混ざる或生命

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1:深河春淵◆wc:2020/02/04(火) 23:29

戻ってきました
先刻にも書いた通り
「アビス」と呼んでくれて
構わないですよ

閲覧は自己責任で
御願いしたいです

猫も食わない生魚の戯言は
聞き入れる心算は御座いません

101:深河春淵◆wc:2020/07/27(月) 00:34

母親が子守歌を唄う
中の胎児は首に
へその緒を巻いている

102:深河春淵◆wc:2020/07/31(金) 00:34

誰かが歿んだ
ニュウスを見てる時

嗚呼なんだ君かと
君が後に立っていた

103:深河春淵◆wc:2020/07/31(金) 00:35

何ぞを彫っている時
自分の一部を彫ったならば

自分もこの彫刻と同じ様に
美しくあれる気がする

104:深河春淵◆wc:2020/07/31(金) 00:36

同窓会
出でし者よ皆歿ねと

家の中にて
呪うばかり

105:深河春淵◆wc:2020/08/02(日) 19:10

夏は柳の下にて
人を驚かしてみたし

なれば幽霊を
師としてみるか

106:深河春淵◆wc:2020/08/02(日) 19:10

暗闇にて微笑む
寝る君の首を
撫で回して

107:深河春淵◆wc:2020/08/02(日) 19:25

女をぶつ切りにする
肉屋の吊るされた鶏の様に

生きたまま切る
麻酔なんて使わない

足首を抑えて振り下ろす
ダンッ ダンッ と二回

叫ぶ
切られる度に 血が出る度に

切り落とした足の肉に
靴を履かせて飾る
高いヒールが良く似合うね

太股辺りに包丁を当て
力を込めて切り落とす

完全に切り落とした脚に
鉄串を刺して焼く

焼けていく肉の匂いで
お腹が鳴った

次に耳を
小刀で切り落とす

切り落とした耳に話しかけて
冷蔵庫に保管している

今まで切り落とした女の
耳の瓶詰めに
ポチャン…と入れる

脚がちょうど良く焼けた
鉄串を持って
飢えた肉食獣の如く喰らう

女は虫の息で
自分の脚が
食われているのを見ている

咀嚼音を聴かせてやりたいな
でも君には耳が無いから
聴く事が出来ないね

二つの脚の串焼を
ペロリとたいらげて

ふと…デザアトが
食べたくなる

冷凍庫に
脳味噌と眼球を
入れていたのだった

誰のだったけ…
まぁ良いかそんな事

私は故意にしろ
そうで無いにしろ

踏み潰した
蟻の数なんて

覚えちゃいない
“人間„なのだから

108:深河春淵◆wc:2020/08/08(土) 01:06

(1)
毒虫でありたいのです
けばけばしい色合いの
派手な毒虫に

毒虫と云っても
種類と云う物があるから

蜂の様な飛ぶ毒虫か
毛虫の様な這う毒虫か

私は人でありながら
何故毒虫になりたいなぞと願うのか

それは法が
関係しているのです

人間は何かを傷付ければ
罪に問われ 裁かれるでしょう

けど虫ともなれば
たとい何かを傷付けても

罪に問われず
裁かれやしません

法は人を裁く物であって
虫なんぞを裁く
馬鹿な物じゃありませんから

109:深河春淵◆wc:2020/08/09(日) 01:48

(2)
私には
嫌いな者がいるのです

其の者は
容姿に関しては

別段特筆すべき
所は無いのですけど

性格がもう…
…何と云いましょうか

人間と呼ぶには
あまりにも形容し難くて
兎に角嫌なのです

そんな者にも
忌々しい存在があるようで

それが虫なのです
件の者は其れを見付けると

まるで親の仇かと云わんばかりに
靴で液がぶちゅぶちゅと
出るまで踏んづけ

原形が何ぞやと判らなくなるまで
地面に擦り付けるのです

なんと可哀想な虫なのでしょう!
彼の者の視界に入って仕舞った不運故
尊厳無き最期を迎えて仕舞うなんて!

だから私は毒虫となりたい
刺しに刺しまくり

全身と云う全身を
毒で侵しもがき苦しませて

脂汗を吹き出させて
息を絶えさせたいのです

110:深河春淵◆wc:2020/08/19(水) 22:01

君が僕を
裏切りさえしなければ
こう云う事にはならなかった

だから君は皆に泣かれて
花を手向けられるんだ

石の下の
君の肉体は

時間が経つにつれ
段々腐っていくのだろうね

其処に君の意思はあるのかな
あるのだとしたら
どんな気持ちだい?

111:深河春淵◆wc:2020/08/21(金) 20:57

あいつがやって来る
地より 来る

祈っても 無駄
逃げても 無駄

あいつは 神など
恐れはしないし

逃げても 何処までも
追いかけてくる

あいつに
目を付けられたら
終わりなんだ

あいつは
何をやっても 歿なない
刃でも 銃でも

あいつは
僕の目の前で 今
口を 開いている

112:深河春淵◆wc:2020/08/21(金) 21:03

ただ 歩く
ただ ただ 歩く

ただ ただ ただ 歩く
ただ ただ ただ ただ 歩く
ただ ただ ただ ただ ただ 歩く

ただ ただ ただ
ただ ただ ただ 歩く

ただ ただ ただ ただ
ただ ただ ただ 歩く

ただ ただ ただ ただ
ただ ただ ただ ただ 歩く

ただ ただ ただ
ただ ただ ただ
ただ ただ ただ 歩く

歩く 歩く 歩く
歩く 歩く 歩く
歩く 歩く 歩く ただ

歩く 歩く 歩く 歩く
歩く 歩く 歩く 歩く ただ

歩く 歩く 歩く 歩く
歩く 歩く 歩く ただ

歩く 歩く 歩く
歩く 歩く 歩く ただ

歩く 歩く 歩く 歩く 歩く ただ
歩く 歩く 歩く 歩く ただ
歩く 歩く 歩く ただ

歩く 歩く ただ
歩く ただ

113:深河春淵◆wc:2020/08/26(水) 21:11

ある城の姫の夢
遠き星は
青の歌にて眠る

幽霊鯨は人の住んでいた
瓦礫を背に負いて

汚染された空に
かつての清い希望を胸に抱き
吠え地に落ちる

幽霊鯨の歿骸に群がる者
人間と呼ばれていた者

彼等は鯨の背に
黄金があると信じていて

皮を剥ぎ 臓物を見
滴る血を舐めて

更に狂気となって
脳を掻きむしる

朝日が昇り 姫は目覚める
姫は骨である

114:深河春淵◆wc:2020/08/28(金) 23:47

求める物は何だったかしら
何も判らないわ

こんなにも自分は物に囲まれて
恵まれていると云うのに

人、人、人
人が 足りない

自分に集まったって
目的は金、金、金
私の物ばかり

私はそれが無ければ
誰も、何も、相手にされない

いっその事、燃やしてしまおうか?
金も、家も、この身体も

そうすれば何も欲しく無くなって
こんな煩わしい心も
消えてくれるかしらん

泣きはするでしょうね 偽りだけど
喜ぶでしょうね 金が舞うのだから

あげるわよ 貴方達に私の金を
争えば良いわ 倫理、道徳を捨てて

欲しいのなら 自分の児だって
*してしまえば良いじゃない

富にまみれたいのでしょう?
其の後に来る孤独に苛まれても

望んだのは

…貴方でしょう?

115:深河春淵◆wc:2020/08/31(月) 21:44

私の詩で
誰かが不幸に
なれば良い

慎ましき小さな幸せも
私の目に映せば

其は大きな幸せで
嗚呼なんと
妬ましき事でしょう

だから歌うのです
呪いましょう

新しく産まれ
祝福を受けし生命を

摘みましょう
萌芽の美しき草木を

嘆きを聞いて
私は喜び
悦に浸るのです

116:深河春淵◆wc:2020/08/31(月) 21:53

偽りの幸福でも
皆が求め喜ぶのなら
私は与えねばならぬのです

笑顔を見るのが好きなのです
素敵じゃないですか

何もかも忘れて
不幸の無い世界へ
入り浸る姿と云うのは

幻を見せてあげましょうね
貴方にとっては
幻では無いのでしょうけど

そのくすんだ希望の失った瞳に
光を宿らせてあげましょうね

楽しんでいらしてね
空を翔びたいと願うなら
此処なら叶いますからね

117:深河春淵◆wc:2020/09/02(水) 21:18

私は不幸なので御座います
私は物に見限られ
者にも見限られました

そんな私に者は
生きろ等と

其の内良い事があるなぞと
とても酷な事を云うのです

それはどれくらい
待てば良い物なのでしょう

一年?十年?否
私の髪が白となり
足腰立たぬ老人となるまで?

そんなのは嫌です
それならば今此処で

歿を選ぶ方が余程
幸で御座いましょうよ

そんな折りに現れた神様
貴方様の噂は
聞いております

何でも不幸に見舞われ
後先無くなり歿を望む人間を
自らが創りし世へ連れて行く…

其処は苦無き
極楽浄土だと

跪いて縋らせて下さい
貴方様の世界へ
行きとう存じます

118:深河春淵◆wc:2020/09/03(木) 21:35

歩む道よ茨あれ
流す血により花よ咲け

愛でし掌の花の儚さよ
枯れて背かれ捨てられて

摘まれる新たな花の
命の終わりよ始まりよ

119:深河春淵◆wc:2020/09/03(木) 21:47

(1)
彼/彼女は何故
泣いているのだろう

現実は嫌だと云った
夢を与えて欲しいと云った

だから私は夢を与えた
彼/彼女の望むままに

そうしたら今度は
現実に帰りたいと云った

何故?何故?
あれ程忌避していた現実に
何故帰りたがる?

何故?何故?私を拒む?
何故私の手を振り払う?

嗚呼嫌だ拒まないでくれ
私は誰かに要されていなければ
消えてしまう存在なのだ…

120:深河春淵◆wc:2020/09/06(日) 22:03

(2)
…お前が拒むなら
永遠なる夢に閉じ込めよう

楽しい夢なんて
与えてはやらん

お前が心の底より
私を求めん限りは
永に目覚めんと思うが良い

嗚呼可哀想に
お前が拒まず

現実に帰るなどと抜かさず
只夢想にて共にあれば
こんな事になぞならなかったのに

121:深河春淵◆wc:2020/09/11(金) 23:27

不幸
貴方達から見れば
そうなのかもしれない

幸福
我が民の目を見てよ
恐怖なんて無いでしょう?

確かに我が国に
貴方達が自由と呼ぶ様な
物は無いのだろうけど

自由があるから故に
争いは生まれる…

ならば徹底的に
思想に反する者を排し

何も知らない民達には
自由が如何に悪であるかを説き

只一つの思想に隷従する事こそが
どれ程素晴らしくて

善き事なのかを
脳の髄の髄まで洗い尽くして
流し込ませて

見えない首輪を
巻いておけば良い

其の手綱を持つのは我よ
苦しまない程度に引き

若し噛みつくなら
痛みを伴う躾をして

それでも噛むなら
我の愛い民達に
喰い千切らせれば良い

ほれ これで
我の手は何も汚れぬ白き手よ

この国には絶対的な
只一つだけがあれば良い

雑多なのは要らない
否 この国には

そんな物は
もう 存在しないのだ

122:深河春淵◆wc:2020/09/15(火) 22:28

鏡は私に云いました
「目の前の物をお食べなさい」

そして私は目の前の
パンとリンゴを
食べました

私は鏡に云いました
「食べる物が御座いません」

鏡は私に云いました
「なら草花を食べるのです」

そして私は裏庭の
育てた草花を
食べました

私は鏡に云いました
「食べる物が御座いません」

鏡は私に云いました
「なら虫を食べるのです」

そして私は土の中の
芋虫を千切って
食べました

私は鏡に云いました
「食べる物が御座いません」

鏡は私に云いました
「なら土を食べるのです」

そして私は地面の
土をほってすくって
食べました

私は鏡に云いました
「食べる物が御座いません」

鏡は私に云いました
「なら給士係を食べるのです」

そして私は給士係の
体を刻んで焼いて
食べました

私は鏡に云いました
「食べる物が御座いません」

鏡は私に云いました
「ならこの私を食べるのです」

そして私は鏡の
粉々に砕けた破片を
食べました

私は鏡に云いました
「次は何を食べましょう?」

123:深河春淵◆wc:2020/09/16(水) 21:44

私は何者なのだろう
人なのか?思い出せない

人が肉塊になるまで
首をはね切り刻み血だまりの中を

歌い乍歩くのが
とても楽しかった

まるで薔薇の花弁を
踏みしめている様で

林檎が好きだ
噛んだらすぐに
眠くなったが

月明かりの夜には
自分の歩く後に
小石を置いた

海を眺めていると
ふと、自分の胸に
短剣を突き立てている

時折、妙な記憶の断片が
私の頭をよぎる

赤い薔薇と
手足の生えた
トランプ達に囲まれ乍

規律を守らぬ者の首をはねる
女の王の姿

火で炙った真っ赤な
鉄の靴を履いて

踊り狂っている女を
男と共に見ている
白い雪の様な姫

機転で魔女を騙し
生きたまま焼いて

魔女の宝で
富を得た幼き兄妹

叶わぬ恋に嘆き
優しさ故に自らを泡に帰す
人の姿の魚の姫

この記憶は
一体誰なのか

判らないから
とりあえず歌おう

花弁の上を
林檎をかじり乍

小石を目印にして
短剣を振り回そう

124:深河春淵◆wc:2020/09/20(日) 21:40

彼の全てが気に入らなかった
存在そのものが何時でも
私の癪に障った

彼は真面目だ
世間から見れば

誰からも
好かれるであろうの善人だ

だが私はどうしても
彼の事を見ると

殺意を
抱かざる負えなかった

まるで前世に
何かしらの因縁でも
あるかの様に

125:深河春淵◆wc:2020/09/20(日) 22:11

お前達が土に種を蒔き
萌芽を経てこの地に
生命を満ち溢れさせるならば

この手に持つ刃にて刈り取り
劇毒を流し絶えさせよう

求むるは焦土
星辰無き黒き夜

126:深河春淵◆wc:2020/09/28(月) 22:05

私の職場と云うのは
仲良くしろ だの
チームワークが大切 だのと

まるで気違い染みた宗教の様に
人との絆とやらを説いてくる

それに盲信する上司や同僚は
さしあたり其の信者だろう

だが私はそうでない
あんな絆の盲信者でない
断固として違う否定する

私は仲良くすると思った他人としか
仲良くはしない人間だ

そんな私を盲信者は
血が通っているのか疑わしい
凍血漢と罵倒するだろう

罵倒するならするが良い
お前達の認識は

間違っちゃいないし
事実だからだ

だがそれの何が悪い?
お前達の何時も説く

絆の一種には
違いあるまいよ

127:深河春淵◆wc:2020/09/30(水) 21:48

宿り 宿り
液と液

宿り 宿り
母なる者の腹の中

宿り 宿り
動くための手と足と
考えるための脳

宿り 宿り
羊水と
絡まるへその緒

宿り 宿り
光と手術台

宿り 宿り
切り裂く医者のメスと
切り裂かれる母なる者の腹

宿り 宿り

128:深河春淵◆wc:2020/09/30(水) 21:49

パイの中に
鳥が突っ込んだ

突っ込んだ鳥は
そのまま焼かれて

お客の前に
出されて食われた

129:深河春淵◆wc:2020/10/02(金) 21:09

おれたちはすてられた
ふるいからすてられた

あたらしいやつがやってきたから
すてられた

ここはがらくたのおやま
みんなこわれているから
だぁれもちかよらない

うごくたんびに
うるさいおとがなる

がらがらがらがら
どんがらどっしゃん

つくられて つかわれた
それがうれしかった

なのになのに
あたらしいやつがやってきて

いらなくなったから
すてられた

まだ うごくのに
まだ やくだつのに

どうして?

130:深河春淵◆wc:2020/10/03(土) 22:47

悪い夢を見ぬように
その両の目を閉じませう

星明と月光
一つはゆりかご
一つはメリイゴウランド

金糸雀が歌います
耳をかたむけ聞きませう

ほぅらうとうと舟こいで
そのまま朝まで眠りませう

131:深河春淵◆wc:2020/10/07(水) 20:51

ふたつのボウルの中に押し込みます
父母姉兄押し込みます

父母姉兄大きいので
刻んでバラバラ肉塊に

父と母はハンバーグ
姉と兄はホールケーキ

父母合挽きハンバーグ
フライパンでじゅうじゅうじゅう

兄姉甘いクリーム
ふわふわいちご色

家族が嫌い?いいえちがう
家族が好き?いいえちがう

ただ食事がしたかった
けれども材料が足りなかった

近所のスーパー
みぃんなしまってた

だから家族を
食材にした

132:深河春淵◆wc:2020/10/24(土) 21:49

(1)

まるい卵
ころがる卵


なんにから産まれた卵?
鳥から産まれた卵


スーパー198の卵
何処かの家の卵


割られる卵
中身出る卵

133:深河春淵◆wc:2020/10/24(土) 21:53

(2)
卵を観察する
卵をひとつ机に置く

卵をひたすら見つめた
卵に卵と名付けた

卵は卵と違って
卵は美しい

卵は寝る時一緒
寝息を立てない

卵をある時落とした
卵はある時落とされた

卵を落とした犯人は私
卵から腐った臭いがする

卵は歿んだので
卵をひとつ出して観察する
卵を卵と名付ける

134:深河春淵◆wc:2020/10/29(木) 21:34

憎しみが育まれた
それは誰の中に?
ええ 私の中に

誰を憎む?
それは彼

彼とは何者?
私を辱しめた者

彼と笑う彼等は何者?
彼等は私の苦しみ知らぬ者

苦しみを知らぬ彼等は
何をした?

私を孤独に追いやり
悲しませた

ならば呪おう 彼と
彼等に対する
慈悲など必要無い

お前は優しいね
彼と彼等の命を考えてる

だけど何も云えはしない
其のお前の優しさ弱さにつけこんで

彼と彼等は
時が経つのを待っている

時が経てば
お前が許すと思っている

そんな事は無い
ある筈が無い

あれだけの屈辱
忘れる訳が無い

忘れる訳無からば
捨て給へよ 人の心なぞ

汝は恨み憎む者
我は怒り呪う者

光浴びる彼と彼等は敵よ
仇成す者へ歿霊よ憑けよ

しからば汝等歿霊に下す命とは
彼と彼等の幸福を苛みて
堕ちるままに【歿】へと導き給へ

135:深河春淵◆wc:2020/10/30(金) 21:10

チックタック チクタク
急げ や 急げ
そんな足じゃ間に合わない

あの方は時間に厳しいのさ
遅く来てはいけないし
早く来てもいけないし

お寝坊は叩き起こせ!
でなきゃ処刑だ

首をはねられて
赤い雨が降っちゃうよ

そんなのはこんなめでたい
パーティーには相応しくない!

ああ! ああ! もう!
いじわるワニがとおせんぼだ
口を開けて食おうとしてる

そんな時は
トリカブト入りのカップケーキを
食わせておあげよ

たちまち泡吹き
倒れてコロリ

歿んだ後は皮を剥いで
おみやげにしてやろう

イバラの道だよ
今日もひどいトゲだらけだ
庭師め何処でパイプを吹かしてる?

でも此処を通らなきゃ
あの方のパーティーにゃ行けずに
首をはねられる

困る!困る!ああ困った!
困っている時間も無駄なんだ
だったら行こう!

グサリグサグサ
イバラのトゲが刺さるな痛い

でももうすぐ抜ければ
時間カッチリパーティーに間に合う!

そしてワニの皮をおみやげにすりゃ
目玉ひん剥き周りはびっくり!
そしてあの方に誉められる!

そして そして 時計を見た
これは大変!時計が止まってる!

叩いたって無駄さ 動かないもの
つまるところ僕は此処を回る、回る?

アハハハは!なんて楽しい!
ぐるぐるぐるぐる回るなんて!

136:深河春淵◆wc:2020/11/02(月) 21:36

ぶち込んでしまえ 鍋の中に
トカゲ ヘビ カエルをさ

生きてようが 歿んでようが
かまわないから とにかくぶち込め

ぶち込んだら 混ぜるんだよ
煮たって其処らに臭いが充満したら
この粉を鍋の中に振りまきな

なんの粉か?教える訳無い!
探るんならお前も材料になるだけさ

鍋から目を離すんじゃないよ
こぼしちまったらもったいないからね

さぁさ薬だ 出来上がりだ
味は知らんさ 効能重視さ

飲んだら感想を聞かせておくれ
返事がなきゃ失敗だ

137:深河春淵◆wc:2020/11/02(月) 21:56

ぱちぱち燃える きのえだ燃える
火がめらめら よぞらが燃える

熱い 熱いと きのえださけぶ
かまいやしないと きのえだいれる

ごうごう燃える ぱちぱちいう
うとうと火の番 わすれちゃいけない

くわれるよ おおかみに
おまえを えさと みているよ

やつらは 火がこわい
火を焚いてるあいだは ちかよらない

あさになったら かえるから
それまで火を絶やしては いけないよ

138:深河春淵◆wc:2020/11/06(金) 21:59

汝が歿は
如何なる聖の秘術でも
不可逆なり

永遠なる冥界 歿者の都
住人は飢餓と苦渋に呵責され
己が罪より逃れられず

定めるは我 この冥界を治めし王
天秤は傾き 汝が罰を決めん

139:深河春淵◆wc:2020/11/07(土) 20:34

取り囲め 獄卒よ
定める罰からは 逃れられぬと

愚かなる我が住人達に
教えてやるが良い

手段は問わぬ 思うがままに
並み外れた其の力を 奮え

情を持つな 例え幼子でも
冥界に来たらば 其は我が住人

刃を首へ掛けよ はねよ

140:深河春淵◆wc:2020/11/07(土) 20:48

そびえる 骸の山
頂に玉座 座するは王

かつては無秩序であったこの地に
彼方此方に散らばる歿を
一つにまとめ 都を創りあげた者

141:AL ◆6. hoge:2020/11/09(月) 17:42

アビス師匠!
懐かしい………樹音です、覚えてらっしいますか?
(今はALという名前で創作活動をしております)
相変わらず世界観が素敵で好きです。
私も負けていられませんね。

142:深河春淵◆wc:2020/11/16(月) 21:59

…!ふふ、嬉しいですね。
弟子がこうも
慕ってくれているのならば、師として更なる励みになりましょう。

143:深河春淵◆wc:2020/11/16(月) 22:37

歪なる瓶 溢れる水
それは彼の者の悲哀

受け止めきれぬ情
母なる大地を呑み込む

144:深河春淵◆wc:2020/11/16(月) 22:49

痴れ者よ 知るが良い
我は主の祈り手

星辰に願うは 我が主の顕現
器なるは我 主の眷属が末端

145:深河春淵◆wc:2020/11/20(金) 20:40

笛吹き 高らかに吹く
山より降りたる 野鼠の群

行進す 一糸乱れぬ姿
さながら訓練された兵の様 美しき哉

通る先に町 大人が居る 子供もいる
皆が見る 野鼠の群

子供は知らない 大人は知っている
率いる笛吹きの正体を

嘗てのあの者 報酬が惜しく
騙くらかして 追い返した者

復讐に来たのだと 大人は戦慄した
野鼠の群 町に差し掛かる

瞬く間に骨と化す 人 人 人

146:深河春淵◆wc:2020/11/22(日) 21:27

等間隔に揃えられた
我が箱庭に
招かれざる者 侵入す

誰の許可を得て 汝等は
我が箱庭を歩く?
足跡と云う汚れを残している?

然らば汝等不敬なり
我が箱庭を護る 雄々しき獣等の
足しにならん餌となるが良い

147:深河春淵◆wc:2020/11/22(日) 21:49

我に願うもの何ぞや
云うが良い 求めし者よ
どの様な汚き欲も叶えよう

富を欲するならば
末代も使い切れぬ黄金を与えよう

愛を欲するならば
天上の神々が嫉妬に狂う程の
永久に枯れぬ麗しき者を与えよう

戦を欲するならば
歿の無き無慈悲なる兵を与えよう

代償は要らぬ 望むべくは
願いを叶えし者が如何様な末路を
辿るか見届ける事なり…

148:深河春淵◆wc:2020/11/25(水) 20:53

青なる海 佇む者
なにぞや 何者 名は

底から 空を仰ぐ
涙は空へ 向かわない

汚れを嘆き 地に伏せて
聞こえぬ歌を歌おう

149:深河春淵◆wc:2020/11/27(金) 22:20

地に平伏せよ 汝の頭
我が命無くば 上げる事など許さぬ

従え汝よ 我が卸心に
汝が命は我が物なり

我が生を命じれば生き
我が歿を命じれば絶命せよ

汝が答えに拒否など非ず
口から出ずるは肯定のみ

汝は人形
我が命に殉ずるオートマタ

150:深河春淵◆wc:2020/11/30(月) 21:16

滅べ 畜生共
お前達の時代は
我が裁きにより 終焉を迎えよう

空より火矢 大海の号砲
地は割れ 歿者の夜行
異形の怪物は お前達を喰らう

浮遊し彷徨う魂は
次なる創世の糧となる

151:深河春淵◆wc:2020/12/01(火) 22:29

雪が降る…
灯ったあの紫色の電波塔の下で
貴方は私と出会ったのだ

貴方はうつ向き乍私に告白をした
一度も私の顔なんて見やしなかった

其の時の私の顔は
どんなものだったのでしょう

思い出せないのはきっと
雪に埋め尽くされているのね

恋人が共に過ごした日々は
忘れ難き記憶だと云うけれど

私のは…なんだったかしらん
記憶の隅どころか
消しカスだらけの答案用紙だわ

ふふふと笑うわ可笑しくて
貴方は何処に行ったのでしょう

今度は何処の女と交合して
腹に種を置いてくるやら…

152:深河春淵◆wc:2020/12/02(水) 22:10

なりは美しきけども
精神は混合として
何者でもあらずなりし者よ

汝に名を与えよう
汝を縛りたる鎖を 解き放たん為に

153:深河春淵◆wc:2020/12/06(日) 21:53

禁忌の書 頁に記されしは
秘匿されたおぞましき魔物を
揺り起こす呪文なり

其の書物 見つけ出せし者よ
決して起こし 操ろうなどと
驕るる無かれ

奴等は悪 混沌 滅びの顕現者
誰の意にも従わぬ故に

154:深河春淵◆wc:2020/12/07(月) 21:02

人よ
汝が陽を拝む日は永久に来ず

我等が住まう地を見上げるのだ
暗く 冷たく 光は無く

生命の無い
只 歿に満たされた冥界を

祈りなど止めておけ
それが天の神々の者へなら

どうせ届きなどしない上
我が主の怒りを買うだろう

我が主の怒りは恐ろしい
この冥界を虚ろに彷徨う亡者にも
恐怖と云う概念を抱かせる

受け入れよ 諦めよ
さすれば 汝の体の痛みは
消え去るだろう

155:深河春淵◆wc:2020/12/13(日) 22:28

この冥界において
絶対なる存在は我である

だのに人と云うのは何故
天上の神々に膝を折り
祈りを捧げるのか

全く以て不快で
見るに堪えぬ業腹よ

そんな者は 定めた罪より重き
罰を与えてやらねば

156:深河春淵◆wc:2020/12/13(日) 22:44

鐘が鳴った 魂が慟哭している
我が主の怒りだ…

煮えたぎる血の池は凍てつき
植物の幻影は霧散して
深淵より出ずる炎は噴き出した

人よ あれだけ警告したと云うのに
何故天の神々に祈りを捧げたのだ

あの所々肉の腐り落ちた
おぞましき邪龍が 我が主の真の姿だ

嗚呼なれば百日は怒りは収まらず
自ら築きあげたこの冥界を
九割方破壊せねばならないだろう

157:深河春淵◆wc:2020/12/15(火) 20:53

貴方の運命は私の手の中に
未来に夢見る貴方の希望

赤 黒 赤 黒に塗り替えて
絶望を見出だしてあげましょう!

158:深河春淵◆wc:2020/12/18(金) 21:24

ちく たく ちく たく
振り子よ 揺らげ 針よ 刻め
時の 観測を

ちく たく ちく たく
眠れ 人よ 起きては ならない
音を 耳が 拾う限り

眠る者達へ 私は首に 鎌を掛けよう
良き夢 見し者よ そのまま夢に
微睡み 眈溺するが良い

159:深河春淵◆wc:2020/12/18(金) 22:12

地よ滅べ
花は芽吹かず

水よ干上がれ
恵みは涸れて

空よ淀め
我が心の様に

160:深河春淵◆wc:2020/12/23(水) 20:55

彼等は私と笑いました
私も彼等と笑いました

そして私は心の底で
彼等を憎んでいたのです

161:深河春淵◆wc:2020/12/25(金) 18:04

紅茶はいかが?おじょうさん
砂糖はいくついれる?

お菓子はいかが?おじょうさん
いくつがいい?菓子の数

迷ったのだね?おじょうさん
どこから来たのだい?

どうでもいいのだよそんな事
元の世界に帰りたいなんて

私は今日と云う日が楽しい
楽しいから笑っている

それじゃあ質問をするよおじょうさん
頭の中で元の世界を描けるかい?

答えは無理だそんなのは
考える事を脳みそは放棄した!

おじょうさんの頭の中は
帰る事を考えないで

目の前のごちそうを
食べる事を考えている

食べるといい!好きなだけ
切らしてもまた出てくる!

今日は25だ
明日も明後日も25だ

カレンダーなんてものは
意味がないのです!

望んだのはおじょうさんだ
お忘れか?あの幼い日に願った事

永遠のクリスマスがあれば良いのにと
そう云ったではありませんか!

ところでおじょうさん
まだ気が付かないか?

私が大きく見える事?
周りが大きく見える事?

いやちがう!
おじょうさんが小さくなったのだ!

幼く!愛らしい!
あの頃に戻った!

今はおじょうさん
自分の名前しか云えない

それ以外の記憶しかない
憐れ?ちがう 祝福すべきかな!

さあ最初の問いに戻ろう
紅茶はいかが?砂糖はいくつ?
お菓子はいかが?いくつがいい?

162:深河春淵◆wc:2020/12/31(木) 22:05

人間とは 奇異な者よな
年の節目毎に
祝い事を設けるのだから

我は星を針とし 回さねばならん
羊 牛 双子 蟹 獅子 乙女…
天秤 蠍 射手 山羊 水瓶 魚…

そら回れ 舞われ 星達よ
旧き年よ 新たに始まる年に

地球の刻んだ
大いなる記憶の引き継ぎを

163:深河春淵◆wc:2021/01/17(日) 21:20

我が眼 微睡む者
苛みの悪夢 与えんとす

苦痛に呻き 狂い掛け
夢より目覚めんとするならば
其の見た夢は真とならん

164:深河春淵◆wc:2021/01/17(日) 23:43

汝を責むる眼 苛みの悪夢
苦痛に呻き 狂い掛け

夢より目覚めんとするならば
其の見た夢は真とならん

165:深河春淵◆wc:2021/01/17(日) 23:49

毒を口に含み 何を思い至ったか
何も判らぬまま 裏切った
者の名前を呟いて いざさらばと唱えれば

166:深河春淵◆wc:2021/01/18(月) 19:39

問う 答える
私はそう云う者

課せられた役割は
課せた者の名は判らない

右手の書物 左手の杖
書物は問いを記し
杖は答えを映す

167:深河春淵◆wc:2021/01/20(水) 16:54

何故に恐ろしき?
羊水で夢む胎児の眼

くすくす口元がかすかに揺れて
何が可笑しいのか全然判らぬのだけれども
私は其れを愛しいと思う

この膨れた腹に耳を当てみてよ
これから生まれる私の仔
聞こえるかしらんこの声が

聞こえないのは冗談でしょう?
何を云っているのやら

ねえ私の仔
貴方もこの世の光を
焼ける程に浴びたいわよね

仏壇なんて信じないわ
一体誰なのでしょうね

168:深河春淵◆wc:2021/01/22(金) 21:59

私は今日も薬漬け
夕食30内に薬を飲む

鬱を抑えて食欲増進する為に
手のひらの白い錠剤を
口の中に放り込む

それで私は人に戻れる
狂人な素の私なんか
誰も望んじゃいないから

嗚呼しんどいな やめてしまいたいな
薬を飲む事なんて

云いたいがままに云いたいよ
暴れたいままに暴れたい

169:深河春淵◆wc:2021/01/24(日) 21:20

青い春を知らぬまま
幾数十年を過ごしてきた

私は友と云う物を知らない
私は恋と云う物を知らない

我が心寂莫に沈み込み
他は恐ろしき怪物と思い
孤独に安寧を見出だした

170:深河春淵◆wc:2021/01/26(火) 20:09

悲しき哉 差を知らぬ愚か者
我は天に在り 汝は地に伏せり

嗚呼汝よ抗う無かれ
地の草花に抱かれるが良い

地母神は汝を受け入れよう
あの女神はそう云う者だ

171:深河春淵◆wc:2021/01/27(水) 23:35

娘 傘を持つ ある日の午前
午後は雨が降るよと 私が云ったから
娘は傘を持った

こんな天気の良い日に
降る訳なんて無いのよと
傘を開いて傘を回す

ごろごろの雷雲だ
ぴしゃあんと木に落ちる

雷炎だね
あの木はたしか
鳥の親子がいたような

172:深河春淵◆wc:2021/01/28(木) 00:20

羊 羊 羊 羊
頭のある羊が何頭

羊 羊 羊 羊
首が取れた

羊 羊 羊 羊
切断面から 手が生える
にょろにょろにょろにょろにょろ

羊 羊 羊 羊
元気に走り回ります
頭だけが

173:深河春淵◆wc:2021/01/29(金) 22:47

自分なんかが
居なくたって世界は回る

自分なんかが居なくたって
君には友達が居るでしょう?

私は消えたい
存在したって

誰かの役に立つ訳じゃないから
誰かに必要とされる訳じゃないから

君は違うでしょう?
どうして私なんかに構うの?

周りの視線がさっきから痛いから
早く他の人の所に行ってよ

私はもう誰かを
信じて信じられて
裏切られたく無いの

174:深河春淵◆wc:2021/02/01(月) 23:27

揺らぐ 揺らぐ 火よ
絶える事無く
旅人達を導きたまえ

175:深河春淵◆wc:2021/02/02(火) 22:42

何故お前が報われる
お前ばかりが日に当たる

私はお前の影の中にいた
何時だって其所から
見ているしか無かった

私が称賛される事は無かった
お前さえ居なければ

私は私として
生きていられたんだ

176:深河春淵◆wc:2021/02/02(火) 22:52

辛い 悲しい 苦しい 生きたくない
何時も思うのは そんな事ばかり

楽しい音楽 美味しい食べ物
いずれも私の心を 満たす事は無かった

この世に居る歿神よ
私の首に鎌をかけてくれ

肉の無い骸の手で
魂の尾を掴んでくれ

歿よ 歿よ 汝等よ
私を安寧に導きたまえ

177:深河春淵◆wc:2021/02/04(木) 20:17

怒りもて 剣を携え
敵は目の前だ 何を躊躇う

討てよ敵を 戦場は
奪わぬ者を許さない

和平はあらず 空は
戦闘機が飛び通い

爆撃 号砲 轟音
シグナル トラ トラ トラ

178:深河春淵◆wc:2021/02/05(金) 22:41

この腹の中に 呪いがある
それは人じゃない

言葉 私に向けられた言葉が
黒い泥の様に
溜まり 淀み 渦巻いている

言葉を向けられた時
誰かに助けてと云えれば

こんな苦しい事には
なりはしなかった

何も云えず黙って受けて
平気な振りをして傷を隠す

重ねた嘘は張り付いた
偽性の仮面を生み出して
取れなくなっていた

君が生きていて良かった
若し君がまだ
剣を握れるのならば

其の剣を
私の血で染めてくれ

抗うのは疲れた
人でいて迫害されるのならば
人で無くなれば良い

私は呪いに呑まれて
怪物となろう

私は新しく生まれよう
祝福などされないが

179:深河春淵◆wc:2021/02/08(月) 19:27

私は 病気
何処が悪いと聞かれたら
それは 心

でも それは
私のせいじゃない

皆が 私を責めた
悪い事なんて していないのに

やめて やめて やめて
皆はいない 筈なのに

暴れるのね 私は
ころされないように

おいしゃさんが来た
注射を腕につきさした

眠るよ 私は
ふかく ふかく

しずんで しずんで
それで あさがくるよ

180:深河春淵◆wc:2021/02/10(水) 22:49

壊れる 壊れていく
心が がらがらに

満たされていた筈だった
だのに崩壊の中には何も無い

181:深河春淵◆wc:2021/02/14(日) 23:50

甘い匂いが鼻につく
世界はチョコと愛に包まれた
今日はそんな日

私には 関係無い
あげる相手なんていないから

歩いていると右も左もハートだらけ
なんであんなに可愛くするんだ

お腹に入れば一緒だろ
胃酸に溶かされるのに

182:深河春淵◆wc:2021/02/18(木) 02:20

春の空
あなたと一緒に見たかった

隣にあなたが居ることを
信じて止まなかった

今あなたは何処に居るのだろう
空の浮き雲見て思う事は
あなたの顔ばかり

183:深河春淵◆wc:2021/02/18(木) 02:39

嗚呼 憎い 憎い 憎い
お前が憎いよ 憎い

顔を見ると心底から
黒く暗く昏々と
炎が揺らめいで渦巻く哉

憎い 憎い 憎い
何故私ばかりが疎まれる

それもこれもお前が私の事を
周りに悪く云うからだ

憎い 憎い 憎い
人を憎むな愛せよと?

嫌だ 嫌だ 嫌だ
この気持ちに嘘を吐いてまで

笑顔でいろなんざ
反吐が出る

憎い 憎い 憎い
 憎い 憎い 憎い!

184:深河春淵◆wc:2021/02/18(木) 17:23

在りし日 くちなわの
水底にて微睡む夢は

自らを迫害せし者達を
鏖殺せんとする
呪怨の真言

185:深河春淵◆wc:2021/02/18(木) 23:23

のろい のろい このつぼに
どくむし どくへび どくがえる

ちぎりくわれて くわれてちぎれ
からだのなかで のろいがたまる

さいごのいっぴき つぼのなか
うずまくうらみ そのなかに

186:深河春淵◆wc:2021/02/26(金) 21:17

夜を汝蔑みて
昼に希望を見出だす者よ

月の照る光にて
夜魔の牙に掛かるが良い

187:深河春淵◆wc:2021/02/26(金) 21:28

稚児の為に
夜想曲を弾こう

提琴の弦と弓
震えて出る音色は

稚児の星を映す瞳を
夢に誘みて 閉じさせる…

188:深河春淵◆wc:2021/03/02(火) 23:32

仮面を砕け
偽りから解放されよ

お前は新たなる
生を経て顕現せり

お前を縛る しがらみの鎖は消え
何処へでも飛び立ち

自由を謳歌する
お前の邪魔をする者は

お前の一瞥により
憐れにも 地に伏せるだろう

189:深河春淵◆wc:2021/03/03(水) 00:07

ゆたり ゆたりと 絞めようか
首を そっと 包み込んで

苦しい 苦しいか?
息が 出来なくて 辛いか?

良いさ 良いさ 
お前が 苦しめば
私は それで 嬉しいんだ

虫の息だ
お前は もうすぐ 歿ぬんだね

お前が 歿んだら
誰が 悲しむ?

あいつ? そいつ?
いや いや 違う

お前は 私の 友達だ
だから 私が 悲しむのだ

190:深河春淵◆wc:2021/03/04(木) 00:04

光 頭上のスフィア
弾けて散れ 矢の如く

光矢よ 射ぬけ心臓を
苦しみ無く 送ってやろう

191:深河春淵◆wc:2021/03/04(木) 12:49

泣いたって誰も
助けてくれやしないんだ

茎の折れた華奢な花に
包帯を巻いたって
また誰かに踏まれるだけ

私のヴィジョンは砂嵐
進む先に未来は無い

だったら好き勝手に暴れるさ
自由にやらせて貰うだけ

お前の助言なんて聞こえない
私は嗤うんだ 誰の為でもない
他でも無い 自分の為に

192:深河春淵◆wc:2021/03/06(土) 18:12

この本も あの本も
全てがハッピーエンドだ

元々の物語は全て
血に塗れ 肉欲に更けていた

何故人は背けるのだろう
真実を見るのがそんなに辛いか

今や人は幸福のみを求める
危険の無い蜜だけを欲しがる

193:深河春淵◆wc:2021/03/07(日) 02:05

手を 手を 手を
祈り 目を 瞑り

呼びかけよ 空の
宇宙の 異形なる 神に

口を 口を 口を
名を 名を 名を

呼べ 呼べ 呼べ
さすれば 救われる
狂うけども 幸福となれる

194:深河春淵◆wc:2021/03/09(火) 00:05

我は怨みて彼を呪ひて
月夜の明かりの下 卵を埋めん

割れた腐った卵の液は
土の陰気を吸収し
彼の紡ぎし縁を絶ち切らん

195:深河春淵◆wc:2021/03/09(火) 19:29

雷よ 轟け
天より稲光を

太陽を隠せし黒雲
隙間から見える 雷の歪なる条線

我が憤怒の顕現 敵よ 恐れよ
汝の心臓 瞬きの後に穿たれん!

196:深河春淵◆wc:2021/03/13(土) 22:51

脳が夢を見ます
私が現在にて この眼球二つにて

みつめた景色が 色とりどりの
混在化 色赤 色青 色白の

眼球の情報を 我が脳味噌が編集し
いらないのcut 9割位

残りの1割は脳味噌が
貼って テープで 巻いて

写影機化した眼球が
素敵な夢と 粉掛けて

狂う肉の外殻 内臓を包装する
私が目を閉じる時
それは始まるのです

197:深河春淵◆wc:2021/03/16(火) 20:25

詩を書きたい
だけど皆が笑う様な

喜んでいられる様な
そんな明るい朗らかな詩を
私は書きたくない

狂気を書きたい
昏々とした

脳に虫が入って
脳髄を這って
不快感を引き起こして

寄生された宿主が
あまりの痒さに耐えきれず

囓った襤褸襤褸の爪で
脳味噌が剥き出るまで引っ掻く…

そんな詩を
私は書きたいのです

198:深河春淵◆wc:2021/03/17(水) 23:22

歩いていると 影が出来る
夕日の光に照らされて

ある日の帰り たったひとり
カラスが鳴いている 空は橙

影を見ると 私よりも
大きくて 長くて

ひょっとしたら 私の方が
偽ではなかろうかと 思う事がある

鞄の鈴が鳴る
チリン チリン

紫の空の色
毒が空を埋め尽くしたら
こんなのになるかしらん

199:深河春淵◆wc:2021/03/18(木) 16:36

私は何者だっただろうか

決まった時間の起床
決まった時間の労働
決まった時間の消灯

誰が決めたのかわからない
与えられた課題を
黙々とこなす

与えられたのは
名前では無く番号

電波搭から鐘の音が鳴った
それは昼食と昼休みの合図である

なんの素材が使われているか
知らなくていい事だから
物体を口へ運ぶ

本を読む
昔にはファンタジーとか

漫画とか娯楽が
あったらしいが

この本には書かれていなく
この本にある事は

個の自由たる思想を持つ事が
如何に危険で罪で愚かであるか

たった一つの上位の個の思想に
我等全が従う事がどれだけ
幸福であれるのかを説いている

私はそれに疑問を持った事は無い
この本に書かれている事は
全て正しいからだ

それでは家畜や奴隷と
変わりが無いからと

自由を掲げた者達がいた
それらは皆私達が見ぬ内に

粛清され
元通りになる

思考を放棄したって
命がある事に変わりは無い

脳味噌がこの体を
動くと判断したのなら

私と云う個体は
働かなければならない

200:深河春淵◆wc:2021/03/25(木) 23:37

みんなカラスだ みんなニワトリだ
なんて喧しいんだ

なんでそんなに騒げるんだ
大声で笑っていられるんだ

煩いから黙って口を閉じろ
私を頼むから寝かせてくれ


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