これは東方projectの二次創作小説です。
あまり戦闘シーンはありません
ほのぼの東方キャラが会話しているだけです。
アドバイスや感想は大歓迎です。
出して欲しい東方キャラも気軽に言ってください
あくまでも「二次創作」なので,ある程度キャラの性格が変わっています
荒らしや悪口も止めてください
三人組SSです
時間がないので変なところで切ります!
ーーーーーーーーーーーーーーー🍃🔥❄
此処は幻想郷の住人でさえ立ち入らない場所
ずっと続く森の向こうは道もわからない竹藪,その向こうには小さな小さな子供でしか通れないくらいのトンネル。
トンネルを越えるとずっとずっと広がった野原がある
そして一つの小さな鳥居と大きな神社
神社には信仰など必要がない。
何故なら神が存在していないからだ
だが,その先は誰も見たことがない
ある"3人"を覗いて───
ちらちらと雪の降る冬の朝,一人の少女は何かを待つかのように雪の降る空を眺めていた
紘斗「寒っ………!?
って楓埜,そんなに見てても何もないぞ…」
その少女の後ろから困ったような顔をして話しかける少年
どうやらあと一人は旅に出てしまったようで今は居ないようだ
こうなってしまってはいつ帰ってくるか分からない
楓埜「違う……碧の彼方の闇の世から亡者の囁きが……」
凄く意味がわからないが,恐らくもうすぐでもう一人が帰ってくるような気がしたのだろう
ちなみに昨日は野原を全て凍らせ,一昨日は紘斗を氷付けにして氷像を作ろうとした楓埜だが,流石にもう一人が帰ってくれば……
だが紘斗からすればどちらか一人だと爆弾,二人揃えばダイナマイトみたいなものだ
紘斗「ちょっと待ってくれ!今某金髪ロングが帰ってきたら俺は死ぬぞ!」
楓埜の台詞にかなり必死に返す紘斗
そんな真冬の雪の中,神社の隣の祠が開いた
七色の光に包まれた大きな祠は,子供一人入るくらいの大きさだ
その中から金髪の少女が大きなバッグをもって出てきた
??「今回は少し早めにね……♪」
──────────────────
中途半端だけど続く
〜暇潰し運夜&鄒華SS〜※台本書き
運夜「鄒華ちゃーん♪ボクと散歩しない?」
ポカポカとした太陽が二人の居る部屋を照らし,窓からは光が溢れてくる
そんな素敵な昼間を過ごせると思っていた鄒華だったが,一人のチャラ男のせいでそんな日々は夢になった
鄒華「生憎キミと付き合うほど暇ではないのだよ」
空気の読めない運夜に呆れながら吐き捨てるように誘いを断る鄒華
ちなみに一度も誘いに乗ったことはない
その言葉にがっかりするどころか鄒華の性格を分かりきっている運夜は嬉しそうにした
運夜「鄒華ちゃんってあれかな?あっちの世界で言う………ツンデレ?
かっわい〜♪」
茶化すようにそういう運夜
図星……というか普通にかなり嫌だったようで,いつも無表情な鄒華は哀れみの目で運夜を見る
あまりにも運夜がムカつくので裁縫をする手も止めている
鄒華「キミは誰にでもそう言っているからね。信用できないのだよ!」
キッパリとそう言うと,運夜は唖然とした
そしてクスッと笑い諦めたのか,鄒華に背を向けた
だが,見えない所で悲しそうに笑えば聞こえないような声で囁いた
『キミの目にはボクがそう見えてるのか………
本気なのはキミだけなんだからね……ボクのマドモアゼル……♪』
季節外れな薔薇の花弁は,冷たい風に吹かれ儚く散った
続きです
少し短くなりました
多分台本書き
─────────
??「チャオ☆帰ってきたよ〜!」
二人がよくわからない会話をしていると,向こう側から良く聞き慣れている声が聞こえてきた
その声の方向を向けば,案の定それは輝美だった
手を振りながら真っ白な道を走ってくる
それより今回は普段よりかなり早く帰ってきた
紘斗「やけに早いな………また何か企んでるのか?」
かなり嫌な予感がするようで,紘斗は苦笑いしながらそう問いかけた
輝美「実は今回、二人にも空の旅を楽しんでもらおってね」
その言葉にきょとんとしている二人
輝美はムッとすれば楓埜を担いぎ,紘斗を引っ張りながら祠の中へと入っていった
─────🌏
目の前に広がるのは無限の青,涼しいような暖かいような心地よい風が髪を揺らす
輝美「どう?空の上は……♪」
ニコッと笑い二人の方を向く
楓埜「村がゴミのようだ」
紘斗「やめろ」
素直な感想を無表情で言う楓埜
どうやら二人とも楽しんでいるようだ
暫くすれば明るかった日が沈む様子が見えた
とろとろと熔けるように陽は大きな湖の向こうに消えていく
空は黄色からオレンジ,オレンジから紫,紫から青…………
美しいグラデーションに染まっていた
陽が沈んでしまうと,辺りはすっかり真っ暗だ
いつもより星や月が近い位置にあるように感じる
周りは一面の星空
そのような風景にも見飽きたのか,紘斗はぽつりと輝美に言ってみた
紘斗「なぁ,この空のもっと上に行ったら何があるんだ?」
その言葉を聞くと,いつも明るい表情の輝美が無表情になった
そして怪しいような怖いような笑みを浮かべ,いつもより低い声で言った
『空の上には行っちゃいけない。馬鹿な魔物が住んでるからね』
その言葉はゾッとするほど不気味に感じた
輝美「それじゃ,そろそろ帰ろっか!」
またパッといつもの笑顔に戻れば二人の方を向きそう言う
二人が目を瞑れば,またいつもの白い雪が積もった野原だった
挿し絵☆
https://i.imgur.com/8EmW6Vg.jpg
失踪してしまいすみません!
少し来てみましたがスレもう一度建て直そうか迷い中
オリキャラ小説〜☆
短いヨ☆☆
ああ暇………空から飴でも降ってくればいいのに………
そんな下らない事を考えながら曇った空を見た。
まだ春だと思ってたのに初夏の暑さだ。しかも嫌な程空は澄んでいて,陽はギラギラと鬱な私を照らしている
「こら小娘!聴こえているのか?」
突如聞こえてきた言葉でハッと我に帰った
まぁ,どうせ行ってもまた説教かなんかの依頼だろう
「はいはイ,聴こえてルよ………!」とテキトーな返事を返してからその声の主,まぁこの集団の団長さんのところへ走る
鄒華姉さんの所に行くと,相方?っていうかただいつも一緒に居るだけ。
別に好きでもなんでもないし逆に一緒にいてめんどくさいあいつ。そう、惷が居た。
このメンツでなんかもう察せるよね………
はぁ,帰りたい……できればもう人里で宣伝〜とかは勘弁してほしい
「今日は貴様等二人で,次の公演の宣伝をしてきて欲しいのだよ」
なんでこういうときに予想が当たるのだろうか………
てか他に人居るだろ。みたいな毒を心で吐きながらも返事をする
やる気が出なさすぎて半分力抜け状態
すると惷のバカが私の髪をいきなり引っ張っては「何ボーッとしてんだテメェ。とっとと行くぞ」とか生意気なこと言ってくるし
「ハ?何指図してんノかな?」
無意識のうちにいつもの調子だ
良いのか悪いのか分かんないけど,こんな毎日もいいかもね
平和が一番…………なんて私の柄じゃないかな?
☆おしまい☆
多分文字変ですよ〜前のを真似してみました
198:◆VM hoge:2018/05/03(木) 22:20 ID:tAE はい誤字〜
>>曇った空
じゃなくて青い空だよ!うんうん!曇らせちゃいけないね!悪い日和!
絵が完成したから〜
丁度あの二人が宣伝に出掛けた頃,幻想郷の離にある森に何者かが立ち入った
暑さとは真逆の涼しげな風が彼の髪を揺らす
その気配に気付いた副団長,綺斗は窓から外を見る
見覚えのある姿………窓を開けては大声で彼を呼び手を大きく振っている。相変わらずテンションが高い
「颯汰さん!お久しぶりですね!!」
森全体に響き渡る程の大きな声……その声にビックリしたようだったが,その颯汰と呼ばれた少年は落ち着いた様子で手を振り返した
「お主のような若僧が弟子を持つなんて………思ってもなかったのう………」
颯汰を中に迎え入れた澪は懐かしい話でもするかのようにそう言った
過去,この二人の世話になっていた颯汰は話を聞いた限りかなりやんちゃで偉そうに説教なんて出来るほど真面目でも無かったようだ
大事な道具は壊すし,すぐ失踪しては他のところで迷惑をかけたり…………
そのうえ二人が怒ろうとしたら「おばさん達なんかに怒られたくねーよ!」とか生意気なことを言いながら逃げるのだ
二人もまさかこんなに真面目な青年になるとは思ってもいなかった
そこで届いたのが弟子ができたという知らせ
しかもその弟子はうちの劇団にいる魔法使いの兄だと
このときは流石に二人とも驚きを隠せなかった
昔の懐かしい話をしていると丁度話に出てきたその弟子,蓮摩が此方に気付いたようだ
「颯汰殿!遊びに来ておったのか!?」と嬉しそうに駆け寄ってくる蓮摩にまだ子供だな……とか思う
するとノリで「蓮摩さん,実はこのお師匠様も……」と過去の話をしようとした
外を見ればもうこんな時間………夕焼けが紫色の空を覆っている
「それじゃあ,私は此処で………昔のことはあまり思い出させないで下さい」
苦笑いを浮かべて席を立つ青年は,ほんの少しだが成長しているように見えた
END☆☆
描けたよ!友達いないから容姿が私好みになってるし画力は無いよ!
しかもこれどうみても清澄九r((
https://i.imgur.com/kMCR0TE.jpg
作ったけどなんだこいつみたいなのが出来た失敗作☆☆無理☆☆
ちなみにこの名前はクッキーみたいなお菓子だよ!お洒落!←
【名前】ロゼット
【読み】ろぜっと(そのまま☆)
【性別】おとこのこ
【種族】わかんない!
【能力】宝石を創造する程度の能力
【二つ名】jewel prince(宝石の王子様)
【危険度】極低
【友好度】高
【容姿】
めんどくさいからイラスト載せるよ☆
https://i.imgur.com/5uioSW0.jpg
男の娘が描きたかったんだよ。左上は元の姿。真ん中は失敗
まぁ性別なんてノンノン☆ちなみに身長は154p希望
【詳細】
無邪気で明るい性格。そこらへんの子供と変わらない
常に笑顔でいる。子供だからと思うが本人は自分だけは何があっても笑顔ではないといけないと思っている
容姿なんて気にしてない。
外の世界である小さな国の王子をやっていたが,戦いばかりで国が滅び,その時の呪いを解く為城と一緒に幻想郷へ逃げ出した。
呪いは解けたが向こうの世界での記憶はほぼ失っている。
容姿は幼いがいつも持っている宝石の力を使えば一時的に元の姿に戻ることができる(しかし30分のみ)
女の子と勘違いされていることが多いしまぁ実際の性別とかどうでもいいので比較的何処にでもいる
その代わり危険な目に合いやすい
あと日本語の間違えが凄い
普段は主に城の中にいる。一応王子の為、宝石で作られた兵隊や執事,メイド等に守られている
ちなみに普段の姿では戦闘力は0。
【能力解説】
『宝石を創造する程度の能力』
名前の通り様々な宝石を作り出すことができる
いつも持っている杖で宝石を作り出している。ちなみに服や冠の宝石は自作だと思われ
一応安いものから高価なものまで出す事ができる
【スペルカード(これは酷い)】
紅玉「情熱のルビー」
碧玉「深海のサファイア」
黄玉「誠実のトパーズ」
紫水晶「心の平和,アメシスト」
月長石「純潔のムーンストーン」
「輝くダイヤモンドと七つの光」
【台詞】
「はろー!キラキラ,宝石いーっぱい!
皆の笑顔,宝石みたいにキラキラしてる!皆キラキラ、はっぴーだよね……♪」
「さようなら。ボクの故郷。砕け散った宝石の欠片はもう輝きを捨てた………ボクには皆の笑顔でさえ守ることができない………」
イラストなんか画質悪くて見にくいですね。閲覧は自己責任でお願いします☆酷いですよ☆☆
202:◆VM hoge:2018/06/16(土) 18:59 ID:/y2 追憶〜運夜編〜
心を持った雫の欠片は、貴女の元へ届くでしょう
小さな紙飛行機は、宝石となりあなたの元へ。
そう、その宝石は僕の心。深く暗い真紅色のハート
例え貴女が振り向かなくとも、僕は永久に愛します
これは森の奥深くで暮らす孤独な少女の話
泉の近くの小さな家。そこには一見少年のような金髪の少女。つまり僕が暮らしていた
こんな森には誰も立ち入ろうとしないだろう
僕は産まれたときから孤独だった。親も何も見たことがない
人間達はみんな僕を差別する
そんな孤独な僕の元に、ある日一つの贈り物が
いつも通り近くの泉で一人で遊んでいた僕に、鈴の鳴るような澄んだ声で語りかける
「ねぇ貴女、こんなところで何してるの?」
初めて聞く人の声にゾクリと肩を震わせ恐る恐る声のした方を振り向く
そこには少し癖のついたピンク髪に、美しい顔立ちをした少女が立っていた
少女の問いかけに僕は「別に」と返す
それがこの少女との出会いだった
僕達はすぐに仲良くなり、ピンク髪の少女は毎日の僕に会いに来ては遊んでいた
そんな日々が僕にとっては特別だった
だが人間と僕は何もかもが違う。
彼女は永遠には生きられない
時が経つにつれ、少女はだんだんと僕より大きくなっていった
ある日彼女は僕に雫型の宝石がついたネックレスをくれた
楽しい日々にも終わりが来る。
望んでいなかった結末は思っていたより早く来てしまった
いや、彼女からしたら人生のほとんどだったのかもしれない
木々が青々と茂る初夏の日、僕は彼女と出会い彼女と別れた
彼女がいなくなって数年、この森に再び来訪者が訪れた
どうやら劇団への勧誘らしいが勿論断るつもり
だがしかし、それとこれは別だろ。癖のついたピンク髪、宝石みたいに青い瞳。
僕はその少女を見た瞬間息を飲んだ。
何だろうこの胸の高鳴りは……気が付くと僕は少女の手を取っていた。
神様は再び贈り物をくれた
「美しいマドモアゼル…愛しい僕のプレゼント……」
真っ赤な薔薇の花弁が、彼女の美しい髪を揺らした
例え叶わない恋でも良い。僕は永久に彼女をお守りします
首にさげたネックレスを眺めながら、今日も平凡な1日を過ごす
「賑やかだな…」
外では初夏の日差しが青葉を照らしていた
挿し絵だヨ
https://i.imgur.com/TU8P808.jpg
なんか作った記憶喪失くん
【名前】夢密 カナメ 《ヴァルキュリー・NCV(ナイトメア カタストロフィ三世)》
【読み】ゆめみつ かなめ
【性別】男
【種族】思い出せない
【能力】記憶を消去する程度の能力
【二つ名】記憶を無くした悲劇の偶像
【危険度】不明
【友好度】高
【容姿】
イラスト載せる
https://i.imgur.com/OkkUvUf.jpg
鎖で少し察せれる。身長158cm希望
【詳細】
いつもボーッとしてそうで作り笑いのような笑顔を浮かべている
話し方や性格はいつも落ち着いているがどちらかというとどっか抜けている様子
過去の記憶が消えてしまっているため自分は一体何者なのかも分かっていない。
過去に悪者のNC家の血を継いでいると知られ、様々な人間に恨まれ命を狙われるようになってしまった
人間は妖怪や自分達以外の生物を容易く殺める。化け物の彼はそんな人間達を恐れた
そして自分の存在を知る者すべてから自分を消した。しかし能力が暴走してしまい自分自身の記憶も消えてしまった
記憶が無い為、自分の本当の名前はわからない。あくまでこの名前は仮である。まれに記憶が甦って過去のトラウマに怯えたりと毎日大変そう。意外と友好的な性格
ロゼットとは仲がよく、忘れてしまったことを教えてもらったり今は楽しく過ごしている。今の記憶もいつ消えるか分からない為、この幸せはつかの間である。
所詮は神に愛されなかった孤独な化け物なのだから
【能力解説】
『記憶を消去する程度の能力』
相手の記憶を消去することができる。しかし塗り替えたり対象の記憶を操る事は不可能
対象の記憶のみではなく、自分自身の記憶も消すことができる。暴走すると自分の記憶全てが消えてしまう
【スペルカード(無理】
喪失「深紅の瞳」
喪失「記憶の奥底」
喪失「暗闇に閉ざされし記憶」
消滅「望んだ物は幸せな夢」
消滅「誰かの夢に誘い込まれて」
「遠い記憶と無の世界」
【台詞】
「さぁ、今宵はどんな夢を見せてくれるんだろうね……
いつか消えてしまう記憶なんて必要がない……だから俺は過去を消したんだ。」
「この世は悲劇ばかりだね……本当の幸せはいつ来るんだろう……俺は毎日怯えているよ。いつか消える記憶を恐れて」
〜記憶の狭間に残された夢〜
記憶の波に溺れて 孤独と哀しみを消し去る
共に消えるは血塗られた記憶 そして叶わぬ夢
これは本当に夢なのか 誰かが創った幻なのか
御伽噺のような願いが叶う夢は──
「ヴァルキュリー、君はもう悪じゃないんだ」
幼い俺に、父親はそう言った
俺の家系は悪党だと昔から知ってはいたが、俺には何故かわからない
こんなに優しい父と母が悪者なわけがない
俺一人がそう思っていても意味はなかった。所詮戯れ言にすぎないからだ
ある日家に一人の人間が来ては、別の場所へ引越しをすると笑顔で告げられ、俺達は人里へ行くことになった
その人間は幼い俺に優しく話していたが、これが地獄の始まりだとはこの頃の俺には分からない
父と母は俺とは別の場所に連れていかれた。
俺は一人小さな部屋で時を過ごしていた
一体此処が何なのかも分からない。
もう何日経ったのだろう。
「今から君のお父さん達の処刑が始まるよ」
意味がわからない。虚ろな目で人間に着いていく
目覚めると見知らぬ場所に立っていた。
処刑………?最初は理解ができなかった。
しかし、目の前の光景を見て全てを理解した
咄嗟に俺の腕を掴んでいた人間を振りほどき父と母の所へ駆ける
だが当然すぐに押さえつけられてしまった
古い鐘の音を境に、人里全体から歓声があがる
気が付くと視界は真っ赤で、父と母の姿は無かった
もう渇いた瞳からは涙も出ない
この日から地獄が始まった
最初は変な薬を飲まされ、傷が付いても何度でも再生できる体に改造された
もう此処からは逃げられない。死のうと思ってもダメだ
何度試しても死ぬことは出来なかった
そして人間達は俺を玩具のように扱った
最初は目隠しをされ、自分が何をされているかも分からない。ただ、辛くて苦しくて気持ち悪くて……
さらにたくさんの人間に売られ、その度に穢され、何度も何度もこう言われる
「お前は化け物の子供なんだ」と
血に塗れた身体を見せられこの血は穢れているのだと
人間達は人では無かったら容赦なく襲う。危険な生物だ
痛みと苦しさで流れる涙が、頬を濡らす
化け物、化け物と言われ続けて数百年。もはや今は何も感じない
たくさんの人間に出会ってきたが、もう感情は消えてしまった
続く(文章可笑しくてごめんなさい)
続き
嗚呼、今俺は何処にいるんだろう
この世は地獄だ。人間が存在する限り、残虐で非道な
もう何も感じない。何も聞こえない
反応が無くなった俺を、つまらないと言い持ち主はまた俺を売った
次の家は大きな豪邸。いくら金持ちとは言えど人間には変わりない
そこの主人も酷い人間だった
どこに逃げても無駄だ。無理に抗うのが間違っている
しかし、そこに居た一人の執事だけが俺に優しく接してくれた
傷だらけになった身体を優しく撫で、毎日優しく話しくれて、俺は初めての感覚に喜びが隠せなかった
あの笑顔で微笑まれることが大好きだった
ある日その執事と俺以外の主人達は遠くに出掛けることになったそうだ
主人達が出ていくのを見送ると、彼はこう言った
「今のうちに逃げなさい。君はこれから自由になるんだ」
そう言い執事は俺の腕に付いていた鎖を断ち切り、外へ出ろと言う
そんなことをしたらお前は………と言いかけたがその時は既に遅かった
どうやら執事を怪しく思っていたらしく、主人達はまた帰ってきたそうだ。
裏切り者と言われた彼に父と母を殺めたものによく似ている銃が向けられる
あの光景がフラッシュバックし、思わず目を反らした
見たくない。何度足掻いても意味がなかった
無数に響く銃声と共に、再び視界が真っ赤に染まっていく
次の瞬間、彼の身体が宙に舞った
「い、いやだああああ……!お願い…もうやめてくれ……置いてかないで」
地面に崩れ落ちる彼に震える手で縋りついた
泣きながら何度もそう叫んだ
今晩は今までに感じたことがないくらい酷い仕打ちを受けた
いつも以上に痛くて、苦しくて…意識が遠のくくらい
すると突然景色が割れた硝子の破片のように砕け散る
ヒビの入った景色は崩れ落ち、目の前の悲劇さえも消し去ってしまう
その景色が全て無くなると、辺りの景色はただの山奥
そしてすべてを理解した。
──俺の事を知る人間はもういない──
次の瞬間耐えられないくらいの頭痛に襲われた
「俺は………誰だ……?」
何も思い出せない。名前も、姿も、何者なのかも
全く分からない。なんで………
これは夢なのか?それとも現実?
永久に終わらない夢はこれからが本番だった
「ねぇ、君大丈夫?」
金髪の少年が倒れ込んでいる俺の顔を覗き込む
無言で起き上がる。ビックリした様子の少年をじっと無言で見る
相手はそんな俺に笑顔でこう言った
「ねぇ、君の名前は?」
頑張って思い出そうとするものの、全く分からない
思い出せない……そう呟いた
俺には眩しすぎる程の笑顔で彼は言った
それじゃあこれから探せばいいじゃん……と
幸せな夢の続きは、まだまだこれから
ゲスキャラが欲しかった
【名前】榊樹焔 祕
【読み】さかきえん ひそか
【性別】男
【種族】悪魔
【能力】賭けに必ず勝つ程度の能力
【二つ名】白黒のギャンブラー執事
【危険度】極高
【友好度】低
【容姿】
イラスト載せる
https://i.imgur.com/pig9J9v.jpg
身長160cm希望。
【詳細】
清楚で礼儀正しく、几帳面でしっかりとした性格…なわけ。表側の顔はとても優しいが、裏側に変われば人が変わったように面倒くさがり屋でひねくれた不良のように荒々しくなる
凄く腹黒い。ただの反抗期
魔界生まれの悪魔。一人前の悪魔になるため地上に来てみた。3人の中で実は一番歳下。初めて地上に来て勝手に忍び込んだ城でロゼットに雇ってもらう
最初は凄い反抗していたが最近は大人しくなった
金が好き
ロゼットとカナメにのみ優しい。しかし他をめっちゃ敵対視していて表ではもてなしてくれていても内心凄い言われているのでお気を付けて
たまに毒を吐きますが暖かい目で見てあげてください。わざとじゃないんです(わざと)
いつもどこからともなく金を貰ってくる。多分ギャンブル
銃や小型ナイフを武器に襲撃してくる
二人を傷付けたもの、もしくは彼等の願い、あと自分の私利私欲の為なら戦う。しかしめったに暴走することはない
魔界で結構偉い奴の息子だった為、たまに遊びに来ていた輝美とは知り合い。というか従姉妹のお姉さんみたいな感じでいつもからかわれている
【能力解説】
『賭けに必ず勝つ程度の能力』
金や宝、そして命を賭けたギャンブルに必ず勝利する能力。あまり……というかかなり使う場面は無いが、実は影で「今日の晩ご飯は王子が作ってくれるかくれないか」みたいな下らない賭けをしている(これは外れる)
あと金の為
【スペルカード(無理】
悪賭「純粋で残酷な世界の裏」
悪賭「魔神黒鉛弾」
悪賭「命の賭け勝負」
魔漣「ジャッジメントナイフ」
魔漣「ダークブラッディブースト」
「表か裏か、死のギャンブル」
【台詞】
「金出さねぇなら問答無用だっつーの!やめて助けて命だけはなんて聞かずに発砲!種族性別容姿年齢問わず全員かかってこいよ!賭け勝負なら負けねぇぜ!」
「うわぁぁぁ!?なんで此処にお前がいるんだ!?
逃げろ王子あいつは悪魔より悪魔だ!捕まると終わるぞ!何回背骨折られたと思ってんだよ!」
美麗魔歌追加キャラ
【名前】神楽咲 梓桜
【読み】かぐらざき あずさ
【性別】男の子
【種族】付喪神
【能力】書いたことが現実になる程度の能力
【二つ名】奇怪で愉快なmontage
【危険度】高
【友好度】低
【容姿】
イラスト載せるよ
https://i.imgur.com/uzejYRE.jpg
身長はかなり低く団員の中でも幼い方(見た目も脳も)。身長143cm希望
【詳細】
頭が可笑しいと疑われるほどうるさい&ナルシスト
なにがなんでも自分が一番だと思っていて馬鹿にされるとやけに悄気る。でもすぐ立ち直る。実際うるさいだけのただの子供。発言の殆どが嘘であり本音を言うことは少ない
かなりの我が儘で奇人
文字の付喪神。脳みそはちゃんとしていない模様
とりあえず自分が一番美しいし偉い()
一人称は私と書いて「わたくし」と読むよ
人と関わることを好まず意外と一匹狼
何故か惷と那覩のことを慕っている
常にビー玉を持っていて、このビー玉で透かした文字のみ能力で現実にできる
実は昔惷と那覩が遊び半分で使った魔法で復活してしまった付喪神。能力的に少々危険と思われてしまい昔ある者に封印されてしまった
今のナルシストな性格もただのキャラ作りであり発言も文字のように嘘ばかり
その嘘を本当にするために能力を使う
美麗魔歌集団所属。担当は作曲、作詞、台本作り等裏方が主
演劇や舞台には「あいつ」にだけは会いたく無いらしくあまり出演しない
いつも里に出て行っては沢山の人にご迷惑をおかけして帰ってくるのがお約束
どれが嘘でどれが本当なのかは不明。
【能力解説】
『書いたことが現実になる程度の能力』
書いた文が全て現実となる。例えば「明日は晴れ」と書くと本当に晴れになったり。ちなみに本人は自分の良いようにしてる
しかしいつも手に巻き付いているビー玉を翳した文字のみが現実になるため、無くしたりしたらおしまい
【スペルカード(無理】
珠詩「嘘と本音のジグソーパズル」
珠詩「ひび割れた硝子のピース」
珠詩「危険な文字綴り」
夢想曲「封印された詩」
狂詩曲「非現実的な大舞台」
「奇天烈奇怪、狂気の唄」
【台詞】
「私の詞には意味があるのです!此処に記した言葉は全て現実となる!つまり今貴方がいるこの世界も全て私が作り出した夢……というのは嘘ですよ…♪」
「うっ……この私に悪戯をするのは恐るべき罪だと知らないのですか!?はぁ…君達は宝物を雑に扱う人間なのですか?脆くてすぐ壊れてしまうのですよ?」
〜東方梓夢現〜Dreams and reality poemer〜
・エピローグ・
これは平和な初夏の幻想郷に訪れた奇妙な異変の話
心地よく吹く風。そろそろ梅雨明けだろうか
まだ鮮やかに咲き誇る紫や青、桃色の紫陽花の花を見ながらそんなことを考える
梅雨明けの眩しい陽射しにつられ、庭に出た霊夢は少しこの幻想郷に漂った不穏な空気にゾクリと肩を震わせた
そしてその嫌な予感は的中
庭の掃除をしていると長めの紙のくっ付いた万年筆のような矢が飛んできた。急いで顔の前でそれを受け取る
その紙を開くとたくさんの文字が洒落た紙に羅列されていた
『人里、皆夢を見る
夢、我の願いを叶えるだろう
パズルのピースは全て揃った
繋ぎ合うモンタージュが貴殿を襲う
黒炎の花火力を持つ
赤の銀河(Milkyway)は飴を降らせる
銃口が向く先は勝利の道
碧の星、冷酷な飛影の魔法
紅の星、可笑しな幻の魔法
嘘で出来た偶像の破片
さぁ手駒は全て動き出したぞ
嘘か?真か?夢か?現か?言葉のパズルに終わりはない』
脅迫でもなんでもない。
これはまさか何かの予告か?それとも悪戯?
そう思い霊夢はまず最初に書いてあった人里へ向かった
「嘘………」
そこで見た光景は手紙の通り、とても奇妙で奇怪で、恐ろしい光景だった
人が誰一人居ないのだ
外から中を覗いても誰もいない。
夢を見るって………いややり過ぎだろ
とか思いながら確実に理解した
これは新たな異変であると………
霊夢は急いで異変の解決へ向かった
続く
1面〜強さを求める黒の星〜
とりあえず生きているもの……見た感じ人里の人間は皆居ないようだ。
不思議なことに今日はあまり妖怪達も姿を見せていないな…
ドカーン………!!
すると山の方から爆発音が聞こえた
悪い予感がする黒い煙がモクモクと立ち込めている
さては……と思い霊夢はその場所へと飛んだ
「う、うわぁぁ!?こっちに来ちゃ駄目ッスよ!」
「あ!ちょっとあんた待ちなさい!」
見覚えのある奴が此方に爆弾を飛ばしては霊夢から逃げるように山の奥に逃げていく
どうやら此処の山中にのみ何かいる……とりあえず霊夢は逃げた鉄夜を追うことにした
ちらちらと妖精や妖怪が現れ此方に弾幕を飛ばし、道を妨げる。
まぁあまりにも日常茶番すぎて余裕なのだが
ずっと進むとやはりあいつがいた
黒のヒーローのくせに何故こんな所で悪さをしているのか……
まだ此方の様子に気付いていない鉄夜に霊夢は大声で怒鳴る
「ちょっとあんた!なんで人里がこんなことになってるの!?」
霊夢に気が付いた鉄夜は、慌てて逃げようとしたが『あの人』に足止めをしておけと言われてしまった為、逃げることが出来なかった
「ごめんなさいッス!でも仕方ないッスから足止めさせてもらうッスよ!」
そう言うと鉄夜は投げやり……と言うな感じで勝負を仕掛けてくる
黒の爆弾が次々と飛んでくれば煙を出しながら墜落していく
かなり煙く視界も悪い……あまりにも此方に不利な状況であり霊夢も少しは手こずっていた
隙を見て相手を攻撃するも、ある違和感に気づいた
『いつもより明らかに戦闘力が上がっている』と
そして先程言っていた"あの人"とは誰なのか……
考え事をしている暇はない。取り敢えずこれは進むのが先だ
「幻想花火-黒火華!」
するとさっきまでの弾幕とは違う……黒だけではない、赤、青、黄、緑………様々な色の花火が弾や煙となり霊夢を襲う
たくさんの音が飛んできては消える。
明らかにいつもより戦闘力は高まっているものの、やはり攻撃力は霊夢にとって軽いものだった
負けじと張られた弾幕で霊夢は攻撃を返す
大きな爆発音……
「ううっ……やっぱり力が足りないッス…」
煙にまみれ服を煤だらけにし、傷だらけでそう言う鉄夜
その鉄夜の襟を掴み少し怖い顔をして霊夢は問いかけた
「あんた、いつもより戦闘力が上がってるわね?
何をしたのか吐きなさい」
そう言うと怯えた顔をした(当たり前だ)
「うわぁぁ!すみません、!
どうしても明日の腕相撲大会に勝ちたくて……」
なぜそんなくだらない理由で……
鉄夜は相当怖いらしく涙目で必死に謝るが、霊夢は溜息をついて問いかけた
『なぜ力を得た』のかと……
「そ、それは……」
俯いて黙り込んでしまう鉄夜に流石に悪かったと思いもう一度深く溜息をつき「それじゃあ先に行くわね」と言い飛んで行く
気が付くと空はもう夕焼け、次の手がかりを探すためにオレンジの空を駆け抜けた
明日はまた晴れだろうか
☆。.続く:*・゜
2面 〜夜空に瞬く甘い星〜
夕焼けの空に浮かぶオレンジの太陽はあっという間に沈んでしまった
気が付くと空には月が浮かび星が瞬く
そういえばと先程の手紙を見るとあることに気がついた
『黒炎の花火力を持つ』
これは鉄夜のことか?だとするとこれは予言……
それとも文字を現実にしているのか?
それじゃあ次はとその下の行を読む
『赤の銀河は飴を降らせる』
ちょっと待て銀河と飴の関係とは……
考えながら空に目を移すと、宙に輝く星たちが不気味に赤く輝いていた
すると辺りに結界のような空間が現れ、中から無数の弓矢が飛んできた
ちょっ!?不意打ちすぎでしょ……とか思いながらも攻撃をしつつスイスイと避ける
「やはり霊夢さん……easyには行かないようですね
少し早いでしょうが、私が追い返しましょう…!」
聞き覚えのある透明感のある声
風に靡く黒のマント、揺れる金色模様
流れる赤い短い髪に星空の映る紫の瞳
あの時のように威圧的だが冷徹で落ち着いた視線を此方に向け、構えていた弓矢を下ろす
「あんた……また地上にやって来て何の用かしら?」
久しぶり…等何の挨拶もなく維蛾を睨み付けつつ何故またやってきたのか問いかける
風が2人の間を吹き抜け
「宇宙では私のWishは叶いません。ですからEarthまで来ました。あの人はどんなWishでも叶えてくれます」
怪しげな笑みを浮かべ維蛾は霊夢の問にそう答える
2人の間に不穏な空気が漂い、空高く上がった月が2人を照らす
「邪魔をするなら潰すわよ?そいつの居場所を吐くなら許してやるけど」
「このFavorは無駄にできません。Stallingくらいしてやります」
「死にたいのね?」
「そうは言ってません…♪」
『紅翠「春夏秋冬、夏の花」』
そう言うと30秒程の沈黙の後、維蛾はまた弓を構え不敵に笑った
それと同時に花弁のような弾幕が霊夢を襲う
星の瞬きと共に舞う弓矢と夏の花弁
「さぁ、夢に咲くFlowerを咲かせましょう!もう私のDreamは叶っているのです!」
とうとう本格的な攻撃を仕掛けてきた維蛾
霊夢は再び不思議なことにがついた
前に戦った時と戦闘力は変わらないのだ
鉄夜の様子から黒幕は対象の攻撃力を上げるような能力でも持っていると思ったのだが…
維蛾に確実に攻撃を仕掛けながら花弁を躱す
何故だか分からないがその花は甘い香りがした
維蛾の弾幕を避けながら霊夢も攻撃をし、少しずつ維蛾の体力を削っていく
『宙霊「深霊弓矢-Space Ghost」』
維蛾がもう一つのスペルカードを発動した
今度は花弁と共にもやもやとした霊魂、そして弓矢が飛んでくる
今回は遊びのようで本気を出していないというのは分かるが流石にきつい
そろそろ維蛾の体力も尽きるだろう
その隙を見て霊夢はトドメとも言える攻撃を仕掛けた
爆発音と共に甘い香りと可憐な花弁が散る
「私が稼げるTimeもこれくらいでしょう……」
そう言い維蛾は攻撃を止めた
「で、あんた…なんの為にこんなことを?」
先程言っていた願いとは……薄々感ずいてはいたがもう一度問いかけた
「私の星には無いSweetSをいっぱい食べたい…ですから!」
その無駄に元気な返事に唖然とする霊夢
鉄夜といい維蛾といい、こいつらはそんな下らないことがお願いなのか
安いやつだなと思いながら「そ、そう……」と返し先を急ぐ霊夢
キラキラと輝く星空。空には天の川が広がっていた
そういえば今日は七夕だっけ?
満天の星空の下、次の願いは何なのだろう
3面 〜銃声響く金剛の森〜
黒幕は一体どこに潜んでいるのだろうか……
今のところあいつらは居場所さえ吐かないし……それとも居場所が分からないのだろうか?
ただ本当に使われているだけ?
疑問は募るばかりだ
キラッキラッと森の一部が光る
まさか………そう思いその光った場所へ飛ぶ
近付くにつれて森中に鳴り響く銃声が聞こえてきた
森に辿り着いたものの、聴こえるのは大きな銃声のみだ
するといきなり此方に向かって弾が高速で飛んでき霊夢に向かって鋭く研がれた宝石まで飛んでくる
「ハハハハハ!!お前ら全員道ずれにしてやるよ!」
暗くてよく見えないが、月が高く上がり森の中も月明かりでギリギリ顔が見えるくらいだ
その声の主を見ると、霊夢は少し呆れた
「誰かと思ったら魔界の坊ちゃんじゃない……地上まで来て悪さしてんじゃないでしょうね?」
安心したような逆に苛つくような微妙な感情で呆れ顔でそう言うが、祕の方はまさかの相手が知り合いで唖然としている。しかも思いっきり図星である
此処で賭けとか言ったら確実に死ぬだろう。まぁ死なぬが
とりあえず理由を話すと、霊夢は祕の髪を引っ張り引きずった
涙目になりながらも振りほどこうと暴れる祕
「だー!?やめろ!何すんだよ正直だったじゃねーか!」
「そんな中学生みたいな理由で勝手に来るんじゃないわよ!帰りなさい!」
まるで問題児を説教する先生のような口調でお祓い棒を祕の頭に叩きつける
少しスッキリしたのか祕を解放するが、そのまま祕は森の奥へ逃げて行った
あっ、ちょっ、待てコラ!そう思いながら急いでおいかける
森には鴉や獣等の動物が沢山いるため、視界が弾幕で遮られながらも進んでいく
前から見覚えのあるキラキラした宝石のナイフや銃弾が飛んでくると共に、霊夢は祕が近くにいることを確認する
「観念しなさい!」霊夢がそう言うと攻撃が止む
「は、早え……」木の上に乗っている祕がそう呟くと、溜息をつき空を指さし霊夢に宣戦布告をした
「それでは先程の賭け……是非乗って差し上げましょう。あの二人を巻き込むことになるかも知れませんが……巫女のヤロー様は私に今夜敗北します。さぁ,まもなく夜の11時を過ぎます!いざ、ジャッジメント……!」
空に指された指を下に振り下げると共に、祕の周りに円状に浮いていたナイフが、銃弾と共に高速で飛んできた
キラキラと光る七色の宝石が、霊夢を捉え当てようと攻撃をしてくる
直ぐに結界を張り、攻撃を防ぐが前に遊んでやった時と攻撃力はあまり変わっていない……
やばいこいつ餓鬼のまんまだ
口に出すと可哀想なので一応言わなかったが、厄介なのに変わりはない
『悪賭「魔神黒鉛弾」』
発動されたスペルにより弾幕の形態が変わる
暗黒とも言えるほど真っ暗な木々の隙間から、黒光する銃弾が次々と飛んでくる
一撃喰らえば深手を負うだろう………
しかしこの一撃一撃は祕自体の体力も奪い、体力の消耗量も半端ないらしく時間は少ない
その時を霊夢は待っていた
だんだんと攻撃が弱まる。今だ
此方の弾幕を受け、ふらつきながらも次の攻撃へ移った
魔漣「ジャッジメントナイフ」
すると真っ暗だった視界が突然明るくなった
7色の宝石、金や銀のナイフが当たり前のように飛んでくる
キラキラと輝く宝石は、月に照らされますます輝く
「ジャッジメントだ。お前はこれで終わる……」
そう言うと共に銃が下ろされる
大きな爆発音が聞こえた。もう終わりだろう
今回は俺の勝ち……とでも思っていたその時ー
残念だったわね……と耳元へ声が聞こえた
急いで振り向いた頃には遅く、倒れていたのは祕の方だった
霊夢はその気絶寸前の祕の長い髪を引っ張り無理矢理聞かせるように言う
「あんた相変わらず弱っちぃわね……さ、約束通り賭け金寄越しなさい。まぁ足りない分はお得意のギャンブルでいけるでしょ?」
相変わらず鬼のようなことをほざくと祕は思いっきり霊夢を睨み付けると、疲労なのか眠いのか地面にへばってしまった
続く
4面 〜再び見参、風の魔法〜 前半
祕には悪いがその場に置いてきたままにした
まぁすぐに起きるだろう……ご愁傷様です
霊夢の優しいところはさっきの請求金は冗談だというところだけだ(それだけだ)
月に照らされ星は輝き、空には大きな天の川。森も明るく見えてきた
ざわざわ………と不吉な予感のする風が木々を揺らす
「おいあいつら3人とも殺られたのか?」「しっ!うるさイな…バレたらどうするノ?」
耳を澄ませるとコソコソと聞き覚えのある声が二つ聞こえた
試しにそっちの方へ少し石を投げてみると、案の定厄介な魔法使いコンビ、惷と那覩が慌てて出てきた
やべっとでも言うような様子で逃げようとする二人だったが、霊夢は子供を捕まえるくらい容易く二人の肩を掴む
「「じゃんけんぽん」」
同時に低めと高めの声が響く
こいつら…呑気にジャンケンなんかしやがって……
イライラしながらも待ってやったが、どうやら結果は惷が勝ったようだ。「それじゃあ今回は俺がやらせてもらおう」
いつの間に解放されたのか、惷がニヤリと笑う。月光に照らされその笑顔はもっと不敵に見えた
「それじャ、私は向こウで待ってルよ♪」
ひらひらと手を振り待てと言う隙も無く那覩は森の奥へ消えていく
そんなのを見ている暇もなく夜の森の中では目立ちやすい青く光るまるで流星のような弾幕が張られ、霊夢の周りを囲む
これでも避けるのは困難だ……
挨拶がわりだと声を出さずに口だけで言い風のように飛べば、霊夢は惷の姿を捉え睨みつける
「またあんた達が黒幕?」
「ああそうだ…まぁ正確にこの異変を起こしたのは俺の"仲間"だけどな」
霊夢の問いかけにニヤリと笑い妖しげにそう言う
「あんたの仲間って……また那覩かしら?」
さっき逃げた那覩のことを思い出しまたあいつかと問いかけるものの、惷はクスリとも笑わずに否定する
こいつが無表情なのは日常茶判事だがまさかそれ以上…
頭の中で綺斗だな。とか勝手に決めつける
そんなことを考えているうちに惷が口を開いた
「この異変の黒幕はどんな願いでも叶えることが出来る
文字に書くだけでそれが現実になるんだ」
その言葉で大体を理解した。さっきの3人のおかしな場所も、人里の人間が消えてしまったことも
「だが此処は簡単に通さない。俺は1度お前に敗北した……それのリベンジだ!覚悟しろ!」
そう叫ぶと惷は青の魔法陣を描き、先程と似た流星のような弾幕で攻撃を仕掛けてきた
先程とは似ているもののやはり避けるのは難しい
どちらとも今は互角なほどの戦闘力だ
創極「シャイニング・スターライト」
その言葉と同時に魔法陣がギラギラとまるで星が目の前にあるかのように輝き出す。
一斉に霊夢の方へ放てばキラキラ…シャンシャンと鈴が鳴るように四方八方へ
なかなかやるな……と思いながらもギリギリの所を避ける
『黒幕』と思われるやつがもう一人いると考えれば少し不安にもなるが、ここは持ち直して……
目が眩むほど眩しい弾幕が止み、もう終わりかと思ったその時
惷が空高く飛び、その姿は月に照らされまるで影絵のようだった
また何かするのだろうか……そう思ったが気が付けば惷の姿は無くなっていた
「ハッタリか………」逃げられたと思いそう呟く
『もう終わリかと思ッた?』
突如聞こえたその声は、森全体へ響き渡った
続く
友達が設定考えてくれました!ありがとう!
【名前】珠美 玖祐
【読み】ますみ きゅうすけ
【性別】男
【種族】魔界人
【能力】性別を転換させる程度の能力
【二つ名】魔界に君臨する独裁者
【危険度】極高
【友好度】高
【容姿】
https://i.imgur.com/K1qdhre.jpg
身長168cm希望。顔の良さが表せない
【詳細】
普通の時はニコニコしていて優しい好青年
しかし男にも関わらず祕にガチ惚れしてしまい彼の前だけで人が変わったように変な性格になる
匂いが好きで隙があれば祕の匂いを嗅ごうとしては逃げられている。逃がさない
ちなみに凄く顔が良い。黙っていればハーレムできるほど女にモテる
魔界生まれの魔界人。祕が幼い頃からの知人でそれから考えると実はかなり歳上
顔は良く祕以外には普通な優しい性格なので彼を好む女の子は多いという噂。本人は別に悪くは無いらしい
相手の性別を変えてでも結婚したい
実は魔界の中ではかなり有名人で偉かったり
祕に近づく為に最近はロゼットとカナメを地上では珍しいもので餌付けしている。
腕に巻き付いている鎖での攻撃が主。そんなに戦闘や弾幕遊びはしないものの戦闘力は祕の何倍も高い
いつも飴やチョコを持っていていつでも子供を餌付けでにるようにしている
昔魔界で祕と出会い、いい匂いがするとかいう理由で一目惚れ。その後しつこく付きまとい不法侵入セクハラストーカー等の行為をしたら二度と家に入るなと祕の両親に怒られ出入り禁止とされてしまった
しかし本人はまだ懲りていないので地上まで来ました
【能力解説】
『性別を転換する程度の能力』
人の性別を転換することが出来る。まぁこの能力でよく祕を女にしたり色々しているが怒られる。凄く怒られる
しかしあまり祕以外には使わない
彼が戻れと唱えることで元の姿に戻ることが出来る
【スペルカード】
鎖鎌「ファンタスティック・クロス」
鎖鎌「月光蝶の鎮魂歌」
鎖鎌「甘い魅惑のドロップス」
色恋「転換リバース♂♀」
色恋「マジカルロリポップ」
「甘い蜜君にも降り注げ」
【台詞】
「はいまた魔界から地上へやって来ました…☆勿論愛しの祕の為にね!なんか甘い薫りがするね…まるでキャンディみたいな!本日限定キャンディドロップ☆★キミにも降り注ぐといいね♪」
「俺は祕と出会う為に産まれて来たんだ!だから祕は俺を好きに使っていいし俺も祕を好きに使える!よしじゃあ結婚しよう!ほら婚姻届ならあと判子だけだよ!」
もはや東方関係なし
私立柳川学園☆軽音部
☆「イェーイ!今日も一日元気に声出そうぜ!あ、校門前に上手いケーキ屋あるの知ってる?誰が俺と行く?てかむしろ来て!」
【名前】杜乃 和季(もりの かずき)
【年齢】18
【担当】ドラム
【説明】軽音部部長。高二。イメージカラーはオレンジ
常にハイテンションで毎日が楽しい。本当は三年なのだが出席日数と学力のせいで留年した。とりあえず甘い物を愛している。リーダーとしての素質はあるもののすぐサボって皆とケーキ屋に行こうとする
☆「いや別に隠し事とか何もしてないし…俺の実力でできるかはわかんないけど…ていうか俺の同学年と同い年どっちも留年なんですけど……」
【名前】闇咲 魅鳥(やみざき みどり)
【年齢】17(こっちでは)
【担当】エレキギター
【説明】一応副部長。高二。イメージカラーは緑
毎度お馴染みの鬱くん。幻想郷や本当のことは隠して暮らしている。こっちでは普通の男子高校生を演じているつもりだが碧にはバレそう
☆「またサボりか?よく懲りないな……あと次赤点だったらもれなく説教に補習が付いて来くるらしいぞ。教師をぶん殴ろうと思った。つかコラァ!アオイィ!寝ない!」
【名前】矢辺 柊真(やべ とうま)
【年齢】17
【担当】ベースギター
【説明】高一。留年しました第2号。イメージカラーは青
中学の時はヤンキーでそのノリで高校に行ったものの派手に留年。今は真面目で几帳面な性格を作っているがたまに不良出てくる。碧とは幼馴染。バイクテク、ドライブテクが半端ない
☆「ご、ごめんなさい……ボク男だから……えっ………?そ、それだからいい……の?んっ、あうう…この人全然帰らないよ………助けてトウマ……」
【名前】颯海 碧(はやみ あおい)
【年齢】16
【担当】キーボード
【説明】高一。イメージカラーは紫
無表情無感情でどこか抜けているように見えるが勘が鋭く少しだけ魅鳥の秘密に気づいている。柊真とは幼馴染で何かある度に助けてもらおうとするほど好き。無表情に見えて本当は人懐っこい実は有名ピアニスト。最近の悩みは男子に告白されること
☆「うおおお!センパイ達マジリスペクトするっす!すげー!やべー!かっけー!あ、俺っちギターとかやったことないっすけど多分いける!頑張ります!」
【名前】一之瀬 春兎(いちのせ はると)
【年齢】16
【担当】ボーカル
【説明】高一。イメージカラーはピンク
スーパーウルトラ元気なバンダナボーイ。凄い元気、もう夜でも寝れないくらい元気。いっつも目キラキラさせてて先輩達をリスペクト中。ハイテンション2号。楽器経験無しだから歌。先輩に憧れた+モテたくて入部した
5面 〜天邪鬼魔法少女、再び参上☆〜
「ちょっと!早く出て来なさい!」
その声は虚しくも森の奥へと消えていく
ふと足元を見ると一羽の鳥……烏だろうか?鳩だろうか?とりあえずそのような鳥が首に紙を吊るして霊夢の前に立っているのだ
なんだこいつと思いながらもその紙を取って開く
真っ黒な紙いっぱいに大きな赤い文字で『ツイテコイ』と書いてある
その紙を読みもう一度鳥の方へ目を移すとその鳥は前へと進んでいく
罠かもしれないが書いてあった通りついて行ってみた
気が付けば森の奥へ奥へと進んでいっている
あいつら2人がいるということはこの森の最深部は奴らのアジトだろう
そして最深部にはきっとこの異変の黒幕が……
森の中は真っ暗で、僅かな月の光を頼りに歩くしかない
「やァ、本当に来たんだネ……♪」
何度も何度も聞いてそろそろ聞き飽きてきた声が暗闇からした
キラキラっと紫色の光が霊夢の周りを囲む
あまりにも突然だったが嫌な予感がした……上に避けると同時にその光は槍に代わり、元いた1ヶ所を狙い当たり落ちた
これは卑怯だろ……まぁあいつなら普通にやる事かなと思いながら気配がした方に攻撃を仕返してみる
「うわぁッ!」「おーいあんた〜隠れるなんて卑怯やめて出て来なさーい」
案の定出てきた那覩に軽く棒読みでそう言う
「仕方ないナ……『星夜「マジックトリック・スーパーノヴァ」』」
そう呟くと、空から流れ星のような流星のような……カラフルでキラキラと輝く弾幕が降ってきた
動きが読めず何発が喰らうも体制を立て直し反撃をする
先程の惷のように逃げられる訳には行かない
幸い暗い視界の中で那覩を見つけ帽子を吹き飛ばすことまでは出来たものの、圧倒的にあいつが有利だ
激しい弾幕戦が何十分か続き、やっと楽になった………
と思ったその時だった
青い魔法陣と共に無数の槍が降ってくる
そういえばもう一人いたのだった………上に向かって弾幕を放つも奴らは何処にいるか分からない
今は奴らが現れるまで攻撃するのみだ
「それじゃあ次は」「平和的にいこうかナ…♪」
やっと二人が姿を現せば平和的に……と。つまり卑怯は辞めるということか
『双永「スターライト・ダブルウィッチ」』
霊夢の下に青と赤の魔法陣が現れれば、その魔法陣は激しい光を放ち霊夢を包み込む
その光はまるで結界のように霊夢を閉じ込め弾幕を発する。
当たったら一溜りもない。ここで時間でも稼ぐつもりだろうか
すると、あることに気が付いたら霊夢は結界のような光に向かって攻撃を開始した
ガンガンと良い跳ね返されるも確実に同じ場所を
避けながら攻撃するのには慣れているが時間も今回は限られている
暫くすれば、なんとその光にヒビが入った
パリーン…………!
ガラスの割れるような音が鳴り響くと同時にその結界から出てくる霊夢
「ちょっ!?シュークン!やばいよ!」
「だが十分時間稼ぎはでき……」
2人が焦っているうちに霊夢はすぐ2人の後ろに回り込み方を掴んだ
恐る恐る後ろを振り返ると今きも怒りそうな霊夢の顔
やばい逃げようと思ったものの手遅れだ
「はーい雑魚のあんた達。黒幕はどこにいるの?」
コテンパンにされた後、ニコニコとした顔で問いかけてくる
もはや恐怖でしかない
反抗的な顔をしながらも無言で指を指す
そっちの方向へ進んでいくと、その場所は森の中にも関わらず広く終わりが見えない大きな空き地
空の星は眩く輝く
そこには一人の少女のような……多分少女?ん?が霊夢の方に笑いかけ立っていた
続く
6面 〜嘘つきの物語〜
「初めまして、我が名は齋鄒華。ケーキ大好き二重人格手品師でありんす……♪まぁ嘘ですけど」
からかうように嘘をつく少女…?
黒幕と言われる赤髪の少女……のような少年は余裕そうな表情を浮かべ霊夢を見下ろしている
霊夢はこいつに聞きたいことが山ほどある。この異変の
目的は何か、何故嘘をつくのか
「あんたは、なんで嘘をつくの?」
一番最初の問いかけはこれだった
ニコッと笑うと、その綺麗な月に手を翳してその手を口に当て少年は語りだした
「それでは、貴女だけに私の過去の話をしてあげましょう……
" 私が産まれたのは今日のような夏の涼しい夜
満月の怪しい月に照らされ、星達一つ一つが連なり一つの道を作るそんな夜に行く宛もなく何も知らない、産まれたばかりの私にはこの空がなぜ輝いているのかも分かりませんでした
付喪神である私はこの場所を離れることは許されない。動くことは出来たものの決まりにより離れれないのです
そんな一人ぼっちのある日、私の元へ若い夫婦がやってきたのです
私は幸い永遠に子供のままでした
私を捨て子だと思ったのでしょうか。二人は私を優しく抱き抱え、「もう大丈夫だよ」と囁き、私を暖かく包み込んでくれました
夫婦は家が貧しいながらも一生懸命私を育て、私に〖愛〗というものを教えてくれました
人の心なんて付喪神には分かりません
夜の空を見ていると、梟がお前は人間とは暮らせないと鳴きますが、私にその意味はわかりませんでした
少し成長すれば家の外に出るようになったものの、私を知らない人々は私を避けます
友達もおらず友情という心は分かりませんでした
そんなある日、私の元へ一つの光が
『友達になろう』
一人の少年がそう言い私に手を差し伸べこう言うのです
こんな嫌われ者に近付くなんてそんな変わり者は居ないだろう。彼と出逢うまではそう思っていた
友情等知らない私は彼の手を振りほどき人生で初めての嘘をついた
『友達なんていらない』
彼はその時どう思ったのだろうか
彼はなんで笑ってくれていたのだろうか
彼はどうしてその手を話さなかったのか
人は沢山いるのに、私を何故選んだのか
そんな疑問を彼にぶつけることは1度もありませんでした
彼と過ごした時間はとても楽しく、素敵で、まるで雨露のように美しい時でした
彼は毎日私の作った『嘘』の物語を聞いては笑い、両親と同じように私を褒めたたえる日
彼は、私に〖友情〗というものを教えてくれました
幸せだった世界の反面、残酷な神は私を陥れようとするのです
両親は病に倒れ、呆気なく私を残し他界しました
今日も彼と遊んでいつも通りの日々……と思いきや、家で沢山の血を流して二人は倒れていた二人を見た私は〖哀しみ〗そして〖憎しみ〗という感情を覚えることになりました
そして、その少年は青年になり私よりも遥か大きく……
彼は『なんで梓桜はおっきくなんないんだろうな』と冗談交じりに笑い私の頭を撫でます
その時の青年の顔が、私は大好きです
私の嘘の話は延々と続きます
私の話すデタラメを聞いて笑ってくれていた貴方。
貴方が笑っていたのはきっと………私の話があまりにもデタラメで、可笑しくて、有り得ない話だったからでしょうね
明くる日も明くる日も彼の隣で寄り添っていたいと思っていました
ある日書いた1文『波は空を包み込み、空は怒りの声上げる』
その文を彼から貰ったビー玉がなぞりました
次の日になると、空を真っ黒な雲が覆い大量の雨が降り、川は氾濫して大洪水となり、人はどんどん飲み込まれていきます。何人もの犠牲者が出ました
その大氾濫は夜まで……次の日の朝まで続く……
次の日になると、一人の女が私の家へやって来ました
『お前は早く元の場所へ帰れ。危険なんだ』と
意味がわからない。うるさい……煩わしい……黙れっ……そう呟きながら俯く
私は惜しくも彼にお礼も言えませんでした
反抗した私は、筆の付喪神として危険だと封印されてしまったのです
デタラメ集めの毎日は幕を閉じ、私も目を閉じ夢を見ます
最後に言いたかった……彼へ『ありがとう』── "
まぁ、こんな話は全部……嘘なんですけどね」
息抜き軽音部SS
ミーンミーン………ジジジ…………
今日も外では蝉が煩く鳴いている。夏休みに入り授業もなく、軽い気がするが重い気持ちでバッグと相棒のギターを持って俺は部室へと走る
今日も一番乗りか。部室はムシムシと熱が篭もってますます蝉が煩わしく感じる
これも冷房がつくまでの辛抱だ。ピッと静かな部室にスイッチの入る音が響く
「はいはーい!俺っち一番乗り〜!……ってあれ?ミドリパイセン!?」
こいつは後輩の春兎。ボーカルのハイテンション2号だ
春兎は暗闇で楽器を用意する俺にびっくりしているがこれが日常だ
「1年の補習は終わったのか?」
楽器の用意をしながら口の中で飴をコロコロ転がしている春兎に問いかける
「はい!さっき終わったっすよ!多分もうすぐでアオイも来ると思います!」
そう言いドアを開いてキョロキョロするもまだ来ないようだ
ちなみにアオイ……こと碧は春兎と同じ一年生の後輩。担当はキーボードだ。補習に行くほど頭は悪くない…むしろいい方なのに何故行くのだろうか。というか何故遅い
俺の予想だが多分また男子に絡まれてるのだと…
「はいはーい!俺一番乗りー!ってうわっ!?明るっ!?」
来た。ハイテンション1号こと部長の和季だ
なんで声がするのに一番乗りと思うのだろうか……
いつも通り片手にシュークリームを持っての登場。相変わらず甘いものが好きだな
あと残り二人で揃うな。と思っていると勢いよくドアが開きガツンと大きな音が鳴る
「チッ、あいつらもよく懲りねぇな」
頬に傷を負ってイライラしながら部室に入ってきた眼鏡。こいつは柊真。言っちゃいけないが実は元ヤンだ
様子から見るに恐らくまた碧に絡んでた男子を殺って来たのだろう
で、それに担がれているのが碧。何故か男子にモテている
「と、トウマ……そろそろ…下ろし、て?」
また今日も他のやつに絡まれてたのか……全員が察している。此処が男子校だからか、女みたいな顔でおしとやかな碧はこっちの言葉で言うホ〇にモテる
まぁ皆男子ばっかで女に飢えてるんだろうな
しばらくすると部長が1枚の紙を持ってきた
「今年はこのコンクールに出場するぞ!」
あのスイーツバカとは思えないほどやる気に満ち溢れた表情だ
初めての大会である為1年の碧、春兎、そして追加部員の柊真はマジマジとその紙を眺めている
去年は色々あって前までいた3年生は皆辞めてしまったが……今年こそ良い成績を残してやる……なんて柄でもないことを言ってみたりもする
幻想郷ではこんな気持ちになることなんてない。だからこそ頑張れるのだ
まぁ俺が異世界の人なんて知ったら皆失神するだろ……とかニヤニヤしながら思ってみる
「ミドリ……楽しいこと、考えて…る……?」
なんでこいつはいつも気付くんだ……からかうような視線を送ってきてますます嫌だ
幸い低脳軍団は気付かないが
「それじゃ、皆今日も練習するぞーー!」
部長がただでさえでかい声をさらに張り上げて気合を入れるように掛け声をかける
『おー!!』
振り上げた手につられて俺達4人も声を合わせる
やっぱり音楽って楽しいな。俺はもう少しだけ高校生生活を過ごしても良いだろうと思っていた
だって、こんなにも楽しくて幸せで鬱になる暇もない
幻想郷内であんな奴らに出会わなければ
「おいお前!暇そうだな!ヒーローやらないか?」
【お盆休みの怖い話(嘘ですよ)】
「暑い〜…早く中に入れてくれ〜」
今日からお盆休み……ということで祕、ロゼット、カナメの三人は輝美の家に遊びに来たようだ
外は相変わらず夏のすごい暑さで蝉はうるさくて…嫌なところしかない
扉を叩きながらなるべく早くと急かす祕
「……貴様等…常人の目をしていない…さては私と同じ凍てつく漆黒の氷麗眼(ダークネスノーザンアイ)の持ち「それくらいにしとけ」
玄関を開けたのは何回か見た事のある着物の少女。確か名前は楓埜だったかと……
意味不明なことを言ってくる少女に突っ込んだのはツッコミ役の紘斗だ
二人が出てきたということは輝美は留守か
と思っていたら奥からでてきた
「ねぇねぇ!村まで買い出し行ってくれない?」
はい全力で潰したい。多分ここに居る5人皆思っただろう
「2人だけでいいから!じゃんけん負けた人!」
手を合わせてお願いをする輝美に皆は仕方ないと言った顔で手を出す
祕は嫌すぎて能力で逃げたのだろう。負けたのはカナメと紘斗。こいつら気合うのか
「それじゃ、お金渡しとくからスイカと麺とキャベツね!余ったらなんか買っていいよ!」
溜息をつきながら紘斗がお金を受け取って出ていった
相変わらず外は暑すぎてやばい。俺は火だからいいけどカナメくんは大丈夫なのかな?とか思ってたらなんかピンピンしてた。顔の割に体力あるんだな……
森の中は暑さも少しは和らいでさっきまで無言だったが会話も弾んできた
「紘斗さん…これ……」
そう言いながら蝉の抜け殻を見せてくる。そうか、いつもお城にいるからあまり見た事がないんだな
「ああ、それは蝉…あそこら辺でミンミン言ってる奴!が出てくる前……みたいな」
曖昧な説明すぎて申し訳なくなったが「そうなの?」とか言いながら目をキラキラさせながら聞いているカナメくん。ちょっとだけキュンときたのはほっといて
街につけば暑すぎるせいか、あまり外に人は出ていなかった。そりゃあこんな異常気象…出るのは自殺行為だろ
とりあえず頼まれていたスイカと麺と……それを揃えた後余った金でカナメくんに棒アイスを買ってみた
すっげぇ嬉しそうにしてて微笑ましいっていうか…兄貴にでもなった気分みたいな
そんな平和なまま帰ろうとしていると、森の中で一人の男とすれ違ったんだ
この森に俺たち以外の人なんて珍しいとか考えてたけどそいつとすれ違った途端、隣を歩いていたカナメくんが突然崩れ落ちて震え出した
反射的に彼の身体を支えるが、今までに無いくらい動揺しているようだ
「やぁ、まさかこんな所で出逢えるなんて……♪奇遇ですねぇヴァルキュリー……いや、夢密カナメ君♪」
俯いてそいつの顔も見ない…いや見れないのだろうか
まるで惚れ惚れとするかのように彼の髪を触りながらそういう男
「触るな………っ!」
って何言ってんだ俺!?明らかに怖そうな相手に向かって睨みきかせてるし……でも今更後戻りは出来ない
支えていた彼に触れる手を結構な力で払い除けそう言ったものの、奴は一瞬驚いた顔をしたが直ぐに笑顔になった
「友達まで出来て……幸せですね……」
そう言う奴の笑顔は、目に光がなく不気味で何処か底のない恐ろしさを感じた
続く
ゆっくりゆっくりと此方に近付いてくる奴に逃げるようにして静かに意識を失っている彼を抱いてなるべく遠くへ……そんなにこいつは恐ろしいのか
しかしそんなのは無駄だった。俺の前に移動したかと思うと抵抗する間も無く思いっきり鳩尾に攻撃を喰らわされ、ギラギラと光る眼球が俺を捕える
幸い不死だから直ぐに再生はしたものの、強い衝撃で肝心のカナメくんの手を離してしまった。やばい
「好みの顔をしていますが感度が無いようでつまりませんね……」「それで結構だ!遊ぶならカナメくんじゃなくて俺にしとけ!」
なんかもういいや!死なねぇし!
生意気なことを言ってしまったせいか、奴はニヤッと笑えば高速で俺の首筋に刃物を突き付ける。
ヒヤリとした金属の感覚が首に触れ夏の暑さも感じない……その時俺の背後からキラキラ光るナイフが飛んできた
それと同時にあの執事が俺の横を通り抜ける
「おいテメェ…俺の連れに何勝手に手ぇ出してんだコラ!」
俺の首に触れていたナイフが下に落ち、目の前にいた少年の胸倉を掴んでは睨みつける祕さん
いやいやこの子柄悪すぎだろ!死んじゃうから!
そんなことは言えるはずがない
「またカナメの『オトモダチ』ですか…はぁ、綺麗…本当に最高ですよ……♡毎日毎日君のコトを考えていた…」
真面目にこいつやばいやつだ。言う言葉一つ一つが生々しい。カナメ君の方は綺麗に眠ったような顔で気絶している…のかな?
祕さんがその男に殴りかかろうとすると、突然フワッと良い香りがしたと思えば目に入ってきたのは金髪の美少年。殴りかかろうとする祕さんの手を抑え、キラキラとした装飾品を揺らしながら笑顔でゆっくり口を開いた
「カナメくんは、ボクの友達だから……キミには渡せない」
優しい笑顔でそう言う少年にゆっくり手を振り下げようとする男を見逃さなかった祕さんが咄嗟に手を振りほどく。「王子、その見た目で今出てくるのはやめて下さいまし」と……
王子……ってロゼットくんか!?明らかに髪の毛長いし目の色も違うけど……
そんなことよりこの状況をどうするかだ
輝美が居ればどうにかなったものの、勿論家にいるだろう
「オイヒロトォ!此処は俺等二人でやんぞ!王子!カナメは頼んだ!」「あっ、は、はいっ!!」祕さんが俺の服のフードを引っ張りそう言う。……え?と思いながら曖昧な返事をしても従おう。ま、まぁあの2人に危ない事はさせない方がいいが……
祕さんの言葉にやれやれと言ったような顔でカナメくんに寄り添うロゼットくん。本当に王子様みたいだけどそんな呑気なこと考えてたら死ぬな俺……あはは……
祕さんはぐいいと俺の髪を引っ張りながら歩かないで欲しい
ピリピリと張り詰めた空気が漂い俺達を包み込む。相変わらず少年の表情は変わらない
「ヒロト。死にそうになったら逃げる…分かったな?」小声でそう伝えられ無言で頷く。そして体に炎を纏う。チリチリ手袋の焼ける音が聞こえるがそんなの気にしない
俺達がこんなに好戦的にも関わらず相手は薄い笑みを浮かべて突っ立ったままだ。何か考えでも……
俺は、これからそいつがどんなに恐ろしかったかを知ることになる。
続く
途中ですがその少年が誰かを……
【名前】憂御蔭 スピカ
【読み】うずみかげ すぴか
【性別】男
【種族】隠し神
【能力】神隠しを起こす程度の能力
【二つ名】人間隠しのディストラクション
【危険度】極高
【友好度】極低
【容姿】
https://i.imgur.com/v7OiZbr.jpg
身長165cm希望
【詳細】
極悪非道で自分の私利私欲の為ならどんな犠牲が出てもどうでもいい。手に入れたいものはどんな手段を使っても手に入れる。独占欲が強く1度手に取った獲物は絶対に離さない。かなり病んでいる
また美しくないものはただの食料だと思っている
好きな食べ物は人間の血肉とザクロ
普通の世界の裏側、幻想郷と反転した世界で独り暮らしている。目をつけた物は必ず手に入れなければ気がすまず、気に入った相手を見つけては自分の世界へ引きずり込む。滅多に此方の世界にはやって来ないものの最近はカナメを取り返そうと現れたりもする。肉弾戦はあまりしないものの、催眠術や魔術を使う
皆が忘れたはずのカナメの記憶を唯一覚えている者
何故覚えているかは彼にしか分からない。実はカナメの家族が亡くなってしまったのも彼に関係したりする。何回も何回もカナメをもう一度自分のものに戻そうとするが、よく邪魔が入り失敗に終わる。幸い玖祐にのみ逆らえない
対象以外にはあまり興味が無い
独りぼっちでも良いと言う彼の過去は謎に包まれている。玖祐は何か知っているようだが、何故か汚いものを嫌いいつも悲しそうな顔をしている
彼の生き物らしい生気の漂った雰囲気を見た物は誰もいない
友達も味方も家族もいない
【能力解説】
『神隠しを起こす程度の能力』
この世にある穢い不必要なものを神隠しに合わせ、自分の世界で自らの血肉に変える
自分好みのものを世界へ引きずり込むこともあるがその場合は相手が壊れるまで遊んでやる
【スペルカード】
骸屍「エインヘリヤルのレゾンデートル」
骸屍「グラン・ギニョール」
骸屍「束縛の縄」
死狂「魑魅魍魎なマリオネット」
死狂「穢れたもののレゾンデートルとは」
「連続少年神隠し事件」
【台詞】
「綺麗な顔の子を見ると、ついついいじめたくなっちゃうんですよ♪ああっ、ヴァルキュリー…今日も美しい僕のマリオネット…♪さぁ、僕の元へ帰っておいで」
「僕だって幸せになりたかった……毎日友人と笑い合い、両親に愛され、キラキラと輝ける場所がある…。
だからって、人の過去のことをぺちゃくちゃ口に出すんじゃねぇ……」
【続きだけど色々と注意】
俺も祕さんもあいつの罠にハメられたことに気がついた時は既に遅かった
足に力が入らない……なんかの催眠術だ?死なないなら動けなくすればいいということか。クソッ……この野郎……
ある程度の攻撃は仕掛けたものの、俺達の力では到底敵わない
「おいテメェ!近付くんじゃねぇ!」
2人の方へ行こうとする少年に大声でそう叫ぶ祕さん。そんな声には見向きもしてくれなかった
「駄目だ祕!そろそろ魔法が解けちゃう……っ!」
そう言うと同時に、キラキラと宝石の欠片が一つの杖になって戻ると気が付けばいつもの彼がそこにいた
王子、逃げろ!!!ーーどうやって術を解いたのか、祕さんがそいつに向かって走る。………解けた!
それにつられて俺も援護をしようとして……
[To be continued]─────
なんで俺のために皆が苦しんでるんだ。震えて動くことも出来ない
そう、全て思い出した。あいつが全ての元凶で、また繰り返すんだ。永遠に。終わらない夢を……悪夢を
ロゼットも祕も紘斗も皆。全部俺が悪くって、何処に逃げても囚われてるって
「やめて……やめ、て…ごめんなさい、っ…!」
もう嫌だ。近付くあいつに泣きながら訴えた。
「なんで泣いているんだい?キミは僕のところに帰れて幸せだろう?なぁ、ヴァルキュリー……♪」
そう言って笑う彼の顔は昔のままだ。俺を穢し全てを奪ったあの笑顔
その冷たい指先が、頬に触れる。頭の中はずっと同じことばかり。今すぐこの世から消えたい。どうして消してくれないんだ?何故俺の死を許さない?触らないで。皆不幸になっちゃうから
解放された筈の首輪がまたキツく絞められる
離れ消えた筈の触手がまた俺を束縛する
彼の耳元で囁く甘い声とするっと身体を撫でられる感覚が鮮明に思い出され、痛くて怖くて苦しいあの感覚も全てが……俺にとって恐怖でしかない
もう二度と大事な人を失いたくない。絶対に失わせない
「分かった……もう、好きにしていい……から……っ!?」
俯いてそう言うと、突然強引に口が塞がれた。
久しぶりに間近で見る彼の顔はやっぱり綺麗なのに、何処か笑っていない。怖い
「それでこそ僕のペットだ♪」
唇を離され髪を撫でながら、優しい笑顔でそう言う
でも、これでいいんだ。俺が大人しくしていれば皆はもう傷つかない
彼はさらに続けた。
「あの時の問題をもう一度出してあげようか…」と
問題の………答えは分かっている。何故そんなことをもう一度聞いてくるんだ。その笑顔のままで。
「何故、皆が君を欲しがるんだと思う?」
「……俺の、俺達の血が穢れてて…俺は化け物、で……」
言いたいことはわかっているのに上手く舌が回らない。意識を朦朧とさせながら途切れ途切れにその答えを言う
思わず涙が溢れてきた。だって、なんでこんなことになっているかが分からないから
父さんも母さんも何も悪くない。俺だって──
何度もこれは夢だって信じた。でも違かった。これは確実に現実……悪夢という名の
「それは違う」
彼が涙を抑える手を退けて、口封じのように人差し指を俺の唇に当て否定する。そして続けた
「君の一族は特別で、死ぬには勿体無い。その中でも君は特別美しかった。
皆君を欲しがって、どうにかして手に入れようとしたんだ。君の幸せも、何もかもを全てを奪ってね」
何を今更言っている……?全てを……じゃあ、その全てを返して。返してくれ………気が付くと俺は座ったまま彼奴の胸倉を掴んで叫んでいた
そんな理由で俺を奪ったのか?俺以外の犠牲はどうするんだ!返せ………と
お前だけは絶対に許さない
続く
「そんなに気を悪くしない……少々気が荒くなってしまいましたか?ヴァルキュリー」
相変わらずの調子で服を掴む手をさり気無く払い除け、あの名前を呼ぶ
「その名前を口に出すな……」
睨みつけながらそう呟く。だって、俺はもうヴァルキュリーじゃない
「テメェ!まだ終わってねぇぞ変態ヤロー!!」
「全治10分経ったぜ!完全復活!リベンジマッチだ!」
突然大木の倒れる音がする。真っ赤に燃える炎と金や銀のナイフが目に飛び込んできた
気が付くと周りは暗転して、眩しい世界の幕は閉じた
もう少し、この永い夢を見ていたかったな
[……To be continued]
あの子が帰ってきてる?まさか……彼なら自分の世界へ閉じこもったはずだ。
森の中を駆けて行くと音は近づいていく
見覚えのあるシルエットが現れると確信した。スピカ……戻ってきてたのか
咄嗟に彼に殴り掛かろうとする祕、紘斗君の手を抑えスピカへ問いかけた
「久しぶりだね……☆今日のドロップはサニーだけどキミのドロップはレイニーかな?」
俺が口を開いた瞬間その場にいた3人の体が硬直する
まぁ可愛い祕が固まるのは当たり前だけどスピカは久しぶりだし、紘斗君に限っては初対面だしね★
なぜ固まる少年よ
生憎こんな登場になっちゃったけど夏旅行だよ☆
それよりこの状況は……まぁ予想だけど、スピカがまたカナメくんに絡んで俺の祕が怒って、紘斗くんは巻き込まれて、ロゼットくんは変身解けてダウン中?あ、合ってる?やったね☆★
「すみません。僕やっぱ帰ります。」
「初めて気があったな。俺も帰る。」
おいお前ら僕が来た瞬間テンション下げるんじゃない泣くぞ。まぁこの状況だしまたなんかしただろうし完全にスピカは悪者かな?
はーい頑張ってお兄ちゃんが挽回するからね〜
本当はもっと沢山祕とイチャイチャしたかったんだけどな……まっ、今日はお掃除係さ
大丈夫大丈夫、カナメくんの記憶は消えちゃいないよ。かなーり昔の記憶は消えてるけどね☆
スピカだって昔は祕みたいに可愛かったんだけどね〜
「玖祐さん。前に僕の身長が160越えたらもう付きまとわないって言いましたよね?」
あれ?そうだったっけ?結局俺の方が身長高いし分かんないや。とか思いながら身長を比べてみたり
俺って意地悪バットキャンディちゃんだからすぐ忘れちゃうんだよね
懐かしいな〜とか昔のことを思い出しながらニヤニヤしているとますます周りが不穏な空気になる
「あ、あの………」
おはようカナメくん!やっと目を覚ましたみたいだけど多分スピカとの再会が気まずいよね!
まぁ今日の俺が来た理由は祕じゃなくてスピカの改心と二人の仲直りを手伝うため。霊界と魔界の便利屋も楽じゃないよ
「玖祐さん。これ以上僕の昔のことを言わないでください……僕は永遠に独りでも平気ッ……!?」
「うるさい!ドロップロケット!」
お口チャック☆睨むな★ってことでスピカの口ん中に飴を突っ込んでみました
10秒くらいの沈黙。やべっ、結構奥に刺さった?とか思ったけどモゴモゴしてるから多分平気だね!流石!
とりあえずカナメくんに全てを話してみた。話を少し軽くして
今カナメくんの中のスピカは可愛いもの大好きな純粋ぶってる14歳の男の子☆ある日変なオニーサンに連れてかれ(以下略)っていうイメージにしたよ!
うわスピカ激おこ。これでひとまず安心かな?
ま、俺もそろそろ仕事に戻んなきゃだし妹分に会ってから帰るか
「ほーら帰んな。同期に会う気ゼロなの〜?」
「嫌です!また馬鹿にされるでしょう!」
なんかやけにヒラヒラしてる服を掴んで後ろへ引ずる。
お前は何言っても強制連行だ
後ろでキャッキャ話してる子達が可愛く感じるよ
とりあえず睡眠中のロゼットくんをおんぶして祕と紘斗くんにスピカを任せてみた
俺の前だと魔術は使えないし腕力祕以下だから!(決して祕を舐めてるわけでは……)
あ、そうだ。また仲間たちにもあって欲しいとか…
続く
「玖祐兄さん!帰ってきたんだ!」
俺達の声でも聞こえたのか、輝美ともう1人見たことない女の子が中から出てきた
こんな暑いから中にいていいのにな……なーんて思ってみたり
スピカの件が終わったから家では祕と思う存分イチャイチャしようと思っている。てかする
家に入ると、俺の家じゃないんだけど何だか懐かしい気がした。前に何度か来てたんだっけ
向こうが盛り上がっている間に祕に抱きついたりしてみたけど怒られた。冷たくない?
「祕〜☆そんな照れないで☆」
とか言ってリベンジをしていたら突然悲鳴が聞こえてきた
「ギャァァァァ!!?壁から幽霊が出てきてる!!」
声的に紘斗くんと楓埜ちゃんロゼットくんらへんかな?
その場所に行ってみると申し訳ない気持ちになった。壁から出てきてるの知人です。幽霊ですけどね
「う〜ら〜め〜し〜や〜……」
こらこらそこまで幽霊にしない
「社長さん〜……あんまスキンシップしすぎちゃダメだよ〜」
パッと顔をあげて笑顔でそう言うその犯人
怖かったのか3人は震えている。かっわいいなあ
輝美は嬉しそうだけどスピカは現実から目を逸らしたそうにしている。させるか
「ごめんごめん☆ちょっとあまりにも可愛くって★」
………ガゴン!いてっ!
後ろを向くともう一人が怒って待っていた。やべー
あ、この二人が誰かって?二人とも俺の会社の仲間さ
幽霊のほうはソラくん。殴ってきたのはガイだよ☆
「スピカくんも輝美ちゃんも久しぶり〜♪元気にしてた〜?」
「あんた達に会わなければ元気に帰れました」
ニコニコスマイルでそう問いかけてるソラくんにでさえ冷たい対応のスピカ。お前また会社に戻すぞ
「二人ともも元気そうでよかった!姉さんとかも元気してる?」
やっぱ盆休みっていいよね………♪
まぁ俺の会社の皆の説明はまた今度☆★ごめんね☆
そろそろ俺も仕事に戻んなきゃだし、可愛い祕にはまた夜とかに会いに行くから今日はこれくらいで……
無言で俺を引きずろうとするのをやめてほしいな〜
お盆休みももうすぐでおしまい……皆は夏を満喫出来たかな?……そうかそうか、キミはエンジョイできたんだね☆お利口さん☆
ん?キミはあんま出来てない?でも雰囲気だけでも楽しめたんじゃないかな♪
それじゃ、そろそろ虫も鳴いてきたし…外も暗くなってきたから俺は帰るよ☆
今日は綺麗な夕焼け空だから明日は晴れだろうね
俺はまた仕事でバイバイだけど近々遊びにこよっかな
今宵も素敵な夢を見られますように……
それじゃあマジカルミラクルドロップス☆★
紳士も淑女も皆、バイバーイ♪
【おしまい(俺達の夢はまだまだ続くよ)】
六面 〜デタラメ夢幻詩集〜
「私にはあんたの言っていることが嘘には見えないけど………」
どこか悲しげ笑う梓桜の顔は、霊夢には本当のことを言っているように見えたようだ。『嘘』だと言う言葉の方が『嘘』に感じる。しかしそれが分かるのは本人のみだ
図星なのか、霊夢の言葉に苦笑いをする梓桜。心は痛むものの、この異変の為にも仕留めなければならない
「容赦しないわよ」
そう言ってお祓い棒を構える
「こちらこそ手加減は抜きです。まるで幻のような一節を、星降る天ノ川と銀河の宇宙へ願いを込めて……かつて約束したあの日の願いを……」
「それも嘘でしょ?」
「バレましたか」
ヘラヘラした笑顔を浮かべると、キラキラッと流れ星が空を走る。
「珠詩『嘘と本音のジクソーパズル』」
眩い星の輝き、それをさらに引き立たせる月の明るさ、そして風に靡く綺麗な髪……まるで芸術のような景色だ
紫、黄、青の弾幕がまるでパズルのように繋ぎあっては分かれ此方へ攻撃を仕掛けてくる
弾幕の方向が不規則な為避けるのも困難だ
終始無言で攻撃を避けは撃ち…………の繰り返しだ
パズルのような弾が無くなれば次はこれまた様々な色の弾幕が霊夢を囲む
弾の色は不揃いで、中には合わない色の配色もあった
その弾が霊夢目がけて次々と飛んでくる
「狂詩曲『非現実的な大舞台』」
その声と共に、その弾幕と共に、空にレーザーの糸が引かれる
赤と黒の眩く光る糸、不規則な弾幕が弾けて砕かれ、そしてコロコロしたカラフルな真珠のようになり辺りに散る
「なかなかしぶとい……ようですね」
そろそろ梓桜も疲れてきたのだろうか、弾幕が一時的に弱まった
今だ………!と、留めを刺そうとしたその瞬間、美しく優しく光を照らしていた月が眩しいくらいにギラギラと輝き出し、そしてリン…リン……と、何かの音が共鳴する様に鳴り出した
「奇天烈奇怪、狂気の唄」
梓桜の手の内にあった紙がばら撒かれる。たまたま見えた文字は死、とか殺、とか……なんとも不気味で物騒なものばかりだ
ばら撒かれた紙から文字が浮き出し、弾幕となって襲い掛かる
「そんな悪い言葉使ってたらお仕置きするしかないわね」
乱雑な文字を避け、お祓い棒を振り下げる
パァン………!と、それと同時に水素を爆発させるような軽やかな音がな響いた
「うぅ…噂通り………。思っていた以上に強かったですね……」
ボロボロになった梓桜ががっくりとした様子でそう言う
無言で胸倉を掴む霊夢。そしてそのまま淡々とした口調で命令をする
「あんた、なんでこんな下らない異変を起こしたの?まずは一刻も早く里を戻した後にあの雑魚達を元に戻しなさい。そしたらうちの神社で5ヶ月間アルバイト。分かった?」
あまりにも多すぎて梓桜も唖然としているが、とりあえず先程の紙を破いて全てを元に戻した
「ご、5ヶ月間アルバイトは勘弁を………私も暇では……」
「あんた女みたいだから服ならあるわよ」
そう言いながら強引に梓桜を引っ張っていく
七夕の夢は叶わなかったが、夏の星は美しく輝いて、秋の用意も万全のようだ
梓桜の本当の願い事が叶うのはまだまだ先の話である
〜エンディング1〜
「うう……游朶さん強すぎッス!誰も勝てないッスよ!」
2ヶ月に一度ある腕相撲大会。今回は1位になれば1ヶ月サボりOKとかいうヒーローらしからぬ行為に及んでいたが、毎回游朶の勝利だ
唸り声をあげながら蹲る鉄夜と腕を捻られ苦しむ暁。
「俺のせい俺のせい俺のせい………………」
瞬殺され1回戦で摩夏に負けた魅鳥は自己嫌悪に陥っている。流石に勝者も苦笑いだ
「やっぱりあの時あの人を信じとけば……」
ついつい呟いてしまった言葉。自分で言っておいて疑問に思った。"あの人"って誰だっけ?
最近は奇妙な出来事も多いものだ。
「鉄夜ー少しゲームの相手してくれね?」
「あっ、勿論ッス!」
考え事をしていると向こうの世界のゲーム機を手に持った摩夏が話しかけてきた。我に返ると少しテンパリながら了解。
とりあえず楽しければいっか!
★the end★
〜エンディング2〜
「大変ご迷惑をお掛けしま・し・た!!!ほらクソガキ、帰るよ」
イライラしている様子で宵夜が維蛾を無理矢理お辞儀させる
今回の件を謝りに来たのだろうが、珍しく騎士が皆神社へ来てくれた
「すみません!ついearthのsweetsにつられてしまって……」
「つられてしまってじゃないでしょお?ガキのせいで私達も道連れになってんの!」
「ひいぃ……!お許しを!」
見ていて可哀想な状況になっているが、正直言って霊夢にとってはすごく厄介だった
もっとボコボコにしてほしいがそんな気持ちはしまって………
「反省してるならいいんじゃない?」
あっさりと許してしまったものの、宵夜の怒りは治まらない。周りの二人………いや凛羅は寝ている會嵐が可哀想に見えてくる
ただでさえ厄介な宇宙人のくせに二度とこんなめんどくさい事には関わって欲しくない
霊夢はせいぜい星で王様でも守ってな〜とか思いながら彼女らを見送った
🌏the end💫
〜エンディング3〜
祕が目を覚ました頃には、もう七夕の夢のような不思議な夜は終わっていた
眩しい朝日が目に入ってきて痛い
確か昨日の晩………何をやっていたんだっけ?
何だか不思議な感覚が襲ってくる。怖いような楽しいような。まるでギャンブルみたいにエキサイティングな………良くわかんなくなってきた
「ひそか!やっと見つけた!どこ、行ってたの?」
聞き覚えのある声がすると座っている祕に向かってロゼットが飛びついてきた。続いてカナメもこちらへ駆けてくる
寂しかったのか、すごい困り顔で……
「いや、なんかここに来てましてね……それより王子にカナメ、お腹空いていませんか?」
考えても思い出せないものは仕方ないだろう。
笑顔で2人にそう問いかけると無言で頷いた
「そうですよね……それじゃあこれから2人の大好きな餡蜜でも作りましょうか」
そう言うと二人はキャッキャと子供らしく喜ぶ
赤い髪の子供………あいつは何だったのだろうか
少し変な気分だがまぁ良いだろう
それより心配なのは昨日賭けた物を霊夢に返さなければ……莫大な金額を請求してきそうでとても怖い
💎the end💸
〜エンディング4〜
「巫女服似合ってるわよ〜」
変な異変を起こした罰として、3ヶ月博麗神社のアルバイトをさせられることになった梓桜
一日中客のいない神社の落ち葉を箒で掃き続けている
「私はどんな服でも似合いますけどいつまでこんな暇なことを………」
思わずため息が出てしまう
時は過ぎて今はもう葉は色付き始めている9月の頃
青々と茂る夏の葉は、爽やかに揺らいで青の空に色を足す
こんな景色にも詩をつけてみたい
ふと思い出した彼のこと。今は亡き友の形見
不思議な事に、霊夢にヒビを入れられたビー玉は元の形へと戻っていた。割れた形跡も何も無い
でも、梓桜は少しだけまだ彼がどこかに居るような気がしたのだ
「今は何処にいるかも分からぬ友よ、見ていますか?私は今新しい生活をしている。少年よ、貴殿の幸せを私は願おう」
空に手を翳して、そんな詩を心で綴ってみる
少し強い風が、神社の木々を揺らした
✒the end🎼
🎸文化祭🎤
教室に響くのは国語の授業をする先生の声。俺の席は1番窓側の真ん中。丁度綺麗な景色が見えて心地良い
窓から入ってくる風に運ばれて、秋らしい金木犀の香りが教室中に漂う
外は前までカンカン照りの空の下青々と緑が茂っていた。今ではゆったりとした快晴の空の下で黄や赤に染まっていっている
学園祭の頃にはもう葉は散り始めるだろうか
放課後、
「ミドリパイセン!部長!学園祭っすよ学園祭!」
まるで突進するかのように春兎が部室に突っ込んでくる。そうか、もうそんなシーズンか。
今年も勿論軽音部はライブをするつもりでいる
まぁでも部長や皆もクラスでの出し物もあるだろうしな……この季節は何故かワクワクする
ちなみに俺のクラスは学園祭に有りガチすぎるお化け屋敷。普通かよ
部長は3年だし凄い出し物するんだろうな……。柊真のクラスは確か展示だったっけ?
春兎と碧は初めての部活か。春兎は知らんが碧はメイド喫茶って………いや皆の魂胆見え見えすぎる
「おーいミドリ〜!お前の兄と弟みたいなの来てるぞ〜!」
どうでもいいことを考えていると部長のでかい声が響く。兄と弟って、まさか……
「おお!此処が魅鳥のアジト2か!」
あーごめんなさい皆俺が悪いんだ全部。こんな暑苦しい奴が来たのも俺のせい。俺のせいだ
うるさいうるさい何で俺の楽器に触る。おいそれはベースだ殺されるぞ
会わせてはいけないヤツらを会わせてしまった……
ほんとにすみません部長。てかうるさいわ。主に隊長がな
ていうかもう彼処で先生と柊真が睨み合いしてるし。鬱だ
「はいはいそこまで。そこの坊ちゃん、あんまそいつに関わっちゃあ魚になっちゃうぜ?」
二人の間に鉄夜さんが割り込む。柊真はやべぇサツだ…とでも思っているのだろうか?
先生も図星だから笑顔で引き下がる
というか今日のこいつらは何をしに来たんだ……
そう思っていると摩夏さんが肩を叩いてきた。そして引きづられる
なんとなく話の内容は察した。
俺が続けている時間についてだろう。
「魅鳥……そろそろ"彼等"を元の時空へ返してやれ……!」
馬鹿みたいなことしか言わない隊長が深刻な顔をしながらそう告げる。こんな事は何回もあった
現代の人間を幻想郷の者と関わらせるのは危険だ
そんなことは知っている。でも、俺は彼等を一生生かすつもりでいるんだ。「お前に俺の気持ちが分かるはずがない」
そう冷たく言い放ちその場を後にしようとする
「待て。隊長の言っている通りこれは危険ッス。お前を逮捕……なんてことはしないから止めてくれないか」
腕を掴み逮捕につられて深刻な顔をする鉄夜さん。その腕も振り払おうと抵抗する。
「お前らもしつこすぎだ。本人が危険に気付かなきゃ意味が無いだろ?」
捨て台詞のように摩夏さんがそう言う
その言う通りだと思ったのか、隊長も鉄夜さんも、先生も黙り込んでしまった
沈黙の中、4人を無視して俺は部室に戻って行った
入ってきた俺の元気がない顔に、不思議そうにする皆。俺は、いつまでこの時間を巻き戻せばいいんだ?
続く
暇つぶし、いつもの
今日も五月蝿い人混みの中を歩いて帰る。
一日は終わりきちんとしていた制服も放課後には乱れ、電車の発射の音が鳴る。
灰色の空からは大粒の雨が降っている
その空の下真っ黒な傘を差して歩く
俺はどうせ現世でも郷内でも役に立たないんだ
なにもできない小さな虫は必要なのだろうか
その答えを教えてくれる人はいない
周りよりも劣っているのは知っている
頭も運動も仕事も力も、体力も心も
彼等は俺にとって眩しすぎた。だから操るんだ。
彼等と居ると幸せだ。だから離さない。
俺はお前らと違って人のことなんて考えない。考えられない無脳だから
そして今日も俺は自分の首を絞める
日に日に増える刃で自分を痛めつける
俺は何時になれば死ぬんだ
生き物は死んだら何処に行くんだろう。
教えてくれよ。死んだら何が残るんだ。何故生きなければならないんだ。教えてくれ。
力を持った音楽が消えたら俺には何が残るんだ
毎日人が居なくなるのも不幸になるのも苦しむのも、努力が認められないのも頑張っても無駄なのも夢がないのも全部俺が悪いんだ
全部俺のせいだから、早く眠らせてくれないか。永遠に。
この世界は無機質な俺には眩しすぎたんだ
いくら手を伸ばしても伸ばしても届かない痛み
両手を広げても何も落ちてこない
一生彼等の後を走って追い続ける
そんな人生を送っている俺は……
特に俺がいじめられている訳でもない。省かれている訳でもない。独りなわけではない。
周りは皆俺が独りで生きていけないと思っている
俺は独りでも歩いていける。だからほっといてくれ
鬱な気持ちになりながら幻想郷へ戻ってくる
いつもの疲労感が全て襲って来て今にも吐きそうだ
向こうとは違ってこっちの空は澄んでいる
でも何でだろう。
こっちの方が全然気持ちが悪い
俺が死んだら皆どうなるんだろう。喜び笑い手を叩いて、散々言った後に忘れるんだろう。
そしたら俺はどこに行くんだ
無言で家のドアを開ける。
人外の声もうるさい。うるさいんだよ。
部屋に入るとゆっくり目と耳を塞いだ
静寂程落ち着くものは無い
俺も早く静かで誰もいない真っ暗な場所へ言ってみたい
そしてまた呟くんだ
俺は必要が無い。全部俺のせい。死にたい。なんて馬鹿みたいなことをね
昨日また増えた傷をリストバンドで隠し、手形や縄の跡がついた首に包帯を巻く。
寝癖を治す為に見た鏡の向こうには世界で一番嫌いな奴の顔が映っていた。
そしてまた今日も一生懸命声を聴くんだ
続き
ここのフレーズはどうしよう。歌詞はやっぱり明るく楽しく……そうだ、文化祭を機会にでバンド名とか付けてみたり……!
「おい杜乃!何ボーッとしてんだ!留年スレスレでよくそんな態度ができるな」
俺がボーッとしてたのに気付いた先生が出席簿で思いっきり頭を叩いてきたのでやっと我に返った。怒られるとクラス中から笑いとからかう声が波のように大きくなる
「反省はしてます!昨日バイトで忙しくて……」と本当のことを言ったのにまた殴られた
ムッとしながらも懲りずにまた考える
曲は今日作るつもりだ。俺の作った曲を皆が演奏して春兎が歌う……そう考えるだけでワクワクする
バント名は皆色んな案を出してくれたがさんざん考えた結果これは『Rainbow☆Sea』にしてみた。虹色の海だ!
色々なことを考えているうちにチャイムが鳴った
今日の部活は曲の確認と演出についての話し合いだ
しかし不思議なことにいつも碧と来る柊真が今日は4時半までにやってこなかった。
キィ……とゆっくり部室のドアが開く
「部長、すまない……去年シメたヤツらが因縁つけてきやがって……」
申し訳なさそうに俺達に頭を下げる柊真
見せられた手紙には確かに書いてあった。しかも『もし来なかったらお前らの舞台は破壊する』と
「え、これ……」「ヤバくないっすか…?」と口々に碧と春兎が呟く
今日は大事な話し合い……だけれどまた今年も問題を起こす訳には行かない
「……それじゃあ話だけはつけてくれ。だが約束が二つある」
満を持して柊真の前にブイサインをしそう言う。
「一つ目は暴力はしないこと」
馬鹿な俺が多真面目な顔してこんな事言うのもなんだけどな
「二つ目は俺も連れていく。魅鳥!後はお前が出来るはずだ!」
自分でもわかっているうるさい声でそう叫んだ
柊真は勿論、魅鳥も唖然としている
でも俺は信じている。魅鳥なら軽音部、そして俺のやりたい事は全て分かってくれている
俺は柊真の腕を引っ張って外へ出る
「部長……本当に良いんですか」
そう問いかける柊真の目を見て頷く
フッ……と鼻で笑うと、柊真は自分のバイクの後ろに乗れと言ってきた
しかし安心して乗った俺が馬鹿だった。
安全運転なのだろうか?驚く程の暴走っぷりでバイクを爆走させる
顔が青ざめていくのがわかる。
父さん母さん俺は今日で終わるかもしれない
「ついたぞ」と言われたものの頭がぐるぐるしてフラフラする
気が付くともう目の前には見慣れない不良達
漫画で見るソレとまんまだった。
「おいおい、返り血の鬼神と呼ばれた柊真クンが仲間でも連れてきたのか?」
「腰抜けにもなったもんだな」
「それにしても弱そうなガキじゃねぇか」
とか俺の顔を見ながら怖い不良達が言っている
俺の命日は今日か。ありがとう俺を産んでくれて。最後に食べたいものはケーキ4ホールくらいです。お願いします神様ドーナツでもいいです
突然不良の一人が何か言えよ!とか叫んだり奇声をあげたりしながら柊真を殴った
しっかり七三に固めていた髪が乱れ眼鏡が飛ぶ
そこまでされてもあいつは手を出さなかった
「トウマ!お前らやめ………」
そう言おうとすると1番怖いやつがこっちを殴ろうとしてくる。
もうダメだ……!マカロンかクッキー食べたい…!
「テメェら全員ミナゴロシだ」
気が付いて目を開くと、七三を思いっきり上にかきあげてかきあげてヒビの入った眼鏡を付けた柊真が立っていて、その下であの強そうな奴等が倒れていた
漫画みたいなことばかりで嘘みたいだ……現実だよな?
帰りのバイクは凄いゆったりしていた
「すまない。俺のせいで廃部かもな…はは……」
苦い笑みを浮かべ柊真はそう言う
確かに喧嘩はした。でもこれは柊真が悪いのか?
帰ってくるとどうやら演出も曲の確認も出来上がっていた。
「流石ミドリ!やっぱお前は天才だ!」
そう言い髪がぐしゃぐしゃになるくらいまで頭を撫でた
あたふたして照れる魅鳥は、何故だか頼もしい
後で柊真だけ先生に呼ばれたが、処分はなし……!
今年1度も喧嘩をしなかったからか、今回は見逃してやるとの事だ
これで練習にも専念できる!
今夜張り切って曲を仕上げてこよう
続く
続き
文化祭当日。クラスの出し物が展示だった為、同じく結局展示になった魅鳥と回ることにした
同じクラスのヤツらにも誘われたが軽音部の用事もある為ごめんな
あ、演出も演奏もばっちりだぜ!俺からの『最後のお願い』も皆快く引き受けてくれた
そのお願いは、最後の学祭くらい軽音部皆の歌声が聞きたい。
俺が全身全霊かけて作った曲だ!是非4人に歌って貰いたい!とのことで今回は春兎以外もソロパートがある。ちなみに俺はパス。ドラムだし
とりあえずまずは碧のメイド喫茶に行ってみよう。うん。ピンク色の看板に不吉なものを感じる
ゆっくりと中の様子を見ながらドアをスライドしてくと予想どうりの地獄絵図
似合わない奴等が無理矢理着せられましたな感じで接客をしている。やる気がないだろ
「あ、部長さん達…いらっしゃい……じゃなくて、おかえりなさい。」
よく聞き覚えのある声の方を向くと可愛い女子……にしか見えない碧の姿があった
「可愛い………」とか思いっきり魅鳥とハモってしまった
これがこのクラス……というか学校の策略だろうとしか思えない
いつも女の子みたいな顔をしているがヒラヒラの服を来て付け髪とはいえ髪を長くすればまんま女子だ。
というかアレ……柊真だよな?自分のクラス放棄してきたなあいつ
「なんだ?俺は今日一日ここの常連だ。ちなみにこれで紅茶26杯目。まだ50杯なら余裕だ」
じっと見てると気付かれもはや人間ではないことを言い出した。幼なじみガチ勢すぎるだろ
気が付くと外には大行列。そりゃあそうなるよな
一人にして可哀想だし春兎も見に行ってやるか……柊真と男子のクソデカ声とか細く聞こえる碧の接客の声を後に春兎のお化け屋敷を見に行った。「お姉さんピースピース!」とか言われて無理矢理自撮りさせられてるのは気の毒だな
『首なし幽霊の館』
ありがちすぎるようなないような……。というか入る前から魅鳥がしがみついてくる。首を持たないでくれ
中は真っ暗。聞こえるのは怖めのBGMと魅鳥の念仏くらい。怖がるんじゃない作り物だよ
「にしても上手く作られてんな〜」
キョロキョロしながら呑気なことを言ってみる
横から前に視線を移すと目の前に怖い被り物をした人が立っている。全身真っ黒。顔だけ真っ白。突然過ぎて倒れてしまった。すまない魅鳥。踏んだ
と思っていたら後ろで土下座してる。「すみませんでした許してください帰りたいごめんなさい……」とぶつぶつ言っている
恐る恐る進んでいく……なんか曲がり角の所から先を見てみるとやっぱ立ってるよな。首なし幽霊。首ないし突っ立ってて逆に怖いわ
そっとそこを通り過ぎるが不思議なことにそいつは動かなかった
「ばあっ!首なし幽霊っすよ〜!堪忍するっす!」
前からマントを被って飛び付いてきた方が首なし幽霊な!てか春兎じゃないか雰囲気台無し!
でも魅鳥は走って先に逃げました
張り付いてきた春兎にムカついたんでそのまんま担いで出てきた
「って部長!ルール違反っす!」
やっぱりクラスでも目立つキャラだから主役なんだなこいつ
てか途中で立ってるやつの方が雰囲気怖いわ
冗談交じりにそう言ってみる
「え?あのー俺以外に首なし居ないっす」
テヘペロ顔でそう言ってきたが、ごめん冗談だよな?冗談と言ってくれ。お願いします
何だか知らないが背筋が少しひんやりした。
ま、まぁただからかってるだけかもだし………本物なんていないしな!幽霊なんて居ない!
そんなんで色々回っていたらもうチューニングの時間
あとはリハーサルの通りに上手くできればカンペキだ!
続く
続き
一つ前のダンス部の発表が終わり、大きな歓声が舞台中を包んでいた
そろそろ俺たちの出番……
俺は無言で四人の前に手を出した。
何がしたいのか分かったのか、四人とも次々にその上へ手を重ねる
「Rainbow☆Sea!最後の大舞台だ!皆声出していくぞー!」『おー!』
俺の掛け声に乗って四人の声が重なる。
そして掛け声が終われば一斉に舞台へ走り出した
舞台の観客席は人でいっぱい……テンション上がりっぱなしの彼等の熱気で思わず倒れそうだ
1曲目は軽音部らしい明るい曲。これは俺が去年作曲したやつだ。残念ながら去年この曲を舞台で奏でることは無かった。だからこそ眩しい。春兎の元気な歌声にピッタリだった
みんな練習よりもイキイキしている。あまり笑わない碧も薄ら笑顔……血の気だってる柊真も今は落ち着いてベースを奏でている。魅鳥は、慣れているからかやはり音が深い
2曲目は今年の春、新入部員募集で演奏した曲だ。あの時大絶賛でもう一度聞きたいってクラスの奴らが言ってたからこれにした。
確かこの曲を前に演奏した時は俺と魅鳥と……
ロックなリズムに合わせ曲は山場。
かっこよさげな歌詞と共に俺のドラムも一番激しくなる。
前ここでバチ飛ばしたけど今回は大成功!
3曲目が俺が授業の時間を割いて作曲した大作だ
この曲では俺のお願いで4人の歌声が聴ける
は?だったら全員ボーカルやれよ…ってなるだろ?
でも良いんだ!俺は皆の声が聞きたい
これが終わったら俺がもう舞台に立つことは無い。
最後に立つ舞台なんだから好きにしたい
「お前らー!この曲は部長が作った大作っすよ!全身で聴いてくれよなー!」
アドリブで春兎が声をかける
それと共に俺のドラム、柊真のベース、魅鳥のエレキ、碧のキーボードと順々に入っていく
『本当にありがとう
皆の声が俺たちの力で、俺達の思いを受け取ってくれ
虹が消えるのは一瞬だけど、俺達の輝きは永遠だ
何百年も何万年も、不滅の輝きが消えることは無い
お前らも俺達とずっとずっと先へ進んでいくんだ………』
なんていう歌詞を春兎が歌う。元気で無邪気で、周りも楽しくさせてくれる歌声だ
「以上!次は元ヤ……め、目付きが悪いベース担当!トウマー!!」「失礼だ」
そう言うと続きの歌詞を柊真が歌う
春兎よりも全然低くてカッコイイ声。迫力のある声が舞台中に響き渡る
「次、優しい旋律と顔が素敵な"俺の幼馴染"、アオイ」
恐らく碧のファンであろう奴等から大量の声援が来る。今までも凄かったが二倍ましくらいだ
いつも小さい声の碧もマイク越しではハッキリその声が聞こえる。高くてゆったりしていて優しい歌声だ。
思わず聞き惚れてしまいそうだがドラムが死んだら全員終わるぞ
「ありがとう…。次は不思議で面白い別世界……」
「あーハイハイ今のは無し!魅鳥です闇咲です!」
碧が何か言おうとしたのだろうか?焦りながら碧の口を抑え撤回する魅鳥
確かに魅鳥は不思議なことばかりだよな
こいつはみんなとは違ってなんでも直ぐにこなすんだ。
ギターだって初心者とは思えないくらいの上達ぶりだった。確かに不思議なことばかりかもな
控え目ではあるが全力で歌う魅鳥は頼もしくて俺が居なくなっても大丈夫だって言っているようだ
思わず泣きたくなってしまった
「次は俺達のカッコイイ部長!ドラム担当カズキー!」
春兎の声で俺がフリーズする。アドリブすぎる
「部長!」「作曲者だろ?」「お願いします!」
4人が口々にそう言う
春兎から投げられたマイクを握りしめ、俺は歌った
スポットライトが眩しくて目がチカチカする。歓声が大きすぎて耳がキンキンする。
歌い終わると不思議なことに涙が流れてきた
だってこんな事されると誰でも泣くだろう
でも何でだろう。この感覚を知っている
あれ?この舞台を何百回も何万回もやっている気がする。そんな事を思うと突然暗闇の中へ落ちて行く感覚が襲ってきた
「杜乃!起きろ〜!」
「はっ!ね、寝てません!」
叩き起された。なんだか素敵な夢を見ていた気がするポカポカしたある春の日の事、その日入部希望を出した3人とは何処かで会ったような気がした
誰か、早く俺達をこの次元から助けてくれ
終わり
☆人妖幽魔事件探偵社☆
どの種族でも相談出来る探偵社。事件があればいつでもやってきますんで是非頼ってね
最近は暇で色んなところにいます
☆社長 【珠美 玖祐】
「ハッピードロップ☆今日も平和に暮らせますように☆★スウィートベイビーちゃん達、ハートの火傷にご注意してね……♪」
性別・男 種族・魔界人
能力・性別を転換させる程度の能力
二つ名・自由気ままなスウィーティー社長
説明・社長だよ。ちゃんと一番偉いよ。しかし残念なイケメン。彼目当ての女が依頼してくることが多くて困っているがサボりすぎであんまいない
☆副社長 【麗堂山 骸(れいどうざん がい)】
「私の名前は……麗堂山骸、副社長で…えっと、そんなに顔は見ないでくれ。照れて、顔が熱く……っ……」
性別・男 種族・魔界人
能力・決まりを変更する程度の能力
二つ名・冷徹な黒のルールブック
説明・無口。落ちついた性格に見えるが実は照れ屋で褒められたり見つめられたりすると照れて気絶する。動物が好き。一緒にいる青い鳥は相棒(名前はひより)
☆聞き込み担当 【バニラ・ミントグリーン】
「何か困ったことがあったら私に強く念じて!口になんて出さなくていいの、テレパシーは自由自在なんだから!」
性別・女 種族・妖精
能力・テレパシーを自由自在に操る程度の能力
二つ名・テレパスフェアリー
説明・お悩みお聞きしますお姉さん。妖精に見えないけど一応結構大きめの妖精。みんなに頼って欲しい。隼斗はマイダーリンらしい
☆犯人探し担当 【抹柳 想羅(まつやなぎ そら)】
「えへへ〜♪触りたかった?残念、オバケでした〜ボクも来世は君達みたいにほのぼの暮らしたいな〜。まぁ死んだんだけどね〜♪」
性別・男 種族・幽霊
能力・触れることの出来ない程度の能力
二つ名・あの世へ行けぬ永遠の花
説明・ゆるふわほのぼのおっとりお化け。身体が透けてるから一部の人しか触れない。小説を読むのが好き。いちいちやる言動があざとい。脚がないんでもはや無性別
☆書類作成、整理担当 【埜澤 隼斗(のざわ はやと)】
「ら、ラブレター?恋文…ってヤツですか!?いやいやお姉さん僕こんなの貰えない……って、てか僕は一応女ですよ!」
性別・一応女らしい 種族・人間
能力・見たもの全て暗記する程度の能力
二つ名・無限の頭脳を持つ紳士
説明・女にモテる。どう見ても男の子だが自称女(勝手に自称にされてる)。名前も見た目も声も全部男だけど女。唯一の人間で凄い苦労人。まもなく過労死
☆犯人確保担当 【皇 雅樹(すめらぎ まさき)】
「優しくなんてすんなよ?これはお前の俺の真剣勝負だ。いくら目の前の真っ赤な奴が雑魚に見えても気ィ抜くなよ?首飛ぶぞ」
性別・男 種族・妖怪(?)
能力・自らの血を毒に変える程度の能力
二つ名・真紅に咲く血染めの刃
説明・凄い好戦的。毒を塗った刀をいつも持ってたり戦闘部隊のため能力使用が多く、いつも貧血気味。好きなものはトマトジュース。最近自らの体の限界を感じてきている
☆元社員(自称) 【憂御影 スピカ】
「は?なんで僕が手伝わなきゃいけないんですか?そんな義務ないです。帰ります。」
性別・男 種族・隠し神
能力・神隠しに合わせる程度の能力
二つ名・逃げては隠れたひねくれ神様
説明・元々社員だったが逃げた。今はまた戻されそうになってたり。凄い反抗的でムカつく。スーパー問題児。言えばやってくれる
☆元社員(一時的に) 【希翔 輝美】
「やっほやっほ〜!あんま帰って来れなくてごめんね!あ、これ外のお土産だけど良かったらいる?」
性別・女 種族・不明
能力・どんな世界にでも移動できる程度の能力
二つ名・天真爛漫空の娘
説明・元社員だったが今はいろんな世界に出張中。たまに帰ってきたら皆と遊んだり。スピカとは逆に凄く人懐こい。あまり仕事はしてない
暇潰し。短いよ
「〜♪〜♪」
室内にレコードの音楽が鳴り響いている。気でも落ち着かせようとしているのか、目を瞑ってまるで眠るようにしながら幽霊の想羅はその音楽に耳を傾けている
高い音や低い音が混じり合い、一つの素敵な音楽が奏でられて………
突然音楽が途切れ、心地いい音が無くなってしまった
「五月蝿い。俺が居ないとこで聞け」
横で本を読んでいた雅樹の声がその代わりに入ってくる
溜息をつきながら困り顔でそう言う雅樹に想羅は答えた
「でもレコード此処にしか無いよ〜?雅樹くんの絵本は何処でも読めるよね〜?」
ニコニコしながらそう言うと、ムッとして雅樹は想羅から目を反らす。吐き出すように「絵本じゃねーし」とか呟いて
そういえば他の人は何処に行ったのか。少々疑問に思ったのか、想羅が雅樹に問いかけてみた
「社長は遊び、副社長はそれ探しに行ってバニラさんはお出掛け。隼斗さんは暇だから消えやがった。」
何となく察してたけどできれば置いてかないで欲しい
まぁ誰も来ないことに変わりはない。最近はあまり探偵を頼る人もいないのだろうか?
確かに色々な種族が力を持ってきている。内面的な悩みも無さそうなやつばかりだ
何か面白い事件でも起きればいいのに………と平和が一番だとは思っているが考えてしまう。
しかし、こんな暇な時間もあっという間だ。今は気付いていなかったが後に分かることになる
あの真実を知るまでは。
何処かへと、今の想羅が大好きな鈴の音が消えてしまう。そんな予感がたまにする。
いつ消えてしまうかわからない。いつ聞こえなくなるかもわからない。
彼の音が遠くなっていくのが、少し怖く感じた。
おしまい
〜幻想郷へようこそ〜
もうすっかり外は真っ暗。
色付く葉を揺らす秋めいた風がいつも以上に冷たく感じる。
疲れた体を癒すように私は深い深呼吸をした
時計を見ると午後7時。帰る時間がすっかり遅くなってしまい、先程コンビニで購入したパンを頬張る
それを食べながら道を進み駅へと向かう。
いつも通りの何も変わらない帰り道
「明日は晴れかな……」
そう呟き、真っ暗な空を眺める。
都会の為星もあまり見えず、見えるものは高いビルと小さな小さな月の光だけ
「雪〜!」
後ろから二人の女の子が駆けてきた。先に帰っててと言われたから置いてきたものの、追いかけてきてくれたのだろうか?
友人と笑顔で一緒に駅へ向かう
電車のホームで次の電車を待っていると、1人の小さな女の子がお母さんと手を繋いで歩いて来た。
すると、何故だか分からないが女の子が突然のお母さんから手を離し、ちょうど私の目の前で線路へ転落して行ったのだ
「危ない!」
咄嗟に私は女の子を助けようと線路へ降りてしまった。ほとんど無意識で女の子を助けようとするも、その子はすっかり気を失っている。
『電車が参ります』
私が女の子を線路の上へ運び自分もそこから出ようとした途端、そのアナウンスが流れた。
怖いのだろうか?友人の一人が涙を流しながら叫んでいる。もう1人も死に物狂いで停車ボタンを押そうとする
間に合わない……もう電車はすぐそこまで来ている。停車ボタンを押すのはもう遅くて、私の耳に入ってきたのは沢山の人の叫び声、泣き声、そして電車のブレーキのかかる音だった。
もうダメだと思いぎゅっと目を閉じると、突然体が浮遊した。
まるで空を飛んでいるようだ……強く閉じた目を開くと、大きな月が目に入った
こんなの私が居た場所では見えない
そして月と一緒に、綺麗な男の人の顔が見えた。
真っ白なサラサラした髪の毛で月に照らされ眩しい。
耳についている紫色のピアスがキラリと光り、まるで夢を見ているようだ。
私を助けてくれたのだろうか。その男は私を抱き抱え、空を飛んでいる
そう感じただけだったのだろうか。
「1.2.3………」
ハッとすると見たことの無い場所に座っていた。
風景はまるで昔みたいで、目の前には大正?明治?それくらいの建物ばかり並んでいる
私の住んでいる場所ではないことは確かだ。
「ここ……どこ……?」
素直な問いかけをしてみると、その男はニコニコと笑いながらこう答えた。
「此処は幻想郷。妖怪や神も暮らす素敵な場所さ……♪」
そう言われても全くわからない。
携帯で時間を確かめようとするも、携帯は繋がらずに画面は真っ暗なままだ。
すると男はひとつの懐中時計を私に握らせた
「その懐中時計を持っていなさい。それがあれば、君が変な目に合うことは無いと思うよ」
月の光に照らされて、美しい顔がハッキリ見える。
その優しい声が離れていくと彼は一礼し、こう言ってどこかへ行ってしまった
「それでは素敵な夜をどうぞ。今宵は月が綺麗ですね、お嬢さん♪」
続く(かな?)
⋆。˚✩追憶 〜ひなた編〜
「ねぇ、次の公演私に主役をやらせてくれない?」
10月上旬。私は勇気をだして団長に提案をしてみた。
ダメ元ではあったが今回の公演はどうしてもやらせて欲しい。
何故かと言うとハロウィンイベントだからだ。ストーリーは主人公の悪戯っ子な悪魔が人間に恋をする話。大切なものを守る悪魔はどうなるのか……つまり私にもってこいの役だった。
「ま、まぁ良いのだけども……」
私がこんなことを言うのだからよからぬ事でも起こるのだと思っているのだろうか…
団長は本当にできるのかとでも言うように首を傾げそう言った
実はその役がやりたいのでは無く、本当の理由がある。私の大切な宝物。その宝物が誕生した日がハロウィンの夜なのだ
そして、これは悲劇の双子が奏でた夜の鎮魂歌
☆+。+☆
ハロウィンの夜、私達は静かな街で産まれた。妖しく光る月の光に照らされその誕生を祝福された双子の私達
でも私達の姿は瓜二つ。どっちがどっちか分からないほどそっくりだった
あまりにも似ている私達は、5歳程の年齢になると近所からは気持ち悪いと言われるように。悪魔だとかなんとか…
でも私に言うのは構わない。でも弟にそんな暴言を吐かれることは許せなかった
ある日私の家に一人の男の人がやってきた。
あまりにも近所の当たりが強い為、お母さんは私達を深い深い森の奥へ連れていき「着いてきちゃダメよ」と泣きながら言いその場を去った。
弟は何も分かっていないのか、元気な声で返事をする
私は全て知っていた。そしてもう二度と家には戻れないって
そっくりな顔で同じ服を着た私達は、秋の星月夜の下母の帰りを待った。もう二度と母が戻ってくることは無かった
あまりにも戻って来ない母に何か気が付いたのか、弟が静かに泣き出した。
私はその弟の背中をゆっくり優しくさすって寂しさを誤魔化した。笑顔で「大丈夫」と呟きながら
二人で手を繋いで道を行く。出たところは人里の離れ。家へ帰れる……!そう思い我家の戸を開いた
中はすっからかんで何も無い。親の姿もそこにはなかった。そして所々焼け焦げている
街にも見慣れない人ばかり
どうやら私達が森にいるうちに何百年もの時が経っていたようだ。お金が無ければ食べ物もない。弟は日に日に元気が無くなっていった
春が来て暑い夏が終わり秋は過ぎ季節は冬へ。久しぶりに外へ出ることにした。森の中で何人かの妖怪とすれ違った。何故この道を進んでいるのだろう
すると道の真ん中にあの金髪の妖怪が立っていた。無視して通り過ぎようとするが、体は反応せず動けなかった。
弟は何にも気が付いていない。いや、私が気付かせていないのだ。だって────
私達はあの時既に死んでいた。母親が来ないのも、全てそこから嘘だった。
母が私達を連れていく話をしていた時、家は熱く燃えた。火は次々と人に移り家は焼け朽ちていく
私も弟も母も父も……
私は弟が死んだ事を本気にしたくなかった。だからその金髪の妖怪を無視して去ろうとしたんだ。
しかし、身体はみるみる光の粒子のようになって行く。私だけじゃなくて弟も……
必死に私は訴えた。「お願いします。私は死んでもいいからひなただけは!お願いします……」と何度も叫んだ
願いが叶ったのか、霊体になった私の前には最愛の弟が横たわっている。
よかった……そう言い私は消えると思ったのだ。
しかしさらに奇跡は起きた
私の魂がひなたの身体に入ったのだ。そう、私の人格のみが弟の中で生き続ける。つまり私は一生彼を守れると。
あの妖怪は、最期に素敵なプレゼントを残してくれた。
☆+。+☆
『HappyBirthday!!大好きなひなたへ
これからもずっと見守ってるよ』
そんな手紙をハロウィンの朝、置いておいた。
気が付けばは公演は千秋楽。彼が主役の晴れ舞台だ
「Trick or Treat!ねぇねぇ、君はどっちにする?表の僕と裏の私……ハロウィンナイトメアは永遠だよ!」
舞台の弟はキラキラ輝いていた。いつも以上に
その素敵な笑顔で舞台に立って、立派に台詞を堂々と言う。そんな姿を見れて幸せだ
ずっとずっと守るから。君はその笑顔で幸せでいて
おしまい
https://i.imgur.com/sSidQ5B.jpg
幻想郷へようこそ 〜その2〜
「あ、あれ?ちょっと、待ってよ!」
見たことも無い知らない場所。しかもどこに何があるかも分からないのに取り残されてたまるか!
もう彼の姿は見えないものの私は叫んだ。
そして掌の中にある懐中時計に目を通してみると、何だか違和感を感じる。
違和感というか……何かこの懐中時計に見覚えがある気がしたのだ。
「あ、あの〜……お姉さんどうしたの〜?」
突然声をかけられ体がビクッとした。そーっとその高い声が聞こえた方を見ると、色が白い着物を着た女の子……?がいた
なんか私の世界で見ないくらい凄い可愛い子……やっぱり此処はそういう場所?なのかな?
「えっと……ここが何処かわかんなくて……」
苦笑いしながらそう言い少し視線を下げると、目の前にいる子の脚が無く浮遊していることに気がついた
驚きのあまり声が出ない……
「おい想羅。道草食ってんじゃ……誰だお前。」
私がその事話していたら連れだろうか?中学生?くらいの可愛い男の子が不思議そうに私を見てきた
この世界で人間は珍しいの?それより早く帰りたい……
とりあえず二人に連れて行ってもらい、詳しそうな人に話をさせてくれるとのこと
どうにかして帰れるといいんだけど……。
「おかえり。あれ、見たことの無いお嬢さんだね」
やっぱり大正風の建物。その中に入るとめっちゃカッコイイタキシード?みたいなのを着たイケメンのお兄さんがいた。凄いイケメン。ほんとにもうイケメン。
ちっちゃい子二人が事情を話すと了解してくれたみたいだ。
「お嬢さん、生憎僕にはよく分から……」
そう言いかけるとどこからか声が聞こえた
「なるほどね☆そこのスィートキャンディちゃん、少し俺に"そいつ"の事を話してくれないかな?」
上の階から飛び降りてきたのか、一回転して着地。運動神経凄いな…もうなんか凄い綺麗な顔ばっかり並んでいて申し訳がない
玖祐と名乗ったその男の人に連れられて奥の部屋に入る。やっぱり大正チックな部屋だ。変な場所だな
この人に聞きたいことは山々なのだけども、向こうも私に何か聞きたいみたいだし……
「座っていいよ。長くなるかもしれないからね」
そのお言葉に甘えて私は椅子に腰を掛ける。暫くするとイケメンがお茶を持ってきてくれた。
彼は突然口を開いたと思えばこんな事を問いてきた
「まず、君はその懐中時計を元々持っていたかい?」
「いえ……知らない男の人がくれて……」
そう言うと玖祐さんの顔が暗くなった。何かいけないことを言ってしまったのだろうか
「それじゃあ次だ。その男は……君に何か言ったか?」と、さっきよりも明らかに低い声のトーンでそう問われた。
「えーっと……月が綺麗とかどうとか……」
あの言葉を思い出しながらそう答えるともっと真剣な顔で告げられた。
「そうか……。もしまた会った時、彼が何か言ってきても絶対に言うことは聞いちゃいけないよ」
なんだか知らないけれど、その言葉を言う玖祐さんは凄く怖く感じた。
私は無言で頷きそれを了解したものの、これからどうすればいいかも分からない
取り敢えずこの話はまた今度ということにして、私はその部屋を出た。
そしてまた懐中時計に目を通す。カチカチと秒針が動いて時を刻んでいる。何故だかこの時計は不思議な力?を持っていそうだ
続く
前に書いてたやつ
ゆらゆらゆら……月が浮かぶ空を映した水面が揺れる。人里で次の公演に使う道具を買ってこいとお使いを頼まれた蓮摩は、急ぎ足で夜の里を駆け抜けていく。
里を抜け森に入り館へと向かう。ザザザザ………
大きな風だろうか?木々がザワザワと揺れる。
何か嫌な予感がする……そう思っていると木の上から声が聞こえてきた。
「なぁ君、そこの和服の」
上を見ると長い髪をひとつに結った背の高い青年が木の上から此方を見ていた。月の光に照らされ髪は金色に輝いている。
蓮摩に気を使ってくてたのか、飛び降りて蓮摩の前に降り立つ。
何故だか分からないが声が出ない。とりあえずじっと彼の顔を見た。
「怖がんな…ってまぁお化けと会ったら誰でも怖がるか?」
明るく笑いながら話しかけてくれる青年
何処か見た事のある面影があった。
誰かと似ている……?蓮摩は青年の顔をじーっと見つめる。「颯汰……殿?」
そう呟くと、青年は如何にも図星だとでも言うように表情を緩ませた
「ま、まぁ別人だが……リーチではあるかもな!あと、颯汰…元気にしてるか?」別人なのは分かるが彼はそれ以上どんな関係なのか話してはくれなかった。
爽やかな笑顔で師匠のことを問い掛ける青年。蓮摩は元気に頷いた。
青年はその様子を見て安心したのか、靡く髪を抑え笑った。
でも蓮摩は颯汰から兄弟とかがいる話なんて聞いたことがない。そうすると一体何者なのだろうか
目の前に居る青年は、笑顔で此方を見て「"あいつら"も大きくなったんだな……」と呟いた。
そう言うと、また大きな風が吹いて来る。
「じゃあな少年!また会おう!」
風の音と共に青年の声が聞こえてくるが、気がついた頃にはもう彼の姿は無かった。
まるで風と共に過ぎたように。
後日
カランカラン……
「あああ!すまぬ!今すぐお拾い致す故……」
またお使いに出ていた蓮摩は道中で同じ位の背丈の少年にぶつかって彼の持っていた包の中身をぶちまけてしまった。
「いい。自分で拾える。」
小さい声で耳打ちして少年はしゃがみ込みそれ等を拾う。何だか悪いことをしてしまった。
少年は無表情で顔を上げ、蓮摩を無視して去ろうとした。
その少年が過ぎるのを見ながら、蓮摩はこれから何か嫌なことが起きるのではないか……
もしかして師匠は何かずっと隠し事をしているのかもしれない。それも、我等美麗魔歌に…
幻想郷へようこそ 〜番外編〜
夜は儚く過ぎて行き、風は凪いで天仰ぐ。綺麗な秋月の下、銀の魔導師は一つ小さな溜息をついた。
「来ると思っていたよ。君達は私の話を聞くと直ぐに駆けつけますからね♪」
「貴様、また……何かしただろう……?」
時計台の上で笑っている男を睨み付けるように、骸はそう問いかけた。
「主を助けただけですよ♪」と答えた男の笑顔は嘘を言っているようにも、真実を話しているようにも見える
彼はいつも何をしでかすか分からない。実際彼のせいで色々あったやつも少なくはない。
だから調査をしているのだ。『新たな犠牲者』を出さない為にも。そしてその被害が外の世界にまで広がらないように
今回の少女の件は実に不思議だった。いつも人を殺めることしか脳に無い彼が人……しかもごく普通の人間を助けるなんて。普通じゃ考えられないことであった。
バニラからその知らせを聞いた時はさすがに疑った。だが彼の話を骸達三人以外にはあまりしたくない。人間である隼斗は知れば奴に殺されるかもしれない。
ある事情により雅樹だけには絶対に話してはいけない事なのだ。あ、ちなみに想羅は絶対本人に言うので教えてやらないだけ。
「お前のやった罪は幾つだ……また犠牲者を増やすのか?」
一瞬彼は黙り込んだが、直ぐに口を開いた。
「まず、最初に貴族の娘の過去を奪った。
その次にある付喪神を封印し、お前らの所にいる少年を閉じ込めた。」
そう言いそいつは態と此方に微笑んだ
「他には何百人もの人格を破壊した。それも元"仲間"の……。今は現代に疲れた少年を使い現世を死に追いやろうと……」
「もう言うな。」
犯した多い罪を彼は笑顔で淡々と話していたが、骸は睨み付けながら話を止めた。
そして最後に1番知りたかったことを問いかけた。
「一人。魔法使いをやけに嫌う奴がいる。そいつがそれを嫌う理由もお前が何かしたからか……?」
木々が揺れる森の中、僅かな時間沈黙が走る。
「はーいストップストップ。騒ぎすぎじゃありませんか御二方。」
すると突然木の下から若い青年が出てきた。困ったような顔をして話をぶった切る。
「お前もこいつの仲間か……」
骸は青年を睨み付けながらそう呟いた。すると笑顔だった青年の顔から一瞬にして笑顔が消えた。
「誤解されちゃ困るな………その真逆。俺はいつかそいつをぶっ潰す。」
青年がそう吐き捨てると同時に森全体がざわめく様な強風が吹いてきた。
「骸さん!俺の弟のこと、頼んだぜ!」
そう笑顔で言い青年は風の中へ消えていった。
続く(?)
かなり前から何度も思っていたのですごい今更感ですが、先程此処を見直して決めました。
このスレのものはどんどん話の内容が脱線していく挙句、もはや元作品と全く関係の無い意味の無いオリキャラの量産や公式とは全く異なった薄っぺらい話ばかりで、正直これは二次創作とは全く思えません。
申し訳ないですが此方のスレは閉鎖させて頂きます。
二次創作と言いつつも関係の無い事ばかりしてしまいすみませんでした。
中途半端なところでぶった切ったような形になってしまいましたがお許し下さい。