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+登場人物紹介+
【美夜月 由 Miyatuki Yori】
小学6年生。*YRTK相談室のリーダー。あだ名はみよ。(美夜月の『み』と、由の『よ』)
ポニテで元気いっぱい。正直で、口が軽いが、信頼される。少し天然。思ったことは口に出す。
【赤屋 欟 akaya tuki】
小学6年生。由の親友。あだ名はつっきー。
真面目で優等生タイプ。実際おおざっぱ。
【中條 香苗 nakazyou kanae】
小学6年生。学校を転々としている。あだ名はかえちゃん。
クールに見えるが、元気いっぱいですごく天然。
【暁 凉 akatuki Ryou】
小学6年生。由と同じクラス。
イケメンで、すごく優しい。成績も優秀で、スポーツも出来るが、口が軽く、すぐに軽い嘘をつく。
☆YRTK相談室とは☆
由&欟メンバーで回答している相談室。
相談内容は何でもOK。
‼乱入禁止です‼呟きスレにどうぞ!
結構重い質問なんですがいいでしょうか?(身内の不幸についてです)
4:若桜☆郁里◆ME 猫田のことが気になって仕方ないが気になって仕方ない:2019/09/21(土) 15:30 ごめんなさい!小説なんです!
良ければこちら(https://ha10.net/test/read.cgi/talk/1567251894/l50)に来てください!
相談乗りますので!
プロローグ
⎯⎯⎯ みんなの相談とかさ、乗ってみたいよね!
放課後、私の友達、赤屋欟が言った言葉を思い出した。
欟は人が良すぎるんだよ。真面目だし、成績優秀の優等生だし。
だからって、私まで巻き込まないで欲しい。私は人のことなんて、考えてる暇ないから。
そう思ったから、もう思い出さないようにしていた。
結局返事もしていないし、欟に変に思われただけかもしれないけど。
その時、お母さんが帰ってきた。予定より1時間遅れていた。
「ただいま〜!」
「お帰り、遅い」
「由ちゃんごめんねー」
私の両親は、ほのぼの夫婦だ。でも、私は逆だからいつも二人に振り回されている。
ルールとかも緩くて、私は大体時間を過ぎて帰ってくる。
それでも怒らないんだよね。むしろ怖いくらい。
「あのね、由ちゃん。転校することになったんだよ」
「え……」
転校なんて初めてだ。新しい学校でやっていく自信はいつでもあったが、欟と離れるのはやっぱり寂しい。
でも、仕事の関係だろう。先月、お父さんが転勤すると言っていたのを思い出した。
私とお母さんを連れていくとは言わずに。
仕方ないし、いいかな。
「大丈夫、だよね」
「うん!全然!」
「良かった〜!青森だから、お母さん楽しみだな〜」
青森なんだ。ここは東京。だから、この賑やかさともお別れかな。
でも、私なら行ける。そう心に誓った。
若桜っち、新小説頑張って!
楽しみ〜(^^)
フォローしとくね!
ありがと!
⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯
「新しいクラスメートでーす‼」
「わぁ!」
「どんな子かな…」
クラスメートでーす‼って先生が言っただけ。なのに、教室中に明るい雰囲気が渡って行く。
転校生を迎える側っていいな。私は歓迎される側、なんだ。すごく新鮮。
私は、そう思いつつも、古びた扉を開けた。
校長先生によると、結構古く、40年近くリフォーム(?)していないという。
そして、入り口から教室を見渡した。
狭くて、クーラーもあまり効いていない。生徒数も少なかったが、古いのは、扉だけに見えた。
「ほら、簡単に自己紹介して」
先生にそう促され、私は教卓の上に立ち、深呼吸した。
初めての転校。そう上手くいくかは、誰にも分からない状態。
すごく、緊張する。
「美夜月 由です。みよって呼ばれてました!よろしくお願いします!」
「元気な自己紹介ありがとう、美夜月さん。窓辺にある席ね。見えにくかったら先生に言ってね」
窓辺の席。私が一番好きな席だ。景色くらい、見とかないと。
私は、一番後ろの席に座った。一人席だった。
「それじゃあ、三時間目の授業始めるわよ。美夜月さんは、算数の教科書一緒かしら?」
そっか。今はお昼前なんだね。余計に落ち着いてきた。このほんわか雰囲気も好き。算数は嫌いだけど。
でも、隣の人いないし、違ったらどうしたらいいのかな。
「これです!」
とりあえず、算数の教科書の表紙を見せる。
地域や学校ごとに違うみたい。転校なんて初めてだから、どうなのか本当のところはよく分からない。
「…同じね。なら、120ページからだから」
同じ、なんだ。今の時期に新しい教科書ってわくわくするけど、同じ方がテストもやりやすい。
それに、前の学校では130ページまで進んでいたはず。
全然余裕。
これからの、学校生活。どうなるんだろう。
「ねえねえ美夜月さん!算数難しくなかったの?」
算数の授業が終わり、5分休憩に入った。
次は、国語ということを予定表で確認して、教科書を取り出すところだった。
「前の学校ではね、ここまで進んでたんだよ!早いってよく言われてさ〜!成績までいいって言われたんだよね〜」
そう言ってしまいかけの算数の教科書を引っ張り出し、130ページを指差す。
確かに120ページは苦戦したけど、テストのためにしっかり復習してたから、バッチリになった。
「…は、早いね」
私は、想像と違うその子の反応に、少し驚いた。
苦笑いしていて、黒板の方に走っていった。友達がいるようだ。
「……なんかしたっけ……私……」
もし、この出来事が原因で省かれるようなことになったら、転校失敗だ。
誰か、友達作らないと、守ってくれない。
私は、そう決めていた。なのに、何で作ろうとしなかったのだろう。
結局、その日に友達が出来ることはなかった。
いつもなら、進学そうそう友達作りなのに。
ただ、一言もあれから話してない訳じゃない。
隣の子や、同じ班の子には友達になりたいって伝えた。
でも、まるで無視されたかのようだった。
この事を考えると、友達になりたいと伝えた時の返事がよみがえってしまった。
⎯⎯ 授業始まるから。
誰にだってそう言われた。もしかして、と思い、声に出す。
「もしかして、難しくなかったのか聞いてきた子、クラスのリーダー的な存在……?」
本当にそうだったら私、これから学校行けなくなっちゃう。
その時、プルル……と、スマホが鳴った。誰かが電話を掛けたようだ。
名前は『つきつき』と、表示されている。
「もしもし……?」
『……あ、みよ!元気にしてる?』
「つ、欟……元気だよ……!」
すごく、懐かしく感じる、欟の声。
離れて1日も経ってないのに。
『……元気に聞こえないけどな〜!何かあった?』
さすが、欟だ。勘が鋭い。
「…今まで通りでいるのに……友達出来なくって」
私が泣きそうになりながら必死で説明するも、内容はグダグダになっている。
それでも、欟はずっとうん、と言って聞いてくれた。
『やっぱり、相談乗ろうよ。みよなら悩んでいる人の気持ち、分かるでしょ』
「悩んでいる人の、気持ち……?」
『うん、きっとみよと同じ人、たくさんいるよ!掲示板に相談専用メアド乗せとく』
……そっか、自分に分かるんだもん、私なら助けが欲しい。
私には欟がいるけど、本当にいない子だっている。
「……相談、乗りたい‼」
ここまでプロローグ(のつもり)です
本編に入っていきます
「ねえ。最近みよ帰るの早いよね」
「ほんと。無視されてキレてたり?」
「ま、美姫(みき)に自慢したもんねー」
帰りの会も終わり、ランドセルを背負った時、そう聞こえた。
どうやら、クラスの女子の一部が固まって話しているようだ。
……私を嘲笑っている。
後に分かったことだが、私が自慢…と、思っていなかったが、それを(>>8参照)言ってしまった子こそが、クラスのリーダー。
朝木 美姫(あさき みき)だ。
あっという間に噂が広がり、無視される日々。
でも、私は気にしないのだ。
だって、私には味方がいる。欟はもちろんだけど、涼(りょう)君。
学校で一二を争うほどのモテ男子。優しくて、私の前の席。
無視されたときに涼君がいたら必ず注意してくれる。
無視するのは女子だから、聞いてくれる。
私は、涼君に恋的な好きって言う感じじゃないけど、感謝してる。
そして、私は嘲笑う声を無視して、教室を飛び出した。
早く帰って、やらないといけないことがある。
「ただいまー‼」
「お帰り」
私は家に駆け込むなり、ランドセルを放り出してスマホを見る。
その時、欟からメールが来た。
『新しい相談きたよ』
そう、私達はあれから、たくさんの人の相談に乗るべく、メールで相談を引き受けている。
その名も、『YRTK相談室』だ。
英語は、由のY、R、欟のT、kを繋げた。
今まで、相談を受けたことがなく、毎日相談が来るのかわくわくしていた。
私は『見に行く』とだけ返信して、相談室のメールをチェックした。
こんなメールが届いていた。
『私は、友達にひどいことを言っていたようです。その日から、省かれて…
仲直りしたいのですけど、なんて言えばいいでしょうか』
え、これって私じゃん……
そう思った。これを聞きたいのは、私なのに。
上手く答えられるかな…
「欟に聞いてみようか…」
そう呟いて、欟に連絡しておいた。
『私にはわからない』と。
そこで、私ははっと気がついた。
二人でやろうと決めた相談。
その話題を持ち寄ったのは欟だけど、やるって言ったのは、私だ、って。
…欟だけに、任せる訳にはいかない。
上手く、返事が出来ないかもしれないけど。
もしかしたら、返事が思い付かないかもしれないけど。
一人でやらせちゃ、意味がない。
そう思って、私が欟とのメールを見たとき、欟からこう返事が来ていた。
『私が友情とか、人との関係担当。みよが恋愛担当とかどう?』
…そう来たか。もちろん、関係とかより恋愛の方が好きだから、反対ではない、けど…
………私……恋愛未経験なんですけど。
欟は絶賛片想い中なのに対し、私は恋という感情すら全く分からない。
そんなの無理なのに、私は何故か、指が勝手に動き、文字を打っていた。
『賛成!』
と………。