彼女→魔法少女【事情】

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1:フォー:2019/04/14(日) 18:02

初投稿

2:フォー:2019/04/14(日) 18:06

今の段階の設定...松本優理 ごくごく普通の高校一年生。優しい。水泳部所属。

松本彩子 優理の母。若いわけではないが年相応な化粧っ気のない美人。優しい。

3:フォー:2019/04/14(日) 18:17

本編

楽しいことは 忘れてしまうけれど
悲しいことは 覚えているのは
何故なんでしょう

記憶は厄介なもので 覚えたくないものに限って 脳みそに深く深くシワをつくるのです

私は そうやって みんなとおなじように時を過ごして
いきます


厄介な記憶さんは 本当に忘れたくないことは 覚えてくれます
楽しいのか 悲しいのか そんなことはお構いなしに




この3年間は 楽しいのか 悲しいのか
愛おしいのか 哀しいのか
快かったのか 不快だったのか

そんなことはわかりません

わからないけれど


私はこの3年間を 決して忘れたくない

美しくも哀しい

彼女たちのことを

4:フォー:2019/04/14(日) 18:51

朝 どうしようもないくらいの朝


優理は煩くなり続ける携帯のアラームを切りながら

「おはよう やかましいアラームちゃん」

携帯を睨みつける



「おはよう 優理。パン?ご飯?」

1つに結んだ長くとも短くともない美しい髪を揺らしながら母が尋ねる。

「え〜と、 まだいちちょこ残ってる?」

いちちょことは優理愛用のパンのお供。いちごとチョコのバランスの良さで人気。

「残ってるけどこれで最後かも。仕事帰りに買っとくね。」

「やった!最後だから存分に使える〜!」

洗面所からセットされた歯ブラシを慣れた手つきでとる

「それはいいとしてもう7時半だよ。8時までに間に合うの?前 生徒指導の先生に言われたんじゃなかったの?」

スマホをいじり 歯を磨きながら うーい と噛み合わない返事を返した
(学校と家同じ地域にあるから楽勝なんだよね〜)




松本一家は池袋の某マンションに住んでいる。
優理の学校も池袋の高校のため 徒歩でも20分で着くことができる。


いってきまーーーす


駐輪場に置いた愛用の自転車を漕ぐ。 まだ完全に醒めない脳みそにダイレクトに風が伝わる。平坦な道を進むには自転車が最適なのだ。

(あ、角に誰かいる。避けないと...)

もう角を曲がるというところで現れた影をすんでのところで避けた

つもりだった

5:フォー:2019/04/14(日) 19:32

ぬうっ



人間だとは思えない動きで影は優理の身体をのみこんだ。この時間帯にこの辺りを利用するのが優理だけだったことが災いしたのか、悲鳴もなくいなくなった優理に気付くものは誰もいない。






...!

一瞬意識を失っていた優理はハッキリとしない視界に目を凝らした。ここはどこだ。
だんだんと目が慣れてきたのか鮮明に流れてくる目の前の映像に、優理は唖然とした。

そこは優理が意識を失った場所だった。だが、根本的に雰囲気が違う。同じなのに同じじゃない。普段遠くから聞こえてくる車のおとや人の声。そういったものが聞こえない。空が、異常に青く 近く感じた。



#\^;^\*;+;+_<<<^\*&\@


なんとも形容しがたい叫び声 いや、呻き声が飛んでくる。きこえてくるというよりも、頭に直接響いてくるようだった。


「なに!?」


周りを見渡すと、ほんの30センチほどしかない、フランス人形が、いや、フランス人形 だった ものがパックリと割れた腹からヘドロを空に向かって噴射した。空が、黒に染まる。

6:フォー:2019/04/14(日) 19:53

黒に染まりきった空から雨が降ってくる。


....?


(いや、雨じゃない、あれは!!!!)


おぞましい量の フランス人形 がこちらに向かって落ちてきた。

(戻ろう、家に、戻って、そしたら、なんとかなる、お母さんが)

逃げた。

(何かの夢、いや、そうじゃないと、おかしいでしょ、こんな、)

逃げた。

(昨日の夜遅くまで起きてたから、そうだ、いえにもどって、ねて、そしたら、変わ、、あ、家、戻ってきた、これで、もう、)

逃げ


「いたッ!!」


家が見えた安心感から、足がもつれて転んでしまった。

(やばい)

不気味なフランス人形が優理を囲む。フランス人形の雨はもう止んでいたが、そんなことはどうでもよかった。
ケタケタと笑い、腰が抜けて立てなくなった優理に近づき、割れた目からドリルを抜き出した。それに続き周りもおもいおもいの武器を取り出す。

「....ァ」

助けて、という声も出てこない

ドリルが 優理の眼球に 入...

7:フォー:2019/04/14(日) 20:18

バン!!!


眩い光と共に轟音が轟く。

光が解けたときにはフランス人形は居なくなっていた




「優理!? 段差で怪我したみたいだけど?ついさっき自転車で出て行ったと思ったんだけど、おかしいわね...」

優しい母の声がする。反射的に顔がほころぶ。

「え、いや、ちょっとね...。 ん?ついさっき?」

「うん。ついさっき。出たのが40分で、今は、えと、43分だよ。」

(嘘だ、体感的には30分くらいは逃げ回っていたはずで)

実際、直接家に走れば3分もかからないのだが、混乱して逃げ回った結果、30分とは言わずとも15分は奴らから逃げた筈だ。

(階段で転んだ?やっぱり、夢だったのかなあ? なんか、理由説明するのもめんどくさいし、心配かけられないし、言わないでおこう)
「いや、ちょっとこけちゃって、へへ。けが、大したことないから。絆創膏持ってるから、大丈夫だよ!じゃあね!」

母の返事を待たずして、駐輪場に置いてある自転車を...

ない。ない、ないないない!!

優理は角まで走った。

そこには、愛用しているチャリボーイ(アダ名)が横たわっていた。

つい先程の出来事が頭をめぐる。そこにあった自転車が、先程の出来事を現実だと訴えていた。

8:フォー:2019/04/14(日) 20:55

ふと角を混ざった先に目を向けた。
(あれ、あんな子、いたっけ。)

そこには、長い茶色の髪を揺らす、脚の長い、背筋の伸びた少女が、優理の高校、葎花高校の制服を着ながら優雅に歩いていた。

(こんなのんびりした時間に、ここを歩いてるなんて、珍しい... 何年生だろう。昨日の入学式にいたっけ?...歩いてたら遅刻するんじゃない?知らないのかな。)

知らない人に突然話しかけることは優理にとっては特に恥ずかしいことだとは思っていない。

「あのーー!この時間なら、あのもう45分くらいだと思うんですけどぉー!歩きじゃ間に合いませんよー!駅そっちじゃないしー!!!」

その声に、振り向いた。

まさに見返り美人。端正な顔立ちに圧倒された。

そのため、彼女の表情が一瞬曇ったことに気づかなかった。

「...あら、ごめんなさい。1日遅れの入学なもので...。私、この辺の地理に詳しくないの。教えて頂けると助かります。」

「あ、いいです!いいですよ。全然。この角じゃなくて、あっちの角を曲がって〜」




「...成る程。ありがとう。助かりました。ご丁寧にどうも...。 まつもとゆうりさん、って言うんですね」

突然名前を言い当てられて戸惑った。

「え、なんで名前を!!!!」

そうすると彼女はクスクスとキツネのように笑いながらカバンのストラップを指差した。まつもとゆうりと書かれたプレートを持つたぬきのキーホルダーがぶら下がっていた。

「私ばかり名前を知ってしまうのは悪いですね。私は大地優奈(だいちゆうな)。よろしくね。」






そんなやりとりがあったあと、もう優理は例の出来事の事はどうでもよくなっていた。
そう、どうでもよく。
不気味なほどに


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