある言葉だね……
土方さんは、ソウマとのボケとツッコミで仲良くなったりするのかな?
土方さんの照れ…!
可愛い(*^▽^*)
夏音ちゃん!
63:まつり@ゆず◆Go 更新出来てなくてゴメン!ハンネとトリップ変えました!:2018/05/09(水) 17:53 44.それならば
友達、か……。
嬉しくて泣けてきちゃうよ。
「ありがとう。本当に嬉しいよ。当然、わたしもミオウOK!」
でも、問題はここから……。
「ここでのことは……はっきりと覚えていれないかもね」
そう。ここで起こったことについては、人によって記憶のされ方が違う。
だから、はっきりと覚えていられないかもしれなくて……。
「それでも、良ければ」
わたしがポロッと溢すと、それはあっさりと解決された。
「あぁ、それなら、記憶をなくさなければ良いな」
ソウマの一言で。
「そんなこと…出来るの?」
ミオウの質問にも、あっさり
「できるぜ」
とのこと。
なぁんだ、良かった……。
「じゃあ、これからもよろしくね!夏音ちゃん」
わたしが笑って言うと、
「あ、できるのはミクさんだぜ?」
ソウマが余計な一言を発した。
でも、それさえも笑いに変わる。
良い空間だな~って、改めて感じちゃったよ。
そのミクさんが出て来たら夏音&土方さんの思い出は,消えないで済むんだね。
でもいつ出て来るのかな?
45,お願いと土下座
ミクさん・・・?
すると、トウナちゃんがそろりとララさんを指さす。
ララさんの事なのか。
「土方さん、お願いしましょうよ!」
私が言うと、土方さんは冷めた目で私を見る。
明らかに怒ってるような・・・。
「頑張れ」
はっ??
なんで他人事みたいに・・・。
「俺ぁ興味ねぇ」
むっかぁ!
堪忍袋の緒が切れた!
私は、土方さんを引っ張って、ララさんの前に行く。
「お願いします!記憶を消さないでください!」
そして、2人して土下座する。
半ば無理矢理に土方さんを土下座させる。
どうか・・・記憶を消さないで・・・。
私は、ギュッと拳を握った。
46.まさかの土下座!?
わたしたち事務所員一同は、夏音ちゃんのまさかの行動に、唖然。
ちょっと……いや、かなり驚いた。
「え、えと…夏音、ちゃん?」
わたしが何を言おうか迷っていると、ララさんが上を向いて、ふっとため息をついた。
「あのね、二人とも。トウナたちと対等な友達になりたいのなら、その行為はやめなさい」
すると、おそるおそる顔を上げる夏音ちゃん。
「トウナたちと対等になりたいのなら…私たちにも、対等に接するべきじゃない?」
ララさん…?なんか、わたし達に対する態度と同じ気が……。
すると今度は、ミオウがポンと手を叩いた。
「なるほど。友達の友達は友達…みたいな論理じゃない?私たちとララさんは友達ではないかもしれないけれど、対等な仲間に変わりはない。私たちの仲間には、対等に接してもらわないと…ってことね」
二人の賢き頭脳について行けず、わたしは脳内をフル回転させる。
えっと、えっと……。
「対等になりたいのなら、頭を下げるなということさ。土下座なんて、そう簡単にするモンじゃないだろ?」
ソウマまでっ!わたしはこの際、細部は気にせず口を開いた。
「そうだよ!ララさんだって偉い人でもなんでもないし、鬼でも悪魔でもないんだから!残しておいてくれるよ!」
わたしがまくし立てると、ララさんは再びため息をつく。
「記憶は……二人が残しておきたいと思うのなら、残るわよ」
えっ……?これには、わたしも驚く。
そんな仕組みだったっけ?
「忘れたくないと思っていれば、基本的に記憶は消されないわ。私はあくまで、記憶を極力残す手伝いができるだけ。記憶が残るよう、フォローするまでよ」
は、はぁ……。
よく分からないけれど、夏音ちゃんの記憶は残るみたい!?
「やったぁ!」
わたしも一緒に喜ぶと、
「土方さんの土下座…なんかレアかも…」
とミオウの声が聞こえた…気がした。
確かに手懐けて土下座を,無理矢理させた感があるけど……
本当にレアな光景だよ!
記憶が消えなくて良かったね。
47,「ミオウ」
そっかぁ・・・。
対等な関係になりたいのなら・・・。
私が1人納得してると、土方さんに頭を叩かれた。
「単細胞だな」
むぅっ!
私は単細胞ですよ、すみませんね!
逆ギレして、土方さんに殴りかかろうとすると、ミオウさんの視線に気付いた。
あはは、私って子供だなぁ・・・・。
あわてて、殴りかかろうとする右手を押さえる。
「土方さん、いいこと思いつきました!」
単細胞な私が思いついたのはね・・・。
私は、ニコッと微笑んだ。
「ミオウさん、“ミオウ”って呼んでいい?私もだけど、土方さんも」
反論しようとする土方さんを笑って無視する。
土方さんを宥めるって言ったら可笑しいし変だけど、これって近藤さんと夏音しかいないって思うよ🎵
操るのはね
>>69
ありがとう♪
夏音の特権だね♪
ある意味最強だ!
あげときますっ!
48.「トウナ」
『ミオウ』と呼んでいいか……という夏音ちゃんと土方さん(半ば強制的だけど)の言葉に、ミオウは、少し頬を染めてうなずいた。
最初は、土方さんに対してキャーキャー騒いでいたミオウ。
でも今の態度を見て、改めて対等になれたんだと実感。
何より、今日、事務所の仕事ということで知り合ったばかりなのに、凄く親しくなれて嬉しい!
「じゃあ夏音ちゃん、わたしのことも『トウナ』って呼んでよ!」
わたしも便乗して提案すると、夏音ちゃんは笑ってうなずいてくれた。
「じゃあ、土方さん……は、さすがに呼び捨てできないな」
このノリで土方さんもっ!
……というのはやはり失礼だと思うので、そのまま土方さん呼びで。
なんてったって、教科書に載っちゃうほどの偉人だからね!!
「本当に、対等になれたんだ……」
ふとミオウのこぼした言葉に首を傾げると、
「なんでもない」
と静かに首を振られたので、スルーすることにした。
そしてわたしは、少しばかり緊張しながら、本当に言いたかったことを口にする。
「ねえ、夏音ちゃんのことも『夏音』って呼んでいいかな??」
土方さんを呼び捨てするのは、私でも出来ないよ‼
73:亜依@恋歌◆5w:2018/06/25(月) 17:02 49,帰り道
トウナちゃんの言葉に、私は即座にうなずいた。
呼び捨ての方が気兼ねしないし。
と…
「おい、バ夏音。買い物は?」
隣の鬼が、訊ねてきた。
そう言や忘れてた!
ああ、もう卵は売り切れてんだろうなぁ。
でも、楽しかったし!
「・・・と言うことで、トウナちゃん、ミオウさ・・・ミオウ、皆さんありがとうございました!」
私は、ペコッと礼をした。
皆の笑顔に見送られながら、私たちは事務所を出た。
爽やかな風が、フッと通り過ぎて行った。
50.夕暮れ―きっとまた、会えるよね―
「楽しかったね~」
夕暮れ。事務所からの帰り道。
今日は遠回りして、ミオウと一緒に帰ることにした。
「こんなに『遊んだ!』っていう実感を持つの、久しぶりかも。嬉しいなぁ」
わたしのしみじみとした言葉に、ミオウは黙って頷いた。
「…そう、だね」
思っていることは、きっと…。良くも悪くも同じ。
――また、会えるかな?
事務所へ続く道は、全国にある。
わたしはたまたま◯◯県から来ているというだけで、夏音ちゃんたちは全く別の所に住んでいる可能性の方が高いのだ。
それでも、わたしたちは友達になれた。
不思議な運命によって。
必然で偶然である出会いを。
これは、事務所での仕事をしていても良く感じること。
でも、今回は……より強く感じたの。
……タイムスリップした偉人と。
明るくしっかり者の女の子。
「きっとまた、会えるよね」
時*初×解フル☆ END