初恋相手は、海の国の王女だった

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1:  結月帆乃  ◆YE:2019/12/06(金) 19:46








_この海の底の国、『青い海の国』。
ある日その国のお城の王女様が、国を抜け出して人間の暮らす地へ足を踏み込んでしまいました。
そこでは、人間たちが仲良く暮らす『碧島』(あおいしま)でした。
ここで王女は、1人の運命の人間の男の子と出会う____

8:  結月帆乃  ◆YE:2019/12/08(日) 20:52

俺がアクアという名前を聞いた瞬間、不確かだが何かの記憶のカケラが頭の中をよぎった___






『海斗くん、この海で出会うことができる王女様って知ってる?』




『なにそれ?』



『その王女様って、海の底から来たんだって。王女様の名前は_____ 』








アクア「…どうかなさいましたか?」
海斗「あ、なんでもないよ。これからよろしくなアクア」
アクア「…はい」
俺はなにを思い出したのだろう。
その『王女様の名前は___』の先が、思い出すことができないのだ。
ずっとモヤモヤしている俺の様子をちらりと真横で見ているアクア。
そういえば、この子をどうすればいいのだろう。
アクア「そういえば、あなたのお名前をお聞きしていませんでした」
海斗「俺は、飛鳥海斗だよ」
アクア「あすかかいと…」
ふと何かを考える仕草をするアクア。
もしかして、アクアもさっきの記憶を__?
アクア「お名前が長いので、海斗くんとお呼びしても大丈夫でしょうか?」
海斗「いいよ。あと、アクアはいくつなの?」
アクア「王国でお勉強したことなので確かではないかもしれませんが、
    人間界のお年でいうと14歳でということになります」
じゅ、14歳!?この顔、この身長が!?
と、思わず口からこぼれそうになったが、ギリギリで堪えた。
まあ、人間界と歳が少し違うのなら、なんとなくはわかるが。
海斗「お、同い年!」
アクア「本当ですか!?良かった…でも、これから…どうしましょう」
海斗「そうだな…」
そう言って考え始めた途端、アクアが隣で「ふぁぁぁ…」とあくびをした。
こんな早朝だから、眠いよな。
海斗「眠いのか?」
アクア「はい…海を泳いできたものですので、すこし疲れてしまって…」
海斗「…ちょっと休憩しようか」
アクア「…よろしいのですか?」
なんだ、普通の子なら休憩しようと言ったらすぐするのに、「よろしいのですか?」と言うなんて、思っていた返事と違った。
海斗「もちろん。ほら、あそこにベンチがある」
アクア「本当だ!ありがとうございます!」



海斗「アクアは、なんで王国を飛び出してきたんだ?」
アクア「…私は、王国の王女なので、将来国を治める女王とならなければならないとお母様たちから昔から叩き込まれてきました。
    ですが、私が国を治める女王なんて…無理に決まってるんです。
    そのことをお父様とお母様に言ったら、『嫌でもならなくてはならないのです!』と言われました。
    もう、私…大人になるのが怖くて…_」
アクアの金色の瞳から涙がポロポロこぼれ出る。
俺は焦ったが、たまたまポケットに入っていたハンカチを出してアクアの涙を拭いた。
海斗「…そうか。大変だったな」
アクア「うぅぅぅぅぅっ…」
アクアは一向に泣き止まない。
むしろ感情が高ぶって大きな声で泣きわめくばかりだ。
海斗「ほら、泣かないで。…そうだ!俺が、楽しくなる魔法を教えようか」
俺が小さい頃に泣いているとかけられていた『魔法』。
アクア「ま、魔法!?」
アクアの目は涙と光でキラキラと光っている。
海斗「せーーーのっ、ぎゅーっ」
アクア「!?」
アクアは動揺した様子だった。
俺は、アクアを強く抱きしめた。これがいわゆる『魔法』だ。
アクア「あ、こういう子供っぽいことなんですね」
はっ。
俺はつい、3歳児に対しての態度で接してしまったが、この子は14歳。
海斗「あ…ごめん…」
俺が少し照れると、
アクア「ふふふふ、海斗くんってそういうこと、する性格なんですね」
アクアが悪戯っぽく笑う。
そんなところにもあざとさが感じられる。
するとアクアは俺に飛びついてきて、俺より強く抱きしめる。
海斗「!?くっ、苦しいって」
アクア「私のこと、慰めてくださってありがとうございます」
俺の耳元に囁くと、俺の頬にそっとキスをして俺の体から降りた。
海斗「あっ、アクア!…恥ずかしいからやめろって…」
アクア「ふふふ!海斗くん!私と一緒に暮らしましょう!」
海斗「…へ?」


    

9:結月帆乃◆YE:2019/12/09(月) 18:28

アクア「海斗くんといると楽しいんです。王国では楽しいことなんてほとんどなかったけど、
    すごく楽しいし、面白いんです!私、海斗くんと出会えてよかった!」
海斗「アクア…」
アクアは俺の顔をつぶらな瞳でじっと見つめている。
どこか子供っぽくて、可愛らしい。
海斗「い、一緒に住むといっても…どこに?」
アクア「そう聞くと思っていました。私も魔法が使えるんです。それ!」
アクアは白くて細い手を2、3回ほど回した。
アクアの手から水色の星がキラキラと溢れ出てきた。
そしてあっという間に、小さな家が完成した。
屋根は水色の瓦でできていて、ドアは真っ青のドアだった。
俺は気づいたら口をあぼんと開けていた。
海斗「アクア、魔法使えるのか!」
アクア「はい!私の家系は代々魔法を使える能力を持っているので…」
海斗「すごいよアクア!」
俺は感動してアクアの方をブンブン揺らしてしまった。
アクア「そ、そんなにすごいことですか…?王国では家一軒を立てることなんてちっぽけなことなのですが…
    嬉しいです!ありがとうございます!」


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