こんにちは。前回のいじめ~女子の修羅場~が終わったので、新しく作りました。今回は虐めの加害者目線で書いていこうと思います。
ちなみに今までで書き上げた作品は
・オタク女が恋を知るまで…
・いじめ~学校という空間~
・いじめ~女子の修羅場~
です。是非見て欲しいです。
登場人物紹介
里中茉莉(さとなかまり)
クラスのボス的な存在。気が強い。
佐崎梨奈(さざきりな)
気が弱く、控えめ。目立つのが好きじゃない。
高梨桜(たかなしさくら)
茉莉の手下のような存在。クラス1の秀才
橘澄恋(たちばなすみれ)
茉莉の手下のような存在。男子と女子の間で態度が変わる
私は里中茉莉。中学三年生だ。
私はクラスの皆を使って遊んでいる。毎日同じことの繰り返しの学校生活、つまらない授業……誰かと遊ばないと退屈で仕方がない。
今私が遊んでやってるのは、地味で目立たない佐崎梨奈だ。こいつは友達が少なくて隙間がたくさんあるから、遊びやすい。そしてこいつと遊ぶのに都合がいいのが、高梨桜と橘澄恋だ。この二人は私が美人で気が強いからって私についてきている。私が美人で気が強いから二人は逆らえない。
全く、どいつもこいつも私に遊ばれるのが怖いからって逆らえない弱いやつばかりでつまらない。だがしかし、気が弱いクラスメイト達は私の退屈な心を満たすのには最適だった。
まぁ私は悪くない。だって気が弱いクラスメイト達のメンタルを鍛えてあげてるんだから。感謝してほしいね。クラスメイトのメンタルを鍛えられて、私の心も満たされて、まさに一石二鳥だ。
さて、今日は何をして梨奈と遊ぼうか……
わぁ!この小説もめっちゃ面白そう!
今回も応援してます✨
>>4
ありがとう!
さてと、今日は梨奈の上履きに画鋲を入れて遊んでみるか。
私は桜と澄恋と一緒に学校に早く来て、家にある大量の画鋲を持ってきた。桜達にも持ってこさせた。そして私達は梨奈の上履きに入れられるだけ画鋲を入れた。
待っている間、退屈だったので教室に行って梨奈の机に落書きをしてやった。「ブス」「ぼっち野郎」など。あいつの気が弱いからいけないんだよね。私はメンタルを鍛えてあげてるだけ。
「ねぇ茉莉、梨奈の足に画鋲が刺さったらどうするの?」
「は?あいつがよく見てないから悪いんじゃん。私は一切責任を取らない」
「だよね、言うと思った!」
「茉莉は本当に、遊びを考えるのが上手いね!」
当然。だって私は今までもこうやってクラスメイトで遊んできたんだから。まぁ、桜も持ち前の頭脳で面白い遊びを提案してくれるが。でも桜には一切感謝していない。だって二人が私を楽しませるのは当たり前なのだから。
そう言う他愛のない会話で梨奈が来るのを待った。
しばらくして、梨奈が学校に来た。
クスッ、何あの不格好な姿。よくあんな外見で学校来れるね。私が梨奈みたいな外見だったら絶対不登校になってるわ。
梨奈が自分の上履きに手を出した。私は画鋲に刺さるか刺さらないか、とてもワクワクしながら遠くで見ていた。
「っ、、痛い、、」
どうやら、手に画鋲が刺さったようだ。
……なんだよ、足に刺されば良かったのに。それでブスな顔がもっとブスになればよかったのに。
私達はすぐに梨奈の所へ行った。
「ぷっ、、あははははは!画鋲にも気づかないなんてだっさーい!自分で画鋲片付けといてねー」
そう言って私達は梨奈の返事を聞かずに教室へ向かった。梨奈が自分の机を見たときの顔を写真に納める為だ。人ががっかりしている顔を見るのはなんとも清々しい。
梨奈は、自分の机を見て泣きそうな顔になっていた。しかし、決して本当に泣くことはなかった。
またしても失敗。そのまま泣けばよかったのに。……まぁいいや、人の不幸の顔はどんな顔でも心地よい。
私はこっそりと、梨奈の顔を写真撮った。
梨奈、がっかりしないで……私は今とっても幸せなんだから。あんたのその顔を見る度に、私の退屈な心は満たされていくんだよ……だからずっとその顔をしてくれ。
それにしても、他のクラスメイトも梨奈を助けない弱いやつばかり。私に遊ばれたくないからって皆梨奈を助けない。
「ねぇ梨奈、どう?画鋲で痛い思いをしてからの落書きって」
「え……うん……その……」
全く、梨奈は話すのが遅くてイライラする。私はお仕置き代わりに、梨奈のペンケースを踏んづけてあげた。
「ちゃんと話そうねー。あと、誤解しないでね、私は梨奈がちゃんと話せないから説教してあげてるだけ。虐めてるわけではないから」
友達のいなくて気の弱い梨奈の相手をしてメンタルを鍛えてあげてる私……優しすぎる
https://i.imgur.com/0RMNX9n.png
茉莉です。
https://i.imgur.com/RPHEXqL.png
梨奈です
https://i.imgur.com/QPpXbJn.png
桜てす
こんにちわ!
ももです!
今回も頑張ってください!
とっても楽しみにしています!
入力ミス
てす→です
https://i.imgur.com/fjQeum2.png
澄恋です
>>9-10-14
あの………キャラメーカーで作ったやつですかね?
よければメーカー名を教えていただけると嬉しいです
>>15
ピツメーカーというアプリで作りました
>>12
ありがとうございます
さてと、次は何をして梨奈と遊ぼうか……
ぼんやりとそんなことを考えていると、後ろから桜が私をつついてきた。
「ねぇ茉莉、次の遊びを考えたんだけどさ、こんな遊びはどう?梨奈が彼氏出来るまで手当たり次第男子に告白させるゲーム」
ああ、なるほど。梨奈に彼氏が出来るまで告白させるゲームか。ふふ、悪くない。
「うん、いいと思う」
「よかったぁ、結構自信あったんだよね!」
自信あった?いやいや、私を楽しませるのはあんたの役目でしょ?桜がアイデアを考えるのは当たり前なんだよ。何自分のお手柄みたいな態度取っているの?本当にイライラする。
イライラが修まり、私は遊びの内容を梨奈に教えるために梨奈を探し回った。
私は図書室で梨奈を見つけた。私は梨奈の肩をがしっと掴んだ。
「ねぇ、梨奈!新しい遊び考えたよ!」
梨奈は一瞬戸惑った顔をした。だがしかし、私にとってこいつの気持ちなんて知ったことないので、私は言葉を続けた。
「あんたに彼氏が出来るまで手当たり次第告白させるゲーム。誰に告白するのかとか告白の時の台詞は私が考えるから。どう、楽しそうでしょう?」
「あ、いや……その…………」
「はい、すぐ答えられなかったから決まりね!……そんな嫌そうな顔しないでよ。地味でブスでなんの取り柄もないあんたでも、好きになってくれる人は必ずいるって!」
と、私は口では言っているが内心、梨奈なんかに彼氏なんて出来る訳ないと確信していた。皆こんなブスで地味な女より、美人な私を選ぶに決まっている。梨奈のことが好きな人がいるとしても、かなりの物好きかイケメンに引き立て役に使われるなど、その程度だと思った。
すっごく面白い✨
梨奈がどう行動していくのかが、凄い気になる……!
続き気になります!
楽しみにしています!
放課後、早速私達は梨奈にで一番カッコいい常磐に告白させた。校舎裏で告白するよう言っておいたので、私達は校舎裏で梨奈を待った。
しばらくして、梨奈と常磐の姿が見えた。私は笑いをこらえるのに精一杯だった。桜と澄恋も私ほどではないけれど笑っていた。
私はボイスレコーダーとカメラを用意する。
「私より、可愛い女の子は世界中どこを探してもいないよ?だから、私と付き合ったら損するよ?」
ああ、簡単。全てが私の思い通りに行く。
「ごめん、タイプじゃないから」
私達は梨奈のところに行って大爆笑した。
「ぷっ……………うっわー!自分のこと可愛いと思ってるの?そんな顔で?あー、おっかしー」
梨奈は何も言わずにその場を去っていった。
「桜、澄恋、明日あんたたち二人で梨奈が常磐に告白していたことを広めてよ!振られたことも、ね」
「うん、わかった!」
この二人も随分と都合がいいな。
読んでいて気になったことがあったのですが…。
「私より、可愛い女の子は世界中どこを探してもいないよ?だから、私と付き合ったら損するよ?」
これは、「私より可愛い女の子は居ないよ、付き合ったら損するよ」という意味になっていて、少し矛盾(?)して居ます。これはわざとなら申し訳ないのですが、そこを明白にしたいので答えて頂ければ幸いです。
新しい作品も、頑張って下さいね!応援しています。(乱入&長文失礼しました)
>>23
すみません、そこは間違いでした。次からは間違えないように気をつけますね!
正しくは、「私より、可愛い女の子は世界中どこを探してもいないよ?だから、私と付き合わないと損するよ?」です
26:みぃ◆VZbV1gU:2020/06/14(日) 10:15 翌日、あの梨奈がまさかのリップクリームを持ってきていた。しかも結構可愛いデザインのものだ。
は?こんなブスがリップクリームを塗っても何も変わらないでしょ?何こいつ、可愛くなりたいとでも思ってるの?……黙ってみていられないね。
「何あんたブスの癖に可愛いデザインのリップクリーム持ってきているの?ブスの癖に夢見てんじゃねぇよ」
私は梨奈のリップクリームを取った。
「あの…………これ…………自分のお小遣いで買ったんですけど………………」
梨奈の事情なんて、私が知る訳ない。それに、私みたいな美人が使ったほうが、リップクリームも嬉しいはず。こんなブスに使われたらリップクリームが可哀想だ。
「あのねぇ、こういう可愛いリップクリームは、可愛い子が使うものなの!一回自分の顔を鏡で見てきな」
可愛いリップ……これを梨奈が使うのは勿体なさすぎる。どうせなら唇が乾いてバリバリに皮が剥がれてもっとブスになればいい。
私は可愛いリップを手に入れられてとてもいい気分だった。だがしかし、私のお気に入りのシャーペンが壊れていた。今日は少し家を出るのが遅かったので、走っていた時の振動で壊れたのだろうか……
「先生ー、佐崎さんにシャーペン壊されましたー」
その瞬間、直ぐに先生はしかめた顔をした。
「佐崎さん、何回里中さんの物を壊しているのですか?気をつけて下さい」
「え……あ……はい………」
そう、私は何か物が壊れていたりなくなっていたら梨奈のせいにしている。そしてその度に担任に嘘の告げ口をしている。何回も梨奈が壊したことにすれば梨奈の成績が落ちると思ったから。
それにしても担任も馬鹿だな。何回も梨奈にやられたと告げ口しているのに怪しまれないなんて。私が担任の立場だったら、絶対に疑うわ。まぁ、担任といつも話している私と、担任と全く接点のない梨奈だから、担任も私の方を信じてるんだろうけど。
本当に人間って弱くて馬鹿な生き物なんだな。
梨奈可哀想………どうなるんだろ?
てか、茉莉ムカつく!
私はブスの癖に調子に乗った梨奈に腹が立ったので、梨奈に命令をしようと思った。ブスは前に出てはいけないという教訓をしてあげるのだ。
「ねぇ梨奈、私前からハンドクリームが欲しかったんだよね。だからあんた薬局屋で盗んできてよ。それで明日私に渡してよ」
「え………あの…………それは………」
梨奈の返事が遅かったので、私は梨奈の返事を聞かずに言葉を発した。
「は?ブスの癖に前に出ようとしたあんたが悪いんでしょう?言っとくけど放課後あんたがちゃんと万引きしているか見るつもりだから。絶対逃げられないよ」
「………はい」
やっぱりこいつは都合がいい。なんも反抗できない弱いやつ。心までブスなんだな。
まぁいいや。放課後梨奈が万引きをしているところを遠慮なく堪能するか。
放課後、私は梨奈の後をつけてきた。約束通り、梨奈は薬局にいた。私も薬局の中に入る。
ハンドクリームの場所を見つけ、私は遠くで梨奈の様子を見た。梨奈は不安そうな顔で辺りを見回した。
……おお、このまま盗むのかな……
私はスマホのビデオをつけた。盗んだ瞬間を録り、あとでクラスラインに載せるつもりだ。
そしてしばらくすると……梨奈はフルーツの匂いのするピンク色のハンドクリームを鞄の中にしまった。そして私は同時にスマホのビデオの録画を止めた。
フルーツの匂いか……中々良い物を盗ったじゃないか。でも私の心を満たすのがブスな梨奈の役目なんだから当たり前か。
よし、じゃあ家に帰ってゆっくりとクラスラインに写真を載せるか。私は鼻歌を歌い、スキップをしながら家に帰った。
「見てみてー!さっき薬局に行ってたんだけど、梨奈が万引きしているところを見ちゃったー!」
私はさっき撮ったビデオを送信した。すると、直ぐに既読がついた。
「うわぁ、梨奈最低!」
そう真っ先に返信してきたのは澄恋だった。続いて桜も頷いた顔をしているスタンプを送信してきた。
まぁ、あんたたちがすぐに返信するのは当たり前なんだけどね。桜と澄恋は私がラインをしたら10分以内に返さないといけないというルールがある。
こっちがあっちにいい思いさせてあげてるんだから、桜たちからも何かしてもらわないと困るからね。なんならもっと私の雑用を引き受けて貰いたいが、心の広い私は我慢してあげている。
そして何人も既読がついた。しかし、返信してきたのは桜と澄恋だけだった。
まぁいいや。皆梨奈が万引きをしたということはわかったようだから。
あぁ、明日梨奈は皆になんて言われるのだろう
すごい……好きです…。
33:アル ◆6.:2020/06/16(火) 17:16 凄い展開!めっちゃ好き!
これからも頑張れ、みぃちゃん😉
わぁ!
続き気になる〜!
これからも頑張って!!
朝、私が学校に行くと誰かの叫び声が聞こえた。
「あんた何昨日薬局で万引きしていたの?この間も常磐に告白していてさー、最近ブスの癖に調子のってない?キモいんだよ!」
そう言って澄恋が梨奈を叩いた。すると他のクラスメイト達がクスクスと笑い声を立て始めた。
「ぷっ……あんたその顔で常磐に告白したの?身の程を知ればぁ?」
誰かがそう言い始めてから、次々と皆は梨奈のことを馬鹿にしていった。そんな中私は私の机に座り、梨奈の机にあったハンドクリームをこっそりと取った。そして私は机に顔をうつ伏せて笑った。
こんなにクラスメイトが薄情だとは思ってもなかった。誰かが梨奈の肩を持ち、思い通りに行かないこともあるのではないかと予想していた。
だって、「身の程を知れ」って、要するに梨奈が常磐みたいなカッコいい男子と付き合ってはいけないと言う事でしょ?
自分が遊ばれたくないからって誰も梨奈を助けない挙げ句梨奈の悪口を言うなんて……人間の愚かさを改めて知った。
ますます面白そうな展開になってくる予感がした。
本当に人間って、怖いなぁ。
37:みぃ◆VZbV1gU:2020/06/19(金) 14:49 それから梨奈は、「ブスの癖に常磐に告白した生意気な女」というレッテルを貼られ、更にクラスで孤立するようになった。
可哀想に、誰にも相手にされなくて……可哀想だから私が相手をしてあげようか。
「桜、澄恋、梨奈とトイレで遊ぼうと思ってるからさ、逃げられないように3人で梨奈を連れて行こうよ」
「うん、わかった!じゃあ梨奈を呼びに行こう」
そうして私達はただ一人で座っている梨奈に声をかけた。
「ねぇ梨奈、トイレで一緒に遊ぼうよ。ほら、早く来て!」
私達は梨奈の返事を聞かずに梨奈の腕を引っ張った。私は梨奈の腕が千切れそうなくらい強く引っ張った。強く引っ張ったほうが梨奈の体も丈夫になりそうで、梨奈のためになりそうだからだ。
そうして私達はトイレにつき、梨奈を思いっきり床に突き落とした。
ああ、突き落とした時の梨奈の醜い表情ときたら……
私は一歩後ろに下がった。そして桜が声をあげた。
「あんたさー、最近調子のってない?……こういう生意気なブスには、ちょーっとお仕置きしないとねー」
そうして桜と澄恋は掃除用具で梨奈を叩いたり、トイレの水をバケツですくって梨奈にかけたりした。
……本当に都合がいいなぁ。まぁ、私みたいな可愛い女の子は体を汚したくないんでね。こういう体が汚れるような遊びは大して可愛くないこいつらにやらせるのが一番だね。
いつの間にか梨奈の体はあざだらけになっていた。桜達が何度も叩いたからだろう。
「仕上げにトイレの水に顔をつけてお辞儀して。『私みたいなブスが調子にのってすみませんでした』って敬意をこめて」
そうして桜と澄恋は二人がかりで梨奈を押さえつけ、無理矢理梨奈の顔をトイレの便器に突っ込ませた。
「………あの、なんで私を虐めるんですか?私、茉莉さんに何かしましたか?」
珍しく梨奈は淡々と話した。その言葉で私は堪忍袋の緒が切れた。
何?「虐めるんですか?」って。遊んであげているのに。
「……は?あんたがブスで気が弱いからに決まってんだろ?ていうか何勘違いしてんの?私は虐めているんじゃなくめあんたの心を鍛えているだけ。っていうかブスの癖に気安く下の名前で呼ばないでくれる?あと、わざわざ梨奈の相手をしてやったんだから、あんたがトイレを片付けておいてよね」
そうして私達はトイレを出ていった。
私は梨奈が戻ってきたことを確認したら、椅子から立ち上がった。そして私は口を開いた。
「皆さーん!梨奈のあだ名を考えたので聞いてくださーい!梨奈はブスで何の取り柄もない、心までブスな子なので『ブス子』というあだ名を作りましたー!なので『佐崎梨奈』という女の子はいなくなり、代わりに『佐崎ブス子』という女の子がやってきましたー!」
辺りを見回すと、少し戸惑っているような人や、私に目をつけられたくないから一緒になって遊んでいる人、近くの人と何か話している人など、様々な人がいた。
まぁいいや。私は言葉を続ける。
「なので、今日からこの子を『ブス子』と呼ばなかった人がいたら、次の日からその呼ばなかった人と遊ぼうと思いまーす!」
私はかなり大きな声で、満面の笑顔で言い切った。弱いクラスメイト達は、私に遊ばれるのが嫌なのか、全員揃って首を縦に振った。
私は梨奈の方を振り返り、梨奈にしか聞こえないぐらいの大きさの声で話した。
「よかったね、あだ名をつけられて。これで少しは友達できるかもね」
と、口ではそう言った。だがしかし、こんなブスで地味で話すのが遅くて頭もそこまでよくない梨奈が、友達なんて出来るわけないと思っている。
人間こわwwww
41:みぃ◆VZbV1gU:2020/06/23(火) 17:51 それから、クラスの皆は梨奈に何か用があるときは梨奈のことを「ブス子」と呼ぶようになった。しかし、元々皆あまり梨奈と話さないので、あまり皆が「ブス子」と読んでいる姿は見かけなかった。
だがしかし、私と桜と澄恋は色々な理由をつけて「ブス子」と呼ぶ機会を作っていった。
……あ、梨奈が扉のところにいる。これは「ブス子」と呼ぶチャンスだ。
私達は扉へ向かった。そして私はわざと梨奈を思い切り蹴った。
「おい、そこ邪魔なんだよ!早くどけよ、ブス子!」
梨奈は何も言わずに悲しそうな顔で扉から離れて言った。
まぁ、扉の向こうに行く気は一切ないんだけどね。ただ単に「ブス子」と言いたかっただけ。「ブス子」という言葉をたくさん使って、梨奈なんて絶望のどん底に落ちてしまえばいい。そして自分に自身をなくしてもっとブスになればいい。
「誰か、この宿題のチェックを昼休みまでにしてくれませんか?」
先生が、今日提出の宿題を誰が出したか確認しろと言った。私はすかさず手を上げる。
「先生!私やります!」
「里中さん、いつもありがとうございます。いつも里中さんに任せてしまって」
「いえいえ、お役に立てて嬉しいです!」
先生は申し訳なさそうな笑顔で教室を出てった。
……ばーか。本当にお前のことを手伝う訳ないだろ、この馬鹿教師が。
私は梨奈の方をくるりと回り、プリントとくらすの名簿を梨奈の机にドサっと置いた。
「昼休みまでにやっといてね」
「は……………はい……………」
先生から信頼されたほうが色々と有利だろうが、こういうのをやるのは面倒くさいからやりたくないんでね。こういう地味な仕事は梨奈みたいなクラスの脇役にやらせればいいんだよ。
どっちにしろ私が先生に渡すから得するのは私だしね……
梨奈は一人で黙々とプリントのチェックをしていた。
「ねぇブス子ー、はかどってるー?」
「え、あ、はい…………」
話している暇があるならとっとと手を動かせよ。早くしないと昼休み過ぎちゃうでしょ?
手を止めて口を開いてる梨奈に対して怒りの気持ちが沸いてきた。なので私はそのお仕置きに梨奈の机をひっくり返し、プリントをあちこちに散らばらせた。
「あっ、ごっめーん!手が滑っちゃったー」
すると近くにいた桜と澄恋も一緒になって笑った。
「クスッ、ブス子大丈夫ー?」
「プッ、茉莉怖ーい」
それに続くように、私は口を開いた。
「まぁ、ブス子が手を動かしてないのが悪いんだよ!早くプリント拾っておいてね。じゃないと昼休み過ぎちゃうから」
ふー、すっきりした。やっぱりこいつと遊んでいると心が満たされるなー。
「さ、里中さん……………終わりましたよ」
「は?遅かったじゃん。どうやったらこんなに遅くなるの?馬鹿じゃない?」
私は梨奈の髪をぐいっと引っ張った。梨奈は少し痛そうな顔をしたが、私は全く気にしない。
「まぁいいや。今度からはちゃんと早く終わらせてよね」
私はプリントを職員室へ届けるために、プリントを持って職員室へ向かった。
「先生!終わりましたよ」
私はにこやかな表情で先生に渡した。すると、先生がぱっと顔を明るくした。
「いつもありがとうございます。里中さんにばかりやらせて申し訳ないです」
「いえいえ!また困っていたら言ってください。失礼しました」
そうして私は教室へ向かった。
……ばーか。誰が本当にこんな馬鹿教師を助けると思ってるんだよ。いっつも私にやることが沢山あるからって雑用を押し付けやがってよ。自分のことは自分でやれよ、糞教師が。
「ねぇブス子、今日は私の仕事を手伝ってくれてありがとー」
私は教室へ戻り、にっこりと梨奈に話しかけた。梨奈は思わずびっくりとする。
「でね、そのお礼にさ、またあんたに告白させようと思ってるんだよねー。次に告白させようと思うのは既に彼女のいる、3組の佐藤にしようと思ってるんだー」
「あの……その………」
相変わらず梨奈は応えるのが遅い。なので私はまた梨奈の返事を聞かずに口を開く。
「はい、また応えられなかったから決まり!場所は、放課後の教室で。放課後に3階の多目的室で待っていてね。台詞の紙はまたあとで渡すからー!」
そう言って私は桜と澄恋の所へ行った。告白の時の台詞はいつも大体桜と澄恋に書かせている。桜の文章力と、澄恋の妄想力なら、きっと痛い告白の内容が生まれると思うからだ。
「桜、澄恋ー、また告白の台詞書いて。相手は既に彼女のいる佐藤で、告白の場所は放課後の多目的室だから。それに添った痛々しい告白の内容を書いて」
「うん、分かった!楽しみにしててね」
「じゃあブス子、頑張って。彼氏できるといいねー」
私は桜と澄恋に書かせた台詞を梨奈に渡した。
私はわざと嫌味らしい笑みを浮かべ、ヘラヘラと笑いながら紙を渡した。
しばらく私達は教卓にしゃがんで梨奈の様子を伺っていた。すると、佐藤が多目的室へやってきた。私はラインの録音ボタンを押した。
「あのさ、佐藤って彼女いるんだよね?なんであんなブスで何の取り柄もない子を選んだの?私のほうが可愛くて賢くて性格もいいんだよ?だからあんな彼女とは別れて、私と付き合おうよ」
桜と澄恋は、二人に気づかれないようにスマホで写真を撮った。
なんて素晴らしい光景なのだろう。
しばらくして佐藤が口を開いた。
「なんで俺の彼女をそんなに悪く言うの?お前は俺の彼女のことが嫌いなのかもしれない。でも俺にとってあんないい彼女は他にいないんだ。頼むから俺の彼女の悪口を俺の前で言わないでくれ。………あのさ、何の取り柄もないのは、お前のほうじゃないの?」
佐藤がいなくなり、私は録音ボタンを離した。そして私達は梨奈の所に行った。
「クスッ、また彼氏できなかったねー!」
「え、あ……………はい」
「大丈夫!次はもっとレベルの低い人を選んであげるからー!次こそ出来るといいね!」
私達は梨奈の肩を嫌味ったらしくポンポンと叩いた。
「皆ー、おっはよー!!」
「お、おはよう……」
皆の弱々しい挨拶が返ってきた。
「皆さーん、昨日のボイスメッセージは見ましたかー?昨日ブス子はー、既に彼女のいる佐藤に告白しましたー!」
すると、クラスからクスクスと笑い声が聞こえてきた。
「うわっ、そんな顔して彼女持ちの男に手を出すとか」
「どんだけ自分のこと勘違いしてんだよ」
あー、いい光景。弱いクラスメイトを見ているのはやはり飽きないなぁ。皆が梨奈を笑う度に人間の愚かさを感じる。
私は梨奈の机に近づき、梨奈の匂い付きの消しゴムを盗った。
「なーにブスの癖に調子こいてんの?ブース」
私は消しゴムを地面に落とし、踏みつけた。すると梨奈がばっと立ち上がった。
「や、やめてください……!この消しゴムは気に入っていて、そうやって踏んづけられると匂いが消えてしまいます……!」
梨奈がこんなに自分の言いたい事を言うところなんて初めて見た。
……ああ、いい気味。梨奈が本当に嫌がっていることをして梨奈のメンタルを鍛えてあげている私……なんて優しいのだろう。
もう匂いが消えたかな?と思い、私は消しゴムの匂いを嗅ぐ。
よっしゃ!匂いが消えてる。私の勝ちだ!
「ざんねーん!消しゴムの匂いは消えましたー」
「…………!?」
その瞬間、梨奈が涙を流した。梨奈の涙を見たのは初めてだ。
「あんた何泣いてんのー?ブスがもっとブスになってて笑えるー!」
私はお酒を飲んだおじさんぐらいのテンションで、大笑いをした。
たかが消しゴムでしょ?しかも匂いは消えたけど使えるし。バカバカしい。
「っ……………!」
梨奈は無言でどこかへ行った。
「あーあ、消しゴムごときで何泣いてんだか。アホらしい。メンタル弱すぎ」
私はため息を吐きながら梨奈が教室を出ていった方向を眺めていた。
その後、梨奈はどこかへ行ったきり帰ってこなかった。
アホらしい。たかが消しゴムでどこかに出ていきやがってよ……なんなの?アイツ。
私はイライラし、爪を強く噛む。親指の爪を凄い強く噛んだので、凄い痛いが気にしない。今は爪ではなく梨奈のことのほうが大事だ。
その時、誰かがポンポンと肩を叩いてきた。
「里中さん……隣のクラスのブス子と小学生が同じだった人が言ってたんだけど……」
クラスの女子が話しかけてきた。
「ブス子は、昔からお爺ちゃん子だったみたいなの。ブス子のお爺さんが消しゴムはんこを作る人でね、ブス子にも消しゴムはんこを結構プレゼントしていてさ、中でも気に入っていたのがさっき里中さんが踏んづけていた匂い付きの消しゴムはんこなんだって。そこにはお爺さんがブス子に書いたメッセージもあって……でもその消しゴムはんこをブス子にあげてすぐにお爺さんは死んじゃったみたいでさ……だからブス子はお爺さんの形見として大事に持っていたんだって」
なるほど、どうりでもう一つ消しゴムを持ってたわけだ。
「だから結構今回のは酷いんじゃない?」と、女子は付け加えた。
ハッ、それがなんだっていうんだよ。アイツの事情なんて私は知らないし。ていうかよく梨奈を「ブス子」って呼んでるお前が言えるな。
お前も同罪だろ?
私は女子の髪をぐいっと引っ張った。
「は?お前も見ていたんだから同罪だろ?ていうか『ブス子』って呼んでるあんたがよく言えるね」
「きゃあっ!」
そして私は女子をドンと付き倒した。そして私は女子の胸ぐらを掴んだ。
「今度私に逆らったら……次はお前を虐めるからな?この弱物が!」
「は、はい……」
そうして女子はびっくりした顔で走って逃げていった。
全く、弱い奴が。ちょっと髪を引っ張って脅した程度で逃げやがって……どいつもこいつも弱すぎる。ちっとも相手にならない。
まぁいいや。弱い奴らは皆私の下僕。一番強くて美人な私が一番上の立場にいるのは当たり前。この世は弱肉強食なんでしょ?
弱いクラスメイトはすぐに勝てるが、私の心を満たすのにはとても丁度いい道具だ。
全てが私を中心にして回っている……ああ、なんて素敵な世界なのだろう
私は帰りに梨奈の家に行った。梨奈を明日学校に行かせるためだ。このまま梨奈が不登校なんかになったら、次のターゲットを選ぶのに一苦労だ。散々皆で遊んだので、次のターゲットはいないに等しい。
えっと……梨奈の家はこのアパートの203号室だよね。
私は「佐崎」と書いてある表札の隣にあるインターホンをならした。しばらくして梨奈が出てきた。
「さ、里中……さん……」
梨奈は私の顔を見て少しびっくりとした。
「ほら、学校来なかったんだから一緒に太陽の光浴びよう!」
私は梨奈を外に出させてから、梨奈を階段から転げ落とさせた。
「う………………痛………………」
梨奈は地面に横たわった。私は階段を降り、梨奈のことをお構いなしに言葉を発した。
「あのさ、なんで今日消しゴムごときで休んだわけ?退屈だったんだけど」
「あのさぁ、あんたの家知ってるから。だから明日来なかったら無理矢理迎えに行くよ?だから明日は絶対来いよ?」
「は、はい……」
私は梨奈のお腹を強く蹴った。
「ったく……ほんとこのブス使えないわな」
さてと、言いたい事も言ったし、梨奈のことを蹴ってストレスも解消出来たから帰りますか!
ストレスが無くなり、るんるんとした気分で帰っていると、桜からラインが来た。
「ねぇ、明日の遊びを澄恋とラインで話してたんだけどさ、ブス子の顔を油性ペンで落書きするのはどう?私達じゃなくて、クラスの女子皆で!」
なるほど、キモい顔をもっとキモくするのか……中々いいではないか。その顔で誰かに告白させたら、更に面白くなりそうだよね。
私は桜に返信した。
「中々いいアイデアだね!その落書きさせた顔で誰かに告白させるのはどう?」
「わかった!じゃあ澄恋と告白の台詞とかを考えておくね!」
「桜、澄恋、おっはよー」
「おはよー」
「考えたんだけどさ、朝とか休み時間にブス子の顔に落書きしたら、授業の時に先生に落書きがバレちゃうからさ、帰りの会が終わってから女子を集めてブス子の顔に落書きしない?」
梨奈の顔の落書きが先生に見つかってもし梨奈が先生にチクるとかになったら、溜まったもんじゃないからね。
まぁそれでも私は美人で性格もいいからあの馬鹿教師は私のことを信じると思うけどね。でも桜とか澄恋とか特別可愛くない奴が可哀想だからわざわざ放課後にしてやってるけど。
「じゃあ落書きしたあと告白させるんだね?」
昨日言っただろ?ばーか。こいつらは私の遊びの内容を覚えることすら出来ないのかよ。
「うん、そうだよー」
「わかったー!じゃあ放課後楽しみにしているね」
「ねぇ梨奈、授業中にあんたにラインを送るから、着信音とか振動をつけたまま授業を受けて」
放課後まで待つのは退屈なので、私は梨奈に授業妨害をするように命令した。
つまらない授業……たまには授業妨害があってもいいのではないか。じゃないと退屈過ぎる。しかし、私が授業妨害をするとなると内申点に響くかも知れないので、梨奈に授業妨害を命令した。
「は、はい……………」
キーンコーンカーンコーン。国語の授業が始まった。私は早速梨奈にラインを送る。
ピコーん、ピコーん、ブーッ、ブーッ。「ブス」「しね」などと言った2文字で終わる言葉を連続で送っているので、かなり着信音や振動がなっている。
「誰ですか?携帯をマナーモードにしていないのは!」
「すみません、私止めたんですけど……佐崎さんがどうしてもマナーモードにしたくないとおっしゃったので……」
「佐崎さん、今すぐマナーモードに切り替えて下さい!」
クスッ、無駄無駄。だって梨奈には、何があっても着信音と振動を切るなと言ったのだから。
「嫌です、授業が眠くて仕方ないので眠気覚ましに使っているだけです」
すると、国語の先生は顔を真っ赤にして梨奈を怒鳴った。
「……まぁ!なんなんですか?その態度は!私の授業が嫌いなのかも知れない……ですが携帯の着信音を鳴らすのは立派な授業妨害です!」
あーあ、私の嘘にまんまと引っ掛かって。国語の先生も全く手応えがないわ、本当に。退屈過ぎる。
昼休み
私達は校庭で弁当を食べていると、校庭の隅で一人で弁当を食べている梨奈を見つけた。私達は梨奈の所に向かった。
「ブス子ー、そのお弁当不味そー!私が美味しそうにしてあげるー」
そうして私は梨奈の弁当を箸でぐちゃぐちゃにした。その横で桜と澄恋が笑っていた。
「ブス子ー、自分のお弁当がぐちゃぐちゃにされてるのに嫌といえないなんてダッサーい!」
「やっぱりダサい奴は心もダサいんだね!」
桜と澄恋が私の隣で好き勝手言ってる所で、私は「もういいかな?」と思ったので手を止めた。
「はい、終わったよー。ブスで汚いあんたの弁当をわざわざ綺麗にしてあげたんだから、感謝してよね!」
「あはは、茉莉やっさしー!」
そうして私達は笑いながらさっき食べていた場所へ戻っていった。
ようやく帰りの会が終わり、放課後になった。先生がいなくなったのを見ると、私は大声で叫んだ。
「女子の皆さーん!これからブス子の顔にマジックペンでブス子のキモい顔をメイクして可愛くしようと思いまーす!黒板の前に来てくださーい」
私と桜と澄恋は、梨奈の背中をぐいぐいと押して黒板の前で付き倒した。それに続いて、他の女子達も皆マジックペンを持って黒板の前にやってくる。
「制限時間は5分まで!それまで皆好きなようにメイクしてね」
私の合図で、皆は落書きを始めた。顔だけだと満員なので、私と桜と澄恋は首や腕などにも落書きをした。
「ブス」「キモい」などの悪口はもちろん、瞼を黒く塗りつぶしてアイシャドウのようにしたり、唇を黒く塗りつぶして口紅を塗ったような感じにしたりなど、本物のメイクみたいな落書きもあった。
楽しい時間はあっという間で、5分経ってしまった。
「あー、楽しかった。ノーメイクの時よりずっと可愛くなってんじゃん。まぁ告白頑張ってね」
「いや茉莉ー、どこが可愛いの?ブスがもっとブスになってるー」
澄恋が梨奈を指差して笑う。
「はっ、まぁブス子なんてメイクしててもしなくてもどっちにしろブスでしょ!」
「あっはははははははは!!!」
女子全員で梨奈を笑った。
流石にヤバイ気が………
でも面白い!更新楽しみにしてます!
今日の告白の相手は学校1のブサイク、高橋だ。学年で一番のイケメンの常磐……既に彼女のいる佐藤……流石に難易度が高すぎだろうと思ったので、うんと難易度を下げてあげた。
「はいこれ、パパっと覚えて。今回の場所は屋上だから」
私は桜と澄恋に書いてもらった台詞の紙を梨奈に渡した。
この落書きされた顔で告白とか……絶対成功しないことが目に見える。
私達は梨奈を屋上に連れて行った。そして私達は端っこでスタンバイをする。しばらくして梨奈は口を開いた。
「あんたみたいな世界一の不細工には、私みたいな世界一の美人がお似合いだよ?そうすれば、私の可愛さが引き立つもん!」
梨奈が告白している最中、私達は顔を見合わせて笑っていた。
やばい、やばすぎる……。これは傑作だ。
あまりにも夢中になってしまって、私達はカメラで写真を撮るのをうっかりと忘れてしまった。
「興味ないから」
高橋は怒ったような表情で消えていった。
「うっわぁ、あんな不細工にも振られるなんて、だっさーい!」
「あー、おっかしー」
私達は大笑いをした。
「まぁいいや。可哀想だから一緒に帰ってあげる!」
そうして私達は梨奈に自分達の通学バッグを投げて渡した。梨奈は通学バッグも満足に受け取れなく、私達の通学バッグを床に落としたのだ。
その様子に私は苛立ち、梨奈の髪を引っ張った。
「は?振られた惨めなあんたと帰らせてあげてるって言うのに……何通学バッグもろくに取れないんだよ?早く拾えよ!」
そして梨奈は私達の通学バッグを拾い、それが重いのか凄いふらふらしている。
クスッ、いい気味だ。
「茉莉、やっさしー。こんなブスと一緒に帰ってあげてるなんてー」
「しかも荷物を持たせてブス子の握力を鍛えさせてあげてる」
「やっさしー!」
あーあ、こいつらも馬鹿だなぁ。私はこいつらの事を友達と思ったことは一度もないのに、こいつらは私のことを友達だと思ってる……こいつらも随分と傑作だ。
「ブス子ー、大丈夫ー?次はもっと難易度下げてあげるからねー」
「ほらほら、そんなに落ち込まないで」
私達は嫌味ったらしく梨奈をヘラヘラと笑いながら慰めてあげた。落書きされてもっとブスになった顔で落ち込み、私達の荷物を持ってる梨奈の顔が絶景すぎる。
しばらくすると、梨奈の家が見えた。
そうだった、私達四人だと梨奈が一番家が近くて私が一番遠いんだった……
私は梨奈の腕をぐいっと引っ張る。
「ブス子の家が見えたけど、まだ帰らせないからね!振られた惨めでブスなあんたを慰めてあげてるんだから、荷物ぐらい最後まで持ってよね!」
「は…………………はい…………………」
「あっはは!茉莉さっすがー」
わざわざこんなブスに付き合ってあげているんだから、このぐらいしてくれないと困る。そして桜と澄恋も、私のおかげで苛められなくて済んでいるのだから、私の言う事を聞いてくれないと困る。
ブスな梨奈や特別可愛くない桜と澄恋が美人な私の言う事を聞くのは当たり前。
しばらくして、桜と澄恋のマンションに着いた。二人は同じマンションに住んでいるのだ。
「じゃあ茉莉、あとはこのブスを宜しくねー!それじゃー」
「うん、バーバーイ」
くそっ、なんで引き立て役が二人もいなくなるんだよ!このブスがいるだけでも私の美しさは引き立つと思うが、特別可愛くないあいつらもいた方が、よっぽど引き立ってるに決まってる。
私は気持ちを切り替えて、人目のつかない道に入ると梨奈と背中をドカッと蹴った。そして梨奈がその場に倒れた。
はぁ、すぐに倒れるんからつまらないのなんのって。
「あっはっは!こんだけで倒れるとか弱ーい。私の家につくまでみっちり鍛えさせてあげる!」
そうして私は通学バッグを持ってる梨奈のことを叩いたり髪を引っ張ったりした。
楽しい時間はあっという間で、私の家が見えた。
「じゃっ、明日も遊んであげるから!じゃーねー」
「はい……………」
梨奈は弱々しく返事をした。
朝、梨奈がガラガラと教室のドアを開けて入ってきた。私は梨奈の方に行く。
「おっはよー!ブス子」
そう言って私は梨奈のお腹をグーでパンチした。そうたら梨奈は痛そうにお腹をさすった。
あーあ、すっかり弱っちゃって。いい光景だ。
私はトドメを刺すように、梨奈の腕を雑巾絞りにした。
あー、楽しー。人が苦しむ姿は実に美しい。
「あっはっは!随分と弱っちゃって笑えるー。まぁ、今日も面白い遊びを考えて来たから、今日もよろしくねー」
そうして私は自分の机に戻り、今日の遊びのメニューを一人で考えた。
はぁ、暴力とか悪口とか……ありきたりなものばっかでそろそろ飽きてきたわな。もっと梨奈を絶望の底に落とすような……自殺を考えるぐらいの遊びじゃないと私の心が満たされないわ。
そういうことを私は机にうつ伏せてぼーっと考えていた。
私は桜と澄恋の所に行った。
「あのさ、最近暴力とか悪口とか、ありきたりな遊びばかりでネタがなくなってきたんだよねー。何かアイデアとかある?」
すると、二人はしばらく首を傾げてからひらめいた様な顔をした。そして澄恋が口を開く。
「そうだ!ブス子の歌を作るのはどう?ブス子の欠点を並べた歌を作るの!」
なるほど。確かにそれは精神的に傷つくかもしれない。だって、自分が気にしているであろう欠点を歌にされてからかわれたら、誰だって嫌でしょ?
「私は賛成だよ。茉莉はどうするの?」
「私も賛成!」
「よかったー!結構自信あったんだよねー」
ばーか。お前が面白い遊びを考えるのは当たり前なんだよ。私のおかげで苛められなくて済んでるんだからさ。何回心の中でそう思わないといけないんだよ。
「じゃあ歌の内容は二人でまた考えておいてね。それじゃーまたあとで」
「うん、楽しみにしててね!」
「茉莉、出来上がったよー!」
しばらくして、桜と澄恋がやってきた。
「どれどれ?ちょっと歌ってみて」
「さーざき じーみこ ブースこ キーモイ……っていう短い歌なんだけどさ、どう?」
おお、結構梨奈に似合っている歌じゃないか。梨奈の名前と梨奈の悪口を並べた歌……まさに完璧だ。
私は思わず恐ろしい笑顔を顔に浮かべてしまう。
「いいね!大賛成。じゃあさ、桜と澄恋でこの歌を広めておいてよ。そして梨奈がうちらの近くに来る度にこの歌を歌おうよ!」
まぁ、所詮こいつらは私達の手下でしたないけれど。
「うん、わかった!じゃあ広めてくるね」
「うん、ありがとー」
そして桜と澄恋は私の元を去っていった。
「ありがとう」だなんて口だけで、本当は思ってもないんだけどね。
私は梨奈に近づき、背中をバシッと叩いた。
「何…………です……………か?」
「あんたに対しての歌を作ったのー。ぜひ聴いてねー。それでは行きまーす」
私はクラスの皆にも聞こえるように、わざと大きな声を出した。
「さーざき じーみこ ブースこ キーモイ」
すると、梨奈は暗い顔をして俯いた。しかし、私は構わず言葉を続ける。
「これから、あんたが教室に入ってきたりしたら毎回歌うつもりだから。よろしくー…………もちろん皆も歌ってよね?」
私はわざとらしく辺りを見回した。
まぁ、皆も歌うに決まってるけど。自分が苛められなければいいという愚か者ばかりなのだから。
ほら、予想通り……クラスメイトは多少戸惑いながらも教室にいるクラスメイトは皆こくりと頷いた。
教室にいないクラスメイトはまだ知らないけどまぁいいや。あとは桜と澄恋にひろめてもらおう。
私はポケットに忍ばせておいた鋏を取り出す。そして私はわざと怖い表情をした。
「その長くて緑色の髪がうざったいんだよ」
そうして私は梨奈の髪を耳辺りまで切り落とす。梨奈の髪の毛が床にパラパラと落ちていく。クラスメイトはこっちを見ていたが、何も言ってこない。
「里………中……………さん?!」
私はにこやかな笑顔を作る。
「いやぁ、そのうざったい髪を切ればブス子でもちょっとは可愛くなれると思ってさ。……ほーら、古風な感じの髪型でいいじゃん。感謝してほしいね」
本当は梨奈が可愛くなれるだなんて思ってないけど。本当はブスをもっとブスにしたかっただけだ。
「おっと、もうちょっとでチャイムなるじゃん。自分の髪なんだから自分で拾っといてねー」
「は、はい………」
そうして私は笑いながら自分の席へ戻った。
私は休み時間、梨奈の机に行った。
「ねぇー、あんたの携帯貸してよー。新作コスメが通販限定なんだよねー」
コスメは欲しいが、自分のお金でネットショッピングをするのは面倒な上に送料が掛かる。なので私は梨奈のお金でネットショッピングをしようと思った。
私は梨奈の返事を待たずに、無理矢理梨奈の携帯を取った。
何回も梨奈の携帯でネットショッピングをしているので、もう梨奈が携帯はポケットに入れてるということは把握済みだ。
「おっ、結構お金残ってんじゃんー。あはは、たくさん買っちゃおーっと」
私は梨奈のお金で高級の口紅やチークなどを沢山買った。
「あ…………あの………私のお金なので……………あまり………使いすぎないように…………」
その瞬間、私は梨奈の机をドカンと蹴った。
「は?今は私が携帯を持ってるんだから、私の携帯でしょ?何しようが勝手じゃん」
そうして私は気にせずに買い物を続けた。
やっぱりインターネットには可愛いコスメがいっぱいだなぁ。見逃せる訳がない。
なので私は、梨奈のことを気にせずにコスメを買うのだ。沢山買っていると、すぐに0円になってしまった。私はすかさず梨奈の胸ぐらを掴む。
「お前なんでこんだけなんだよ!もっと持っていろよ、貧乏女」
これだけで足りるわけがない。美人な私は普段からしっかりと美容やメイクに励まなければいけないのだ。
地味でブスで外見に気を使わなくて済むこいつとは違って、ね。
「あ、その………ごめ………」
「謝って終わりになんてさせるかよ!謝って終わりになんてしたら私が楽しめるわけないじゃない。……だから今回は許してあげる。次ブス子の携帯を借りる時までに今日の倍は持ってきて。そしたら許してあげてもいいかも」
「は、はい」
本当は許す気なんてない。だって、それで本当に許したりなんかしたら、ゲームが終わってしまう。私の負けだ。
今までこいつは、私が何人人を不登校にさせたり、学年の人を転校させたと思っているのだろう?……私の力はそこでは終わらないからな……
梨菜が手を洗い終わって、教室に戻ってきた。私は先生がいないことを確認する。
よかった、歌を唄う絶好のチャンスだ……
私は大きな声で歌を歌い始めた。
「さーざき じーみこ ブースこ キーモイ」
それに続いて、クラスの皆も歌い始めた。
「さーざき じーみこ ブースこ キーモイ」
梨奈は下を向いて落ち込んだような顔をした。おかげでブスな梨奈の顔がもっとブスになっている。
「ちょっとブス子ー、何下向いてんの?ブスがもっとブスになってるよー。ブスなんだからさ、せめて笑顔でいたほうがいいよー」
そうして私は梨奈のほっぺを両サイドに思いっきり引っ張った。そのまま縦や下に動かしたりと、梨奈のほっぺで私は遊んだ。
あー、やっぱりブスは何やってもブスなんだな。
「あ、笑顔になってるのにもっとブスになってるー。やっぱりブスは何やってもブスなんだねー。さーざき じーみこ ブースこ キーモイ」
……おっと、先生が来てしまった。
なので私は梨奈にあっかんべーをしてから自分の席へ戻った。
「梨奈ー、一緒に食べよー」
私達は、梨奈の机に向かった。
「は、はい……」
断ることも出来ないとか……どれだけ弱いのだろう。やっぱりブスは心までブスなんだな。
私達は先生のいない校舎裏で食べようとした。校舎裏につくと、私はどすんとピロティに体育座りをして座った。
「ねぇブス子ー、売店のフレンチトーストが凄い美味しいって噂でさー、私の分買ってきてよ」
そして私は、梨奈に聞こえないよう、桜と澄恋に小さい声で言った。
「ほら、あんたたちも何が梨奈に注文して」
すると、二人が口を開いた。
「じゃあ緑茶買ってきてー」
「私カレーパンー」
「は、はい………」
そうして梨奈は財布を持って売店の方に言った。
はーぁ、相変わらず私の言うことを何でも聞く下僕のこいつらは扱いが楽だなー。
梨菜がいなくなってから、桜と澄恋はクスクスと笑い始めた。
「それにしてもブス子って都合がいいよねー。まぁ、過去に茉莉が苛めていた人達よりは耐えている方だと思うけど!」
……確かに、な。最初に苛めをしたのは小学一年生の頃だ。今まで通算三十人ほどの人を苛めてきた。梨奈以外の人達は、苛められてニ、三ヶ月ほどで転校したり不登校になっていった。梨奈を苛めてかれこれ半年ぐらいか……結構手応えあるじゃないか。
「嫌々、ブス子の都合がいいのもあるけど、茉莉が強いからだよ!」
クスッ、いい事言ってくれるではないか。そうだ、私は何十人もの人を絶望の底に落とさせた、凄い人なんだ。
まぁ、はっきり言って、こいつらも何言ってもいいと言ってくれるイエスマンなので、梨奈と同じくらい都合がいいとこっちは思ってるが。
「ねぇねぇ、茉莉っ遊び相手が全員不登校になったり転校したりしていなくなったらどうするのー?」
澄恋が話しかけてきた。その様子に私は余裕ぶった表情で応える。
「その時は、さ。先生を苛めればいいじゃん」
私は話し終わると、梨奈の姿が見えた。
「あの、これ………」
そうして梨奈は私達が頼んだ食べ物を持ってきた。
遅い。遅すぎる。三分以上経ってるじゃないか。走れば三分ぐらいで買えるでしょう?
「は?持ってくるの遅すぎ。何やってんの?このブス!」
「それは…………あの……………今日はすこし売店が混んでいまして……」
私は更にイライラした。思わず眉間にシワが寄る。
は?ブスの癖に何言い訳してんの?そんな言い訳私は知らねぇよ。美人な私はブスな梨奈の言い分なんて聞かなくてもいいでしょ?
私は梨奈の背中を思いっきり蹴った。そして梨奈が床に倒れる。
「は?そんな言い訳聞くかよ。罰としてブス子の弁当は今日はなしだからね!」
そして私は梨奈のおにぎりを取った。私はおにぎりをペロリと食べた。
「あははっ、茉莉強ーい」
「ブス子ー、あんたメンタル弱いねー、かっわいそ!」
桜と澄恋の言葉に、私も続いて言葉を発する。
「大体、あんたは顔が可愛くないんだからさ、スタイルぐらいはよくしようよ。感謝してほしいね」
まぁ、ブスでスタイルがいいだなんてもっと笑い者にされるだけだと思うけど。
昼休み、私は担任に呼び出しをされた。なので、私は今職員室にいる。
まーた担任の雑用に使われるのかな。可愛い私はこういった雑用に使われるから嫌だね。
しかし、担任が口にした言葉は思いもよらない言葉だった。
「里中さん、クラスの女の子から、貴方が苛めをしているという話を聞いたのですが……」
誰がチクったんだよ……。
私の心臓の鼓動がドクドクと早くなっていく。
「成績優秀で正義感のある里中さんが苛めをしているだなんて、先生も信じたくないのですが……」
そうだ、私は担任から信頼されているんだ。ここはうまいこと言えばきっと免れるぞ……。
私は目に涙を浮かべた。
「う、うぅ……グスッ。先生は、私のことをうたがぅんですかぁ……?ヒクッ、私は、そんなこと………全然してないのにぃ……」
「っ、ごめんなさい!そうですよね、里中さんがそんなことする訳ないですよね……。本当にごめんなさい!」
担任が深々と頭を下げ、私は職員室を出ていった。
ばーか。涙なんかに騙されちゃって。まぁ、こういうのは泣いたもんがちですから。あーあ、大の大人が中学生なんかに、騙されちゃって。かっわいそ!
昼休み、私は担任に呼び出しをされた。なので、私は今職員室にいる。
まーた担任の雑用に使われるのかな。可愛い私はこういった雑用に使われるから嫌だね。
しかし、担任が口にした言葉は思いもよらない言葉だった。
「里中さん、クラスの女の子から、貴方が苛めをしているという話を聞いたのですが……」
誰がチクったんだよ……。
私の心臓の鼓動がドクドクと早くなっていく。
「成績優秀で正義感のある里中さんが苛めをしているだなんて、先生も信じたくないのですが……」
そうだ、私は担任から信頼されているんだ。ここはうまいこと言えばきっと免れるぞ……。
私は目に涙を浮かべた。
「う、うぅ……グスッ。先生は、私のことをうたがぅんですかぁ……?ヒクッ、私は、そんなこと………全然してないのにぃ……」
「っ、ごめんなさい!そうですよね、里中さんがそんなことする訳ないですよね……。本当にごめんなさい!」
担任が深々と頭を下げて、私は職員室を出ていった。
ばーか。涙なんかに騙されちゃって。まぁ、こういうのは泣いたもんがちですから。あーあ、大の大人が中学生なんかに、騙されちゃって。かっわいそ!