【東方project】二次創作小説

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1:結月◆VM:2016/11/11(金) 06:02 ID:c.Y

これは東方projectの二次創作小説です。
あまり戦闘シーンはありません
ほのぼの東方キャラが会話しているだけです。

アドバイスや感想は大歓迎です。
出して欲しい東方キャラも気軽に言ってください
あくまでも「二次創作」なので,ある程度キャラの性格が変わっています
荒らしや悪口も止めてください

232:◆ hoge:2018/10/08(月) 08:53 ID:OpY

続き

文化祭当日。クラスの出し物が展示だった為、同じく結局展示になった魅鳥と回ることにした
同じクラスのヤツらにも誘われたが軽音部の用事もある為ごめんな

あ、演出も演奏もばっちりだぜ!俺からの『最後のお願い』も皆快く引き受けてくれた
そのお願いは、最後の学祭くらい軽音部皆の歌声が聞きたい。

俺が全身全霊かけて作った曲だ!是非4人に歌って貰いたい!とのことで今回は春兎以外もソロパートがある。ちなみに俺はパス。ドラムだし

とりあえずまずは碧のメイド喫茶に行ってみよう。うん。ピンク色の看板に不吉なものを感じる
ゆっくりと中の様子を見ながらドアをスライドしてくと予想どうりの地獄絵図

似合わない奴等が無理矢理着せられましたな感じで接客をしている。やる気がないだろ
「あ、部長さん達…いらっしゃい……じゃなくて、おかえりなさい。」

よく聞き覚えのある声の方を向くと可愛い女子……にしか見えない碧の姿があった
「可愛い………」とか思いっきり魅鳥とハモってしまった
これがこのクラス……というか学校の策略だろうとしか思えない

いつも女の子みたいな顔をしているがヒラヒラの服を来て付け髪とはいえ髪を長くすればまんま女子だ。
というかアレ……柊真だよな?自分のクラス放棄してきたなあいつ

「なんだ?俺は今日一日ここの常連だ。ちなみにこれで紅茶26杯目。まだ50杯なら余裕だ」
じっと見てると気付かれもはや人間ではないことを言い出した。幼なじみガチ勢すぎるだろ

気が付くと外には大行列。そりゃあそうなるよな
一人にして可哀想だし春兎も見に行ってやるか……柊真と男子のクソデカ声とか細く聞こえる碧の接客の声を後に春兎のお化け屋敷を見に行った。「お姉さんピースピース!」とか言われて無理矢理自撮りさせられてるのは気の毒だな

『首なし幽霊の館』
ありがちすぎるようなないような……。というか入る前から魅鳥がしがみついてくる。首を持たないでくれ

中は真っ暗。聞こえるのは怖めのBGMと魅鳥の念仏くらい。怖がるんじゃない作り物だよ
「にしても上手く作られてんな〜」
キョロキョロしながら呑気なことを言ってみる

横から前に視線を移すと目の前に怖い被り物をした人が立っている。全身真っ黒。顔だけ真っ白。突然過ぎて倒れてしまった。すまない魅鳥。踏んだ
と思っていたら後ろで土下座してる。「すみませんでした許してください帰りたいごめんなさい……」とぶつぶつ言っている

恐る恐る進んでいく……なんか曲がり角の所から先を見てみるとやっぱ立ってるよな。首なし幽霊。首ないし突っ立ってて逆に怖いわ
そっとそこを通り過ぎるが不思議なことにそいつは動かなかった

「ばあっ!首なし幽霊っすよ〜!堪忍するっす!」
前からマントを被って飛び付いてきた方が首なし幽霊な!てか春兎じゃないか雰囲気台無し!
でも魅鳥は走って先に逃げました

張り付いてきた春兎にムカついたんでそのまんま担いで出てきた
「って部長!ルール違反っす!」
やっぱりクラスでも目立つキャラだから主役なんだなこいつ
てか途中で立ってるやつの方が雰囲気怖いわ

冗談交じりにそう言ってみる
「え?あのー俺以外に首なし居ないっす」
テヘペロ顔でそう言ってきたが、ごめん冗談だよな?冗談と言ってくれ。お願いします

何だか知らないが背筋が少しひんやりした。
ま、まぁただからかってるだけかもだし………本物なんていないしな!幽霊なんて居ない!

そんなんで色々回っていたらもうチューニングの時間
あとはリハーサルの通りに上手くできればカンペキだ!

続く

233:◆ hoge:2018/10/08(月) 09:58 ID:OpY

続き

一つ前のダンス部の発表が終わり、大きな歓声が舞台中を包んでいた
そろそろ俺たちの出番……
俺は無言で四人の前に手を出した。

何がしたいのか分かったのか、四人とも次々にその上へ手を重ねる
「Rainbow☆Sea!最後の大舞台だ!皆声出していくぞー!」『おー!』

俺の掛け声に乗って四人の声が重なる。
そして掛け声が終われば一斉に舞台へ走り出した
舞台の観客席は人でいっぱい……テンション上がりっぱなしの彼等の熱気で思わず倒れそうだ

1曲目は軽音部らしい明るい曲。これは俺が去年作曲したやつだ。残念ながら去年この曲を舞台で奏でることは無かった。だからこそ眩しい。春兎の元気な歌声にピッタリだった

みんな練習よりもイキイキしている。あまり笑わない碧も薄ら笑顔……血の気だってる柊真も今は落ち着いてベースを奏でている。魅鳥は、慣れているからかやはり音が深い

2曲目は今年の春、新入部員募集で演奏した曲だ。あの時大絶賛でもう一度聞きたいってクラスの奴らが言ってたからこれにした。
確かこの曲を前に演奏した時は俺と魅鳥と……

ロックなリズムに合わせ曲は山場。
かっこよさげな歌詞と共に俺のドラムも一番激しくなる。
前ここでバチ飛ばしたけど今回は大成功!

3曲目が俺が授業の時間を割いて作曲した大作だ
この曲では俺のお願いで4人の歌声が聴ける
は?だったら全員ボーカルやれよ…ってなるだろ?
でも良いんだ!俺は皆の声が聞きたい

これが終わったら俺がもう舞台に立つことは無い。
最後に立つ舞台なんだから好きにしたい
「お前らー!この曲は部長が作った大作っすよ!全身で聴いてくれよなー!」

アドリブで春兎が声をかける
それと共に俺のドラム、柊真のベース、魅鳥のエレキ、碧のキーボードと順々に入っていく

『本当にありがとう
皆の声が俺たちの力で、俺達の思いを受け取ってくれ
虹が消えるのは一瞬だけど、俺達の輝きは永遠だ
何百年も何万年も、不滅の輝きが消えることは無い
お前らも俺達とずっとずっと先へ進んでいくんだ………』

なんていう歌詞を春兎が歌う。元気で無邪気で、周りも楽しくさせてくれる歌声だ
「以上!次は元ヤ……め、目付きが悪いベース担当!トウマー!!」「失礼だ」

そう言うと続きの歌詞を柊真が歌う
春兎よりも全然低くてカッコイイ声。迫力のある声が舞台中に響き渡る

「次、優しい旋律と顔が素敵な"俺の幼馴染"、アオイ」
恐らく碧のファンであろう奴等から大量の声援が来る。今までも凄かったが二倍ましくらいだ

いつも小さい声の碧もマイク越しではハッキリその声が聞こえる。高くてゆったりしていて優しい歌声だ。
思わず聞き惚れてしまいそうだがドラムが死んだら全員終わるぞ

「ありがとう…。次は不思議で面白い別世界……」
「あーハイハイ今のは無し!魅鳥です闇咲です!」
碧が何か言おうとしたのだろうか?焦りながら碧の口を抑え撤回する魅鳥
確かに魅鳥は不思議なことばかりだよな

こいつはみんなとは違ってなんでも直ぐにこなすんだ。
ギターだって初心者とは思えないくらいの上達ぶりだった。確かに不思議なことばかりかもな

控え目ではあるが全力で歌う魅鳥は頼もしくて俺が居なくなっても大丈夫だって言っているようだ
思わず泣きたくなってしまった
「次は俺達のカッコイイ部長!ドラム担当カズキー!」

春兎の声で俺がフリーズする。アドリブすぎる
「部長!」「作曲者だろ?」「お願いします!」
4人が口々にそう言う
春兎から投げられたマイクを握りしめ、俺は歌った

スポットライトが眩しくて目がチカチカする。歓声が大きすぎて耳がキンキンする。
歌い終わると不思議なことに涙が流れてきた
だってこんな事されると誰でも泣くだろう

でも何でだろう。この感覚を知っている
あれ?この舞台を何百回も何万回もやっている気がする。そんな事を思うと突然暗闇の中へ落ちて行く感覚が襲ってきた


「杜乃!起きろ〜!」
「はっ!ね、寝てません!」
叩き起された。なんだか素敵な夢を見ていた気がするポカポカしたある春の日の事、その日入部希望を出した3人とは何処かで会ったような気がした

誰か、早く俺達をこの次元から助けてくれ

終わり

234:◆ hoge:2018/10/08(月) 17:59 ID:OpY

☆人妖幽魔事件探偵社☆
どの種族でも相談出来る探偵社。事件があればいつでもやってきますんで是非頼ってね
最近は暇で色んなところにいます

☆社長 【珠美 玖祐】
「ハッピードロップ☆今日も平和に暮らせますように☆★スウィートベイビーちゃん達、ハートの火傷にご注意してね……♪」
性別・男 種族・魔界人
能力・性別を転換させる程度の能力
二つ名・自由気ままなスウィーティー社長
説明・社長だよ。ちゃんと一番偉いよ。しかし残念なイケメン。彼目当ての女が依頼してくることが多くて困っているがサボりすぎであんまいない

☆副社長 【麗堂山 骸(れいどうざん がい)】
「私の名前は……麗堂山骸、副社長で…えっと、そんなに顔は見ないでくれ。照れて、顔が熱く……っ……」
性別・男 種族・魔界人
能力・決まりを変更する程度の能力
二つ名・冷徹な黒のルールブック
説明・無口。落ちついた性格に見えるが実は照れ屋で褒められたり見つめられたりすると照れて気絶する。動物が好き。一緒にいる青い鳥は相棒(名前はひより)

☆聞き込み担当 【バニラ・ミントグリーン】
「何か困ったことがあったら私に強く念じて!口になんて出さなくていいの、テレパシーは自由自在なんだから!」
性別・女 種族・妖精
能力・テレパシーを自由自在に操る程度の能力
二つ名・テレパスフェアリー
説明・お悩みお聞きしますお姉さん。妖精に見えないけど一応結構大きめの妖精。みんなに頼って欲しい。隼斗はマイダーリンらしい

☆犯人探し担当 【抹柳 想羅(まつやなぎ そら)】
「えへへ〜♪触りたかった?残念、オバケでした〜ボクも来世は君達みたいにほのぼの暮らしたいな〜。まぁ死んだんだけどね〜♪」
性別・男 種族・幽霊
能力・触れることの出来ない程度の能力
二つ名・あの世へ行けぬ永遠の花
説明・ゆるふわほのぼのおっとりお化け。身体が透けてるから一部の人しか触れない。小説を読むのが好き。いちいちやる言動があざとい。脚がないんでもはや無性別

☆書類作成、整理担当 【埜澤 隼斗(のざわ はやと)】
「ら、ラブレター?恋文…ってヤツですか!?いやいやお姉さん僕こんなの貰えない……って、てか僕は一応女ですよ!」
性別・一応女らしい 種族・人間
能力・見たもの全て暗記する程度の能力
二つ名・無限の頭脳を持つ紳士
説明・女にモテる。どう見ても男の子だが自称女(勝手に自称にされてる)。名前も見た目も声も全部男だけど女。唯一の人間で凄い苦労人。まもなく過労死

☆犯人確保担当 【皇 雅樹(すめらぎ まさき)】
「優しくなんてすんなよ?これはお前の俺の真剣勝負だ。いくら目の前の真っ赤な奴が雑魚に見えても気ィ抜くなよ?首飛ぶぞ」
性別・男 種族・妖怪(?)
能力・自らの血を毒に変える程度の能力
二つ名・真紅に咲く血染めの刃
説明・凄い好戦的。毒を塗った刀をいつも持ってたり戦闘部隊のため能力使用が多く、いつも貧血気味。好きなものはトマトジュース。最近自らの体の限界を感じてきている

☆元社員(自称) 【憂御影 スピカ】
「は?なんで僕が手伝わなきゃいけないんですか?そんな義務ないです。帰ります。」
性別・男 種族・隠し神
能力・神隠しに合わせる程度の能力
二つ名・逃げては隠れたひねくれ神様
説明・元々社員だったが逃げた。今はまた戻されそうになってたり。凄い反抗的でムカつく。スーパー問題児。言えばやってくれる

☆元社員(一時的に) 【希翔 輝美】
「やっほやっほ〜!あんま帰って来れなくてごめんね!あ、これ外のお土産だけど良かったらいる?」
性別・女 種族・不明
能力・どんな世界にでも移動できる程度の能力
二つ名・天真爛漫空の娘
説明・元社員だったが今はいろんな世界に出張中。たまに帰ってきたら皆と遊んだり。スピカとは逆に凄く人懐こい。あまり仕事はしてない

235:◆ hoge:2018/11/04(日) 09:01 ID:PUI

暇潰し。短いよ

「〜♪〜♪」
室内にレコードの音楽が鳴り響いている。気でも落ち着かせようとしているのか、目を瞑ってまるで眠るようにしながら幽霊の想羅はその音楽に耳を傾けている
高い音や低い音が混じり合い、一つの素敵な音楽が奏でられて………

突然音楽が途切れ、心地いい音が無くなってしまった
「五月蝿い。俺が居ないとこで聞け」
横で本を読んでいた雅樹の声がその代わりに入ってくる
溜息をつきながら困り顔でそう言う雅樹に想羅は答えた

「でもレコード此処にしか無いよ〜?雅樹くんの絵本は何処でも読めるよね〜?」
ニコニコしながらそう言うと、ムッとして雅樹は想羅から目を反らす。吐き出すように「絵本じゃねーし」とか呟いて

そういえば他の人は何処に行ったのか。少々疑問に思ったのか、想羅が雅樹に問いかけてみた
「社長は遊び、副社長はそれ探しに行ってバニラさんはお出掛け。隼斗さんは暇だから消えやがった。」
何となく察してたけどできれば置いてかないで欲しい

まぁ誰も来ないことに変わりはない。最近はあまり探偵を頼る人もいないのだろうか?
確かに色々な種族が力を持ってきている。内面的な悩みも無さそうなやつばかりだ

何か面白い事件でも起きればいいのに………と平和が一番だとは思っているが考えてしまう。
しかし、こんな暇な時間もあっという間だ。今は気付いていなかったが後に分かることになる
あの真実を知るまでは。

何処かへと、今の想羅が大好きな鈴の音が消えてしまう。そんな予感がたまにする。
いつ消えてしまうかわからない。いつ聞こえなくなるかもわからない。
彼の音が遠くなっていくのが、少し怖く感じた。


おしまい

236:◆ hoge:2018/11/04(日) 14:17 ID:PUI

〜幻想郷へようこそ〜


もうすっかり外は真っ暗。
色付く葉を揺らす秋めいた風がいつも以上に冷たく感じる。
疲れた体を癒すように私は深い深呼吸をした

時計を見ると午後7時。帰る時間がすっかり遅くなってしまい、先程コンビニで購入したパンを頬張る
それを食べながら道を進み駅へと向かう。
いつも通りの何も変わらない帰り道

「明日は晴れかな……」
そう呟き、真っ暗な空を眺める。
都会の為星もあまり見えず、見えるものは高いビルと小さな小さな月の光だけ

「雪〜!」
後ろから二人の女の子が駆けてきた。先に帰っててと言われたから置いてきたものの、追いかけてきてくれたのだろうか?
友人と笑顔で一緒に駅へ向かう

電車のホームで次の電車を待っていると、1人の小さな女の子がお母さんと手を繋いで歩いて来た。
すると、何故だか分からないが女の子が突然のお母さんから手を離し、ちょうど私の目の前で線路へ転落して行ったのだ

「危ない!」
咄嗟に私は女の子を助けようと線路へ降りてしまった。ほとんど無意識で女の子を助けようとするも、その子はすっかり気を失っている。
『電車が参ります』

私が女の子を線路の上へ運び自分もそこから出ようとした途端、そのアナウンスが流れた。
怖いのだろうか?友人の一人が涙を流しながら叫んでいる。もう1人も死に物狂いで停車ボタンを押そうとする

間に合わない……もう電車はすぐそこまで来ている。停車ボタンを押すのはもう遅くて、私の耳に入ってきたのは沢山の人の叫び声、泣き声、そして電車のブレーキのかかる音だった。


もうダメだと思いぎゅっと目を閉じると、突然体が浮遊した。
まるで空を飛んでいるようだ……強く閉じた目を開くと、大きな月が目に入った
こんなの私が居た場所では見えない

そして月と一緒に、綺麗な男の人の顔が見えた。
真っ白なサラサラした髪の毛で月に照らされ眩しい。
耳についている紫色のピアスがキラリと光り、まるで夢を見ているようだ。

私を助けてくれたのだろうか。その男は私を抱き抱え、空を飛んでいる
そう感じただけだったのだろうか。
「1.2.3………」

ハッとすると見たことの無い場所に座っていた。
風景はまるで昔みたいで、目の前には大正?明治?それくらいの建物ばかり並んでいる
私の住んでいる場所ではないことは確かだ。

「ここ……どこ……?」
素直な問いかけをしてみると、その男はニコニコと笑いながらこう答えた。
「此処は幻想郷。妖怪や神も暮らす素敵な場所さ……♪」
そう言われても全くわからない。

携帯で時間を確かめようとするも、携帯は繋がらずに画面は真っ暗なままだ。
すると男はひとつの懐中時計を私に握らせた
「その懐中時計を持っていなさい。それがあれば、君が変な目に合うことは無いと思うよ」

月の光に照らされて、美しい顔がハッキリ見える。
その優しい声が離れていくと彼は一礼し、こう言ってどこかへ行ってしまった
「それでは素敵な夜をどうぞ。今宵は月が綺麗ですね、お嬢さん♪」


続く(かな?)

237:◆ hoge:2018/11/05(月) 15:37 ID:PUI

⋆。˚✩追憶 〜ひなた編〜

「ねぇ、次の公演私に主役をやらせてくれない?」
10月上旬。私は勇気をだして団長に提案をしてみた。
ダメ元ではあったが今回の公演はどうしてもやらせて欲しい。

何故かと言うとハロウィンイベントだからだ。ストーリーは主人公の悪戯っ子な悪魔が人間に恋をする話。大切なものを守る悪魔はどうなるのか……つまり私にもってこいの役だった。

「ま、まぁ良いのだけども……」
私がこんなことを言うのだからよからぬ事でも起こるのだと思っているのだろうか…
団長は本当にできるのかとでも言うように首を傾げそう言った

実はその役がやりたいのでは無く、本当の理由がある。私の大切な宝物。その宝物が誕生した日がハロウィンの夜なのだ
そして、これは悲劇の双子が奏でた夜の鎮魂歌

☆+。+☆

ハロウィンの夜、私達は静かな街で産まれた。妖しく光る月の光に照らされその誕生を祝福された双子の私達
でも私達の姿は瓜二つ。どっちがどっちか分からないほどそっくりだった

あまりにも似ている私達は、5歳程の年齢になると近所からは気持ち悪いと言われるように。悪魔だとかなんとか…
でも私に言うのは構わない。でも弟にそんな暴言を吐かれることは許せなかった

ある日私の家に一人の男の人がやってきた。

あまりにも近所の当たりが強い為、お母さんは私達を深い深い森の奥へ連れていき「着いてきちゃダメよ」と泣きながら言いその場を去った。
弟は何も分かっていないのか、元気な声で返事をする

私は全て知っていた。そしてもう二度と家には戻れないって
そっくりな顔で同じ服を着た私達は、秋の星月夜の下母の帰りを待った。もう二度と母が戻ってくることは無かった

あまりにも戻って来ない母に何か気が付いたのか、弟が静かに泣き出した。
私はその弟の背中をゆっくり優しくさすって寂しさを誤魔化した。笑顔で「大丈夫」と呟きながら

二人で手を繋いで道を行く。出たところは人里の離れ。家へ帰れる……!そう思い我家の戸を開いた
中はすっからかんで何も無い。親の姿もそこにはなかった。そして所々焼け焦げている

街にも見慣れない人ばかり
どうやら私達が森にいるうちに何百年もの時が経っていたようだ。お金が無ければ食べ物もない。弟は日に日に元気が無くなっていった

春が来て暑い夏が終わり秋は過ぎ季節は冬へ。久しぶりに外へ出ることにした。森の中で何人かの妖怪とすれ違った。何故この道を進んでいるのだろう
すると道の真ん中にあの金髪の妖怪が立っていた。無視して通り過ぎようとするが、体は反応せず動けなかった。

弟は何にも気が付いていない。いや、私が気付かせていないのだ。だって────

私達はあの時既に死んでいた。母親が来ないのも、全てそこから嘘だった。
母が私達を連れていく話をしていた時、家は熱く燃えた。火は次々と人に移り家は焼け朽ちていく

私も弟も母も父も……
私は弟が死んだ事を本気にしたくなかった。だからその金髪の妖怪を無視して去ろうとしたんだ。

しかし、身体はみるみる光の粒子のようになって行く。私だけじゃなくて弟も……
必死に私は訴えた。「お願いします。私は死んでもいいからひなただけは!お願いします……」と何度も叫んだ

願いが叶ったのか、霊体になった私の前には最愛の弟が横たわっている。
よかった……そう言い私は消えると思ったのだ。
しかしさらに奇跡は起きた

私の魂がひなたの身体に入ったのだ。そう、私の人格のみが弟の中で生き続ける。つまり私は一生彼を守れると。
あの妖怪は、最期に素敵なプレゼントを残してくれた。

☆+。+☆

『HappyBirthday!!大好きなひなたへ
これからもずっと見守ってるよ』
そんな手紙をハロウィンの朝、置いておいた。
気が付けばは公演は千秋楽。彼が主役の晴れ舞台だ

「Trick or Treat!ねぇねぇ、君はどっちにする?表の僕と裏の私……ハロウィンナイトメアは永遠だよ!」

舞台の弟はキラキラ輝いていた。いつも以上に
その素敵な笑顔で舞台に立って、立派に台詞を堂々と言う。そんな姿を見れて幸せだ
ずっとずっと守るから。君はその笑顔で幸せでいて

おしまい

https://i.imgur.com/sSidQ5B.jpg

238:◆ hoge:2018/11/10(土) 23:17 ID:PUI

幻想郷へようこそ 〜その2〜

「あ、あれ?ちょっと、待ってよ!」
見たことも無い知らない場所。しかもどこに何があるかも分からないのに取り残されてたまるか!
もう彼の姿は見えないものの私は叫んだ。

そして掌の中にある懐中時計に目を通してみると、何だか違和感を感じる。
違和感というか……何かこの懐中時計に見覚えがある気がしたのだ。

「あ、あの〜……お姉さんどうしたの〜?」
突然声をかけられ体がビクッとした。そーっとその高い声が聞こえた方を見ると、色が白い着物を着た女の子……?がいた

なんか私の世界で見ないくらい凄い可愛い子……やっぱり此処はそういう場所?なのかな?
「えっと……ここが何処かわかんなくて……」
苦笑いしながらそう言い少し視線を下げると、目の前にいる子の脚が無く浮遊していることに気がついた

驚きのあまり声が出ない……
「おい想羅。道草食ってんじゃ……誰だお前。」
私がその事話していたら連れだろうか?中学生?くらいの可愛い男の子が不思議そうに私を見てきた

この世界で人間は珍しいの?それより早く帰りたい……
とりあえず二人に連れて行ってもらい、詳しそうな人に話をさせてくれるとのこと
どうにかして帰れるといいんだけど……。

「おかえり。あれ、見たことの無いお嬢さんだね」
やっぱり大正風の建物。その中に入るとめっちゃカッコイイタキシード?みたいなのを着たイケメンのお兄さんがいた。凄いイケメン。ほんとにもうイケメン。

ちっちゃい子二人が事情を話すと了解してくれたみたいだ。
「お嬢さん、生憎僕にはよく分から……」
そう言いかけるとどこからか声が聞こえた

「なるほどね☆そこのスィートキャンディちゃん、少し俺に"そいつ"の事を話してくれないかな?」
上の階から飛び降りてきたのか、一回転して着地。運動神経凄いな…もうなんか凄い綺麗な顔ばっかり並んでいて申し訳がない

玖祐と名乗ったその男の人に連れられて奥の部屋に入る。やっぱり大正チックな部屋だ。変な場所だな
この人に聞きたいことは山々なのだけども、向こうも私に何か聞きたいみたいだし……

「座っていいよ。長くなるかもしれないからね」
そのお言葉に甘えて私は椅子に腰を掛ける。暫くするとイケメンがお茶を持ってきてくれた。
彼は突然口を開いたと思えばこんな事を問いてきた

「まず、君はその懐中時計を元々持っていたかい?」
「いえ……知らない男の人がくれて……」
そう言うと玖祐さんの顔が暗くなった。何かいけないことを言ってしまったのだろうか

「それじゃあ次だ。その男は……君に何か言ったか?」と、さっきよりも明らかに低い声のトーンでそう問われた。
「えーっと……月が綺麗とかどうとか……」
あの言葉を思い出しながらそう答えるともっと真剣な顔で告げられた。

「そうか……。もしまた会った時、彼が何か言ってきても絶対に言うことは聞いちゃいけないよ」
なんだか知らないけれど、その言葉を言う玖祐さんは凄く怖く感じた。
私は無言で頷きそれを了解したものの、これからどうすればいいかも分からない

取り敢えずこの話はまた今度ということにして、私はその部屋を出た。
そしてまた懐中時計に目を通す。カチカチと秒針が動いて時を刻んでいる。何故だかこの時計は不思議な力?を持っていそうだ

続く

239:◆ hoge:2018/11/25(日) 19:24 ID:PUI

前に書いてたやつ


ゆらゆらゆら……月が浮かぶ空を映した水面が揺れる。人里で次の公演に使う道具を買ってこいとお使いを頼まれた蓮摩は、急ぎ足で夜の里を駆け抜けていく。

里を抜け森に入り館へと向かう。ザザザザ………
大きな風だろうか?木々がザワザワと揺れる。
何か嫌な予感がする……そう思っていると木の上から声が聞こえてきた。

「なぁ君、そこの和服の」
上を見ると長い髪をひとつに結った背の高い青年が木の上から此方を見ていた。月の光に照らされ髪は金色に輝いている。
蓮摩に気を使ってくてたのか、飛び降りて蓮摩の前に降り立つ。

何故だか分からないが声が出ない。とりあえずじっと彼の顔を見た。
「怖がんな…ってまぁお化けと会ったら誰でも怖がるか?」
明るく笑いながら話しかけてくれる青年

何処か見た事のある面影があった。
誰かと似ている……?蓮摩は青年の顔をじーっと見つめる。「颯汰……殿?」
そう呟くと、青年は如何にも図星だとでも言うように表情を緩ませた

「ま、まぁ別人だが……リーチではあるかもな!あと、颯汰…元気にしてるか?」別人なのは分かるが彼はそれ以上どんな関係なのか話してはくれなかった。
爽やかな笑顔で師匠のことを問い掛ける青年。蓮摩は元気に頷いた。

青年はその様子を見て安心したのか、靡く髪を抑え笑った。
でも蓮摩は颯汰から兄弟とかがいる話なんて聞いたことがない。そうすると一体何者なのだろうか

目の前に居る青年は、笑顔で此方を見て「"あいつら"も大きくなったんだな……」と呟いた。
そう言うと、また大きな風が吹いて来る。
「じゃあな少年!また会おう!」

風の音と共に青年の声が聞こえてくるが、気がついた頃にはもう彼の姿は無かった。
まるで風と共に過ぎたように。


後日
カランカラン……
「あああ!すまぬ!今すぐお拾い致す故……」
またお使いに出ていた蓮摩は道中で同じ位の背丈の少年にぶつかって彼の持っていた包の中身をぶちまけてしまった。

「いい。自分で拾える。」
小さい声で耳打ちして少年はしゃがみ込みそれ等を拾う。何だか悪いことをしてしまった。
少年は無表情で顔を上げ、蓮摩を無視して去ろうとした。

その少年が過ぎるのを見ながら、蓮摩はこれから何か嫌なことが起きるのではないか……
もしかして師匠は何かずっと隠し事をしているのかもしれない。それも、我等美麗魔歌に…

240:◆ hoge:2018/12/01(土) 11:11 ID:ikU

幻想郷へようこそ 〜番外編〜


夜は儚く過ぎて行き、風は凪いで天仰ぐ。綺麗な秋月の下、銀の魔導師は一つ小さな溜息をついた。
「来ると思っていたよ。君達は私の話を聞くと直ぐに駆けつけますからね♪」
「貴様、また……何かしただろう……?」

時計台の上で笑っている男を睨み付けるように、骸はそう問いかけた。
「主を助けただけですよ♪」と答えた男の笑顔は嘘を言っているようにも、真実を話しているようにも見える

彼はいつも何をしでかすか分からない。実際彼のせいで色々あったやつも少なくはない。
だから調査をしているのだ。『新たな犠牲者』を出さない為にも。そしてその被害が外の世界にまで広がらないように

今回の少女の件は実に不思議だった。いつも人を殺めることしか脳に無い彼が人……しかもごく普通の人間を助けるなんて。普通じゃ考えられないことであった。

バニラからその知らせを聞いた時はさすがに疑った。だが彼の話を骸達三人以外にはあまりしたくない。人間である隼斗は知れば奴に殺されるかもしれない。

ある事情により雅樹だけには絶対に話してはいけない事なのだ。あ、ちなみに想羅は絶対本人に言うので教えてやらないだけ。
「お前のやった罪は幾つだ……また犠牲者を増やすのか?」

一瞬彼は黙り込んだが、直ぐに口を開いた。
「まず、最初に貴族の娘の過去を奪った。
その次にある付喪神を封印し、お前らの所にいる少年を閉じ込めた。」
そう言いそいつは態と此方に微笑んだ

「他には何百人もの人格を破壊した。それも元"仲間"の……。今は現代に疲れた少年を使い現世を死に追いやろうと……」
「もう言うな。」
犯した多い罪を彼は笑顔で淡々と話していたが、骸は睨み付けながら話を止めた。

そして最後に1番知りたかったことを問いかけた。
「一人。魔法使いをやけに嫌う奴がいる。そいつがそれを嫌う理由もお前が何かしたからか……?」
木々が揺れる森の中、僅かな時間沈黙が走る。

「はーいストップストップ。騒ぎすぎじゃありませんか御二方。」
すると突然木の下から若い青年が出てきた。困ったような顔をして話をぶった切る。

「お前もこいつの仲間か……」
骸は青年を睨み付けながらそう呟いた。すると笑顔だった青年の顔から一瞬にして笑顔が消えた。
「誤解されちゃ困るな………その真逆。俺はいつかそいつをぶっ潰す。」

青年がそう吐き捨てると同時に森全体がざわめく様な強風が吹いてきた。
「骸さん!俺の弟のこと、頼んだぜ!」
そう笑顔で言い青年は風の中へ消えていった。



続く(?)

241:◆ hoge:2019/01/15(火) 18:02 ID:NAM

かなり前から何度も思っていたのですごい今更感ですが、先程此処を見直して決めました。
このスレのものはどんどん話の内容が脱線していく挙句、もはや元作品と全く関係の無い意味の無いオリキャラの量産や公式とは全く異なった薄っぺらい話ばかりで、正直これは二次創作とは全く思えません。
申し訳ないですが此方のスレは閉鎖させて頂きます。
二次創作と言いつつも関係の無い事ばかりしてしまいすみませんでした。
中途半端なところでぶった切ったような形になってしまいましたがお許し下さい。


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